人間工学
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44 巻, 1 号
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  • 知覚・認知・運動能力と画面情報量がウェブでの情報探索時間に及ぼす影響
    高橋 里奈, 村田 厚生, 宗澤 良臣
    2008 年 44 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2008/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    近年, 高齢者によるインターネット利用率が増えている. これに伴って国内ではウェブコンテンツを対象とした情報アクセシビリティ規格 (JIS X 8341-3) が制定され, ウェブサイトの使いやすさが追求されている. しかし, デザインを改善するだけではウェブサイトの使いやすさが向上しない場合がある. これは, 被験者の知覚・認知・運動能力を十分に考慮していないためであると考えられる. そこで本研究では被験者の知覚・認知・運動能力評価尺度を提案し, 実験要因として画面情報量と年齢を取り上げた. 更に画面情報量と「知覚・認知・運動能力評価尺度」の得点がウェブサイトを利用した情報探索時間にいかに影響するかについて, 年齢要因を考慮して検討した. また, 重回帰分析を用いて情報探索時間に影響する要因を推定した. 実験から若年者, 高齢者共に画面情報量の増加に伴い情報探索時間が増加する事が分かった. 画面情報量が「小」(情報量3.58~3.70bit) の時は, 高齢者の平均探索時間が若年者の2倍であったのに対して,「大」(情報量7.49~7.81bit) の場合は3.2倍となっていた. また, 高齢者の方が若年者よりも知覚・認知・運動能力が低下しており, 重回帰分析の結果から空間記憶能力, 空間作業能力, 手指運動能力が情報量と共に情報探索時間の増加に影響する事が分かった.
  • 佐藤 隆幸
    2008 年 44 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 2008/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    熱痛閾値は被験者が痛みを知覚した時点での痛覚受容器の温度であり, 従来の接触型熱痛計によって45℃付近として測定されている. この値は医学および生理学の分野において広く認識されているが, 熱痛計の温度センサと受容器神経との間に存在する熱の不良導体のために考慮すべき系統誤差が常に含まれていることが推測される. 温度センサで得られる測定値はあくまでもそれ自身の温度であり, 極めて微細な受容器神経の温度を測ることはできない. よって本研究では, センサと受容器との間の温度差を数理解析的に求め, 真の痛覚閾値温度を推定することを目的とする. 有限要素法に基づいた熱移動シミュレーションを行い, 受容器温度の経時変化について解析を行った. 結果, 系統誤差は-2℃程度となり, すなわち真の痛覚閾値温度は43℃であることが推定された. また本研究では, 受容器神経のランダム分布, 加熱速度, および初期組織温度の制御の影響についても調査を行った.
  • 青木 洋貴, 伊藤 謙治, 木下 昌之
    2008 年 44 巻 1 号 p. 22-36
    発行日: 2008/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究では, 印刷広告における重要な設計変数である写真, キャッチコピー, ブランドロゴ, および広告の大きさ (スタイル要因と称する) による, 閲読時の視覚的注意に与える影響について分析する. 学生被験者101名が参加する広告閲読実験を実施し, 眼球運動データを測定した. 眼球運動データから得られる広告に対する視線の総滞留時間, ならびに注視点の個数を視覚的注意に対応する指標として算出し, これらの指標値とスタイル要因間の関係を調査した. この調査結果から, 印刷広告に対する注意に与えるスタイル要因について同定した. さらに, 広告を被験者の関心の度合いに基づき層別することで, 異なる閲読の状態において, 注意に与えるスタイル要因の影響が異なることも示した.
  • 後藤 雄亮, 飯塚 重善, 渡邊 朗子, 小川 克彦
    2008 年 44 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 2008/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
    近年, 公共空間において電子端末を利用した様々なサービスが人々の生活に利便性をもたらしている一方で, セキュリティ技術の開発が進んでいるにも関わらず, 情報を扱うことへの不安を拭いきることができない. 本論では, 公共空間で情報を扱う際にユーザが周囲の他者に対して電子端末の画面を覗き込まれるなどの不安を抱えていることに着目し, ユーザの周囲に設置されるパーティションの高さについて調査を行った. ユーザが安心して情報を扱うために必要とするパーティションの高さについて調べた実験1では, 扱う情報に応じてユーザが必要とするパーティションの高さは変化することが分かった. パーティションの高さに応じて他者が取る距離について調べた実験2では, 周囲からユーザの画面が見えるパーティションの高さの時, 他者はユーザが見えない場合より長い距離をとることが分かった. 以上の実験結果から, ユーザは安心して情報を扱うことができ, かつ他者がユーザに対して過剰に意識せずに行動できるノート型PC利用環境の提案を行った.
  • 末長 修
    2008 年 44 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2008/02/15
    公開日: 2010/03/15
    ジャーナル フリー
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