本研究はコンベヤ生産をモデル化した単一作業と,セル生産をモデル化した組合せ作業の生体負担を生理的評価技法と心理的評価技法を用いて測定し,単一作業と組合せ作業における作業者の生体負担の比較,検討を行った.
実験条件は,単一作業と組合せ作業を3種類の合計4条件とした.また被験者は21から24歳の健常かつ対象作業に経験のない男子大学生とし,各実験条件につき7名とした.生体負担の評価は,フリッカー値,ピンチ力,自覚症状しらべ,NASA-TLXを用いた.各実験作業とも90分間行い,開始前後に生体負担を測定した.
単一作業のフリッカー値およびピンチ力は組合せ作業に比べて有意に低いことが示された.NASA-TLXは,単一作業では単調感が強く,組合せ作業では時間的切迫感が強い.さらに自覚症状しらべは,単一作業では単調感の影響が強く,組み合わせ作業ではそれぞれの作業内容の特性を反映することが示された.
生理的負担と心理的負担を総合した結果,組合せ作業は単一作業と比較して生体負担が低いことが示された.
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