人間工学
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50 巻, 6 号
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表紙
総説
原著
  • 佐川 貢一, 福川 亮, 本井 幸介, 木立 るり子
    2014 年 50 巻 6 号 p. 342-349
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/07/25
    ジャーナル フリー
    ワーキングメモリの概念を利用して,二重課題歩行特性と副次課題の成績との関係をモデル化し,過去の転倒経験を表す評価指標を提案する.11名の健常高齢者を対象に,都道府県名のような想起問題に回答しながら歩行を行う二重課題歩行実験を行い,問題の難易度と,爪先装着型慣性センサで測定した重複歩距離および歩行率を測定した.課題の難易度は,1秒あたりの問題の回答数と定義した.さらに,ワーキングメモリ内での歩行への注意および問題回答に要する占有率をモデル化し,課題の難易度の変化に対する歩行パラメータの変化の傾向を関連づける歩行注意係数を提案した.二重課題歩行実験の結果,転倒未経験者の歩行への注意度の占有率および提案した歩行注意係数は,転倒経験者より有意に大きくなることを確認した.このことから,提案した歩行注意係数は,転倒経験の有無を数値的に表す指標として利用可能である.
  • 近藤 崇之, 廣瀬 敏也, 古山 宣洋
    2014 年 50 巻 6 号 p. 350-358
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/07/25
    ジャーナル フリー
    運転行動は個人差があることが知られており,運転支援システムは個々のドライバの運転感覚に適応した支援をできることが望ましい.本研究では,提案されている先行車追従場面のドライバのリスク感を表現するリスク式(RF)を,ドライバの運転特性に適応させるリスク式(RFind)を提案し,その妥当性を検証した.個人適応させるために,RFの2つの項,1/THW(車間時間の逆数=車速/車間距離)と1/TTC(衝突余裕時間の逆数=相対速度/車間距離)をドライバの運転行動特性で正規化した.ドライバの運転行動特性は,先行車接近場面のブレーキ操作時における1/THWと1/TTCの個人の平均値とした.
    本式の妥当性を検証するため,ドライビングシミュレータ実験においてアクセルオフとブレーキオンの分別性能を検証した.結果,RFindの分別性能は,ブレーキオンの正検出率が98.6%,アクセルオフの誤検出率が0.9%であった.従来のRFと比較すると,正検出率は12.9%,誤検出率は89.2%向上する.個人適応型リスク式RFindは運転行動の分別がうまくでき,個人適応していることがわかった.
  • 小澤 幸夫, 村田 厚生
    2014 年 50 巻 6 号 p. 359-367
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/07/25
    ジャーナル フリー
    中堅看護師のキャリア形成を考えることは看護師にとっても病院のスタッフ構成を考える上でも重要な課題であり,キャリアパスを考慮した効果的な教育プログラムを検討することが必要である.しかし,現在の中堅看護師への教育は目的が不明確なまま実施しているのが実情である.中堅看護師の教育プログラムを開発するには,各キャリアパスに不可欠なスキルや能力をまず明らかにする必要がある.本研究は,看護管理者を対象に看護師の3つのキャリアパス(管理職・専門職・ジェネラル)について,重要なスキルと各スキルでの重要な能力に関する質問紙調査を行い,回答を得た743人の調査結果を基に各キャリアパスに不可欠なスキルと特に重要な能力(コア能力)を明らかにした.キャリアパス別に求められるコア能力は,「管理職」では調整交渉力,傾聴力,協調性,「専門職」では分析力,概念化能力,観察力,「ジェネラル」では協調性,専門性,判断力であった。
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