教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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13 巻 , 1 号
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  • 今泉 信人
    13 巻 (1965) 1 号 p. 1-11,59
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 図形のもつ意味的表出性と図形の提示方向を変量として, 相貌的知覚としての仮現運動視を発達的に検討したものである。
    実験IFig.1に示された9個の図形 (円, 順三角, 逆三角, 順静馬, 逆静馬, 上静馬, 順動馬, 逆動馬, 上動馬) について仮現運動視のおこりやすさを小学1年生と大学生の2群で調べた。仮現運動視のおこりやすさの指標は, 最適運動時相の下限値, 上限値, 範囲値の3つの測定値である。
    その結果, 次の事実が明らかにされた。
    下限値では, 仮現運動視のおこりやすさに関して, 年令間にも図形間にも, ほとんど有意な差が得られなかつた。
    上限値と範囲値では, 年令間の差, 図形間の差, および年令と図形の交互作用が有意であつた。上限値と範囲値で得られた結果は次のとおりである。
    (1) どの図形についても, 小学1年生での方が大学生でよりも, 仮現運動視がおこりやすい。
    (2) 小学1年生において,(イ) 順方向図形では, 「順動馬」, 「順静馬」, r順三角」の順序で, 回逆方向図形では, 「逆動馬」, 「逆静馬」, 「逆三角」の順序で, 囚上方向図形では, 「上動馬」, 「上静馬」の順序で, それぞれ仮現運動視がおこりやすい。
    (3) 大学生では,(2) で述べた諸傾向が, 小学1年生におけるほどには有意に顕著でなかつた。
    実験丑輪廓と面積はまつたく同じであるが, 図形内部の図柄を異にすることにより図形の意味がまつたく異なるようなFig.3に示された4個の図形 (順鳥, 逆鳥, 上鳥, 花) を作つた。このようにして, 図柄を比較的統制したうえで, 図形の意味的表出性と提示方向が仮現運動視に及ぼす効果を再吟味した。
    その結果, 次の事実が明らかにされた。
    下限値では, 仮現運動視のおこりやすさに関して, 年令間にも図形間にも有意な差が得られなかつた。
    上限値と範囲値では, 年令間の差, 図形間の差, および年令と図形の交互作用がそれぞれ有意であつた。上限値と範囲値で得られた結果は次のとおりである。
    (1) どの図形についても, 小学1年生での方が大学生でよりも, 仮現運動視がおこりやすい。
    (2) 小学1年生では, 「順鳥」, 「逆鳥」, 「上鳥」, 「花」の順序で, 仮現運動視がおこりやすい。
    (3) 大学生では, 「順鳥」, 「花」,.逆鳥」, 「上鳥」の順序で, 仮現運動視がおこりやすい。しかし, 各図形間の差は, 小学1年生におけるほどには著しくない。
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  • 波多野 誼余夫, 外原 恵子
    13 巻 (1965) 1 号 p. 12-18,60
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    プログラム学習や授業研究の展開にともなつて, 心理学者が教科の学習過程に関心を示すようになつたことは最近の教育心理学における顕著な傾向のひとつといえよう。そこでは, 学習の一般法則を追求するというより, 個々の教材に関して, なにをどのように教えるべきかを明らかにすることが, 研究者の主な課題となつているように思われる。だが, このような学習過程の実践的研究が, 教授学的な水準にとどまることなく, 効果的な授業の創造をとおして, 教育心理学自体の発展にも寄与しうるためには, さまざまな教材にわたつて有効な仮説を導きうる, 学習過程についての心理学的な理論体系を前提としなければならない。つまり, そのような授業のすすめかたがなぜ有効であるかが, 心理学的に説明されることが必要なのである。細谷ほか (1963) のあげている次元間弁別, 外そう, 例示・類比・モデルなどの手だては, 概念形成を含む学習過程を, 授業においてどのように組織化するか, のよりどころとなる心理学的原理を求めるものといえよう。
    だが一方, このような手だてによつて教師が学習材料を児童の認知構造へと関係づけて学習させようとする場合, 教案作成をどのような形式において行なうべきかの原理に関しては, 十分説得力のある証拠はまだないように思われる。Ausubel (1963) が指滴しているように, その学習・保持・忘却の過程において, 教室で行なわれている意味的学習 (meaningful learning) は, 従来の実験心理学での主な対象となつてきた機械的学習 (rotelearning) の過程とは, 本質的に異なる点を含んでいる。だから, 機械的学習について見出された, いわゆる学習の法則を, 教科の学習にそのまま持ち込むことは許されない。たとえば, 機械的学習においては, きわめて, はつきりと認められる, 集中練習に対する分散練習の優位は, 概念形成のような複雑な課題を扱つた実験には認められないばかりか, かえつて集中練習が優位を示すことさえあるといわれる (Ellis, 1960) 。
    そこで教案編成のひとつの心理学的な足がかりを得るために, まずこうした意味的学習についての研究が必要になつてくる。意味的学習が機械的学習に対してもつ優位を, いかにして最大にひき出すことができるか, それを促進する条件の分析は, 形式的には実験心理学的な手法をとつている場合でさえ授業の質を高めるうえに役立ちうるのではないだろうか。
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  • 中嶽 治磨
    13 巻 (1965) 1 号 p. 19-30,61
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    特定の場面では, ある与えられた課題を解決することができたとしても, 場面がかわると, そのような課題の解決が不可能になるようなことがしばしばある。このような現象は, 能力が多面的な特性をもつことを示す例とみることができる。このような特性は, その能力がもつ構造によつて規定されると仮定して, 個々の具体的な学習能力の構造をどう抽出し把握するかを考えた。
    まず, その構造を考えようとする能力 (A) と, これを構成しているとみられる要素 (部分能力)(S1, S2, …, Sn) とを仮説的に設定し, 実際に能力 (△) をもつている個人や, 十分に備えていない個人, さらに, 全く備えていない個人を含む集団に対して, A, S1, S2, …, Snの状態を調査し, Table1のようなA, s1, s2, …, snの関係が明らかになるような一覧表を作成し, これによつて, 要素の組み合わせを抽出しようとした。すなわち,(△) の能力が認められる反応型の中で,(s1, s2, …, Sn) の中のどれか1つでも, それが認められなくなると,(A) も認められなくなる反応型 (分解不可能な構造反応型) を抽出すると, この反応型は,(A) を構成する要素の組み合わせを示すものとみることができる (構造模型I) 。
    次に, これらの要素がどのように結び合つているかを, 各要素の共働性を指標として検討した。いま,(S1) と (S2),(S2) と (S3) とがより強く結びつき,(S1) と (S3) とは, あまり強く結びついていないとすると, この関係は近似的に, S1-S2-S3のように図式化でき, さらに,(Si) と (Sj) の相関係数をR (Si, Sj) で表わすと, 上の場合は近似的に, R (S1, S2) >R (S1, S3) R (S2, S3) >R (S1.S3) となる。このよう考え方を一般化して, 各要素の結びつきの状態を検討した (構造模型II) 。
    さらに, 模型 (I) の状態を詳細に検討するために, 能力 (A) の具体的な側面 (A1, A2, …, Am) と, これを規定する要素 (s1, s2, …, Sn) との間にf (S1, S2, …, Sn) = (A1, A2, …, Am) という関係を考え, 「Aの状態 (A1, A2, …, Am) が異なるのは, それを規定する要素 (S1, S2, …, Sn) に差異があるためである」 (f (S1, S2, …, Sn) = (A1, A2, …, Am) は-価関数) と仮定した。そうして,(A1, A2, …, Am) のそれぞれの状態に対応する要素 (S1, S2, …, Sn) の状態を, Table3のような一覧表から抽出しようとした (構造模型 (III)) 。
    また,(A1, A2, …, Am) に特定の状態 (構造) を設定できる場合, これに対応して, 要素 (S1, S2, …, Sm) の構造を考えることができ, これから,(A) の各状態を規定する要素を体系づける方法を検討した (構造模型 (IV)) 。
    以上のような考え方は, 反応構造の分析とみることもできるが, 学力検査の誤答分析においては, その誤答にひきおこす原因を, ある程度能力構造の側面から明確にすることができるなど, 各方面への活用を考えることが可能である。また, ここにあげた模型は, ある側面からみると, Radix理論のSimplex modelやCircumplex modelに類似していることもわかる。
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  • 岩原 信九郎, 杉村 健
    13 巻 (1965) 1 号 p. 31-41,62
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Edwards Personal Preference Schedule (以下EPPSと略す) は1954年にA.L.Edwardsが正常人における比較的独立な人格特性を測定するために作成したもので, 現在アメリカにおいてかなり広く使用されているようである。いまその手引 (Edwards, 1959) によつてEPPSの簡単な紹介をすると, この検査は15の人格特性の測定を目的としている。これらの特性はMurray (1938) によつて提案された欲求 (need) の概念にもとずくもので, 次に示すものである。1.achievement (achと略す, 達成), 2.deference (defと略す, 服従), 3.order (ordと略す, 秩序), 4.exhibition (exhと略す誇示), 5.autonomy (autと略す, 自律), 6.affiliation (affと略す, 親和), 7.intraception (intと略す, 内察), 8.succorance (sucと略す, 依頼), 9.dominance (domと略す, 支配), 10.abasement (abaと略す, 謙虚), 11.nurtrance (nurと略す, 同情), 12.change (chgと略す, 変化), 13.endurance (endと略す, 持久), 14.heterosexuality (hetと略す, 異性愛), 15.aggreSSiOn (ag9と略す, 攻撃) 。
    これら15の欲求カテゴリーに対して, おのおの9個の陳述が用意され合計135の陳述がある。EPPSの特徴は普通のイソヴェントリー形式と異なり, 各項目は2つの異なる欲求に属する陳述から成つており, この対にされた陳述はその「社会的望ましさ」 (social desirability) の点でほぼ等しいようになつている。EPPSは全部で225のこうした項目を持つているが, 項目を作るにあたり, 同じ陳述が他より著しく多くあらわれないこと (3~5回) に留意しており, また225の項目の中15個は重複してあらわれ反応の斉一性 (consistency) の測定に用いられている。
    ここで「社会的望ましさ」*はEPPSの場合各陳述について9点法と系列間隔法によつて尺度化された値で, その統制を試みていることが本検査の最も大きな特徴とされている。この点を少し説明すると, 普通のインヴェントリー形式すなわち単一刺激法では被験者は各陳述に対し一般に「はい」か「いいえ」で答えるよう教示されるが, この際の「はい」の比, すなわち承認率は各陳述の「社会的望ましさ」と非常に高い直線相関のある場合が多く, EPPSについては0.87であつた。それゆえある特性についての陳述で「はい」と答えたもののどれだけが真の自己評価によるもので, 社会的望ましさによるものでないか決められない。そこで社会的望ましさを統制するため, すなわちその要因の効果を最小にするために, ほぼ同じ社会的望ましさをもつ陳述を対にし, そのうち, いずれかが自己によりよくあてはまるか強制選択させたのがEPPSの特徴といわれるものである。
    本研究の目的はEPPSの日本人への適用の試みのひとつとして, その日本訳にもとつく日本人の社会的望ましさの要因についてアメリカの原版の結果と比較し検討することである。
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  • 宮崎 積子
    13 巻 (1965) 1 号 p. 42-53,63
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    An experimental education was carried out to examine the following hypotheses.
    1) The acquisition of conservation of length, weight and liquid measure can be facilitated by an instructional procedure consisting of verbal explanation combined with manipulating concrete materials.
    2) Ss, who acquire consevation of one of these physical attributes by training, have a tendency to generalize this principle to the two other attributes.
    3) Ss who comprehend conservation of an attribute also grasp its transitivity simultaneously.
    Ss were 40 4-to-6-year-old children, who at the pre-training test had shown neither the symptom of conservation nor that of transitivity as to any of these 3 attributes. They were divided into 4 homogeneous groups with a C. A., of 5: 5 as a mean. Three groups were served as an experimental Ss (Exp. Gr.) Gr. 1 was trained as to length, Gr. 2 weight, and Gr. 3 liquid measure, respectively. The remaining one was a control group (Con. Gr.).
    Each child in each Exp, Gr. received two sessions of 10-15 min. individual tranining in two consecutive days. In these sessions the E. explained conservation based on various grounds, e. i., i) identity or the material without addition or subtraction, i i) empirical reversibility of any transformation, i i i) compensability of loss in one dimension by gain in another.
    Post-training test was administered to these Ss 3 weeks later.
    The results were as follows
    1) Hypothesis 1 was veriffied. Ss who were diagnosed as conservers at the post-training test were 9 in Gr. 1, 9 in in Gr. 2, and 8 in Gr. 3 in number. On the contrary, none of the Con. Gr. Ss answered all of conservation items. of any one attribute correctly.
    2) Hypothesis 2 was supported. Scores of Exp. Gr. Ss as to two attributes without training increased significantly, while those of Con. Gr. Ss showed no marked improvement.
    3) Hypotheses 3 also seemed tenable, because in the Exp. Grs. the number of correct responses on transitivity tasks increased significantly.
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  • 久保田 正人
    13 巻 (1965) 1 号 p. 54-58,64
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 図形模写の難易度は, 円と垂直・水平線のみを持つ平易図形と, 斜線の合成からなる斜線図形と, 立体を平面に表わす立体図形の段階において, かなり明確な相違を示している。
    (2) 模写成績とMAとは, 普通児であると精薄児であるとを問わず高い積極的な相関関係を持つている。
    (3) cubeを写せる者はMA8才以上である (逆は必ずしも真ではない) 。そこで魯鈍児にはなかなか困難となる。
    (4) 模写能力を, 平易図形のみ可能, 斜線図形一部可能, 斜線図形全部可能という3段階に分けると, 普通児においても, 担任による総合的段階評価 (頭の優れた子であるとか見劣りがするとか) とこの3つの段階とは明かに相関をもつ。
    (5) cubeの写し方を数種類に分けてみると, ここにも多少知能や年令との関係がみられる。
    さて, 図形を客観的に模写することは, この報告中の児童たちにとつて, 感覚運動的な特技であるよりも, 知的な観察や判断を必要とする作業であつたと思われる。むしろ従来の感覚運動的習慣や手段が新しい作業のじやまになり, あらためて反応の再編成, 再計画が必要になるので, 高度に適応的な機能, すなわち知能がここにはたらくのであろう。そのため, この作業にはなによりもMAの一定の水準が必要だつたのであろうと思われる。
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  • 13 巻 (1965) 1 号 p. 59
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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