教育カウンセリング研究
Online ISSN : 2433-751X
Print ISSN : 2185-4467
8 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 松野真
    2017 年 8 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/09/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,デートDVの加害経験と被害経験の双方向性の視点から,デートDV加害者の特徴について男 女別に明らかにし,デートDV加害者教育プログラム作成の示唆を得ることを目的とした。男女交際の経験 ある大学生203名(男性94名,女性109名)を実施後の分析対象に,加害・被害経験頻度質問紙,加害認知度 (パートナーを傷つける度合い)質問紙,パートナーとの望ましい付き合い方質問紙,パートナーとの実際 の付き合い質問紙,dating violenceイメージ調査票を実施した。その結果,以下のことがわかった。(1)加害 経験と被害経験が高い群と加害経験が高く被害経験が低い群(加害高2群)では,男女ともに人数割合は同程 度であり,配偶者間のDVとは異なること,(2)加害高2群では,男女共通して同じ特徴がみられたほか,男 性のみの特徴や女性のみの特徴がみられた。上記の結果から,今後のデートDV加害者教育プログラムの作 成に向けた具体的な示唆を得ることができた。
  • 神野美智男 , 和田裕一
    2017 年 8 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/09/25
    ジャーナル フリー
    本研究の実施目的は次の2点である。(1)中学生と高校生におけるケータイの利用状況を調査する。(2)ケー タイやメールの利用とケータイ依存や生活満足度との因果関係を明らかにする。結果,ケータイの利用時 間が長い者は,ケータイへの依存度を高めて,生活満足度を低下させることがわかった。加えて,メール の利用時間による性差が認められた。男子では,メールの利用時間はケータイへの依存度に影響を及ぼし ていなかった。女子では,ケータイの利用に伴って生活満足度が低下することが示された。一方,これま での因果とは逆の因果関係も見出され,男女ともに,家族満足度と健康満足度の低い者はケータイへの依 存度を高めて,ケータイやメールの利用時間が長いことが示された。これらより,中高生におけるケータ イやメールの利用は,生活満足度に影響を及ぼすことが明らかとなり,それらの利用には注意を払う必要 があると結論づけられた。
  • 河村茂雄 , 武蔵由佳
    2017 年 8 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/09/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,学級担任制度をとる小学校の学級を対象に,特別な教育的支援を必要とする児童が在籍して いる学級と在籍していない学級における学級満足感とスクール・モラールとを比較すること,さらに学級 集団の状態についても比較検討することを目的とした。2013年11〜12月に公立小学校6校の児童2,085名(男 子1,053名,女子1,032名),67学級(学級担任67人)を調査の対象とした。結果,特別支援対象児が非対象児 よりも学級満足度尺度の被侵害得点が有意に高かった。さらに,特別支援児童が在籍している学級の出現 率が在籍していない学級の出現率を上回っており,複数在籍している学級において被侵害得点が高いこと が明らかになった。ただし,特別支援児童の在籍状態により,学級集団の類型の出現率に偏りは認められ ないことが明らかになった。
  • 小西一博
    2017 年 8 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/09/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,教師がメンタルフレンド的なかかわりを継続することで,苦手な授業への参加を拒む小学校 2年生の男児にどのような変容がみられるかを検討した事例報告である。その結果,行動面では,当初のマ ラソン練習では逃避を繰り返していたが,次第に最後まで走り抜く態度がみられるようになった。そして, 最終的には,自分でめあてを立てて自己評価しながら練習に取り組むようになった。他方,描画テストか らは,不安定な心理状態が改善され,苦手な授業に対する活力を読み取ることができた。また,本研究を 通して,教師が問題行動を呈する子どもを支援するに際して,①母性原理を生かすこと,②子どもに対し て積極的関心を示すこと,③子どもに学習のめあてを持つように促すことが有効であることが示唆された。
  • 坂本裕 , 野路絵梨
    2017 年 8 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/09/25
    ジャーナル フリー
    幼児を育てる父親の養育行動の因子構造を明らかにし,その評価尺度を検討した。4〜6歳児の父子885組を 対象として,日本版Parenting Scale,日本版Strengths and Difficulties Questionnaireを行った。日本版PS 尺度の項目について確定的因子分析を行った結果,父親の養育行動として<叱責反応><威嚇反応><お任 せ反応>の3因子が抽出された。そして,それらの有用性の検討から,父親の<叱責反応>と幼児の問題行 動<行為><多動><情緒><仲間関係>に正の影響性,父親の<お任せ反応>と幼児の問題行動<行為> <仲間関係>に正の影響性があることが示唆された。
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