教育心理学研究
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16 巻 , 1 号
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  • 小橋川 慧, 清村 武子
    16 巻 (1968) 1 号 p. 1-6,59
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 被験児 (幼稚園男児) の女性玩具に対する反応に, 次のモデル群のいずれがより強い制止効果を示すかを検討するために行なわれた。第1のモデル群 (N-群) の幼児は, 中性玩具で遊んでいる男性成人モデルに2分間接する。このモデルは, 言語表現を用いない。第2のモデル群 (V-群) の被験児は, 女性玩具を回避する理由を言語化するモデルを観察する。このモデルは, 中性玩具で遊ばない。第3のモデル (NV-群) は, N-群, V-群のモデルの動作, 言語行動をすべて表現する。以上のモデル群のほかに, モデルを観察しない統制群が用いられた。モデル群の幼児はモデルの行動を観察した直後, 統制群は観察なしで, 女性玩具と中性玩具の置かれている部屋で7分間の自由遊びの時間が与えられた。被験児は一面視鏡をとおして10秒ごとに観察され記録された。したがって各被験児は42回観察された。観察の結果 2種の測度が算出された。潜時は, 何回目の観察のときに幼児が女性玩具に視線を向け, 接近し, 接触したかによって決められる。42回の観察中に幼児が女性玩具に視線を向け, 接近し, 接触した回数で第2の測度, 女性反応数が決められた。主な結果は次のとおりである。
    1) 3モデル群ともに, 女性玩具に接触するまでの潜時は統制群より長かった。さらに, NV-群の潜時はN- 群, V-群のものより長く, N-群とV-群間には差がみられなかった。
    2) 3モデル群が女性玩具に接近し接触した回数は, 統制群より少なかった。NV-群の幼児は, N-群, V-群の幼児よりも女性玩具に反応した頻度は少なかったが, 3モデル群間に有意な差は見られなかった。
    これらの結果は, 1) 女性的反応を抑制することを言語化するモデルを観察することにより, 2) あるいは, 女性的反応に拮抗する他の反応を採用するモデルを観察することにより, 被験児 (男児) に女性的反応を抑制する傾向が獲得されることを示唆するものと解釈された。
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  • 高橋 恵子
    16 巻 (1968) 1 号 p. 7-16,60
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は依存性がいちおう発達の最終段階に達していると思われる青年後期において, それがどのような様相を呈しているかを, 依存構造というモデルをとおして解明しようとするものであった。その結果明らかにされたのは次の3点である。
    (1) 依存構造: 依存構造には限られてはいるがかなり多くのさまざまな対象が含まれ, それぞれ異なった機能を与えられ, 分化した位置を占めている。そして, この対象間の機能分化は, 各個人が相対的に強い依存要求をひきおこす, その個人の存在を支える機能を果たすという意味で中核になっている単数または複数の焦点を中心に, いく人かの対象がそれぞれの役割りを与えられ, それぞれの意味を持ち, さまざまに位置づけられていることを予想させる。
    (2) 依存構造の類型: 依存構造の構造化の様相一対象の数, 焦点の有無, 焦点の数, 焦点と他の対象との機能分化などは各個人において異なるのであるが, 焦点が何かによって依存構造を類型化してみると, 同じ類型間には対人的依存行動の共通点が認められることが明らかになった。
    (3) 大学生女子における依存性: 青年においてもここで問題にする意味での依存性が認みられる。つまり, 現象的には自立的であると考えられている大学生においても, 少なくとも女子では依存要求が認められる。そして特に顕著なことは次のようなことである。
    (1)単一の焦点になる対象としては, 母親, 愛情の対象, 尊敬する人などが多く, 同性の親友や父親は少ない。
    (2) 女子青年と母親との情緒的結合は強い。このことは他の研究 (たとえば, 久世・大西, 1958) でも指摘されていることであるが, 本研究でもこれと一致した結果が得られた。母親は単一の焦点となる傾向が大であり, 複数焦点型でも焦点のひとりはほとんど母親であり, 親密度も高い。
    (3) 母親を焦点とするものは, 他の型に比べ家族中心的傾向がある。またこの型では恋人もないものが多く, 親友との結合も弱く, 青年期の発達からみて問題を感じさせる。
    (4)焦点が多いもの, および明確でないものでは, 高得点の対象のひとりにほとんど必ず母親が含まれる傾向があり, 類型の特徴も母親型の様相を呈し, 上記の (3) と考え合わせて, 母親以外の単一の焦点の顕在化が発達の方向かもしれない。
    (5)大学生女子では父親との結合はそれほど強くはない。父親は情緒的に拒否されているわけではないが, 依存構造のなかでは道具的色彩の増した位置づけがなされていると予想される。また, 父親は尊敬する人と競合的な立場にあり, 尊敬する人を焦点とする依存構造ではほとんど父親はしめだされる傾向がある。
    (6)一般に女子青年の依存構述においては同性の親友の占める位置は少ない。
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  • 若井 邦夫
    16 巻 (1968) 1 号 p. 17-25,60
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 本研究はいくつかの異なった材料を用いることによって記憶の発達傾向を調べるとともに系列記憶課題における提示条件, 教示の効果を検討する目的でおこなわれた。
    2. 記憶範囲はテスト結果の処理方法によっては Millerのいうように一定の値をとることを示唆する結果が得られたが, 同時にそれは材料の特質, 被験者によるその材料の学習の度合いなどによっていくぶん変動することも示唆された。したがって, 一定材料についての学習結果の水準を限界をつきとめるという方向でとらえるのではなく, その水準に至るまでの学習過程とその水準に到達した後の変化を追求するという発達的観点をもつことが大切であることも考察された。
    3. 刺激材料の提示は被験者の予測を容易にする方法でなされた場合に成績を高めることが示された。したがって, 刺激を単に受動的に機械的記憶にうったえて受容するものとして被験者をみるのではなく, むしろ積極的に一定の構えをもって反応する能動的情報処理者とみることが妥当であると結論される。
    4. 刺激材料の有意味性と材料り諸側面の関連性を高めることは, それについての記憶と思考操作を容易にする。また, 有意味性, 関連性について被験者の反応を方向づける教示は積極的効果をもつことが示された。
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  • 古籏 安好
    16 巻 (1968) 1 号 p. 26-31,61
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    集団行動の諸要因の相互関係を公式化するためのカギは集団参加性にある。そこでまずこの概念について取り扱い, その3因子である連帯性・勢力性および親和性の相互関係を分析的に考察した。ここで用いた技法を集団行動の3変数すなわち集団生産性・集団凝集性および集団参加性の相互関係の分析にも適用した。この技法は重相関と重決定係数を算出し, 変数相互の相対的寄与量をみることによって, 相互関係を見とおすというものである。これによって, 若干の成果を得た。その主要な点は次のようである。
    (1) 集団凝集性と集団参加性はともに課題遂行に有意の相関をもつことが示されたが, 相対的寄与量からいえば, 凝集性よりも参加性により重みがあることをより明確にできた。
    (2) 集団参加性は, 平等的集団での場合には階層的集団よりも生産性に関連が深くなる。平等的集団では, 階層的集団よりもいっそう相互作用が積極的かつ効果的で, 課題遂行に寄与し, 課題遂行と参加性との対応がより大きい。しかし平等的集団でも知能水準の下位群の場合には, そういう傾向はそれほど明確に示されないので, 課題遂行と参加性との対応にはある限界があるだろう。
    (3) 3つの変数のおのおのが, 相互に他の2変数によって推定される割合いは, 課題1の方が課題IIよりもおよそ大きくなる傾向がある。この要因は, 成員の目標達成のための手段的相互依存関係の程度にあると考えられる。一般には, 課題の困難を増すにつれて協同の度合いを高めなければならないが, 課題1は課題IIよりもこのような協同事態により適切なものとなっていることを示す。
    (4) こうして, 協同・競争の集団を力学的な活動体系とみる考え方*を実証しえたと恵われるが, 3変数の相互関係の基本的な様相 (configuration) からは, 協同と競争の集団問に差はみとめられない。
    しかし, 集団成員のパーソナリテン特徴は, 集団過程に劣らず重要である。集団過程とパーソナリティの相互関連を検討することが, 今後の課題となる。これは他の機会に発表したいと考えている。
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  • 池上 喜八郎
    16 巻 (1968) 1 号 p. 32-41,62
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は,具体的操作の段階と目される小学校児童の系列観念を系列材料に着目して位相操作の面で明らかにしようとするものである。材料は数字系列と幾何図形系列で, いずれも位相操作を必要とする循環系列であって, その操作の安定性と柔軟性をとらえるために, 誤答を位相分析によって検討する。その結果, 次のことが明らかになった。
    1. 誤答を個人がおかす平均数の上からみると, 数字系列の場合は (1年)→(2・3・4・5年) →(6年) と段階的に減少し, 幾何図形系列の場合には (1年) → (2・3・4・5・6年) と2段階に減少している。そして, 5年までは両者平行してその材料差が認められないが, 6年になると数字系列の方の誤答数が幾何図形系列のものより少なくなる。
    これを誤答の位相分析により位相操作の面で検討すると,(1年)→(2・3年)→(4・5・6年) といった段階的変化がみられ, 2年と3年では材料差は認められないが, 1年ではかえって幾何図形系列の方が誤答数少なく, 4年以上ではそれが逆転して数字系列の方の誤答数が少なくなることが見出された。それは, 1年では位相操作といっても直観的次元での系列化であってその外的操作に依存するがためであり, 4年以上の場合はそれを内的操作に訴えるために数字系列が有利となったと解せられる。すなわち, 高次の系列化では数字系列の方が幾何図形系列よりも有利であるといえよう。
    2. 位相操作の安定性と柔軟性の度合いを, 個人がおかす誤答型の最低度のものに着目してその発達をみると,(1年)→(2・3・4・5年)→(6年) という段階的変化が見出される。1年は直観的次元の系列化であってまだ幼児期的色彩が濃厚である。次の段階は2年から5年までの期間で, 位相操作は可能ではあるがそれがまだ十分な安定性と柔軟性を獲得するまでには至っていない。しかし, この期間内でも (2・3年)→(4・5年) といった下位的区分も可能で, 特にその後半期間は次の段階次元の反応を強く示し, いわば, それへの移行期として考えることもできる。6年は安定した柔軟な系列操作をする, いわゆる形式的操作の段階に到達したことを示す。
    なお, 本研究における学年表示は当該学年の末期であることからCA7才から12才までの期間を取り扱ったことになる。したがって, 本研究の材料からする検討のかぎりにおいては, Piagetの段階区分法からの逸脱はみられない。
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  • 勝井 晃
    16 巻 (1968) 1 号 p. 42-49,63
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    立体空間における方向概念の発達過程を明らかにするために, 3才から11才までの児童を対象とし, かれらが上下・前後・左右のコトバ自体をその空間方向や対象物においてどのように把握しているかを発達的に検討した結果, 下記の諸点が明らかにされた。
    1. 自己身体を基準とした空間方向に対する客観的な理解の水準は各方向によって異なり, 発達的にも明確な差が認められた。すなわち, 上下方向は年令的にもっとも早く3~4才において理解され, ついで前後方向が5 ~6才において, さらに遅れて左右方向は7~8才においてほぼ正確となる (Fig. 4)。
    2. 方向判断の基準を対面人物に移動させたり, 姿勢条件を変化させた場合には視点の移動が困難となり, 多くの自己中心的な誤りを示す。この傾向は6才ないし7 才までの児童において顕著であった (Table2)。
    3. 自己身体の左右および対面人物自体の左右に対する理解においても発達的に明確な差が認められ, 年令的にみて両者間にはほぼ2年近くのずれが存在する。とくに, 自己と対面者との相対的な逆関係が理解しうるのは 8才ないし9才においてである (Fig. 4)
    4. 面前に定置された2個および3個の対象物相互の左右関係の理解において, 3個の場合は, 2個の場合にくらべてその相対的な関係判断が困難となる。発達的にみて7才ないし8才までは自己身体の左右を基準として絶対的判断をする傾向が強く, 10才ないし11才において視点の移動が可能となり, 対象物相互の相対的な左右関係が理解されうるようになる (Fig. 5)。
    5. 自己と対面人物および対象物相互間の左右関係に対する理解能力と知能水準との間には正の相関関係が認められ, また, 各被験者群間における地域差, 学校差が認められた (Table7, Table8)。
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  • 松田 伯彦, 松田 文子
    16 巻 (1968) 1 号 p. 50-53,64
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The present study was so designed as to compare scores of the measures of the Uchida-Kraepelin Psychodiagnotic Test such as type of work curve, amount of performance before the resting (A) and after the resting (B), error rate (A & B), firsttension (A & B), last-tension (A & B), the largest difference of performance (A & B), fluctuation rate of performance (A & B), and rate of the resting effect, IQ, in high school students (H), and delinquent boys and girls (D), both aged about 16.
    Then the structure of factors based on correlation coefficients of these scores in H was compared with that in D.
    The results were as follows:
    1) D was statistically inferior to H in mean scores of IQ, type of work curve, amount of performance (A & B), the largest difference of performance (A), fluctuation rate of performance (A & B), and it was surprising that error rate was smaller in D than in H.
    2) Four factors were extracted and rotated in H and D respectively. In H they are tentatively named as Good-bad of performance, Process of performance Before-after the resting about process of performance, and unnamed factor, and in D as Good-bad of performance, Exessive carefulness, Process of performance, and unnamed factor, It seemed that the small error rate in D was attributed to Excessive carefulness factor which was very characteristic in D.
    3) Good-bad of performance and process of performance factors were common to normal, schizophrenic and delinquent subjects, so these factors might be fundamental for the Uchida-Kraepelin Psychodiagnostic test, and the fluctuation of performance particularly differed in different subject groups in the meaning as measure.
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  • 16 巻 (1968) 1 号 p. 59
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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