教育心理学研究
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14 巻, 1 号
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  • 大村 彰道
    1966 年 14 巻 1 号 p. 1-8,60
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    物理に関して4つの認知傾向を仮定した。すなわち事実や術語, 公式の記憶など, 記憶を中心にして物理を学習する傾向 (認知傾向1), 実際面への応用に関心を持つ傾向 (認知傾向2), 批判的態度でいろいろと疑問を発しようとする傾向 (認知傾向3), 物理の基本的原理の理解や物理の構造に関心を示す傾向 (認知傾向4), である。認知の好み (cognitive preference) で測定したこれらの認知傾向の差異が行動の差異と対応がつくかどうかを調べる。
    実験Iでは, 認知傾向と学科の興味との対応, 認知傾向と興味型との対応を東京都内の高校31年生155名について調べた。物理や化学を好む者は, その他の学科を好む者に比べて認知傾向1 (記憶) がよわ少なく, 認知傾向3 (疑問) がより大であった。理科型の興味を示す者は, 認知傾向3 (疑問), 認知傾向4 (原理) が比較的多く, 認知傾向1 (記憶) が少なかつた。non-理科型の興味を示す者はちょうどその反対であつた。
    実験IIでは, 行動の差異をみる規準として学力型を用い, この学力型と認知の好みのレベルで測定した認知傾向の差異とがどのくらいの強さで対応しているかを調べた。学力型測定のため, 4つの認知傾向にそれぞれ対応する学力テストI, III, III, IVを作成した。
    認知傾向と学力型との間には完全な対応はみられなかつたが, 認知傾向1, 4については仮説の方向にそつた結果が得られた。すなわち自分の認知傾向と一致する学力型ではよい成績をあげられるが, 自分の認知傾向と一致しない学力型では良い成績をとれないのである。
    物理的事実に関する短文を提示して, それに関連して考えついたことを自由に答えさせる “自由反応テスト” を実施した。学力テストを実施して生徒に反応の仕方を強制するのではなく, 自由反応テストのように自由に反応してよい状況においては, 認知傾向と生徒の実際に示す反応とがはっきり対応することが明らかになつた。
  • 1966 年 14 巻 1 号 p. 8-
    発行日: 1966年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Vol. 13 No. 1 p. 15
    修正箇所:本文 右側
    修正内容:
    (誤) 43.3
    (正) 54.4
  • 1966 年 14 巻 1 号 p. 8a-
    発行日: 1966年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 小橋川 慧
    1966 年 14 巻 1 号 p. 9-14,61
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は (1) 同性のモデルが異性玩具で遊んでいるのを被験児が観察した結果としで, 被験児の異性玩具1に対する反応に膜制止の効果がみられるか否か,(2) 異性モデルが適切玩具 (被験児にとっては非適切玩具) で遊んでいるのを被験児が観察した場合にも, 脱制止の効果が見られるか否か, の2卓を検討すうことであった。
    幼稚園男児45名, 女児45名 (年令範囲5才10か月から6才8か月) が, 同性モデル, 異性モデル, 統制の3群に配置された。同性, 異性モデル群は, モズルの行動を短時間観察した後に, 統制群は観察なしで, 異準玩具と中性玩具の置かれている部屋で10命間の自由遊びの時間が与えられた6幼児の行動は15秒ごとに観察室から観察され記録された。測定値として, 幼児が異性玩具に反応するまでの時間 (潜時) と, 観察中に異性玩具で遊んだ割合 (異性-%) が算出きれた。
    主な結果は,
    (1) 男児同性モデル群の〈潜時〉は異性モデル, 統制両群の測定値より有意に短く, 〈異性-%〉は異性モデル, 統制両群のものより有意に大であった。この結果は, 異性役割行動に対するモデルの脱制止効果を示すものである。女児のデータでは, 脱制止効果の傾向が認められただけで, 3条件間に有意差は見られなかった。
    (2) 適切な性役割行動をおとなっているモデルを観察した被験児には, 税制止効果も禁止の効果もともにみられなかった。
    幼児の異性役割行動に対するモデルの脱制止効果は, へやモデルの偏倚的行動と, この行動に対して実験者が無反応であったこと (罰を与えなかったこと), その2つを, 観察した結果として解釈された。
  • 項目の内容とあいまい性指標について
    岩井 勇児
    1966 年 14 巻 1 号 p. 15-24,62
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    質問紙による性格検査の精度を高めるために, その基本的単位である項目についての検討が必要である。そこで, 項目の変動性についての研究をすすめてきたのであるが, その材料とする項目について整理しておくことが必要に思われた。そこで, 市販されている中学生むきの性格検査11種類から, 共通に使用されている項目を251組にまとめ, その残りとあわせて500項目を中学生に5段階評定で自己評定させた。そのうち100項目について項目の因子分析を行なりた。
    いままでの資料から, 項目の反応分布がかたよっている場合には変動率が低い傾向がみられた。そこで, 変動率から反応分布による影響を除くために, Goldbergのあいまい性指標を用いることにした。因子分析を行なった100項目について, 中学生および大学生の被験者の反応から, あいまい性指標の数値を求めた。その結果, あいまい性指標は, 反応分布と関係なく, 変動率と相関が高いことが確かめられた。
    因子分析の結果とあいまい性指標との関係について検討した結果, 情緒不安牢, 神経質, 内向といった性格の内面的な面をあらわす項目は, あいまい性指標が大きいことがみられた。このことは, 質問紙による性格検査を構成する項目として問題になることと思われる。
  • 4才児の分析を中心とした発達段階に関ずる考察
    飯島 婦佐子
    1966 年 14 巻 1 号 p. 25-36,58
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    目的: 4才児の数概念の発達について, それぞれの刺激条件と, 数の大きさの2っの側面から分析を試みた。そして5才児の結果とを総合して幼児の数概念の発達段階にっいての序列を構成する。
    手続き: 数の大きさは1, 2, 3, 4, 5, 6である。分析条件は (1) 2っの量の多少等判断,(2) 命名,(3) 集合数の把握と分配,(4) 数の構成,(5) 加減,(6) 対応,(7) 1対1対応操作と保存,(8) 序数である。被験者は4: 0才~4: 5才, 4: 6才~4: 11才男女それぞれ50名, 計200名である。被験者の選択基準は田中ビネー式知能検査にようて, I.Q.93~124の範囲とした。
    結果:
    1) 4才年少群は4才年長群よりも低い通過率を示す。そして4才年少群と4才年長群の蘭に発達的に相違がみられる。
    2) 特に4才年少群においては, 刺激の配列によって影響された知覚的反応がみられる。
    3) 4才年少群での1対1対応操作の理解は完全ではない。
    4) 4才児では「保存」の概念や序数の概念について把握されていない。
    5) 4才児の反応傾向は, 数が大きくなるにっれて困難度が増加する。そしてその困難度の序列に抵再現性がある。
    6) 4才児の反応傾向として, 大きな数 (5, 6) の項目の困難度の序列に再現性はない。
    7) 等刺激と多少刺激による反応の相異はほとんどみられない。
    8) 数概念が発達する序列を以下のように考える。
    (1) なんらの数的操作も示さない時期: 単純な形態をなす条件下だけで自発的な対応づけができる。そして知覚的な反応を行なう。
    (2) 初期の数的操作が成立してくる時期: 事物と言語的ラベルとの1対1対応ができる。加滅の演算操作の理解ができる。1対1対応操作の理解ができる。
    (3) 言語的ラベルの成立する時期: 集合数の把握ができる。
    (4) 対象の持つ数の次元の抽象が成立する時期: 数が大」きくなっても集合の持つ要素の大きさや配列などの知覚的要因を捨象して, 数の次元の抽象化が成立する。
    (5) 高次の数の構造の理解ができる時期: 「保存」の概念や序数の概念が把握できる。今後の問題: 1) 藤永保ほか (1963) のような実験教育的な方法で検討する。
    2) 前典子ほか (1964), 森永良子ほか (1964) の数概念) の発達尺度の多次元性との比較考察をする。
    3) 配置の異なる刺激条件下の等判断の成立条件の分析を行なう。
    4) 1対1対応操作の理解ができる過程を分析する。
    5) 順序数と基数の概念の成立過程の分析を熱みる。
  • 松原 達哉
    1966 年 14 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    子どもの就学は, おおまかに6才といわれるが, しかし, 誕生日の違いで, 実際に入学する年令は異なっている。ある子どもは6才0か月で, 他の子どもは6才11月で小学校1年生になる。そこで, 本研究では, 子どもを年少児群・中間児群・年長兜群の3群にわけ, 学力・体位・欠席日数「指導性について縦断的に比較検討した。年少児群は, 6才0~1か月, 中間児群は, 6才5~6か月, 年長児群は, 6才10~11か月で入学するものである。結果はつぎのようである。
    1. 国語, 社会, 算数, 理科などの知的教科は, 平均しで2~3年間年長児群の方が年少児群に比較してすぐ, れている。しかし, 3~4年ころからその差異はなくなっている。
    2. 音楽は1年間, 図工は5年まで, 特に, 体育は, 6年間年長児群が有意にすぐれていることがめだっている。
    3. 身長・体重・胸囲・座高などの体位は, 男女とも小学1年生から中学3年生まで, 年長児群が年少児群に比較してすぐれている (ただし, 女子の身長, 座高は中学2年生まで) 。中間児群は, 両群の中位を占めて発達している。
    4. 欠席日数は, 小学1~2年間は年少児群の方にやや多い傾向がある。
    5. 学校委員およびクラブ活動の委員の人数は, 4年生まで年長児群にやや多い傾向がある。
  • 1966 年 14 巻 1 号 p. 44-
    発行日: 1966年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 江口 恵子
    1966 年 14 巻 1 号 p. 45-58
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1966 年 14 巻 1 号 p. 60
    発行日: 1966/03/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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