手動制御において操作者の制御特性に現われる適応的性質を知るために, 制御対象と操作部を要因とし, 相関法によって周波数特性を測定した. 制御対象の積分性が強くなるにしたがい, 操作者は微分的動作を強めるが, 神経筋肉系のむだ時間特性のために位相進みは実現できず, したがって制御偏差は次第に増加した. 2次振動要素に対しては, その振動的な挙動を十分抑制することが困難であった. 操作部に回転ハンドル, 回転ツマミを使用した場合, 操作者の制御特性はゲイン, 位相共に変化しその影響がみられた.
また副次的作業としてランプ確認作業を課し, 制御動作への効果をみる実験を試みた. 制御偏差は副次的作業のないときに比べ平均的にはわずか増加した.
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