教育心理学研究
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19 巻 , 4 号
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  • 木下 芳子
    19 巻 (1971) 4 号 p. 193-201
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本論文では, 空間表象の形成において, 認知的観察が有効となる時の先行条件を, 位置関係の変換, 特に左右の逆転変換の場合を中心に分析しようとした。
    被験者は事前テストで左右についてのメディェーターの所有の有無によって次の4群に分けられた。言語的メディェーターおよび非言語的メディェーターの両方を所有するもの, 言語的メディェーターのみを所有するもの, 非言語的メディェーターのみを所有するもの, メディェーターを両方とも所有しないもの。被験者は, 左右逆転の変換, 左右関係から前後関係への変換について, 各4回予測と確かめ (観察) を行なった後, 1日おいて事後テストを受けた。
    結果は, 左右逆転の変換の観察効果は, 左右の言語的メディェーターおよび非言語的メディェーターの両方を所有している時もっとも高いこと, 非言語的メディェーターのみを所有している時がそれに次ぎ, 言語的メディェーターの所有は, それだけでは観察を効果的にするのに十分でないことを示した。しかし, 言語的メディェーターのみ所有している場合でも, 教示によって左右の次元への注意を喚起すれば, 左右次元への言及がない場合よりも, 観察効果が高められることが示唆された。
    最後に, 本研究の意義をあげ, 残された問題点を考えてみよう。意義としては, 第1に, 本研究では, これまで中間段階という用語を用いることによって, あいまいに記述されていたものを, 左右の情報をコードするメディェーターの有無ということに翻訳したことがあげられよう。これまで多く, 同一課題への正答数から量的に発達段階が記述されてきたが, ある発達段階と次の発達段階とを区別するものは何かを, 操作の形で明らかにしていくことが必要とされよう。そうすることによってはじめて, 現在ある段階にある子どもに, 何を与え, どのように働きかけたら次の段階へとひきあげることができるかを考えていくことができるのである。
    第2に, 観察効果を規定する先行条件として, 非言語的メディェーターの優位性が示されたことがあげられる。これまで, 概念形成の分野においては, 多くの研究が, 言語的メディェーターをもつことの効果を明らかにしている。その際, 言語的メディェーターは, 多くの不適切情報の中から, 適切情報をきわだたせる役割を果たしていると考えられた。このことは本研究においても当てはまり, 第2実験で, 左右の次元への言及がある場合には, 言語的メディェーターをもつことの有効性が示唆された。しかし, 教示者に左右の次元への言及がなされない場合には, 言語的メディェーターのみでは, 十分にその機能を果たし得ず, 種々の情報の中から, 左右の次元の情報を分化してとらえる何らかのメディェーター (非言語的) が必要であることが考えられた。
    ここで, 非言語的メディェーターの有無という時, 操作的には次の方法でとり出した。すなわち, 2つの物体がそれぞれ左右の位置, 前後の位置, 色の三次元で変化する刺激カードを用いて概念学習事態で, 左右の次元を適切次元とした課題に正反応したものを, 非言語的メディェーターを所有するものと考えた。それは, その過程として, いくつかの手がかり次元の中から, 左右関係の次元の情報を自発的にとり出し利用することを仮定している。そのためには, 左右の情報を分化してとらえる何らかの枠組み (メディェーター) をもつことが必要であろうと考える。
    では, 非表語的メディェーターを使用できるようにするためにはどのようにしたらよいだろうか。自発的に左右の手がかりを使用することができない場合には, 次の 2つの場合が考えられよう。1つは, 子どもの中で左右が分化しているにもかかわらず, 左右の手がかりに注目しない場合である。左右のラベルは正しく使い分けられるのに, 実験者に指摘されないと左右のちがいに気づかない反応例がこれにあげられよう。この場合には, 左右の手がかりに注目する訓練をすることによって, 左右の手がかりを使いやすくすることが考えられる。特に indicatorなどを用いて, 左右の手がかりを他のそれよりもドミナントな手がかりにしていくことや, 不適切な手がかりを減らすことによって, 左右の手がかりに注目させることも考えられる。
    第2の場合としては, そもそも左右というconstruct 自体が欠けていることが考えられる。子どもの反応例の中には, 自分の予測し構成したものと現在のみえとが左右逆になっているにもかかわらず, 同一だと主張するものがあったが, この場合の例といえよう。この場合には, 左右を構成する方法が考えられねばならない。被験者のほとんどは前後の座標は既にもっているのであるから, 前後に直交する軸としての左右をどのようにして教えたらよいか, 考えられねばならない。これは, 今後の重要な課題である。
    本実験では, 1. 左右逆転変換のテスト課題への反応の安定性の吟味, 2. 観察事態が非拘束であることに基づく統制の問題, 3. 効果の転移を見る課題の構造性など, さらに改善さるべき点が残されているが, 以上の意義と問題点をふまえて今後の研究を進めたい。
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  • 玉瀬 耕治
    19 巻 (1971) 4 号 p. 202-209
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 被験者に誘発された緊張状態または弛緩状態が, 言語条件づけにおよぼす影響をしらべることであった。MASによる不安得点が極端に高い者および低い者を除いて, 90名の大学生が被験者として用いられた。課題はTeffel型で, 80枚のカードが使用された。各カードには, 4つの人称代名詞と1つの動詞が書かれている。
    練習試行の後, すべての被験者は質問紙によって緊張度を測定された。それから強化なしの20試行を与えられ, そこで, 3つの実験条件のうち, いずれかの実験的処理を受けた。緊張群の被験者はGSRの電極板をとりつけられ, それが微妙な心のうごきをとらえるものだとつげられた。弛緩群の被験者は筋肉を弛緩させ, 呼吸を整える訓練を受けた。そして, 統制群の被験者は, その間, 何も実験的処理を受けなかった。このようなことなる実験的処理の後, すべての被験者はふたたび緊張度を測定された。その後, ひき続いて60試行を与えられ, 規準反応に対してフンフンで強化された。この条件づけ試行が終わると, 被験者はみたび緊張度を測定された。また, その直後には, 反応と強化の関係についての意識性と, 実験に対する態度をしらべる質問を受けた。
    おもな結果は,(1) 実験的処理はうまく行なわれ, 緊張得点でみると, 第1回目の測定では3群間に差がなく, 2回目および3回目では期待される方向で群差がみられたこと,(2) 言語条件づけは全体としては成立しているが, 3群間に成績の差はみられなかったこと, および,(3) 実験に興味をもった被験者は, 実験に興味をもたなかった被験者よりも成績がよかったことである。
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  • 矢吹 省司
    19 巻 (1971) 4 号 p. 210-220
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    What are the personality factors which characterize an underachiver? The author looks into this problem from the viewpoint of psychoanalytic ego psychology. He considers 7 case studies of underachievers troubled with neurotic conflicts. That which is called a healthy underachiever is beyond the limits of this study. The hypotheses from this study are:
    1) Using the concept “ego defense”, we can answer the question “Why do neurotic conflicts bring about underachievement?” whereas before, the expression “Neurotic conflicts bring about underachievement,?” didn't solve any basic problems.
    2) For someone with a certain type of defensive ego structure, it is a threat to be also endowed with a high will to learn, because he must meet new situations which create anxiety.
    3) The way that the ego defense mechanism urges him to avoid the learning situation, is a distinctive mode which helped him deal with his formative experiences.
    4) Therefore, from the viewpoint of the theory of ego development, the typical crises of the ego structure at each developmental stage may be recognized as important contributing causes in influencing the learning process; and the crises help determine whether the process is positive or negative, positive being a coping response and negative being a defensive response.
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  • 梅谷 忠勇
    19 巻 (1971) 4 号 p. 221-231
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は学習材料の抽象性の効果を中心に, 精神薄弱児の概念達成過程にみられる特徴を同一精神年齢の正常児と比較することによって明らかにしようと試みた。実験1では予備学習シリーズと本学習シリーズからなる対連合学習法に類似した概念達成課題によって, 精神薄弱児が概念達成の構えをつくりあげる過程を検討した。さらに, 実験IIにおいては, 1度つくりあげた概念達成の構えをこわして, 視点を変換することにより新たに別の構えをつくりあげなければならない弁別逆転移行学習課題によって, 原学習の概念達成が後学習のそれにどのような影響を与えるのかを比較検討した。
    その結果, 実験Iでは以下のような特徴が見出された。
    1. 学習達成者の割合は精神薄弱児の方が正常児群より少ない傾向にあり, このような傾向は具体的な概念よりも抽象的な概念において著しかった。
    2. 概念達成に要する試行数は, 精神薄弱児群, 正常児群ともに, 具体物の概念に比べて, 形, 数の概念の方が多かった。これを両被験児群について比較すると, 具体物の概念では統計的な有意差が認められなかった (P>05) が, 抽象的な概念である形, 数の学習では有意差がみられ (P<01), 精神薄弱児群の所要試行数は正常児群のそれの2倍以上であった。
    3. 概念達成に成功した後で正しく言語化した被験児の割合は, 精神薄弱児群, 正常児群ともに, 数の概念が具体物, 形の概念より少なく, このような傾向は精神薄弱児群において顕著にみられた。さらに, 実験IIで得られた特徴は以下のようである。
    1. 原学習に要した試行数は両被験児群ともに, 抽象的な概念課題 (III) の方が具体的な概念課題 (I) よりも多い傾向にあった。
    2. 逆転移行の難易をみると, 両被験児群ともに, 課題I, とりわけ大小の概念の逆転移行が困難であり, このような傾向は精神薄弱児群の場合にいっそう強かった。課題II, IIIにおいては, 正常児群は逆転移行が容易な傾向にあったのに対して, 精神薄弱児群ではやや困難であることがうかがわれた。
    3. 原学習では両被験児群ともに, 逆転移行容易群の方が逆転移行困難群よりも一貫して試行数が多く, 一方, 後学習では少なかった。
    4. 原学習における概念達成の構えがこわされるのに要した試行数は, 両被験児群ともに, どの課題においても逆転移行困難群の方が容易群よりも多く, また, 課題別にみると, 具体的な概念課題よりも抽象的な概念課題の方が多い傾向にあった。さらに, 精神薄弱児群はどの課題においても正常児群と比較して所要試行数が多かった。
    5. 逆転移行学習に成功した後で, 手がかりと過程を適切に言語化した被験児の割合は, どの課題でも精神薄弱児群は正常児群と比べて少なかった。これを課題別にみると, 正常児群は正しく言語報告するものの割合が, 課題I 課題II 課題IIIの順に少なかったが, 精神薄弱児群では正常児群の結果と対照的に, 課題I 課題II 課題IIIの順に多い傾向にあった。
    これらの実験I, IIの結果から, 全体的に概念達成の構えをはじめてつくりあげる場合に, 具体的な概念の学習材料では, 精神薄弱児群と正常児群との間に有意差がみられないが, より抽象的な概念の学習材料では精神薄弱児群は同一精神年齢の正常児群よりもかなり困難であった。さらに, いったん形成した概念達成の構えをこわして新しい構えを別に形成しなければならない課題になると, 両被験児群ともに抽象的な概念の学習材料よりも具体的なそれの方が解決が困難であり, このような傾向は特に精神薄弱児群において顕著であることが確かめられた。
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  • 北尾 倫彦, 秦 淑子
    19 巻 (1971) 4 号 p. 232-241
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    概念的カテゴリーによる分類を促がす教示効果を検討するために2つの実験が行なわれた。実験Iは, 4, 5, 6才のおのおのの年齢群において, 概念名辞をまえもって教示される教示群とそのような教示を受けない統制群が設けられた。課題は16枚の絵単語カードを4つのクラスに分類することであり, 果物, 野菜, 花, 鳥の4概念に4枚ずつを分類できるように構成されていた。結果は, 概念的カテゴリーによって分類した率 (概念的分類率) と分類理由として適切な概念名辞を報告した率 (言語化率) によって分析された。そうすると, 4, 5才児では概念名辞の教示によって概念化が保進されたが, 6 才児ではそのような教示効果がみとめられなかった。
    実験IIは, 4才半から5才半にわたる年齢群のみについて, 実験Iと同じ概念名辞の教示群, 事例に共通した特徴を述べる説明的教示群および統制群が設けられた。課題は基本的には実験Iと同じであるが, 概念として哺乳類, 鳥類魚類, 昆虫類をとりあげ, マッチングによる分類課題が採用された. 実験は事前課題, 特殊教示, 事後課題, 転移課題の順に進められ, 実験Iと同じ2つの測度によって効果が判定された。その結果, 事後課題および転移課題において, 概念名辞の教示は概念化を促進するが, 説明的教示はそのような効果を示さないことが明らかにされた。
    これらの実験結果はわれわれの仮説を支持するものであり, 言語的媒介の欠如した段階にある幼児に対しては, 概念名辞を教示することによって分類の概念化が促がされるといえる。しかもこの種の教示効果は刺激材料に関する観察反応を増すことによるものではなく, 朗らかに言語反応による媒介効果であることが考察された。
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  • 19 巻 (1971) 4 号 p. 241-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 波多野 誼余夫
    19 巻 (1971) 4 号 p. 242-244
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 19 巻 (1971) 4 号 p. 245-246
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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