教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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19 巻 , 3 号
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  • 加藤 義男
    19 巻 (1971) 3 号 p. 129-138
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 社会的遮断にもとつく動機づけの差異から硬さ行動を説明していこうとする硬さに関する動機づけ理論についての実証的な検討を行なうことを目的として実施された。
    そこにおいて, 次の2つの仮説がたてられた。(仮説 1) 精薄児に対する社会的強化条件は, 無強化条件に比べてより高い遂行をもたらすであろう。(仮説2) 社会的遮断をより強くうけてきている精薄児 (高遮断群) は, 比較的それをうけてきていない精薄児 (低遮断群) に比べて, おとなとの接触やおとなからの支持や承認に対するより強い動機づけを持っており, そのためにより大きな硬さ行動を示すであろう。
    被験者として, 比較的社会的遮断の状況にあると判断された精薄児収容施設A学園に在園する施設収容精薄児 18名と, 2つの中学校の特殊学級に在籍する家庭在住精薄児25名を対象とした。そして, 実験者による効果について検討するために, 性差と被験者に対する親密さの違いという2つの変数を導入し, 2名の実験者によって実験が行なわれた。実験は, 単純な飽和課題であるマーブル入れゲームが行なわれ, 社会的強化条件と無強化条件のもとで実施された。
    その結果,(1) 社会的強化群の方が無強化群に比べて, より長い遂行時間を示し, さらに遂行量におけるより大きな増加の割合を示し, こうした結果から (仮説1) はほぼ検証されたといえる。(2) 高遮断群としての施設収容精薄児の方が, 低遮断群としての家庭在住精薄児に比べて, 有意に長い遂行時間を示し, 許された最大限の時間の遂行をした者の割合が有意に大きく, さらに遂行量の増加の割合における社会的強化群と無強化群の間の差異がより大きいということが示され, こうした結果から (仮説2) もほぼ検証されたといえる。そして, 以上のような結果は, 社会的遮断の仮説にもとつく硬さに関する動機づけ理論に対して, 支持を与えるものであるといえる。しかしながら, 社会的遮断のとらえ方や実験者効果についてのとらえ方等において多くの問題点が指摘され, それらは今後の課題として残された。
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  • 五十里 玉喜, 岡田 啓子, 小口 秀子, 藤田 美弥子, 藤永 保
    19 巻 (1971) 3 号 p. 139-151
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    権威主義的人格の形成について, 母子関係に注目して, 質問紙法による調査を行なった。母子の権威主義的態度を測るものとして, 日本の伝統的文化体系を考慮に入れたF尺度を作成し, しつけについては, 権威主義という観点から, 母子双方からの情報を得た。
    結果より主に次のことが明らかにされた。
    (1) 子どもの社会的態度形成には, 母親の態度の直接的および間接的伝達が関係していると考えられる。
    (2) 母親の態度の子どもへの伝達パターンには, 発達差と性差があり, 全体的に, 男子より女子の方が母子間の相関が高い。
    (3) 女子の場合, 低年齢の時には, しつけを媒介にして母親の社会的態度を学ぶが, 中学1年ごろになると, しつけに加えて母親の態度自体をもモデルにするようになる。さらに中学3年になると, しつけの影響から脱し, 母親の社会的態度そのものをモデルとして, 真の意味での自分の社会的態度を形成してゆくと考えられる。
    (4) 男子の場合, 女子より一足早く小学6年ごろに, しつけを媒介とせず, 直接的に母親の社会的態度をモデルにして, 自分の態度を形成する。そして, 年齢が上るに従い急激に母の影響から脱し, 社会化のモデルを母親以外の対象に求める傾向がうかがわれた。
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  • 古畑 和孝, 鈴木 百合子
    19 巻 (1971) 3 号 p. 152-162
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    筆者らは認知的均衡理論の中でも, 特にNewcombの枠組みに基づき, 母-子 (娘) にとって共通して関心のあり, かつ重要と認知される子どもの行動に関して, 母親から一定のフィードバックを子どもに行なった場合, それが子どもの認知・態度・行動にどのような変化をもたらすか, そうしたフィードバックの効果を明らかにする目的をもって, 一連の研究を行なった。
    具体的には, まず予備調査の結果の分析に基づいて選出された6領域にわたる子どもの行動に関する50項目の共通の設問につき, 子どもに対しては, 自分自身による評定 (子-I) および母親の子どもの行動の評価についての認知の評定 (子-II) を求め, また母親に対しては, 同一の設問につき, 現実の子どもについての評定 (母-I) および理想の子どもについての評定 (母- II) をそれぞれ求めた。この各評定の組合せから, 態度の認知的類似性にかかわる4指標が導き出された。Assumed similarity (子-Iと子-IIとの類似・差異の程度); Real similarity (子-Iと母-Iとの類似・差異の程度); Accuracy (子-IIと母-Iとの類似・差異との程度); Satisfaction (母-Iと母-IIとの類似・差異の程度) がそれである。
    基本的研究計画としては, 事前テスト-事後テスト統制群法が採られた。被験者は都内私立女子中学校2年2 学級の生徒98名およびその母親であった。無作為に1学級が実験群 (フィードバック群), 他学級が統制群 (非フィードバック群) に割り当てられた。前述の形式に基づく事前テストがまず全被験者に対して施行された。実験群の子どもは, その10日後に, 母-I, 母-IIの反応が各児に対し個別的に提示されるというかたちでのフィ- ドバックを受けた。それから12日後に, 両群の全被験者に対し・内容・形式とも事前のそれとまったく同一の事後テストが母-子それぞれへの一定の教示の後に施行された。
    事前テストと事後テストにおけるそれぞれの反応の比較分析の結果, 実験群は統制群に対して, 統計的に有意に, 母-子間の反応Real similarityならびに, 子どもの母親の評価についての認知のAccuracyにおいて, その類似性と正確さとを増大していることが認められた。この結果は, 対人的状況の中での認知的均衡理論に基づいて樹てられた仮説を立証する方向での変化を示すものであった。この他, 子どもの側からの母-子のAssumed similarityもまた実験群において事後に有意な増大がみられたものの, この点に関しては統制群にも同様の結果が得られていたので, 必ずしも明確な結論を出せるものではなかった。しかしながら, このように比較的弱い操作の下でのフィードバックであったにもかかわらず, 全体としては, 期待される方向での効果が見出された。
    最後に, 本研究における今後の改善すべき問題点を2・3あげて簡単な考察を試みた。筆者らの他の報告と相いまつて, 本研究の結果は, 親-子関係研究に対して, このような均衡理論の適用可能性を示すものであり, また, 現実の親一子間のよりよい理解のために, さらに子どもの行動の適切な変化のありかたにひとつの示唆を与え得るものと思われる。
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  • 栗原 輝雄
    19 巻 (1971) 3 号 p. 163-175
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, Somatopsychologyの見地から自己概念の安定性というパーソナリティ変数をとりあげて, 肢体不自由児の目標設定行動におけるその役割を明らかにすることを目的とした。設定された作業仮説は次の5つであった。
    1. 自己概念の安定したもの (安定群) よりも自己概念の不安定なもの (不安定群) に, 極端に高い目標設定および極端に低い目標設定がより多くみられるであろう。
    2. 木安定群よりも安定群の方がより現実的な目標設定を行なうであろう。
    3. 不安定群よりも安定群の方がより安定した目標設定を行なうであろう。
    4. 安定群よりも不安定群の方に変則的な目標設定が多くみられるであろう。
    5. 適応的反応型は不安定群よりも安定群に多く, 不適応的反応型は安定群よりも不安定群に多くみられるであろう。
    これらの作業仮説の検証のために関連する調査と実験を行なった。調査は本研究のために作製された自己評定インベントリーによって, 肢体不自由児の自己概念の安定性を測定することを目的とするもので, 中学~高校レベルの肢体不自由児119名が被検者とされた。自己概念の安定性の測度として, 肯定的自己と否定的自己とのへだたりが採用された。一方, 実験は肢体不自由児における自己概念の安定性と目標設定行動との関係をみることを目的とするもので, 前記調査の被検者中, 肯定的自己と否定的自己とのへだたりが大きいもの21名 (不安定群) とそれの小さいもの21名 (安定群) とが被験者とされた。両群の目標設定行動は, 置換作業とタッピングとを課題とし中性的場面と自我関与場面とによって構成される要求水準実験場面で観察された。
    仮説1の「自己概念の不安定なもの (不安定群) には, 自己概念の安定したもの (安定群) に比べ極端に低い目標設定がより多くみられるであろう」という点は支持されなかったが, その他の仮説についてはいずれも支持されるような結果が得られた。このことは, 肢体不自由児の中でも自己概念の安定しているものの方が目標設定行動は現実的で安定していることを示していると考えられた.
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  • 文沢 義永
    19 巻 (1971) 3 号 p. 176-186
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 日本の神話伝説については, 従来, 文献学, 倫理思想史, 神話学の立場から論究されてきたし, 最近は文化人類学の立場から研究されつつあるが, 心理学的立場からの研究はきわめて少ない。
    2. 日本の神話伝説についての意味づけ, 受けとめ方を心理学的に研究するとしても, 具体的にはどんな側面をどんな方法で行なうかについて, まだ十分に論議されていない。本研究では, 一般的な同本神話の概念を自由記述式の質問紙法, Semantic Differential法, 因子分析法によってデ-タを収集し分析した。
    3. 自由記述式質問紙法によると, 現代の小中学生は神話物語についての知識が貧弱であり, それに対する感動性も弱い。神話物語を現実性や合理性の立場がら受け取ろうとする傾向があり, 男子よりも女子の方はその物語を読もうとする関心が高いようである。
    4. 日本の神話伝説についてrelevantに表現すると思われる形容語句を46対選定し, この尺度上にそのイメージを7段階で, 高校生, 大学生, 一般成人に評定させた。その結果に基づいてセマンティック・プロフィールを描いてみると, 一般に大学生は日本の神話を否定的な方向に受けとり, 高校生と一般成人は肯定的な方向に受けとっている。男女の差では大学生よりも高校生の方が著しいことがわがった。
    5. 大学生グループと高校生グループの形容語対に対する回答デ-タについて因子分析してみると,
    第1因子幸福性
    第II因子伝統性
    第III因子活動性と神秘性
    第IV因子複雑性と真実性
    第V因子親近性
    の5因子が算出された。
    6. 日本の神話伝説についての心理学的な研究の意義および研究方法論について考察を加えた。日本の精神的文化遺産として神話に親しみと愛情をもち続けることが, 日本人らしい倫理的情操につながることであろうと思われる。
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  • 19 巻 (1971) 3 号 p. 192-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 19 巻 (1971) 3 号 p. 192a-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 19 巻 (1971) 3 号 p. 192b-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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