人間工学
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40 巻, 1 号
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  • 佐藤 稔久, 川嶋 弘尚, 大門 樹, 池田 敦, 木下 昌裕
    2004 年 40 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    狭路走行支援システム使用時における高齢ドライバーと若年ドライバーの運転特性を運転行動, 注視行動, 主観的評価の観点から比較した. ドライビングシミュレータを用いた実験では, 細街路に駐車車両と電柱を配置して狭路を構築した. 運転支援システムとして, 狭路を安全に通過するための推奨経路, 各障害物と自車の位置関係を車載ディスプレイに表示したシステムと, 車載ディスプレイ情報に加えて推奨経路通りに走行するための推奨ステアリング操作量をヘッドアップディスプレイに提示したシステムを使用した. 加齢による視覚機能および情報処理リソースの変化から, 車載ディスプレイ情報のみでは高齢ドライバーに対して狭路走行中に運転支援システムとして有効でないことが示唆された. 車載ディスプレイ情報と推奨ステアリング操作量を提示した場合は, 注視行動およびドライバー認知過程の改善が見られ, 高齢ドライバーも狭路走行中に利用できることが示唆された.
  • 森若 誠, 村田 厚生
    2004 年 40 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本論文では, 最近自動車に搭載されることが多くなってきているステアリング・スイッチの有効性を表示-操作系に基づいて検討した. 本実験では主作業としてトラッキング作業を, 副次作業としてコントロールスイッチを用いてエアコンの調整, オーディオ機器の設定, ラジオの設定を行うスイッチ押し作業を実施した. 本実験の要因として表示部の設置位置 (運転者の正面および左前方の2か所) およびコントロールスイッチの設置位置 (ステアリング・ホイール部および運転者の左前方) の二つを設けた. 評価項目としてはスイッチ押し作業の合計完了時間, 課題が完了するまでに押したトータルのスイッチ押し回数, 課題の正答率, トラッキング作業の成績, 頭部位置計測装置を用いて計測した頭部の移動量, 被験者による主観評価の6点である. この6点の評価項目を総合してステアリング・スイッチの有効性を評価した. 実験の結果, 運転者の左前方スイッチとステアリング・スイッチを比較すると, ステアリング・スイッチは頭部の移動量が少なくなり, 課題の完了時間も左前方スイッチより短くなることが示された. 表示位置としては運転者の正面に表示するほうが左側に表示するものよりもよい結果が得られた. また, コントロールスイッチと表示部分がグループ化されている場合 (ステアリング・スイッチと正面表示, 左前方スイッチと左前方表示) はグループ化されていない場合よりも全体的によい結果が得られたということが確認された. 以上より, ステアリング・スイッチで表示位置を運転者の正面にした場合が最も有効であることが明らかになった.
  • 青木 洋貴, 伊藤 謙治
    2004 年 40 巻 1 号 p. 21-38
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究では, 商品あるいはサービスを広告対象としたテレビコマーシャルを視聴する際の眼球運動に基づき, 視聴意図を推測する方法論を提案する. 視聴意図とは, テレビコマーシャルの視聴者が, 明示的ではないものの, 無意識的に持っていると推測できる意図を指している. 本分析方法は, 視聴意図に合致した仮想的な注視点移動軌跡を想定し, その軌跡と視聴者の注視点移動軌跡との一致度を測定することで, 視聴者の行動を明らかにするというアイディアに基づいている. 分析では, 視聴の状態を表現する注視移動軌跡一致率と有効注視率という2種類の指標に基づき, 視聴意図を推測していく. 実際のコマーシャルに対する視聴実験を実施し, 得られたデータに対し分析方法を適用した結果, 被験者の視聴意図が適切に推測できることが示された. さらに, 2種の保険会社のコマーシャルに対する評価を目的とした視聴実験を実施した. この結果, これらのコマーシャル視聴中の視聴意図の違いを観察することができた. また, これらのコマーシャルに対しては, 広告商品には直接関係がないような, シーンの中でおこるできごとを理解する意図を被験者が持つ傾向を観察することができた. さらに, 視聴行動と被験者の記憶間で対応をとることで, コマーシャルの表現方法に対する評価を行った. 一連の分析により得られた示唆等から, 本分析方法の有用性を示した.
  • 岩本 和世, 小森谷 清
    2004 年 40 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    視線追従型映像提示システムは, 広視野で低解像度映像上の注視点周りの小領域に高解像度の映像を視線追従して提示することにより, 等価的に広視野で高解像度の映像を提示できる. 本論文では, この映像提示システムにおいて, 視線移動後に許容される高解像度映像提示の時間遅れを実験的に検討した. 実験では, 空間平均処理により作成した分解能の異なる縞模様を用いて, 広視野低解像度の画像上に小領域高解像度の画像を視線に追従させて被験者に提示し, 視線移動終了から高解像度画像提示までの時間遅れをパラメータとして, 提示画像が高解像度に見えるかどうかを判定させた. この結果から, 視線追従する高解像度映像およびその周囲の低解像度映像の解像度と許容される提示時間遅れとの関係を明らかにした. また, この関係をもとに, NTSC方式のディスプレイを用いて, 視線追従型映像提示システムを構成する際の視線に追従する高解像度映像の提示方法を示した.
  • 福田 康明, 冨田 明美, 澤木 基彦, 近藤 薫愛, 加藤 象二郎
    2004 年 40 巻 1 号 p. 48-55
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    縫製作業における縫製形態ごとの習熟特性を検討するため, 縫製形態3種の実験作業を行った. 実験結果の解析には, 習熟の遂行度を容易に評価することのできる達成度手法を適用した. 結果を要約すれば次のようになる. (1) 縫製形態ごとの習熟特性を検討するため, 達成度手法により解析し, その有効性について検証した. (2) 縫製形態間での習熟の遂行度を達成度Qにより評価すると, 作業I (直線縫い), 作業II (曲線縫い), 作業III (輪縫い) の順に達成度Qの値が減少する傾向がみられ, 作業難易度に差があることがわかった. (3) 傾向式の諸特性値の関係について相関係数rを求めた結果, すべての縫製形態間において有意水準1%または5%で有意が認められた. このことより, より少ないパラメータで作業時間のばらつき状態を予測することができる. (4) 縫製形態間と習熟の遂行度の関係について, 傾向指数bから変動率δと達成度Qを評価できる指標を提示した.
  • 梶川 伸哉, 斉藤 直樹, 岡野 秀晴
    2004 年 40 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 2004/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
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