物理療法科学
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早期公開論文
早期公開論文の13件中1~13を表示しています
  • 小林 広空, 溝脇 亮, 奥田 翔吾, 安立 優花, 木下 友里, 伊藤 良太
    論文ID: 2026-002
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/07/09
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    【目的】回復期脳卒中片麻痺患者の下腿三頭筋の痙縮に対する拡散型圧力波療法(以下,rESWT)単回介入が最大歩行速度に与える即時的影響を調査した.【方法】本研究は後方視的観察研究である.対象は当院回復期病棟に入棟した初発脳卒中片麻痺患者のうち,麻痺側下腿三頭筋にrESWT を照射した者とした.調査項目は,麻痺側下腿三頭筋に対する初回rESWT 前後の最大歩行速度,歩幅,ケイデンス,同筋のModified AshworthScale(以下,MAS)およびModified Tardieu Scale-R1(以下,MTS-R1),麻痺側足関節背屈の他動可動域(以下,P-ROM)とした.【結果】解析対象は22 例であった.初回rESWT 前後で最大歩行速度,歩幅,ケイデンス,MTS-R1,P-ROM に有意な増加を認め(p<0.01),MAS は有意差を認めなかった(p=0.13).【結論】回復期脳卒中片麻痺患者の下腿三頭筋の痙縮に対するrESWT 単回介入前後で,最大歩行速度,歩幅,ケイデンス,MTS-R1,P-ROM に即時的な増加を認めた.

  • ─2025年改正臨床研究法下での判断基準と物理療法研究への示唆─
    山口 智史
    論文ID: 2026-005
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/06/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    非侵襲的脳刺激は,リハビリテーション分野で研究知見が蓄積し,脳卒中後上肢機能障害や摂食嚥下障害など一部の領域では診療ガイドラインにも反映されている.一方,研究エビデンス,診療ガイドライン上の推奨,医療機器としての承認・認証範囲,保険診療上の扱い,臨床導入は同義ではなく,これらの区別が不十分なままでは,臨床使用や研究計画の判断を誤るおそれがある.本稿では,反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)および経頭蓋電気刺激(tES)を中心に,関連する経皮的脊髄刺激(tSCS)および末梢刺激を含め,エビデンスの到達点と限界,異質性,安全性・運用上の留意点を概説する.さらに,2025 年改正臨床研究法下で,未承認・適応外使用,検査目的,有効性・安全性評価,「著しい負担」,特定臨床研究該当性を研究計画にどう反映すべきかを公的資料に基づいて論じる.物理療法分野で非侵襲的脳刺激研究を臨床へ接続するには,使用機器,研究目的,対象者負担,安全管理,審査ルートを計画段階で明示することが不可欠である.

  • ─ 2 症例による検討─
    宮良 広大, 納富 亮典, 福山 英明, 豊栄 峻, 衛藤 誠二, 三浦 聖史
    論文ID: 2025-019
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2026/06/05
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    脳卒中後の痙縮を伴う上肢麻痺を呈した 2症例に対して,手掌への 1分間の短時間振動の影響を症例報告として検討した.評価は振動前,直後,20分後,40分後に実施した.結果,Fugl-Meyer assessmentの手関節 /手指項目が 18/24点(中等度)の症例 Aでは,関節可動域や最大等尺性筋収縮,物品操作能力(Box and Block Test)において,振動直後から 40分後まで,一定時間にわたり変化が観察された.一方,同項目が 9/24点(重度)かつ中等度の痙縮を呈した症例 Bでは,運動機能の変化は限定的であったが,筋緊張(modified Ashworth Scale)の変化が振動直後から 40分後まで一定時間持続した.今回,2例という少数例での検討ではあるが,手掌への短時間振動は,麻痺や痙縮の重症度に応じ,運動機能や筋緊張の変化に影響を及ぼす可能性が示唆された.この背景には,振動入力によって生成された運動知覚に基づき,脳内で知覚から運動への変換が行われた結果として生じる拮抗振動反応の関与が示唆される.今後は同様の症例の集積,対照群を設けた比較検討,作用機序の解明が必要である.

  • ─制度評価的観点からの文献分析─
    杉本 恵理, 徳山 健司
    論文ID: 2026-001
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2026/06/05
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    【目的】腰痛管理における温熱療法の科学的エビデンスと,柔道整復療養費制度における算定要件との整合性を文献的に検討することを目的とした.【方法】PubMed, CochraneLibrary,CiNiiを用い,腰痛に対する温熱療法のランダム化比較試験,システマティックレビュー,診療ガイドラインを対象に文献検索を行った.抽出文献について,急性腰痛におけるエビデンス水準,推奨される適用時期,および柔道整復療養費制度における算定条件を対応づけ,制度的整合性を分析した.【結果】温熱療法は急性腰痛において短期的な疼痛軽減および機能改善に有効であることが示されていた.一方,柔道整復療養費制度では温熱療法の算定に待機期間が設定されており,急性期使用が制度上制限されている.【結論】温熱療法の急性期腰痛に対する有効性を示すエビデンスと,柔道整復療養費制度の算定要件との間には乖離が存在する可能性が示唆された.今後は,科学的根拠に基づいた制度設計および施術標準化に向けた検討が求められる.

  • 小山 総市朗
    論文ID: 2026-003
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2026/05/14
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    世界的に平均余命が延び,急速な高齢化が進むなかで,健康寿命の延伸は喫緊の課題となっている.その解決策の一つとして,リハビリテーションロボットの臨床応用が期待されている.本総説では,ロボットを練習支援,自立支援,介護支援,認知・情動支援の4 分野に分類し,それぞれの臨床的意義を整理する.特に脳卒中や脊髄損傷に対する上肢・歩行練習支援ロボットのエビデンスと,運動学習理論に基づく作用機序について概説する.ロボット支援下での練習においては,過剰な介助を排除しつつ必要最小限の補助に留めることで,患者の能動性を最大限に引き出す「助けすぎない補助」と,個々の能力に応じた「最適難易度の提供」が重要となる.理学療法士がロボットの特性を深く理解し,精密な反復運動を回復過程に合わせて動的に提供する「共創」の視点こそが,今後の物理療法ならびに職能のさらなる発展に不可欠である.

  • ─シングルケースデザイン─
    寺口 拓真, 田中 康則, 中島 裕太, 森 義貴, 竹内 睦雄, 濱崎 寛臣, 野口 大助, 木原 薫, 三宮 克彦, 宮良 広大
    論文ID: 2025-017
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2026/04/03
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    本研究は,短下肢装具に機能的電気刺激を加えた歩行練習が,短下肢装具のみと比べて,裸足の歩行速度の改善に貢献すると仮説を立て検証した.対象は,脳出血後に足関節背屈不全を呈した回復期脳卒中片麻痺患者である.研究デザインは各期1 週間のABAB デザインを用い,計4 週間介入した.通常の理学療法30 分間に加え,A 期は短下肢装具を用いた歩行練習,B 期は短下肢装具に機能的電気刺激を加えた歩行練習を1 日30 分間実施した.評価は毎日の練習後に裸足で10 m歩行速度,初期接地時の麻痺側足関節背屈角度を測定し,統計解析はTau-U を用いて効果量を算出した.結果として,歩行速度は各期で有意に改善し,また初期接地時の足関節背屈角度はB 期で有意に改善した.歩行速度において,B 期の優位性は示されなかった.このことから,歩行速度の向上を図る場合は両練習とも同等の効果が期待でき,足関節背屈角度の向上を図る場合は,短下肢装具に機能的電気刺激を加えた歩行練習が効果的であることが示唆された.

  • ~即時効果と短期成績~
    田中 翔斗, 小坂 健二, 小林 佑介, 榮﨑 彰秀
    論文ID: 2025-020
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2026/04/03
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    【はじめに】拡散型圧力波は,筋腱付着部症や慢性腱障害への有効性が散見されるが,ドゥケルバン腱鞘炎に対する報告は少ない.今回,拡散型圧力波がドゥケルバン腱鞘炎に有効であった症例を報告する.【方法】症例は30 代女性,1 ヶ月前より手関節橈側部痛を有した,ドゥケルバン腱鞘炎患者である.保存療法での改善が乏しいため拡散型圧力波を併用し,長母指外転筋腱と短母指伸筋腱に対して,週1 回の頻度で3 回照射した.評価は照射前,初回照射直後,3 回目照射直後,照射終了3 週後に疼痛と機能評価を実施した.【結果】初回照射直後の疼痛は8 から4 へ緩和した.また,3 回目照射直後には疼痛は消失し,機能障害スコアも29.5 から0 へ改善した.照射終了3 週後も再発はなかった.【考察】拡散型圧力波による自由神経終末の破壊や組織修復効果により即時的な疼痛改善,短期的な疼痛改善に至ったと考える.【結論】ドゥケルバン腱鞘炎に対する拡散型圧力波は,疼痛緩和と機能改善に寄与する可能性が示唆された.

  • ─予備的検討─
    小栗 拓馬, 和田 善行, 大庭 直樹, 尾﨑 麻希, 宮良 広大
    論文ID: 2025-014
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/12/23
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    目的:脳卒中後の痙縮の反射性・非反射性要素に着目した振動刺激療法の適応に関する報告は散見されない.今回,Modified Tardieu scale(MTS)のRange of motion(ROM)の検者間信頼性と振動刺激療法の即時変化について検討した.方法:対象は維持期脳卒中患者10 名.理学療法士2 名にてMTS のROM の検者間信頼性を検討した.MTS は規定されているV1(できるだけゆっくり),V3(できるだけ速く)の速度で筋を伸張し,引っかかったROM をそれぞれR2,R1 として計測した.振動刺激療法は上腕二頭筋と腓腹筋に対して実施し,即時変化をMTS で検討した.結果:検者間信頼性は,肘屈筋は先行研究を上回っていたが,足底屈筋については下回る項目もみられた.振動刺激療法後の即時変化では,足底屈筋(膝伸展位)と肘屈筋のR1,足底屈筋(膝90° 屈曲位)のR2 に有意な角度の向上を認めた.結論:MTS の検者間信頼性は計測部位で異なり,今後より精度を高める工夫が必要である.振動刺激療法の即時変化として,腓腹筋と上腕二頭筋では反射性要素への寄与が,ヒラメ筋では非反射性要素への寄与がそれぞれ痙縮改善に影響した可能性が示唆された.

  • 福井 直樹, 禹 炫在, 木村 文彦
    論文ID: 2025-016
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/12/16
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    【目的】本研究の目的は,テキストマイニングを用いて日本物理療法学会学術大会における過去10 年間の研究動向とその経時的変遷を定量的に明らかにすることである.【方法】2015 年から2024 年までの演題タイトル635 件を対象とし,KH Coder にて共起ネットワーク分析およびコレスポンデンス分析を実施した.【結果】共起ネットワーク分析から9 つの研究テーマのクラスターが同定された.コレスポンデンス分析では,研究トレンドが「鎮痛効果」や「パルス」といった基礎研究(2015 年頃)から,「FES」を用いた脳卒中後の機能改善(2018 年頃),近年では「拡散型圧力波」による痙縮治療といった特定の臨床課題(2022 年以降)へと明確に移行する様相が可視化された.【結語】これまで経験則で捉えられてきた研究動向を客観的なデータとして可視化した本研究は,研究の全体像を俯瞰し,今後の研究課題を探求する上での一助となることが期待される.

  • 井上 創太, 大鶴 直史, 五十嵐 眸実, 飯室 幸士, 平賀 大河, 長坂 和明, 大西 秀明
    論文ID: 2025-015
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/12/11
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    痛み知覚は末梢からの入力だけでなく,多様な要因に影響され,その知覚は試行ごとに変動することが知られている.この変動性は痛みに対する感受性や認知的要因に関連すると報告されている.近年,注意機能に関連する左背外側前頭前野(L-DLPFC)の活動が痛み知覚の変動性に関連することが示されているが,因果関係は明らかでない.そこで本研究は,L-DLPFC に対し,皮質の神経活動を変調できる経頭蓋直流電流刺激(tDCS)が,痛み知覚の変動性に及ぼす影響を検討した.健常成人42 名を陽極・陰極・偽刺激群に振り分け,視覚的アナログスケール(最大100)における30 相当の熱刺激強度を用いてtDCS 介入前および介入中の痛み知覚の変動性を評価した.その結果,tDCS介入効果に群間差は認められなかった.一方で,陽極刺激群では介入前の変動性と変化量に負の相関傾向がみられ,もともとの変動性が大きい個人ほど陽極tDCS により痛み知覚の変動性が減少する可能性が示された.

  • 脇本 謙吾, 宮良 広大, 徳田 光紀, 和田 善行, 中村 尚次, 大庭 直樹
    論文ID: 2025-013
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/09/15
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    発症12 年後から2 回の強化入院リハビリテーションを行った経過の中で,皮質脊髄路(Corticospinal Tract;以下,CST)の構造的変化,上下肢の運動機能と歩行能力の低下を呈した生活期脳卒中症例を経験した.各入院で6 週間の促通反復療法と反復起立練習を実施し,入退院時の運動機能と各入院中に1度拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Imaging;以下,DTI)の評価を行った.初回入院では介入によりFugl-Meyer Assessment運動項目は上下肢ともに改善を認めたが,2 年半後の2 回目入院時には初回入院時と同様にまで低下し,介入による改善も少なかった.初回入院時にはトラクトグラフィーでの病巣と同側のCSTの連続性を認めたが,2 回目の入院時にはFractional Anisotropyの低下とCST の断絶を認めた.初回入院後の自宅での著しい活動量低下により生じたCSTの負の構造的変化が,上肢運動機能の低下に関与した可能性が考えられた.下肢運動機能および歩行能力の低下に関しては,CSTは下肢の運動機能や歩行との関連は少ないとされていることから,活動量低下に伴う廃用が影響した可能性が考えられた.

  • 瀧口 述弘, 高松 昇三, 佐藤 哲也, 永松(雉子牟田) 美香, 庄本 康治
    論文ID: 2025-010
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/09/03
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    背景:変形性膝関節症(Knee Osteoarthritis: KOA)患者の膝に対して経皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation: TENS)を実施すると,膝の運動時痛(Movement-Evoked Pain: MEP)を緩和させる報告がある.しかし,KOA 患者は,反対側肢の痛みなど当該肢以外にもMEP が生じることが多い.そのため,広範囲への鎮痛が求められる.腰部にTENS を適用すると,TENS の鎮痛機序である分節内鎮痛作用に基づき,腰部下肢全般に鎮痛効果が生じる可能性があるが,膝のMEP に対する効果は検証されていない.さらに,TENS の鎮痛作用は周波数によって異なるため,その影響も検証する必要がある.目的:膝のMEP に対する腰部へのTENS の効果と周波数の違いによる効果を検証する.方法:KOA 患者192 名を,高周波数TENS 群,変調周波数TENS 群,プラセボTENS 群の 3 群にランダムに割り付け,TENS を腰部に適用した.運動課題中のMEP を,TENS 前,TENS 中に測定した.結果:対象者条件に適合したのは57 名で,全員研究を完遂した.高周波数TENS および 変調周波数TENS は,プラセボTENS に比べて膝のMEP を有意に緩和させた.結論:腰部へのTENS は,KOA患者のMEP を緩和させる可能性がある.今後は,腰部へのTENS がより広範囲の鎮痛効果をもたらすかを検証する.

  • ─ ABAB デザインを用いた1 症例での検証─
    小林 広空, 澤島 佑規, 溝脇 亮
    論文ID: 2025-011
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/08/04
    ジャーナル オープンアクセス 早期公開

    運動麻痺および荷重感覚の低下を呈した回復期頸髄不全損傷者1 症例に対して,反復起立自主練習を実施し,電気刺激併用の有無による効果の違いを検証した.研究デザインはABAB 型シングルケースデザインを用いた.A・B 期ともに通常理学療法に加えて反復起立自主練習を実施し,B 期では反復起立自主練習に両側大腿四頭筋への電気刺激療法を併用した.介入頻度は週4 日,各介入期間は3 週間,各期10 セッションの介入とした.1 セッションは起立練習20 回を5 セット以上実施した.評価は各期前後に膝伸展筋力,立ち上がりテスト(SS-5 およびCS-30),Berg Balance Scale(BBS),Two-Square Step Test(TSST),閉脚立位時の単位軌跡長および矩形面積,Functional Ambulation Categories(FAC),10 m 歩行テスト,Timed up & go test,6 分間歩行テストを行った.A1 期およびA2 期と比較しB1 期およびB2 期に膝伸展筋力,BBS,TSST,FAC,最大歩行速度,歩幅の改善が大きく,A2 期と比較しB2 期にSS-5,CS-30,単位軌跡長,矩形面積の改善が大きかった.電気刺激併用下での反復起立自主練習は頸髄不全損傷者の下肢筋力とバランス機能,歩行能力の改善に繋がる可能性が示された.

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