体外循環技術
Online ISSN : 1884-5452
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21 巻, 1 号
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  • データ収集の計画
    林 邦彦
    1995 年21 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 金子 克, 長津 正芳, 原田 順和, 竹内 敬昌, 後藤 博久, 太田 喜義, 戸塚 実
    1995 年21 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    初期充填 液に対しECC開始前に限外濾過(ECUM)処理を行い,充填液の血液組成変化を検討した。対象は1歳未満開心術29例で,CPD加血と乳酸リンゲル液を初期充填 後,全充填液量の200%量を5%ブドウ糖,生理食塩液,FFPで追加し,同量を限外濾過した。初期充填液量807±166ml(CPD加血534±143ml),洗浄液量1708±441ml(FFP248±59ml)。K値は患児4.0±0.5,充填液ECUM前5.4±3.0,後2.0±0.6,ECC開始後3.3±0.7mEq/lであった。以下ECUM処理により,アンモニア116±67から56±18μg/dl,乳酸49±27から19±12mg/dl,ピルビン酸0.6±0.6から0.1±0.2mg/dlと変化した。初期充填液のECUM処理は安定した術中術後状態につながり,新生児・乳児開心術の一補助手段となりうると考えられた。
  • 笹川 繁, 織田 豊, 関口 敦, 田畑 喜朗, 会田 治男, 片倉 健二郎, 森田 高志, 深谷 隆史, 菊池 寛二, 吉田 譲, 見目 ...
    1995 年21 巻1 号 p. 13-16
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    数種類の市販されている脱血カニューレ〔バード社製,リサーチメディカル社製,スタッカート社製,ヨストラ社製,ポリスタン社製〕の流量特性および形状などを,実験および臨床使用にて評価した。流量は各社に共通して有る32Frサイズで比較すると,流量の多い順からスタッカート社製,バード社製,ポリスタン社製,リサーチメディカル社製,ヨストラ社製であった。臨床使用では,どのカニューレも目標流量は得られたが,一部のカニューレにて表面材質の滑らかさの違いで挿入時に抵抗があった。ワイヤーなしのものは加温時に屈曲がみられた。また,流量に影響する因子を調べるためカニューレ先端と胴体とを切り放し流量特性実験を行った。流量は内径寸法がほぼ等しいため,先端および胴体形状が主に影響し,胴体形状がより大きな因子と考えられた。
  • 立原 敬一, 上野 好彦, 鈴木 直人, 塩野 則次, 藤井 毅郎, 徳弘 圭一, 小山 信彌
    1995 年21 巻1 号 p. 17-21
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    開心術時の心筋保護法として,常温体外循環下にretrograde continuous warm blood cardioplegiaを5例に使用した。心筋保護液基調液として,高濃度カリウムGIK液および低濃度カリウムGIK液を用い,これらのGIK液を1に対し,人工肺酸素加血液を4の割合で混合した後,34℃ に加温し心温し心筋保護液とした。高濃度カリウム心筋保護液の順行性投与で速やかな心停止が得られ,低濃度カリウム心筋保護液の逆行性持続投与で充分な心停止維持が可能であった。本法を施行することにより,体外循環時間の短縮も得られ,良好な術後心機能および心筋由来血清酵素活性値の推移からも,有効な心筋保護法と考えられた。
  • 佐藤 景二, 後藤 彰, 興津 英和, 大隅 進, 児玉 博樹, 篠崎 拓
    1995 年21 巻1 号 p. 22-27
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    胸部下行大動脈瘤と胸腹部大動脈瘤手術の補助循環回路として,抗血栓処理をした市販PCPS回路と心内血吸引貯血槽を組み合わせたシステムを臨床応用した。本システムは抗血栓処理した遠心ポンプ(バイオポンプ),熱交換器内臓膜型人工肺,体外循環用チューブ,経皮的挿入カニューラからなり,バイパス中の自己血返血に対応するために心内血吸引貯血槽を側回路に準備した(Modified回路)。術野吸引回路は,凝固防止を目的にヘパリン加生食を同時吸引できるダブルルーメンチューブを使用した。抗凝固法は初期投与ヘパリンを1mg/kgとし,ACT値で150~300秒を目標とした。3例の胸部下行大動脈瘤と1例の胸腹部大動脈瘤手術に使用し,従来法の欠点とされているバイパス中の循環動態管理,体温管理,大量出血時への対応,ヘパリン使用量の削減ができ,同手術の補助手段として有用なシステムであることが確認された。
  • 田畑 喜朗, 織田 豊, 関口 敦, 会田 治男, 深谷 隆史, 片倉 健二郎, 森田 高志, 笹川 繁, 菊池 寛二, 吉田 譲, 見目 ...
    1995 年21 巻1 号 p. 28-31
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    遠心ポンプを用いた左心バイパス症例での,抗血栓性回路の有用性について検討を行った。対象7例中,非抗血栓性回路を5例,抗血栓性回路を2例に使用した。1993年4月より抗血栓性回路を導入し,出血防止および凝固機能維持を目的に選択的に使用した。ACTは,非抗血栓性回路では250±20秒,抗血栓性回路では170±10秒で維持した。出血傾向を呈した2例において出血量の減少を認めたが,血小板数は低値で推移した。他の凝固因子との関連は判断し兼ねたが,ACTをより低値で管理し得たことが出血量を軽減でき,有用性が示唆された。
  • 鈴木 一郎, 尾越 登, 千葉 美樹
    1995 年21 巻1 号 p. 32-37
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    胸部下行大動脈手術において術中,術後出血の軽減を目的に,ヘパリンコーティング回路(Baxter Duraflo II Heparin Treatment)を試作した。Bio pumpは,Carmeda Bio pump(BP-80)を,回路はDuraflo II Heparin Treatment回路を用いた。Bio pumpの脱血側にSoft Reservoir(Duraflo II Heparin Treatment BMR-1900)を,送血側にFilter(Duraflo II Heparin Treatment AF-1040D)を用いた。これを6例の胸部下行大動脈瘤症例に使用し,回路の抗血栓性を走査電顕にて検討した。その結果,Duraflo II コーティングしたマルチパーパス回路は,ACT120前後での左心バイパスにおいて肉眼的にも,また走査電顕上も回路内に血栓形成は見られず抗血栓性に優れていた。
  • 服部 敏之, 山鹿 彰, 開 正宏, 小林 民男, 戸崎 洋子
    1995 年21 巻1 号 p. 38-39
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    当院で使用している成人用人工肺は,エクセランαおよびUNIVOXであるが,エクセランαは復温時にガス交換能が悪くなることが時々あった。今回我々は,エクセランαの改良型が開発されたので臨床使用を試み,そのガス交換能について,従来品およびUNIVOXと比較検討をretrospectiveに行った。改良型および従来型エクセランα,UNIVOXを使用した各々5例を対象とし,人工肺前後での血液ガス分析結果を比較検討した。酸素加能において改良型エクセランαは,従来型およびUNIVOXより良好な値を示し,充填量がUNIVOXより50ml多い点を除けば,問題のない性能であった。
  • ―20例の検討―
    芦村 浩一, 山田 佳央, 生田 義浩, 加納 龍彦, 大林 弘幸, 宇藤 純一, 平田 智美, 後藤 平明, 宮内 好正, 植田 公昭
    1995 年21 巻1 号 p. 40-45
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    脳分離体外循環を必要とする胸部大動脈瘤患者の手術成績は,人工血管の改良,手術手技の改善に加え,脳障害予防対策,脳虚血モニタリングなどの実施により近年向上しつつある。そこで我々は,脳分離体外循環を必要とした胸部大動脈瘤患者20例に,通常の開心術中モニターに加え,浅側頭動脈圧,脳波パワースペクトラム,内頚静脈酸素飽和度,経頭蓋局所脳酸素飽和度,レーザードップラー血流計,鼓膜温,前額深部体温などのモニタリングを行い,脳障害予防対策としての脳分離体外循環法ならびに脳虚血早期発見のための術中モニタリングの有用性について検討した。術後脳障害をきたした症例は20例中1例で,当施設における脳分離体外循環法ならびに脳虚血早期発見のための術中モニタリング使用は,手術成績の向上に寄与していると考えられた。
  • ―順行性送血を主体とした脳分離体外循環の回路構成―
    川脇 雄次, 森 義顕, 重光 修, 宮本 伸二, 迫 秀則, 添田 徹, 吉松 俊英, 葉玉 哲生
    1995 年21 巻1 号 p. 46-51
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Stanford-A型解離性大動脈瘤手術の補助手段として,我々は1991年3月以降,脳障害などの合併症を予防する目的で右鎖骨下動脈,また末梢側吻合終了後は,人工血管側枝からの順行性送血を主体とする体外循環法を用いてきた。特に脳分離体外循環を要すると予測される症例では,通常の開心術用回路に脳分離循環用回路を接続して,右鎖骨下動脈と大腿動脈からの二分枝送血により開始し,脳分離体外循環が必要と判断した時点で,左総頚動脈に送血する方式を行っている。最近,この二分枝送血法を基本とし,右鎖骨下動脈送血ポンプをバイパスするシャントを設け,脳分離体外循環へ容易に移行可能で脳以外の全身潅流は,順行性優位となる回路構成を採用している。本法の採用により,体外循環操作が容易となり,積極的弓部再建を可能とし解離性大動脈瘤の手術成績も向上して来た。
  • 水谷 嘉男, 永見 一幸, 白石 裕二, 中村 健, 田窪 伸夫, 仲田 三平, 山本 純己, 津野 信輔, 竹吉 悟
    1995 年21 巻1 号 p. 52-56
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    人工膝関節全置換術において,回収式自己血輸血法と術前貯血法を行い,その有用性について検討した。比較方法は,非回収式自己血輸血法をA群,術中術後回収式自己血輸血法のみをB群,術前貯血法と術中術後回収式自己血輸血法の併用法をC群とし,それぞれ10例について検討した。総出血量は,A群<B群<C群と増加したが,総輸血量中の同種血輸血量は,A群680±348ml,B群200±253ml,C群0mlであった。術前貯血法と術中術後回収式自己血輸血法を併用することで,同種血輸血量をより削減することができた。
  • 片倉 二郎, 織田 豊, 田畑 喜朗, 森田 高志, 関口 敦, 会田 治男, 深谷 隆史, 笹川 繁, 菊池 寛二, 吉田 譲, 見目 恭 ...
    1995 年21 巻1 号 p. 57-59
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    当院での自己血輸血を含む輸血症例より,体外循環中に必要な自己血貯血量について検討した。成人開心術症例215例の体外循環中の平均輸血量は虚血性心疾患1.5±2.3単位,弁膜疾患1.3±2.1単位,先天性心疾患0.2±0.9単位,大血管疾患2.6±3.0単位であった。また,無輸血体外循環を行うための最低自己血貯血量について検討し,90%以上の症例が無輸血となる自己血貯血量は虚血性は4単位,弁膜症は5単位,先天性は0単位,大血管は7単位であった。輸血の有無は年齢,術前ヘマトクリット値,体重,体表面積などが関与し,実際の自己血貯血量は各症例ごとの実績を基に決定されることが望ましい。無輸血体外循環を行うためには,自己血貯血を行うだけでなく,充填量の削減と血液高度希釈も併せて検討すべきと思われた。
  • 森田 高志, 織田 豊, 関口 敦, 田畑 喜朗, 会田 治男, 片倉 健二郎, 深谷 隆史, 笹川 繁, 菊地 憲二, 吉田 譲, 見目 ...
    1995 年21 巻1 号 p. 60-63
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    体外循環中の血行動態を規定する最も重要な因子は灌流量である。何等かの理由により下肢を切断した場合,切断前に比べ灌流量を減少させる必要がある。しかし,どの程度減少させたらよいかが問題である。安静時,下肢は全身に比べ代謝が低い。このため,切断後の残された体は代謝が高いことが予想される。これより,代謝を考慮した計算式を2つ作成し,両下肢を切断した2症例に用い,計算式の妥当性を検討した。1つ目の計算式は臨床により妥当性が示唆されたものの,2つ目の計算式は患者体格により誤差を生じ補正が必要となった。計算式を考案する場合,代謝を考慮することは重要と思われた。
  • 樋口 浩二
    1995 年21 巻1 号 p. 64-67
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    対極板の破損事故,およびアクティブコード用アダプタによる熱傷事故の,2つのトラブルを経験した。対極板破損による事故の防止策は,「対極板監視モニタ付電気メス」を使用するか,破損しない対極板を使用することである。しかし,かなり高い確率で破損し易い対極板が市販されていることから,対極板を選定する場合は,破損しない構造や強度も考慮に入れる必要がある。熱傷事故はアダプタに構造上の大きな欠陥があったことが原因であった。しかし,原因を追求する過程で,JIS測定法では基準内であった高周波漏れ電流が,手術室内のように対極板を生体に装着した状況では,JIS基準を大きく逸脱することが判明した。これは手術室内で原因不明の電撃事故に遭遇していることを示唆している。今後の電気メスの開発とJIS基準の改正を望みたい。
  • 野村 智之, 古平 聡, 広瀬 稔, 渡辺 敏
    1995 年21 巻1 号 p. 68-72
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1989年5月27日に改正電波法が施行され,改正電波法に対応した特定小電力医用テレメータ(以下,テレメータ)は,使用周波数帯が制限された代わりに出力も大きく取れることになった。我々はテレメータの管理に,リーダー電子株式会社製400MHz帯特定小電力無線テスタ・MODEL932を使用し,1.送信出力および送信周波数偏差の測定2.アンテナシステム点検3.妨害波レベルの測定を行った。その結果,送信機本体の故障以外にも,アンテナシステムの異常や妨害波も観測され,それぞれに対応を行うことが出来た。このような小電力無線テスタは比較的廉価で,操作性もよく,テレメータ機器の点検だけではなく,テレメータシステムの管理にも有効であり,管理を行う上で常備の必要な測定器である。
  • 堀江 智二, 配島 武弘, 桜井 学, 南 和, 大瀬 良雄, 田中 淳
    1995 年21 巻1 号 p. 73-75
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    大動脈再弁置換術後に発症した横紋筋融解症に対して,血液透析,血液透析濾過,および持続的血液濾過を施行し,救命し得た1例を経験した。症例は29歳男性で,他院にて大動脈弁閉鎖不全の診断で,大動脈弁置換術を施行されたが,術当3ヵ月目に弁置換術後心内膜炎と診断され,当院で大動脈根部パッチ形成と大動脈歳弁置換を施行した。手術は問題なく終了したが,術後に,長時間の大腿動脈送血による片側下肢虚血が原因の横紋筋融解症を発症した。緊急血液透析による血清カリウム値の急速是正に続いて,血液解析濾過,および持続的血液濾過を実施した。持続的血液濾過は48時間で離脱し,以後順調に経過した。
  • 稲垣 直樹, 竹中 利尾, 中前 健二, 古田 邦彦
    1995 年21 巻1 号 p. 76-78
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    体外循環中,高カリウム血症を呈した開心術症例に対し,血液濾過法(Hemo Filtration:以下,HF)を施行した。対象は,当院では施行した冠状動脈バイパス手術症例(以下,CABG)10例であり,年齢62.6±9.3歳,男女比4:1であった。HFは,限外濾過(Extra Corporeal Ultrafiltration Method:以下,ECUM)回路を使用し,後希釈法を用いた。置換液はソリタT1と生理食塩水を1:2に混合して用い,濾過膜にはカワスミ社製ポリスルホン膜PS1.0-UWを用いた。置換液量は2,700±900ml,除水量は2,700±836ml,ナトリウム値は,HF前129.4±2.9mmol/l,HF後130.7±3.3mmol/l,カリウム値は、HF前6.1±0.4mmol/l,HF後4.9±0.4mmol/lと推移し,ナトリウム値の変動を抑え,カリウム値を有意に低下させることができた。本法は体外循環中の高カリウム血症に対し,比較的短時間で迅速に対応でき,有用な方法であった。
  • 中前 健二, 竹中 利尾, 稲垣 直樹, 古田 邦彦
    1995 年21 巻1 号 p. 79-84
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    当院において施行した緊急冠状動脈バイパス術(以下,CABG)後,low cardiac outputsyndrome(以下,LOS)と急性腎不全を合併した症例に対し,我々は,心機能,血圧などの影響が少ないとされるContinuous hemo-dia-filtration(以下,CHDF)法を術後3病日目から連続5日間実施し,この症例についてCHDF法の使用経験を検討した。CHDF法は,抗凝固剤が必要不可欠で,述後の出血量を最少に迎えるためNafamostat mesilate(以下,FUT)を用い,Activated clotting time(以下,ACT)測定で生体150秒前後でFUT使用量をコントロールした。また,CHDF法の透析除去率は,良好な成績が得られ,血清(あるいは血漿)K,BUN,クレアチニンの低下,水分バランスのコントロールも十分に行う事ができ,CHDF中の血行動態も安定しており,血行動態の不安定な術後管理に適していると考えられた。
  • 田崎 昭夫, 松阪 淳, 吉田 秀人, 二重 実, 高橋 浩, 上原 明彦, 三木 成仁, 上田 裕一, 田畑 隆文, 荻野 均, 森岡 浩 ...
    1995 年21 巻1 号 p. 85-89
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全17例(虚血性心疾患11例,弁膜症6例),術前乏尿1例(解離性大動脈瘤破裂)の腎機能低下症例18例に対する開心術・体外循環に血液透析を施行し,尿素窒素およびクレアチニンの除去効果を検討した。尿素窒素は術前;49.4±24.8mg/dl,体外循環60分;27.7±13.7mg/dl(術前の56.1%),120分;17.9±6.8mg/dl(術前の36.2%),術後1日目;34.3±10.9mg/dl(術前の69.4%)であった。クレアチニンは術前;4.1±3.6mg/dl,体外循環60分;2.0±1.3mg/dl(術前の48.8%),120分;1.7±1.2mg/dl(術前の41.5%),術後1日目;3.2±1.8mg/dl(術前の78.0%)であった。また,術前に透析療法を必要としなかった12例中6例が術後も必要とせず,術後に透析療法を要した12例中,維持透析2例を除く10例も最終的に透析療法から離脱できた。以上のことから,体外循環中の血液透析は本病態に最大限の効率で速やかにその効果を発揮した。
  • ―セライト法とカオリン法の比較検討―
    成田 安志, 井上 次人, 原田 道生, 樗木 等, 堺 正仁
    1995 年21 巻1 号 p. 90-92
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    近年,欧米において,術中および術後の出血量軽減を目的にアプロチニンが使用されるようになったが,同薬剤使用下における活性化凝固時間測定に関して,セライト法(C法)ではカオリンを用いた方法(K法)に比して有意な延長を指摘する報告が見られた。そこで,当施設のアプロチニン投与法において,どの程度の差があるのか,追試する目的で両法の比較検討を行った。症例は1993年4月から同年12月までの開心術24例で,男性13例,女性11例であった。CPB開始前には両法に有意差はなかったが,CPB開始10分後以降からC法のほうがK法に比して有意に延長していた。C法で延長する原因は不明であるが,アプロチニン使用下においては,K法で用いているカオリンがアプロチニンを不活化し,真のACTを反映していると考えられる。同薬剤使用下でK法を用いることは有用と考えられた。
  • 安田 剛, 山崎 隆文, 佐々木 優二, 小山 貴史, 皆川 宗輝, 外山 雅章, 田辺 大明, 尾崎 重之, 河瀬 勇
    1995 年21 巻1 号 p. 93-95
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    動脈カテーテルによる心拍出量の測定は,循環管理に非常に重要なものとなっている。今回我々は,心拍出量を連続的および間漱的に測定できるBaxter社製スワンガンツCCOサーモダイリューションカテーテル,および専用連続心拍出量測定装置を使用する機会を得,開心術40例に対して本システムの信頼性について検討を行った。麻酔導入直後,人工心肺離脱直後は血行動態の変動,不安定な血液温度がある程度認められる時点だったため若干のバラツキがみられたが,その他は良好な結果が得られた。本装置は過去数分間の心拍出量をもと平均値として表示されるため,血行動態の変動中には数分の遅れを伴うが,従来の心拍出量測定装置との相関は良好であるとともに,時間の経過によるドリフトがなく定期的な校正を必要としないため操作も簡便であり,連続モニターとして有用性は高いと思われる。
  • 多田 健二, 山本 一郎, 福本 仁志, 西本 孝, 森田 大, 冨士原 彰
    1995 年21 巻1 号 p. 96-99
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    IABP駆動装置の新規購入にあたり,性能,操作性の評価に加えて,メーカーに対する保守サービス向上への進言や,装置の部分的なシステムの改良を行った。この結果,臨床上さらに安全な使用と,保守管理が容易に行えるようになったと考える。
  • 不破 昌俊, 間部 弘, 廣浦 学, 瓦谷 義隆, 虫鹿 貞彦
    1995 年21 巻1 号 p. 100-103
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    スーパーバルーンポンプにカラーノート型パソコンを連動させることによって視認性の向上ができ,併せて長時間にわたって患者状態, IAPB運転状況の把握ができるシステムを考案し作成した。
  • 東條 圭一, 稲毛 博, 古平 聡, 守屋 元, 古垣 達也, 佐藤 正憲, 飯島 光雄, 西川 温, 渡辺 敏
    1995 年21 巻1 号 p. 104-106
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    当施設において新規購入された人工心肺装置に対して,手台・スイッチカバー・脱血量調整器を取り付け,操作性の向上を図った。そして,患者モニタの改良や自動記録システムの導入により,体外循環中の患老情報の確認・記録が容易になった。また,人工心肺本体のみならず,その使用環境にも注目し,余剰麻酔ガス排出装置や電流監視装置の設置により作業環境の改善を図った。その結果,長時間の体外循環や微妙な流量調節が可能になり,患者モニタの視認性が向上した。そして,作業環境においても,余剰麻酔ガス濃度は満足する結果となった。電流監視装置の設置により,ブレーカ切れを未然に防ぐことができた。
  • 古垣 達也, 稲毛 博, 飯島 光雄, 佐藤 正憲, 古平 聡, 守屋 元, 東條 圭一, 西川 温, 渡辺 敏
    1995 年21 巻1 号 p. 107-109
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    人工心肺の教育方法は,教科書による基礎学習,実技による回路の組立,充填などが行われてきたが,操作方法については確立された練習方法がないまま,実際の操作を行っているのが現状と考えられる。今回,人工心肺装置操作シミュレーションシステムを開発し,人工心肺操作未経験の臨床工学技士および学生の臨床実習に導入した。臨床工学技士に関しては,実際に操作してみなくては解らないバランスの取り方や微妙感覚が養われた。学生に関しては人工心肺操作を実際に体験し,人工心肺操作を今まで以上に理解した。人工心肺装置操作シミュレーションシステムは,人工心肺操作未経験の臨床工学技士および学生の臨床実習に導入したところ,良い結果が得られた。
  • 症例数,疾患の年代別推移について
    吉田 秀人, 田崎 昭夫, 松阪 淳, 二重 実, 高橋 浩, 三木 成仁, 上田 裕一, 田畑 隆文, 荻野 均, 森岡 浩一, 酒井 哲 ...
    1995 年21 巻1 号 p. 110-114
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    天理よろづ相談所病院では,1966年の開設当時より,体外循環を用いた心臓手術が行われ,1993年には5,000例を越える体外循環を経験した。そこで,今回1966年から1993年までの5,235例について症例数,疾患,年齢等について年代別推移を検討した。年代別症例数の推移は,1983年まで年々増加し273例に達し,その後は,200例前後で推移しており,28年間の平均年間症例数は193例である。小児例(16歳未満),成人例の症例数の推移は小児例が減少し,成人例が増加してきた。平均年齢の推移は,小児例では低年齢化,成人例では高齢化の傾向がみられた。平均体重の推移は,小児例では年々減少し低体重となっている。原疾患については,先天性心疾患は,複雑心奇形が増加する傾向にある。一方,後天性疾患では,弁膜症が減少し,虚血性心疾患,胸部大動脈瘤が増加してきた。また,再手術症例や緊急手術も増加してきた。1987年以降の人工心肺装置の操作は技師に任され,現在1,000例近くの経験となった。
  • 松田 司, 吉川 貴則, 馬場 健太郎, 小畠 勝司, 湊 直樹, 力武 一久, 村山 順一, 大島 秀一, 高添 啓二
    1995 年21 巻1 号 p. 115-119
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    経皮的心肺補助法(以下,PCPS)については,各種の循環補助あるいは呼吸補助として多くの施設で用いられている。今回我々は,急性肺梗塞に伴う呼吸不全および急性右心不全により,ショック状態を呈した63歳男性に対し,PCPS下に血栓溶解療法を行い循環動態の安定化を得,急性期を脱し救命できた症例を経験した。症例は起床後突然呼吸困難が出現し,チアノーゼも出現したため救急車にて当院に搬入された。呼吸状態の改善を図るため挿管したが,その後完全房室ブロックとなり意識消失し,血圧も触知出来ず呼吸停止となった。心肺脳蘇生を施行し血圧の上昇,調律の回復を得るも収縮期血圧は70~80mmHgと循環動態が不安定なためPCPSの導入となった。治療中潅流量に比例し,血圧・動脈血ガス値の推移が認められたが,容易に対処することができた。PCPSは右室前負荷の軽減,ならびに人工肺により安定した酸素化が得られるなど,右心不全症例に対し有用な補助手段であると思われた。
  • 山内 章弘, 石川 隆志, 井平 勝, 高須賀 広久, 服部 良信, 横山 悦春, 伊藤 康宏
    1995 年21 巻1 号 p. 120-124
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    体外循環中の脳波測定は,脳虚血の指標としてモニタリングされることもあるが,一般的には行われていないのが現状である。そこで今回我々は,通常の脳波測定より客観性,定量性および認識性に優れていると思われるマッピング脳波測定を,体外循環施行例に対し行った。対象は1994年7月に,心房中隔欠損直接縫合術を行った2症例である。結果は,体外循環回路内に金属アースを組み込むことにより,ノイズ成分を除去することができ,良好なマッピング脳波の測定が可能であった。体外循環を行った時のマッピング脳波の電位は,体外循環開始直後に上昇し,体外循環終了と共に,体外循環開始前の状態に速やかに復帰した。今回測定を行った,パワースペクトル図は,通常脳波に比べて認識性に優れた脳波モニタリング法であると考えられた。
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