教育心理学研究
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10 巻, 1 号
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  • 教師に対する児童の態度の1年間の変動および学校好嫌態度との関係
    岸田 元美
    1962 年 10 巻 1 号 p. 1-10,62
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教育の基底として考えられる児童・生徒と教師の人間関係について教師に対する児童の親近愛着および疎遠離反の対人態度を, 同一児童を継続して1力年間調査した。
    調査時点は, 新学年当初, 1ヵ月後, 1学期終了前, 2学期終了前および学年末の5時点である。各調査時点では教師に対する態度の測定尺度および学校好嫌態度の測定尺度の2種類の態度尺度を使用して, 毎回同一調査を行なつた。測定尺度は, Thurstone, L.L.のmethodof equal-appearing intervalsに準拠して作成されている。調査対象は同一小学校4年生の学級の児童である。
    調査結果の測定値を学級別でまとめて検討すると4学級相互の態度の測定平均値は, 担任教師の諸特性に応じて相違が認められ, その差は統計的に有意な差があつた。しかしそれぞれの学級内では, 通常の特性を備えた教師が担任する学級では, 教師に対する児童の態度に年間の変動が少ない。すなわち各調査時点間の測定値相互の相関が大であり, その相関は有意である。また同一児童の態度の変動も少なくて, 1年間を通じてほぼ恒常的であつた。しかしやや特異な特性をもつ教師が担任する学級では, 年間の変動が大であり, とくに第1と第2, 第2と第3の調査時点間の測定値の差が大であり, その差はすべて統計的に有意な差であつた。
    したがつて以上の結果からみて, 児童は通常は教師に対して初めて接触した当初の間の印象や, それまでに既得の教師イメージを手がかりとして, 教師に対する態度を構成し, これでもつて1力年間を継続する傾向があるといえる。教師に対する児童の態度と学校好嫌態度との相関はかなり大であつて, 担任教師に親近愛着する児童は, その程度に相応じて学校を好む態度も大になつている。
  • 学習準備性 (点) の解析 (2)
    中嶽 治麿
    1962 年 10 巻 1 号 p. 11-19,63
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    ここでは, 学習準備点を構成する要素の抽出と, 準備点の構造を検討することに主眼をおいた。まず, 教材 (α) に対する学習準備点の構成要素を抽出する方法は次のようである。学習の準備に必要な要素を (Si, Si+1, …, Sj) と仮定すると, 教材 (α) の学習後に認められる (α) の達成度fα (s1, s2, …, sn) と, 各要素の理解の型 (s1, s2, …, sn) の関係は, 論理的には,(1)(2) 式のようになると考えられる。また, このような条件のもとでは,(4) 式の値は, Skが学習準備点の構成要素であれば,
    (mは準備点の構成要素の数)
    となり, 構成要素でないと,
    QK=0
    となる。したがつて, これから, いちおう, 学習準備点の構成要素を,(4)(5) 式によつて抽出することができる。
    しかし, 学習準備点は, このような簡単な構造をもつもののみではない。そこで, 上述のような構造は, 教材 (α) に関する学習準備点を構成する要素が, 1つでも理解できていない場合, 教材 (α) に対する学習効果はほとんど期待できないということから, 各要素はこの面で等
    しい重さをもつているとみて, このような構造を, equal weight structureと名づけた。これに対して, unequal weight structure考え, これに, Or-structureとAnd-structureを取りあげた。前者は, 学習準備点の構成要素 (Sz+k1) の代わりに (Si+k2),((Si+k2) の代わりに (Si+k1)) をもつてくることができるというような構造をもつものであり, 後者は,(Si+k1) が十分に理解されていなくても,(Si'+k2) と共働して, ひとつの概念が成立しておればよいという構造をもつものである。
    しかし, このAnd-structureは, equal weightstructureと, Or-structureの拡張と考えられるためにここでは, Or-structureをunequal weight structureの主要なものとして検討した。そうして, Or-structureに認められるOr-elementの性格を検討し,(11) 式のような方法で, これを抽出することを考えた。しかし, 学習準備点の構造というものは, このような単純なものばかりではない。そこで, いちおう, このような考えかたを拡張する方法や, 実際に学習準備点の構成要素を抽出する方法, さらに, この場合に考えなければならない問題などを5で考えた。
  • 波多野 誼余夫
    1962 年 10 巻 1 号 p. 20-29,64
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教育行政的観点からも, 人格形成という点からも, 教育的環境の重要な一部だと思われる, 父母の教育に対する態度を分析する手がかりをうるため, 一般の父母9名PTA役員7名, 教師2名, 教育研究者4名について, Q技法による調査を行なつた。60個の教育に関する陳述は, 態度 (進歩主義的-伝統主義的), 領域 (学力・教科課程-社会性・人間関係-体力・健康) の2次元について構造化されており, 被調査者は, 賛成-反対の次元で9段階にこれらの陳述を分類することを要求される。
    各人のQ分類の分散分析, およびQ分類間の相関マトリックスの因子分析の結果から, 次のような諸点があきらかにされた。
    (1) 一般父母の教育に対する考えかたは, 進歩的-伝統的という観点からは, はつきりした傾向を示さない。
    (2) これに対して, 教育研究者, 教師は, はつきりと進歩的な態度を示す。
    (3) しかし, これは一般父母の態度が, なんらの共通項をもたない, ということではない。それどころか, 一般父母は, 因子分析の示すところによれば, 共通して第2因子-常識的教育観をあらわす, と思われる-にかなり高い負荷量を示している。
    (4) 教育研究者は, 進歩的教育観をあらわすと思われる第1因子に, いずれも高く負荷している。PTAの役員はこれに準ずる傾向がある。また, 教師の態度は, 第1因子にも, 第2因子にもかなりの負荷量をもつている。
    この調査は, アメリカにおけるKerlingerの同様な研究と, かなりよく似た結果を得ている。しかし, このような研究が一層発展していくためには, なお多くの点で解決されねばならない問題点があると思われる。
  • 佐々木 保行
    1962 年 10 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 単色における児童の色彩嗜好の状況は, 色彩不提示と色彩提示とを比較して概念的嗜好と色紙の場合との間には0.98, 概念的嗜好とパスの場合との間には0.97というきわめて高い相関があり, 嗜好の一致性がみられた。
    (2) 単色における色紙とパスとの両方の場合の間には0.97という相関を示し, きわめて高い一致性がみられた。
    (3) 色紙における調和では, 単色のとき好まれた色との組み合わせをとる形態の調和が好まれ, 黄青, 黄緑の調和が好まれた。しかしパスにおける調和では, 単色の好みと調和の好みとが相違しており, 好まれた調和は緑青と黄緑である。
    (4) 色紙とパスとの両方の場合の調和には, 相違があり, 使用材料の及ぼす影響がみられた。
  • 水島 恵一
    1962 年 10 巻 1 号 p. 37-46
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 川口 勇
    1962 年 10 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 芳賀 純
    1962 年 10 巻 1 号 p. 52-59
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 10 巻 1 号 p. 61-
    発行日: 1962年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 10 巻 1 号 p. 62
    発行日: 1962/03/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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