人間工学
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36 巻, 3 号
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  • Pongthorn JITTACHALOTHORN
    2000 年 36 巻 3 号 p. 105-117
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究では記憶過程における情報の記憶の促進方法と個人特性を調べる方法を提案するために, 部品箱に配置された単純な部品を所定の位置に取り置く作業を対象にした実験を行った. 詳細記憶境界線を用いて情報分割方法が要素作業の詳細記憶境界線パターンや記憶過程の特性に及ぼす影響を分析することによって, 作業手順情報の記憶過程を促進させるため, 有効なS型記憶パターンにおける情報分割方法の伝授が有効であることと, 情報分割方法の伝授により被験者が分割方法を習得していく過程でのS型記憶パターンの変化過程をより詳細に把握できた. さらに詳細記憶境界線の評価と度数分布を比較することによって, 個人特性を分析・評価することが可能になり,“要素作業を前半・後半に分割したうえで, 特定された記憶容易な情報と記憶困難な情報の両端をもとにして中間先行型・周囲先行型記憶過程で記憶する”という作業ガイドラインを提案することができた.
  • 山口 俊憲, 伊藤 謙治
    2000 年 36 巻 3 号 p. 119-130
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    船舶事故の多くは人間のエラーであるといわれており, 人間の側面からの分析が重要となる. この際, コンピュータ・シミュレーションによるアプローチがコスト的にも時間的にも有効であると考えられている. 本研究では, 操船シミュレータ実験におけるナビゲータの行動をバーバル・プロトコルと眼球推移データからタスク分析した結果を基に, 計画コース追従タスクにおけるナビゲータの行動をモデル化する. そして, その構築したモデルと航行環境, 船舶メカニズムと同期のとれたシミュレーションを構築する. シミュレーションから得られた結果と操船シミュレータ実験における人間のパフォーマンスと船舶の挙動との比較を行った. その結果, 構築したモデル船舶を安全に航行させている. 舵角度の作成パターンは人間のナビゲータとよく似ていた. これらより, 構築したモデルは人間の行動を比較的よく表していた. シミュレーション・アプローチにより人間, 機械, 環境による航行の安全に与える影響を解析・評価するために適切なナビゲータのモデルを構築した.
  • 中川 千鶴, 大須賀 美恵子, 竹田 仰
    2000 年 36 巻 3 号 p. 131-138
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    近年, 仮想環境 (Virtual Environment: VE) の技術は著しく進歩しており, 多くの分野で普及しつつあるが, 一方で, VEシステムの利用時・利用後に生じる「酔い」の問題が顕在化し, その低減や防止策が強く望まれている. そこで, 我々は, VEシステム利用時の嘔吐に至らない程度の軽度の「酔い」を簡便かつ客観的に評価する手法を検討した. 13名の健常成人を被験者に用い, 黒い3次元空間に白いドットがランダムに分布している仮想空間内を移動する映像を刺激として用い, 暗室内の70inchの画面に提示して最大15分暴露した. この間の心電図, 呼吸などの生理反応を収集し, これらから得られる指標値と「酔い」の程度の主観評価との関係性を調べた. その結果, 軽度の酔いが発症した場合に, 呼吸周波数と心拍変動の0.1Hz近辺の成分が低下するという特徴的な現象がみられた. これらは, 他のストレス事態における生理反応パターンと異なるものであり, VEによる軽度の「酔い」の評価指標として用いられる可能性が示された.
  • 山下 利之, 酒井 秀昭
    2000 年 36 巻 3 号 p. 139-145
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    高度情報化社会の発展に伴い, コンピュータとのコミュニケーションにより, 長時間の仕事, 作業を進める機会がますます増えつつある. 人間同士のコミュニケーションの場合, 自然言語による verbal 情報に, 表情や身振りによる nonverbal 情報が加わり, 円滑なコミュニケーションが行われている. そこで, 人間とコンピュータとの円滑なコミュニケーションを促進するインタフェースとして, 本研究では顔に注目した. そして, 幾つかの状況における感情を表していると思われる表情をファジィ推論によって選択するモデルを提唱した. 顔刺激としては, 眉毛の形, 口の形をそれぞれ3通りに変化させるものを用いた. それらの顔の構成要素を変えることによって生じる感情表現を, ファジィ推論モデルによってある程度予測できることが示された. また, 得られたモデルをコンピュータゲームのインタフェースとして応用することを試み, その有効性を明らかにした.
  • 発音パターンの分析
    倉片 憲治, 松下 一馬, 久場 康良, 口ノ町 康夫
    2000 年 36 巻 3 号 p. 147-153
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    家電製品の報知音について調査を行い, それらに多く用いられている発音パターンを分析した. その結果, 以下の点が明らかとなった: (1) 電源や動作の入/切を示す操作音に同じ音を用いた製品がある. 使用者に混乱を引き起こさないように, 入/切のそれぞれに異なった音を用いるのが望ましい. (2) 入/切の操作音に異なる音を用いた製品もあるが, その使い方が製品間で一致していない. 異なるメーカの製品でも発音パターンを統一することが望ましい. (3) 多くの製品で, 警告音と終了音に異なる長さの音が用いられている. しかし, 両者の発音速度が似ている製品もあるため, 使用者が混乱しかねない. 警告音には, 発音のより速い音を用いるのが望ましいであろう.
  • 長谷川 徹也, 堀江 良典
    2000 年 36 巻 3 号 p. 155-158
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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