体外循環技術
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41 巻, 1 号
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原著
  • 東條 圭一, 藤井 正実, 木下 春奈, 田村 美沙紀, 大島 弘之, 武田 章数, 古平 聡, 宮地 鑑
    2014 年 41 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/01
    ジャーナル フリー
     長期間の経皮的心肺補助(percutaneous cardio pulmonary support:PCPS)では、人工肺中空糸内に貯留した水が人工肺のガス交換有効膜面積を減少させガス交換能低下を来す(ウエットラング状態)。このような場合、人工肺の吹送ガスを一時的に増加させ中空糸内の水を飛ばして(ガスフラッシュ)ガス交換能を改善させることがある。今回我々は、均質膜構造を持つ人工肺テルモ社製CAPIOX-LX、ニプロ社製BIOCUBE、多孔質膜にシリコンコーティングした泉工医科業社製EXCELUNG PRIMEについて実験用回路を作製してウエットラングを改善する方法について実験を行った。その結果、ウエットラング状態でのガス交換能の低下はBIOCUBE、エクセラン、CAPIOXの順で大きかった。ガスフラッシュによる有効膜面積は、EXCELUNG PRIME 25L/min、CAPIOX 10L/min、BIOCUBE 30L/min以上の吹送ガス流量にて改善できることが分かった。また、ガスフラッシュの時間は3種とも5秒で効果が得られた。PCPSにおいて人工肺を長時間連続して使用する場合、結露によるウエットラングを防ぐことは困難であるが、ガス交換能回復が見込めることが示唆された。
研究論文
  • 伊藤 康宏, 深尾 英臣, 海江田 章, 石田 沙織, 藤原 麻未, 山本 賢, 豊崎 正人, 山城 知明, 石川 隆志, 川井 薫, 渡邊 ...
    2014 年 41 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/01
    ジャーナル フリー
     補助循環中の症例から、連続する2週間に尿中に排泄された必須アミノ酸のトリプトファンの代謝産物のうち、キヌレニン経路からの代謝産物を測定した。比較対照として肝機能指標である総アルブミン、AST、肝臓で産生される腎機能指標BUNおよび炎症性ストレス反応物質であるCRP、プロカルシトニン、尿中コルチゾールを測定した。トリプトファン代謝は肝臓で行われるため、肝機能指標との関係が示された。また、トリプトファン代謝産物の経日的な動態から補助循環回路などに使われる可塑剤の影響が示唆された。更に、肝臓の重要な機能である栄養代謝のうち、エネルギー賦活源であるNADや解糖系への代謝障害が示唆され、栄養学的な観点からも重要な課題と考えられる。また、トリプトファン代謝産物と炎症性ストレス反応物質との間に高い相関係数が得られ、抗ストレス性、炎症反応との関連なども示された。
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