教育心理学研究
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18 巻 , 3 号
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  • 松浦 宏
    18 巻 (1970) 3 号 p. 129-138
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は法則的概念の学習の際に, 説明的方法と発見的方法の効果を検討したものである。説明的方法 (expository method) は, 学習すべき規則をはじめに提示し, これにいくぶんかの説明を加え, 学習の方向づけを明確にしようとする方法である。また, 発見的方法 (discovery method) は学習者自身の探索的思考にもとついて, 課題がもっている法則を学習させる方法である。発見的方法には, 学習者自身の完全な発見的方法と, 例などを与えて, ある程度の方向づけをする指示的発見の方法が考えられる。
    本研究は, 実験IおよびIIでは, 大学生を被験者として, 暗号化された英単語を正しく並べかえる課題を与え, 暗号化の法則を学習させようとしたものである。ここでは, 4つの学習条件を設定した。すなわち, 説明的方法として, 法則一例 (Rule-Example) 群を, 指示的発見法として, 例一法則 (Example-Rule群) および, 例だけを提示する例群 (Example群) を, 純粋発見法として, 法則も例も提示しない統制群を設定した。ウィットロックやガスリーの研究結果をもとに,(1) 説明的方法は学習試行, 学習した法則の保持に効果的であり,(2) 発見的方法は, 学習した法則を応用して, 他の法則を発見する転移問題の解決に有効であろうという仮説をたてた。
    実験の結果, 実験Iでは, R-E群とE-R群が, 他の条件群よりも, 学習基準に達した人数がわずかに多いことが得られただけて, 仮説を証明するにはいたらなかった。しかし, 実験IIでは, 説明的方法は反応数, 正答数, 正答率においてすぐれており, 指示的発見法のうち, E-R群も, R-E群と同じ傾向がみられた。これに対して, E群とC群は反応数, 正答数において, 前の 2群に比較して劣っていた。この結果は仮説1を証明するものである。しかし, C群は他の条件群よりもすぐれているとはいえないので, 仮説2は証明されなかった。ただ, E群において, 学習過程中の正答数が後半において顕著に増加することは, 発見的方法の学習過程の特徴を示すものであろう。.
    実験IIIは, 小学校4年の児童150名を対象として, バランスビームの法則を学習する課題を与えた。実験I, IIの結果を考慮して, 次の5つの条件群を設定した。すなわち, R-E群, R群, E-R群, E群およびC群である。この結果は, 学習テスト得点と, 保持テスト得点では, R-E群とR群が他の3群よりすぐれ, E-R群とE群がC群よりもすぐれていた。このことは法則の提つ 示による説明的な方法がもっともよく, ついで, 指示的発見法が効果的であることを示している。
    実験I, II, IIIをとおして, 転移効果の優劣を見出すことはできなかった。
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  • 高島 恭子
    18 巻 (1970) 3 号 p. 139-148
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    今日の攻撃性の研究は, 主にモデルの効果について検討がなされている。このアプローチは, Bandura, A. and Huston, A.(1961) を契機に始められたものである。筆者は攻撃的モデルをみることは観察者の攻撃行動を増加するだろうというBandura, A., Ross, D. and RossS. A.(1961) の仮説に基づいて, 攻撃的行動の獲得のきっかけを模倣に求め, 追試した。
    その結果, 攻撃的モデルをみたグループは攻撃的でないモデルをみたグループ, モデルをみない統制群に比べて, 攻撃的行動を多く示した。モデルの性差による違いは, 特に身体的攻撃の模倣では, 男児女児とも男性モデルを模倣すると仮定したが, 男児は男性モデル, 女児は女性モデルを模倣する結果となり, モデルの行動のいかんにかかわらず, 同性モデルを模倣する傾向を示した。男児は女児に比べて, 身体的攻撃の模倣のみでなく, 模倣によらない身体的攻撃を多く表わし, 男児の方が攻撃的であることを示した。これらの結果は, 攻撃的行動におよぼすモデルの性差を除いて, Bandura et al.(1961) を支持するのもである。
    さらに, 質問紙による養育態度と攻撃行動の関係をとらえた結果, 男児では体罰を多く用いる親に, 女児では女の子らしく振舞うことを強制しない親とで有意な相関を見出した。
    以上のことより, 実験場面では攻撃的モデルの存在が被験児の後の行動に影響を与えているといえよう。また, モデルを見, 攻撃的行動を示した被験児の親が, 日常の養育にて攻撃的行動のモデルになっていたり, 攻撃的行動に対し寛大であったりすることも影響しているといえよう。モデルを見ることにより, 攻撃的行動が出現しやすいという結果をえたことにより, 被験児がモデルのどの点に一番興味づけられ, 行動を起こしているのかという点についても検討する必要があろう。
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  • 上地 安昭
    18 巻 (1970) 3 号 p. 149-157
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    当面の認知的課題に調和したある刺激の導入は, その課題解決の過程において種々の程度で同化され, それを促進するが, 拮抗する刺激の導入は, その課題解決を妨害する。このような認知的拮抗反応事態において, 単一の行動を選択し, その行動の進行を維持する個人の能方は, 重要なパーソナリティの1特徴と考えられる。
    本研究はSCWテストを発達的見地ないし, 適応異常的側面への適用を再検討するため, 中学生群, 大学生群および精神分裂病者群に実施し, 次の4つの認知的干渉 (CI) 度に関する機能的問題を把握することを目的とした。
    1) CI度と知能, 学力および学業成就度の関係を明らかにする。
    2) CI度とY-G性格検査によって測定されたパーソナリティ特性との関連を検討する。
    3) 正常者群と精神分裂病者群のCI度の比較検討とその機能差に関する考察。
    4) 干渉カードの刺激の複雑性が正常者群と精神分裂病者群のCI度におよぼす効果の検討。SCWテスト (個人検査法) によって測定されたCI 度の低いLISsは, CI度が比較的高いHISsにくらべ, 知的能力および学習能力にすぐれており, Over-Achieverが多かった。また前者が協調的, 支配的, しかも外向的なパーソナリティ特性を有しているのに対し, 後者は, 逆に非協調的, 服従的および内向的なパーソナリティ特性が強かった。なお, 精神分裂病者群のCI度は, 正常者群のそれよりも高く, 干渉カードの刺激の複雑性が増せば増すほど, 両群のCI度は高まり, 同時に両群のその差は著しくなった。
    これらの結果から, 一般にLISsはHISsにくらべ学校生活をはじめ日常生活にうまく適応していくために望. ましいパーソナリティ特性を持っており, 自己の有している能力を効率よく発揮している, 比較的成熟した正常な被験者が多いといえよう。
    同時に本実験の結果は従来のCI度に関する2, 3の研究結果とそれぞれ比較検討されたが, きわめて一致した実験結果が認められ, SCWテストによるパーソナリティ特性の実験診断的有効性が, 理論的にも実験的にも確認された。
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  • 福沢 周亮
    18 巻 (1970) 3 号 p. 158-165
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 漢字を学習材料とした読みの学習の機構を明らかにすることを, 究極の目的とするのであるが, 本稿はその第1段階で, 学習材料の作成および検討を主な目的とした。
    1. 日本語2音節の有意味度と熟知度足利市の小学校5年生150名を対象に, 日本語2音節100語についての有意味度表 (Table 1) と熟知度表 (Table 2) を作った。有意味度と熟知度は非常に高い相関があり (r=0.955), 前者をX後者をYにとった回帰直1線はY'=1.23X+0.84であった。
    2. 図形の有意味度と熟知度足利市の小学校5年生171名について, 本研究のために作った50図形の有意味度表 (Fig. 1, Table 3) と熟知度表 (Fig. 2, Table 4) を作った。両者の相関は高く (ρ=0.880), 前者をX後者をYとした回帰直線は, 2音節の場合とほぼ同じY'=1.20X+1.63であった。
    3. 機構を分析するための第1段階の実験を行なった。これはまた, 上記熟知度表の検討という意味も含めている。足利市の小学校5年生120名が被験者で, 対連合の形で, 図形と2音節を組み合わせて4群を作り, 学習実験を行なった。結果は, H-H, L-H, H-L, L-Lの順で低くなり, 特にR項としての2音節の熟知度の影響が大きいことが指摘され, また, S項になった図形の中では, 高熟知度の方が上位にあることが認められた。
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  • 織田 揮準
    18 巻 (1970) 3 号 p. 166-176
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    評定尺度研究の一環として程度量表現用語の意味づけに関する実態調査を, 一対比較法を用いて行なった。選ばれた程度量表現用語は,(1) 実現の程度量 (確信) 表現用語 (16語),(2) 現実の程度量表現用語 (18語),(3) 時間的程度量 (頻度) 表現用語 (16語), および,(4) 心理的時間表現用語 (18語) であり, 調査対象は小学4年生 (延べ2,588名), 小学6年生 (延べ2,379名), 中学2年生 (延べ2,617名) と大学生 (延べ2,084名) であった。程度量表現用語の程度量に関する一対比較判断の結果にもとづき, 判断の比率行列が作られ, また, 尺度値が算出された。その結果, 低学年の理解と大学生群の理解には大きなずれのみられる程度量表現用語のあることが明らかにされ, 評定尺度の作成にあたり, 判断カテゴリー用語の決定は研究者側の理解のみでなく, 同時に被験者群の理解をも配慮しなければならないことが示唆された。
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  • 玉瀬 耕治
    18 巻 (1970) 3 号 p. 177-182
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 正と負の強化を与えることによって, また, 前もって強化に対する動機づけを高める教示を与えることによって, 言語条件づけが促進されるだろうという予想を検討することであった。小学校5年生の男女90名が5つの実験条件のうちのいずれかへわりあてられた。これらの条件は, 動機づけを高めて正と負の強化を与える場合 (MRW), 同様にして正の強化のみを与える場合 (MR), 動機づけを高めず正と負の強化を与える場合 (RW), 同様にして正の強化のみを与える場合 (R), および何も強化を与えない場合 (C) を含んでいる。課題はTaffel型で, 80枚のカードを使用した。各カードには4つの人称名詞と1つの動詞が書かれている。最初の20試行での出現率によって各被験者の規準反応が決定され, 残る60試行で強化を与えられた。
    おもな結果は,(a) 正と負の強化を与えた場合と, 動機づけを高めて正の強化のみを与えた場合の成績がよい傾向がみられたこと,(b) 意識性のあった被験者の成績がすぐれていたことである。これらの結果にもとついて, 動機づけの教示の促進的効果と妨害的効果, 意識性と言語条件づけとの関係などが議論された。
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  • 横島 章
    18 巻 (1970) 3 号 p. 183-192
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    WJPはLuchins以来, 1950年代の前半を頂点として, 構えや硬さの領域で利用されてきた課題である。ペーパー・テスト形式で施行される場合と実際に容器を呈示する場合とがあるが, 大部分は前者の形式で, 集団テストで行なわれる。測度としてはCr. の解決法および Ex. の正解数が使用される。実際に使用されている問題形式は, 構え形成問題と臨界問題 (Cr.) を基本にして, 4類型に分けられるが, 求められる水量の値や教示などは一定ではない。
    構えの領域では, 構えの確立, 消失等の面で, アナグラムとならぶ重要な手段を提供する用具であることがわかる。
    硬さの尺度としては, 種々の観点から, 単一の測定用具としては多くの問題がある。
    今後は, 綿密な分析的研究の他に, 構えの領域ではもちろん, 動機づけ理論, 創造性研究の立場からの利用価値が考えられる。
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