本研究は,学級担任制度をとる小学校の学級を対象に,特別な教育的支援を必要とする児童が在籍して
いる学級と在籍していない学級における学級満足感とスクール・モラールとを比較すること,さらに学級
集団の状態についても比較検討することを目的とした。2013年11〜12月に公立小学校6校の児童2,085名(男
子1,053名,女子1,032名),67学級(学級担任67人)を調査の対象とした。結果,特別支援対象児が非対象児
よりも学級満足度尺度の被侵害得点が有意に高かった。さらに,特別支援児童が在籍している学級の出現
率が在籍していない学級の出現率を上回っており,複数在籍している学級において被侵害得点が高いこと
が明らかになった。ただし,特別支援児童の在籍状態により,学級集団の類型の出現率に偏りは認められ
ないことが明らかになった。
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