本研究では,6工程からなる事務機器の作業工程について,作業因子を基に作業構造の分類を検討した.そして,単一作業の6種類と作業内容が異なる組合せ作業(セル生産)の3種類の習熟特性について,達成度手法により習熟解析を行うとともに,習熟の評価指標を提示した.
結果を要約すると,以下のようになる.
(1)習熟を達成度Qにより評価すると,単一作業が74.68%,身体労働作業を対象とした組合せ作業Aが71.70%,地殻・知的労働作業を対象とした組合せ作業Bが65.52%,および身体労働作業と知覚・知的労働作業を対象とした組合せ作業Cが68.53%となった.
すなわち,組合せ作業Cは組合せ作業Aと組合せ作業Bの平均の値に近似した.
(2)変動率δと傾向指数bの関係において,すべての作業は変動率δが減少すると,傾向指数bは増加する負の相関関係が観察できる。そこで,両者間の検定を行った結果,有意が認められた。
(3)単一作業とセル生産において,習熟状態を容易に把握し,評価することができる習熟の評価指標を提示した.
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