【目的】肩関節周囲炎拘縮期患者を対象に拡散型圧力波(RPW)を複数回照射した際の経時的変化について報告することを目的とした.【対象と方法】対象は,平均年齢62.6歳の肩関節周囲炎拘縮期患者でRPWを施行した8例8肩である.照射条件は,3.0〜4.0 bar,10 Hz,2,000発照射した.照射間隔は原則1週間に1度とし計8回照射した.評価はRPW照射前(初回評価),4回照射終了後の翌週(中間評価),8回照射終了後の翌週(最終評価)に行った.評価項目は,肩関節関節可動域(ROM),疼痛評価(VAS)とした.【結果】ROMの変化は(初回評価,中間評価,最終評価),屈曲115.0°,132.5°,137.5°,外転100.0°,130.0°,160.0°と改善を認めた.VASは48.0 mm,17.0 mm,17.0 mmと改善を認めた.【考察】RPWを複数回照射することでROMとVASの数値が経時的に改善することが認められた.要因として筋間の滑走性改善,自由神経終末の変性と再生抑制効果による可能性が考えられる.【結論】肩関節周囲炎拘縮期症例に対してRPWを複数回照射することでROM,VASの改善を認めた.
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