運転行動は個人差があることが知られており,運転支援システムは個々のドライバの運転感覚に適応した支援をできることが望ましい.本研究では,提案されている先行車追従場面のドライバのリスク感を表現するリスク式(
RF)を,ドライバの運転特性に適応させるリスク式(
RFind)を提案し,その妥当性を検証した.個人適応させるために,
RFの2つの項,1/
THW(車間時間の逆数=車速/車間距離)と1/
TTC(衝突余裕時間の逆数=相対速度/車間距離)をドライバの運転行動特性で正規化した.ドライバの運転行動特性は,先行車接近場面のブレーキ操作時における1/
THWと1/
TTCの個人の平均値とした.
本式の妥当性を検証するため,ドライビングシミュレータ実験においてアクセルオフとブレーキオンの分別性能を検証した.結果,
RFindの分別性能は,ブレーキオンの正検出率が98.6%,アクセルオフの誤検出率が0.9%であった.従来の
RFと比較すると,正検出率は12.9%,誤検出率は89.2%向上する.個人適応型リスク式
RFindは運転行動の分別がうまくでき,個人適応していることがわかった.
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