本研究では, 作業構造分類をもとに作業因子の異なる単一作業 (カード分類検査作業, 記憶操作検査作業, 両手協応動作検査作業) と組み合わせ作業 (3種類の作業を組み合わせた作業) の4種類の実験を行い, 作業習熟と生体負担の関係について検討した. 結果を要約すると以下のようになる.
(1) 習熟を達成度
Qにより評価すると, カード分類検査作業が67.5%, 記憶操作検査作業が63.7%, 両手協応動作検査作業が79.5%となる. また組み合わせ検査作業は70.0%となり, 単一作業と組み合わせ作業で比較すると, 組み合わせ作業は単一作業の平均値に近似した.
(2) 生体負担を総合負担
Wにより評価すると, カード分類検査作業が0.9, 記憶操作検査作業が1.0, 両手協応動作検査作業が1.4となる. また組み合わせ検査作業は0.9となり, 単一作業と組み合わせ作業で比較すると, 組み合わせ作業のほうが単一作業より生体負担が低い値を示した.
(3) 達成度
Qと総合負担
Wとの関係より, 単一作業と組み合わせ作業における回帰方程式を求め, 総合負担指標を提示した.
(4) 総合負担指標は, セル生産を行っている各企業の生産活動において, 有益な基礎資料となると考える.
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