注視インタフェースの効率的な使用を阻害する Midas Touch Problem および Premature movement Problem といった2種類の問題が知られている. これらの問題は, 眼球運動を入力として用いることにより発生するものであり, エラーの誘因となる. 本論文では, 文章入力のための注視インタフェースの習熟過程と, この過程において観察される上記の2種類の問題の発生頻度について論じる. 8名の被験者を用いた習熟実験を実施し, 文章の入力速度, エラーの頻度, およびこれらに対する主観評価を観測した. この結果, これらのすべてにおいて, きわめて早い段階で習熟に達し, そのレベルも実用上問題のないレベルと判断できることがわかった. さらにこの結果に基づき, 十分習熟した段階で注視インタフェースが実現できる入力のパフォーマンス, ならびに実験の結果に対して解釈を与えることによって得られるインタフェースの導入に際して考慮すべき事項についても論じる.
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