体格の大きな患者や重症呼吸不全患者、敗血症患者などに対する体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)では、耐久性は向上したが通常開心術用のガス交換能で規格設計された人工肺ではガス交換能が不足し、人工肺を2個同時に使用する例が報告されている。多くの施設では人工肺を並列接続して使用しているが、血液流量とガス移動量が正比例の関係にある人工肺では、理論上並列接続ではガス交換能は向上しない。そこで、実験回路を作製してガスと温度を調整した蒸留水を灌流させ、並列接続時と直列接続時のどちらが、ガス交換能が高くなるか比較検討した。その結果、直列接続の方が並列接続に比して高いガス交換能を発揮できる可能性が示唆され、カタログデータと矛盾しない結果を得た。