人間工学
Online ISSN : 1884-2844
Print ISSN : 0549-4974
ISSN-L : 0549-4974
49 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
総説
原著
  • 高橋 明子, 高木 元也, 三品 誠, 島崎 敢, 石田 敏郎
    2013 年 49 巻 6 号 p. 262-270
    発行日: 2013/12/15
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究では,タブレット端末を用いて建設作業者向けの安全教材を作成し,その教育訓練効果について検討を行った.安全教材は,タブレット端末の画面上に作業場面を4画像同時に提示し,そのうち1画像が危険要因を含むものであった.実験参加者には危険要因を含む1画像を選択させ,これを反復することにより危険要因を覚えさせた.実験参加者は建設作業者70名であり,年齢により若年層,中年層,高年齢層に分類した.その結果,すべての年齢層において安全教材を繰り返し実施することにより,正答率の上昇や判断時間の短縮が見られた.このことから,作業者が建設作業の危険要因について理解し,危険要因を早く認知することができるようになり,教育内容の理解の観点から教育訓練効果のあることが認められた.しかし,高年齢層は他の年齢層ほどの教育訓練効果が認められず,高年齢作業者向けに安全教材を改良する必要があることが示唆された.
  • 菅間 敦, 瀬尾 明彦
    2013 年 49 巻 6 号 p. 271-278
    発行日: 2013/12/15
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    人が操作するものに対して発揮する操作力は,利用者の身体負荷を算出する上で重要なデータである.しかし,従来の手法では様々なノイズが混入しやすく瞬間的である操作力データの特性解析が困難であった.そこで本研究では,突発的または非定常的な信号解析に用いられるウェーブレット変換を用いて操作力データに対しスペクトル解析を適用する解析手法を提案することを目的とした.はじめに,プッシュスイッチ操作力データに対してウェーブレット変換による多重解像度解析を適用し,高周波ノイズを軽減し操作力波形の平滑化を行った.そして操作力波形を観察し,立ち上がりやピークなどの特徴点の時間的もしくは形状的な変化が十分に小さいことを示した.その結果,操作力データの簡便な平滑化が可能となることを示した.
  • 米原 牧子, 樹野 淳也, 中村 一美, 竹原 伸, 藤井 隆志, 福本 知輝
    2013 年 49 巻 6 号 p. 279-288
    発行日: 2013/12/15
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究では,凹凸の変化によるグラデーションパターンを施したプレート上をなぞった際の指先の移動距離の位置精度を調べた.グラデーションパターンはドットの凹凸からなる.まず,自然な変化となるグラデーションパターンについて調べた.ドット高さと周期を固定とし,ドットの直径のみを連続的に変化させた場合,ドット直径を対数で変化させたパターンが,より自然なグラデーションと感じられる条件であった.次に,グラデーションパターンを施したプレートと凹凸加工を施していない平滑なプレートについて,指先の移動距離における位置精度を調べた.さらに,グラデーションパターンを施したプレートと自動車に搭載されているレバー式のエアコンスイッチについても比較した.その結果,凹凸による触知覚の加わったプレートのほうが,指先の位置を精度よく制御でき,統計的にも有意差が認められた.
  • 山田 健太, 臼井 伸之介
    2013 年 49 巻 6 号 p. 289-296
    発行日: 2013/12/15
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    長距離の自動車運転やプラント監視において,ヴィジランスの低下を緩和することがヒューマンエラーを減少させるために重要である.本研究では,単調作業中に会話を二重課題として課すことで,パフォーマンスにどのような影響がもたらされるかを覚醒水準と認知的負荷の観点から検討した.20名の大学生を対象に,20分間の試行6つからなる実験を行った.実験参加者は,要検出信号の出現率が20%,5%,1%の短縮ヴィジランス課題を,口頭課題なしあるいはありの条件のもとで遂行した.また,心拍と瞬目を計測するとともに,メンタルワークロードの測定を行った.結果,口頭課題を行った後のパフォーマンスが向上することが示された.また,一部の生理指標によって,口頭課題を行った後の覚醒水準の低下が抑制される可能性が示唆された.一方で,二重課題による悪影響も見られ,口頭課題の負荷を操作する可能性について論じられた.
お知らせ
feedback
Top