航空機における緊急事態に直面した場合の操繰士の行動を, 主として航空事故および潜在事故時の行動について分析を行なった.
基礎的に存在する緊張状態は飛行中の心拍数の変化より, ある程度知ることができる.
緊急状態に陥った人間行動を in-put, processing, out-put の3段階に分けて考え, Moseley のデータ, 航空自衛隊における緊急脱出例について分析を加えた.
入力段階においては, 単一知覚情報に対するこだわり, 知覚情報内容の変容等がみられ, 処理段階においては, 既得情報と照合の不足, 思考過程のスキップ等の思考内容の低下, 記憶情報の一時的引出し停止などがみられる.
出力段階においては, 操作力の制御の低下, 習慣動作, 操作のオリエンテーションの低下等がみられる.
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