人間工学
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42 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 鈴木 立人, 内山 寛信, 倉田 純一, 村上 佳広
    2006 年 42 巻 6 号 p. 357-363
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    車いすの介助負担は極めて大きく, 被介助者が行動する範囲や機会を抑制する要因となるため, 介助者の負担を軽減する支援機構の構築が急務である. しかし, 設計に際して重要な基礎的因子となる介助者の自律的な押付け歩行動作特性については, 未検証の点が多い. 本報告では, 介助動作の力学的運動モデルとその信号処理系を分析し, 介助者の定常的な運動挙動を系統的に解析する試験装置を提案する. そして, 健常な男子1名を代表被験者として, 歩行時の押付け操作力, 姿勢と歩みの挙動などを検証した. その結果, 定常的な介助操作時には, 介助者は押付け操作力を歩行速度にほぼ比例して減少させ, 最大の発揮力の10-30%以内で自律的に調節する. その際の機械的な最大発揮動力は30-40Wと極めて小さく, 大きな操作力は両脚の着地時間が歩行周期の1/3以上となる動作時以外では期待できないことが判明した.
  • 小谷 賢太郎, 井上 勝義, 堀井 健
    2006 年 42 巻 6 号 p. 364-372
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本報告ではペン入力装置利用時の上肢負担を軽減することを目的とし, ペン操作時のリフト動作 (入力時にペンを持ち上げる動作) なしにキークリックを行うことができるソフトキーボード (Lift-Free Soft Keyboard, LFSK) を構築した. LFSKの基本メカニズムは, 文字キー上での移動速度があらかじめ定められた閾値を下回ったときにクリックしたとシステムは判断するというものである. この入力方式が有する効果を実験により一般的な反復タップ動作を要するソフトキーボードと比較検証した. 実験では8名の被験者に英文入力作業を課し, この入力作業時の上肢筋電位, 入力速度, 入力エラー, および主観報告を記録した. 実験の結果, 入力効率は低下したものの, すべての被験者において有意な上肢負担の軽減 (p<0.01) が認められた. また, 主観報告からも手首および前腕の疲労にLFSKが効果的であると評価された. 実験中に得られた誤操作の分類結果から, 入力ミスの原因を推定し, さらなるユーザビリティの向上のための設計案を検討した. 以上の結果から, LFSKは, 設計をさらに向上させることで少ない負担で操作できる可能性があると示唆された.
  • 佐々木 由理, 川本 貴志, 山崎 信寿
    2006 年 42 巻 6 号 p. 373-380
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    ベッド上での背上げ姿勢は, 回復期の負荷訓練や生活行為などの姿勢として重要であるが, 臂部への体圧集中や尻すべりなどが生じやすい. 本研究では, 従来の背上げ姿勢よりも体圧を分散でき, また, 身長差による屈曲位置の不一致や角度変化に伴うずれを少なくできる身体支持条件を探索するための実験ベッドを開発した. ベッド面は, 骨格分節と体表面形状に対応させて頭部・胸部・腰部・臂部・臂大腿移行部・大腿部・下腿足部の7面に分割し, 胸部・腰部・臂部・大腿部については支持面長さを変えられるようにした. 支持面の寸法と角度の調節には10台の直動アクチュエータを用いた. 実験ベッドは, フラット時に高さ400mm, 幅770mm, 長さ1,780~2,230mmであり, 臂部で二つに分割して運搬することができる. 本ベッドを用いて調節した背上げ姿勢と従来の背上げ姿勢について, 心電図のRR間隔と副交感神経活動度, 皮膚血流量, 体圧分布の比較を行った結果, 身長にあわせて自然な身体屈曲位を支持すれば, 背上げ時の不快な状態を改善できる可能性があることがわかった.
  • 単一作業と組み合わせ作業の比較・検討
    福田 康明, 矢崎 博之, 平田 剛宏, 加藤 象二郎
    2006 年 42 巻 6 号 p. 381-388
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究では, 作業構造分類をもとに作業因子の異なる単一作業 (カード分類検査作業, 記憶操作検査作業, 両手協応動作検査作業) と組み合わせ作業 (3種類の作業を組み合わせた作業) の4種類の実験を行い, 作業習熟と生体負担の関係について検討した. 結果を要約すると以下のようになる.
    (1) 習熟を達成度Qにより評価すると, カード分類検査作業が67.5%, 記憶操作検査作業が63.7%, 両手協応動作検査作業が79.5%となる. また組み合わせ検査作業は70.0%となり, 単一作業と組み合わせ作業で比較すると, 組み合わせ作業は単一作業の平均値に近似した.
    (2) 生体負担を総合負担Wにより評価すると, カード分類検査作業が0.9, 記憶操作検査作業が1.0, 両手協応動作検査作業が1.4となる. また組み合わせ検査作業は0.9となり, 単一作業と組み合わせ作業で比較すると, 組み合わせ作業のほうが単一作業より生体負担が低い値を示した.
    (3) 達成度Qと総合負担Wとの関係より, 単一作業と組み合わせ作業における回帰方程式を求め, 総合負担指標を提示した.
    (4) 総合負担指標は, セル生産を行っている各企業の生産活動において, 有益な基礎資料となると考える.
  • 加藤 象二郎, 福田 康明, 斉藤 真, 中嶋 芳雄, 高松 衛
    2006 年 42 巻 6 号 p. 389-393
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本実験はHID前照灯に照射された場合の瞳孔反応に関する基礎的資料を得ることを目的に実施された. 被験者にはあらかじめインフォームドコンセントによる了解を得て実施し, 健常な男子大学生7名で, 暗順応状態にある目にHID前照灯を照射した際の瞳孔径の変化および瞳孔径回復時間に関してアイマークカメラを用いて実験的に検討した. 明順応状態での瞳孔径の平均は直径2.9±0.6mmで, 暗順応状態では5.3±0.5mmであった. HID前照灯照射直後の瞳孔径は, 3種の照射角度 (10°,15°,20°) および2種の照射距離 (5m, 7m) のいずれの条件においても明順応状態下の瞳孔径より小さな値を示した. 分散分析の結果, 3種の照射角度にのみ有意差が認められ, 10°で2.3±0.3mm, 15°で2.6±0.4mm, 20°で2.7±0.3mmであった. HID前照灯の照射前瞳孔径に回復する時間を分析した結果, 照射角度に対応して回復時間に有意差が認められ, 10°で13.82±2.67s, 15°で11.66±2.15s, 20°で11.03±2.35sであった. 瞳孔径および回復時間に与える実験的条件は照射角度によって有意に異なることが明らかとなった. 夜間運転時において暗順応状態にある瞳孔径は, 対向車のHID前照灯による照射で明順応下の瞳孔径よりさらに縮小しており, グレア効果の大きさを示したものである.
  • 黒川 智哉, 奥田 旭, 野須 潔
    2006 年 42 巻 6 号 p. 394-398
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 高松 衛, 中嶋 芳雄, 三間 賢一, 中島 賛太郎, 加藤 象二郎
    2006 年 42 巻 6 号 p. 399-401
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
  • 山本 智規, 柴田 論, 神代 充
    2006 年 42 巻 6 号 p. 402-407
    発行日: 2006/12/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
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