教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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21 巻 , 3 号
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  • 梅谷 忠勇
    21 巻 (1973) 3 号 p. 137-147
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の実験Iでは, まず筆者の先行研究 (1971) との関連で, 2つの弁別逆転学習課題, すなわち, 「具体物」と「大小」の次元の組み合わせである課題Iおよび「形」と「数」の次元の組み合わせである課題IIを用いて, 精神薄弱児の弁別逆転移行の難易を発達的に検討した。さらに, 従来, 結果の指標として使われてきた所要試行数に加えて, 反応時間を指標とした学習過程の検討をおこなった。つぎに, 実験IIでは実験Iで用いた課題Iによって, 4回連続逆転移行の学習過程を反応時間を中心として考察した。その結果, 以下の点が明らかにされた。
    (1) 逆転移行の難易を発達的にみると, 精神年齢6才レベルの精神薄弱児では, 抽象的課題 (課題II) に比較し, 具体的課題 (課題I) の逆転移行が非常に困難である。一方, 精神年齢8才レベルの精神薄弱児では, 両課題間に差異がみられず, 逆転移行の容易な者と困難な者が同程度であることが認められた。
    (2) つぎに, 弁別逆転移行における反応時間の変化過程に関しては, 個人別に分析すると, 速い学習者, 遅い学習者および学習不能者に共通にみられる学習タイプやそうでない学習タイプなど種々のタイプに分けられた。
    (3) 1回の逆転移行および4回連続逆転移行のいずれの学習段階においても, 学習の初期の反応時間は学習達成時後のそれよりも長く, また標準偏差も大きい。逆転移行の時点に注目すると, 逆転移行直後の反応時間は逆転移行直前のそれに比べ長く, このような傾向は速い学習者において顕著にみられた。
    (4) さらに, 連続弁別逆転学習において, 逆転移行の原理の習得が速い者 (F-L群) とそうでない者 (SL 群) に分けて, 反応時間の変動性を検討すると, FL 群では最長と最短反応時間の差および標準偏差が学習達成時後に比べ学習の初期において大きく, 逆転移行の回数が増すにともなって, うえの両学習段階の間の差異が著しくなる。これを逆転移行の時点に注目してみると, 逆転直後の最長と最短反応時間の差と標準偏差は逆転直前のそれより一貫して大きい。これに対して, SL 群では, 学習の初期と学習達成時後, ないしは逆転直後と逆転直前の最長と最短反応時間の差と標準偏差の変動の巾がF-L群に比べ僅少である。
    なお, うえに述べた報告は, 精神薄弱児の被験児内での比較検討であったが, 今後さらに正常児との比較研究梅谷 (未発表論文) についても報告する予定である。
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  • 柳井 晴夫
    21 巻 (1973) 3 号 p. 148-159
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 大学の各専門分野の適性を診断する為に, 631名の被験者 (505名は大学院学生) に性格, 興味, 職業興味, 能力検査, 高校時代に学ぶ学科の得意不得意の評定, さらに大学の144の専門分野に対する3つの角度からの評定が行なわれた。
    (2) 上述のデータから, まず級間分散と再検査信頼性の積によって定義される情報量によって項目の選択を行ない, 残った項目に因子分析の主軸法を適用して, 予測変量群60尺度 (性格14, 興味14, 職業興味14, 能力8, 学科10尺度), 基準変量群36尺度を構成した。
    (3) 自分の所属する専門分野に対する適応度を評定する15の項目の因子分析と基準変量における三種の評定に対する重回帰分析の結果によって, 全被験者から55名の不適応者を排除した。
    (4)(3) の分析によって適応者と見なされた被験者のデータによって, これらの被験者が所属する84の専門分野間の距離を (1) 全変量群 (2) 基準変量群の二つの場合にわけて求め, これにクラスターアナリシスの一技法を適用し, 得られた結果を1つの基準にして88の専門分野を 12の専門群に分類した。
    (5) 12の専門群を適性診断のための基準群 (criterion group) として, 予測変量群, 基準変量群のそれぞれの尺度に対して別々に重判別分析を適用, この結果前回の調査とほぼ同一の意味内容をもつ4つの判別因子: (1) 理科系-文科系 (2) 医学生物-土木建築 (3) 実務的-非実務的 (4) 社会福祉 (対人性) 一自己内面性が抽出された。これらの因子は3つの異なる検査バッテリーのいずれからも抽出されたものであるので, 大学の各専門分野の適性を測定するかなり基本的な因子であるものと推測される。
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  • 梶田 正巳, 中野 靖彦
    21 巻 (1973) 3 号 p. 160-170
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1. TABLE1のごとく, 独立した2種類の対連合学習を5才から13才の5つの年齢水準の児童に実施した。刺激は, 線画で全体として関連のないようなものを選んだ。反応はカラーラベルである。実験は, パスの表裏に刺激と反応を入れ, 色のボールを当てる遊びとして実施した。学習完了後, 実験者は, 提示刺激を20秒間自由再生させ, その後でどのようにして速くボール当てをできるようにしたか, 質問した。そして, 実験者は, この応答と実験中に与えられる手掛りを基礎にして, 被験者がどのような学習型を採ったか判断した。カテゴリーは,(1) 刺激と反応を直接連合するS-R型,(2) 個別反応刺激のみS-R 結合し, それに属さぬ刺激には, 総て共通反応をするE R型,(3) 学習型を決定できないUD, とした。
    まず, 2種類の学習課題が, 発達的にどのようなパフォーマンスを生むか分析した。その結果, 次の事が明らかとなった。
    (1) 打切り基準内で, 学習基準を達成しえなかった被験者は, 5才児で最も多く, 7才児, 9才児と少なくなった。未到達者は, 第2学習課題で多かった。
    (2) 第2学習課題が, 第1学習課題より多くの試行数を要した。また, 年少児が, 年長児より多くの試行を必要とした。年齢水準と課題に相互作用はみられなかった。
    (3) どの年齢をとっても, 第2学習課題で提示刺激の再生される数は多かった。しかし, 刺激の何割が正しく再生されたかを示す正再生率をみると, 2種の学習課題に相違はみられなかった。また, 一貫して, 個別反応刺激の正再生されやすい傾向がみられた。
    (4) 年長児が年少児より, 個別反応刺激をはじめに続けて反応しやすい傾向がみられた。また, 個別反応刺激から反応する被験者は, ほとんど総てER型学習者と判定されていた。
    次に, 分類された学習型に分析の視点を移して, 整理してみると,
    (1) 特に, 5才児には, S-R型学習者が多く, 第1 学習課題では, 7才児でER型学習者がドミナントになった。第2学習課題) においても, 5才児でS-R型学習者が多くみられ, 7才児で両学習型は均衡し, 9才児では, ER型学習者が大多数を占めた。7才から8才の間に, 移行期のみられることが示唆された。
    (2) 第1学習課題では, S-R型とER型学習者の間に, 学習基準までの試行数の相違はみられなかった。しかし, 第2学習課題ではER型学習者がS-R型学習者より速く学習を完了しており, ここではうER型学習者の発達的増加が試行数の発達的減少に貢献していた。両学習課題のこのような相違は, 課題を構成する刺激の数によって考察された。
    2. 研究方法について対連合学習の実験では, 研究者の操作する実験条件にデータを整理する視座を定め, パフォーマンスの種々の側面について関係を調べるのが普通である。この研究でも, 始めに, そのような点から, 2種類の異なった学習課題が発達的にどのようなパフォーマンスを生じさせたか検討してきた。一般的に言って, このようなアプローチは, 研究者が誰でも一致しうるような, また, それゆえに, 再構成可能な独立変数に依存しているので, 資料を分析整理するには, 比較的危険度の少ない方法であろう。しかし, 一定の外部条件を操作したとしても, 被験者の中には実にさまざまな内的過程の生起していることは, あまりにも明らかなことである。ある操作が, ある内的過程に, 一義的に対応しているようなことは, きわめて稀なことではないであろうか。特に, 人間の学習のごとき, 複雑な対象を扱う場合には, その感をまぬがれえない。このように厳密にできる限り外部条件を整えたとしても, 多様な内的過程の干渉によって, パフォーマンスの高い予測性を十分に獲得できないでいるのである。たとえば, 著者らの弁別移行学習の研究においても, 移行条件は確かにパフォーマンスに有意差をもたらしはしたが, 条件とパフォーマンスの関連度は, せいぜいω2 =. 16にとどまっていた (梶田1972)。
    それでは, このような欠陥を補なう他の分析方法をとるとしたら, どのような方法が考えられるであろうか。直ちに可能な方法は, 所与の条件下で, 実際, 被験者がどのような内的過程を経ているかを質問し, 接近し, 記述, 分類することであろう。
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  • 森 一夫
    21 巻 (1973) 3 号 p. 171-176
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    子どもたちに非日常的な異常速度運動を視覚体験させたところ, その持続時間の判断は次のように変容することが認められた。
    1. 5才児に微速度映写画面を見せてから直ちに落下時間を予測させると, これを過大に評価する傾向が認められる。逆に, 高速度映写画面を見せると, 落下時間を過小に予測する傾向が認められる。
    2. 11才児に高速度映写画面を見せると, 5才児と同様に落下時間を過小に予測する傾向にあるが, 微速度映写画面では殆ど影響を受けていない。また, 同じ走行運動を異なった映写速度で2つのスクリーンに映したところ, 次の知見が得られた。
    3. 同時映写の場合, 5才児の距離判断にはタウ運動効果が認められる。また, 遅い運動体が速い運動体と同時間に短い距離を運動するときの持続時間の判断では, カッパー運動効果と反カッパー運動との併存が認められる。これはまた, 彼らの距離と時間の概念が運動知覚を媒介にして強く依存し合っているために, 明確な同時性の概念が欠如していることを示すものと推定される。11才児では, 速度・時間・距離の論理的関係が形成されているものもあるが, 彼らの多くは持続時間の判断が運動速度の知覚にゆなり依存するため, 多様な傾向性を示す。
    4. 継時映写の場合, 5才児ではカッパー運動効果や反カッパー運動効果に基づく傾向というよりも, むしろ後で知覚した運動の特続時間の方がより長いと判断する傾向が認められる。11才児では反カッパー運動効果に依拠した持続時間の判断を行なう傾向が見られる。これは Piagetの見解とは異なり, Cohenの主張を支持するものである。
    付記 本研究の良き協力者であったMr. Nikom Tadangを始め, 山形, 小川, 中井の各氏それに五条幼稚園の長野園長, 天王寺小学校の岡校長に深謝の意を表する。
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  • 松岡 武, 小野 環
    21 巻 (1973) 3 号 p. 177-180
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    CSTの応用的研究の1つとして, 約20年のへだたりをもつ2つの時代の中・高校生のテスト結果とくにその反応色彩の出方を比較し, それを通して彼らのものの見方, 感じ方の変貌状況を探ってみた。その結果, 現代の中・高校生には明るくカラフルな色が有意に多く選ばれることを知った。この事実の心理学的意味を解明するのが今後の課題である。
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  • 松田 伯彦
    21 巻 (1973) 3 号 p. 181-186
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 教師の経験年数の違いにより教師および児童の授業内活動にどのような差があらわれるかを明らかにすることにある。
    千葉大学附属小学校の4年1組・2組・3組において, それぞれの担任教師 (教師の経験年数はそれぞれ順に13 年, 1年, 5年) が同一の教材・指導案で算数の「割合」の授業をおこなった。
    その授業観察・分析の結果は次のとおりである。
    1. 指導過程の分節, 教師のリードスコァと児童の参加度の分析および各組の授業の流れの教師発言のリードカテゴリーの内容による分析によって, 各クラスの授業内容に差があることが示された。
    また, 授業における児童の個人別参加度の平均値は2 組の方が1組よりも有意に高かった。これは1組が教師中心の授業であったのに対して, 2組は児童の討論・発言を主としていた授業であったためといえよう。
    2. 授業の直後におこなわれた「割合」に関するテストでは2組が1組および3組よりも有意に成績が劣った。
    3. 事後テストの成績がよい組ほど机間巡視時間は長い傾向がみられた。
    以上が本研究から明らかにされたことであるが, さらに様々な観点から検討しなければならないことについて考察した。
    付記本研究は松田他 (1971)
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  • 橋本 昭治
    21 巻 (1973) 3 号 p. 187-191
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 新井 邦二郎
    21 巻 (1973) 3 号 p. 192-197
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1950年代の初めに, ГаЛЬnepиH, П. Я. らによって提出された知的行為の多段階形成理論は, その後おおくの発展を示している。我が国でも, この理論のかなり詳細な紹介がすでになされているので (柴田, 1962-1964, 天野, 1968, 駒林, 1971等), ここでは簡単に概観するにとどめ, 2, 3の問題を中心にして考察することにする。
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