教育心理学研究
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29 巻 , 1 号
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  • 岸 俊彦
    29 巻 (1981) 1 号 p. 1-9
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Aim: The aim of the following study is to find out the patterns of utterance relation among teacher (T) and children (C).
    Classiication of utterance
    Utterance relation is classified by combination of a teacher's utterance and children's utterance.
    1. A teacher's utterance is classified into the three types,‘weak’,‘medium’, and ‘strong’, based on the strength of his ‘Lead’.
    1. 1. Lead: weak-T understands C's utterance and behavior and accepts them.
    1. 1. 1. Silence: T doesn't utter.
    1. 1. 2. Acceptance: T accepts C's utterance and behavior without any criticism, in consideration of C's thought and feelings.
    1. 1. 3. Clarification: T clarifies the meaning of C's utterance, by adding his comments.
    1. 2. Lead: medium-T tries to talk C into doing the action, though the direction of C's action can be chosen by C.
    1. 2. 1. Praise, Encouragement: T approves of a direction of C's own choice and encourages C to act in that direction.
    1. 2. 2. Broad Question: T asks C to write down their opinions concerning the causes of an incident, how to solve questions.
    1. 3. Lead: strong-T directs C's attention toward a specific direction and makes them act and think toward the direction.
    1. 3. 1. Narrow Question: T asks elective questions, questions for confirmation, and questions for reproducing memory.
    1. 3. 2. Information: T shows the teaching material by a story-telling, opinions and AV aids.
    1. 3. 3. Requests and Commands: T gives requests and commands to read the teaching material, to solve problems, etc.
    1. 3. 4. Criticism: T criticizes and rejects C's ideas, behavior or feelings.
    1. 4. Others: Utterance not included in the above classification is classified in Others.
    2. C's utterance is classified into the three types by strength of spontaneity.
    2. 1. Spontaneity: weak
    2. 1. 1. Silence: C don't utter.
    2. 1. 2. Simple Answer: C answer in a simple way, induced by T's or C's questions.
    2. 2. Spontaneity: medium-C answer in detail, induced by T's or C's questions.
    2. 3. Spontaneity: strong-take positive part in the process of teaching-learning. Questions and answers begin, continue and develop by C.
    2. 3. 1. Spontaneous Utterance: C explain, adding thin own opinion different from other children's and expression not found in the teaching material.
    2. 3. 2. Questions, Requests, Nomination: C ask T or other children questions, requests, and have other children to answer.
    2. 4. Others: Utterance which is not included in the above classification is classified in Others.
    Methcd of Analysis
    The recorded narrative in instruction is divided into segments.
    Each of these segments is classified from the points of topics, changing of problems, C's activity, etc. Each segment of utterance is classified into types described above and the patterns of utterance relation are extracted.
    Results
    The results of analyzing 62 pieces of instruction for children are as follows.
    1. Lecture Type (T: strong, C: weak) There's a lot of talk by T. T's narrow questions and C's simple answers are included several times.
    2. Narrow Question Type (T: strong, C: weak) T's narrow questions and C's simple answers and T's clarification are repeated.
    3. Broad Question Type (T: medium, C: medium) C's answers in detail to T's broad questions and T's clarifications are repeated.
    4. Chairmanship Type (T: medium, C: medium) T asks broad questions and has C tc answer them by calling C's name. This type is different from Broad Question Type: T doesn't add clarification or explanation after having listened to C's opinion.
    5. Controlled Discussion Type (T: medium, C: strong) T gives a subject for discussion and C discuss it. T decides the subject and makes a summary of it and explains the pattern for discussion and controls it.
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  • 宮野 祥雄
    29 巻 (1981) 1 号 p. 10-19
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の主な目的は, 非行に走る青少年と走らない青少年の自己概念の相違を明らかにすることであった。
    この目的を達成するために, 筆者は64枚のQ-分類カードを作成した。
    「Stephensonの標本構造化の手続」に基づいて, それらのステートメントは“社会的自己”, “意志”と“自己評価”の要因によって構造化された。次の仮説が上の手続を経て, 検討された。
    仮説IA: 非行に走る青少年は,反社会的な自己概念をもつ度合が強い。
    IA'; IAが矯正処遇中の青少年にも適用できる。
    IB: 非行に走らない青少年は, 社会的に望ましい自己概念をもつ度合が強い。
    IIA: 非行に走る青少年は, 意志が堅すぎるか弱すぎるかのいずれかに偏った自己概念をもつ度合が強い。
    IIA': IIAが矯正処遇中の青少年にも適用できる。
    IIB: 非行に走らない青少年は, 前述の両方向のいずれにも偏らない自己概念をもつ度合が強い。
    IIIA: 非行に走る青少年は, 否定的な自己概念をもつ度合が強い。
    IIIA': IIIAが矯正処遇中の青少年にも適用できる。
    IIIB: 非行に走らない青少年は, 肯定的な自己概念をもつ度合が強い。
    対象者は, 非行の矯正のため, 施設で生活している生徒(矯正処遇群)25名, 1年以内に, 非行と所轄庁による補導の記録が, 教師によって確かめられた一般中学生 (非行群) 11名, 1年以内に非行に走ったことがないと教師によって確認された一般中学生(正常群)11名である。
    主な結果は次のとおりである。
    Q-分類結果の群別分散分析(要因の主効果とその水準の方向)から, 仮説IA, IB, IIA, IIA', IIB, IIIBが支持された。また, 個人別分散分析の結果 (要因の主効果及びその水準の方向) は, 要因の主効果の水準の方向に関する下位の計算値を考慮すると, 矯正処遇群に属する青少年の社会的自己の主効果及びその水準の方向を除き, 群別分散分析の結果 (要因の主効果及びその方向) を支持する傾向にある。
    因子分析及び因子得点の行列に行った分散分析の結果から, 第1因子は“社会的自己”の水準の1つである“社会的”方向にかかわり, 第2因子は“社会的自己”の“反社会的”方向にかかわっていることが明らかである。これらのことは, 群別及び個人別分散分析の結果を補完するものであると言えよう。
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  • 斉藤 こずゑ, 武井 澄江, 荻野 美佐子, 大浜 幾久子, 辰野 俊子
    29 巻 (1981) 1 号 p. 20-29
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The aims of our follow up observational study were to clarify the transition from pre-linguistic com-munication to early language and to show how dependent the development of verbal behaviour was upon the nature of the interaction taking place between mother and child from the early months. Over a 22-month period fortnightly observations were made of 8 mothers and their firstborn children (2-23 months old) as they interacted at home, in natural and in semistructured situations. Maternal and child behaviours were recorded by time-sampling method on the observation checklist consisting of 40 maternal and 65 child categories of behaviour.
    In the present paper, part of this comprehensive sampling was analyzed in terms of (a) frequency of child vocalizations (FIG. 1), gaze (FIG. 2) and facial or gestural communications (FIG. 3),(b) co-occurr-ence of maternal or child categories of behaviour with child vocalizations, i. e. crying, negative vocalization (TABLE 3), babbling (TABLE 4), pre-speech and speech (TABLE 5). It was demonstrated that child speech exhibited after 16 months of age, turntaking (alternation) with his mother; whereas it was only at the age of 22-23 months that pre-speech being also an intentional vocalization, exhibited alternation pattern instead of previous coaction pattern. As for babbling, it revealed that it had two functions, i. e. play by oneself and expression of pleasure. The latter exhibited coaction pattern at 2-5 months of age, and the alternation pattern occured after 6 months. On the other hand, crying and negative vocalization exhibited only coaction pattern (2-19 months).
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  • 村上 安則
    29 巻 (1981) 1 号 p. 30-37
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    この実験の目的は, 生徒の話す力, 書く力, 要約する力を高めるための条件を調査することであった。そこで次のような実験が行われた。50分間平常の授業で英語を教えられた統制群(C群)を, 40分の平常の授業の後, 最後の10分間で英問英答によって教えられた第1実験群(EI群), および最後の10分間に暗唱して正しく書けるように指導された第2実験群(EII群)と比較した。これらの3群の学習効果を知るために, 次の測度が用いられた。
    英文和訳問題と和文英訳問題においては, 通常の主観的採点法が用いられた。要約においては, 小町谷 (1974) にならって次の測度が用いられた。すなわち, 10人の英語教師によるテスト材料の評定に基づいて決められたところの,i) 有効伝達単位点, ii) 非有効伝達単位点, さらに有効及び非有効伝達単位点の相互関係に基づいたiii) 要約評定点, および iv) 伝達単位数である。各群33名の高校1年生からなるマッチングされた3群の被験者は, 次のように訓練をうけ, テストされた。
    pre-testではすべての被験者は, O. Henryの短編小説の前半を, post-testでは後半を与えられ, 50分以内に読んで, かつ, 次の3っの質問に答えるように求められた。3つの質問とは,(1)英文和訳問題,(2)和文英訳問題,(3) 英語での要約問題であった。
    訓練期間中は, すべての被験者に, 教材を理解するため次のような授業が行われた。すなわち,(1) 外人吹込みのテープを聞く。(2) 教材を読む。(3) 新出単語と新しい重要な文について学び, テキストの英文和訳を行う。C群はこの手順で授業を最後まで行う。EI群では最後の10分間, 教材全体にわたる重要な文について, 教授者が被験者に英問英答を行う。EII群では最後の10分間EI群の被験者が英問英答を行ったのと同じ文を暗唱し, 誤りなく書けるように指導する。この訓練が4回にわたってくり返された。
    英文和訳と和文英訳のpost-testの成績とpre-testの成績との差は, 3群の間ではほとんど見られなかった。しかし, 要約問題においてはEI群が全般的にもっともすぐれ, 次にEII群, C群の順であった。英間英答は, 被験者が教材をよりよく理解し, 要約するのに, より効果的であるといえよう。しかしながら, 学習時間を本実験の場合よりも長くすれば, これとは異なる結果の生じることも予想される。
    なお, 本研究を行った結果, 今後の問題点と思われるものには次のようなものがある。
    (1) 要約問題は, 教材全体の理解度を測るのに最適の問題形式と思われるが, 問題文の伝達単位の有効・非有効等の判定について, 少なくとも数名の英語の専門教師の協力が得られなければならず, 教材毎にこの規準を作成することは困難である。
    (2) 実験に関しては,(イ) training教材そのものだけに関する問題と, post-testだけに関する問題を作成すること。
    (ロ)英文和訳問題と和文英訳問題は, 客観テストとすること。(ハ) pre-testの問題とpost-testの問題の難易度を同じようにすることなどが望まれ, さらに,(ニ)学習内容に見合った学習時間が与えられることが望ましいと推測される。
    (3) これまでの実験的研究は, 平常の授業の多くの側面の中の1つをとり出して, 平常の授業とは異なる状況で扱ってきたために, その結果の平常の授業への一般化や適用が困難であった。それゆえ, 本研究では, 折衷法により, 全く平常の授業に実験をとり入れたのである。本研究には, まだ, 条件統制の上で, いくつかの問題点もあるが, 今後は, 授業の目標にあわせて, 他の実験が追加されたり, 不要な実験が省かれたりして, より一層の考慮が払われるならば, 本研究のような実験授業による英語教育法の研究は成果をあげることができるものと思われる。
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  • 喜多尾 哲, 梅谷 忠勇
    29 巻 (1981) 1 号 p. 38-45
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は精薄児と健常児を対象に, 同一次元内で操作された手がかり類似性が弁別逆転学習に及ぼす影響を精神発達との関連をふまえて比較検討することを目的とした。このため, 実験は手がかりの類似度が低いと考えられる円-三角形条件と, 高いと考えられる円-楕円条件の2条件を設定し, 形次元のみを適切次元として実施した。
    その主な結果は以下の通りであった。
    1.低MA(IQ)段階(MA5・6~7歳)において, 原学習所要試行数は円-三角形条件群に比べ円-楕円条件群が多かった。これは精薄児, 健常児群ともに言えた。また後学習についてみると, 精薄児群は円-三角形条件群, 円-楕円条件群とも健常児群に比べて多くの試行数を要した。
    2.高MA(IQ)段階(MA8~10歳)をみると, 円-三角形条件群では, 精薄児群, 健常児群ともに, 原, 後両学習の所要試行数が低MA(IQ)段階に比べて減少した。円-楕円条件群においても, 精薄児群の所要試行数は低MA(IQ)段階より少なかった。しかし, この傾向は健常児ほど顕著ではなかった。
    3.原学習と後学習の所要試行数の分布から弁別逆転移行の難易をみると, 低MA(IQ)段階の精薄児群は両条件群とも健常児群に比べて逆転移行が困難であった。高MA(IQ)段階になると, 精薄児群は健常児群ほどではないが, 逆転移行が容易になった。
    4. 手がかり名を適切に言語報告した被験児の割合について比較すると, 低MA(IQ)段階では, 精薄児群, 健常児群とも両条件群において50~60%であり, 顕著な条件差, 被験児差はみられなかった。高MA(IQ)段階の円-三角形条件群では, 両被験児群とも低MA(IQ)段階に比べて割合が増加した。これに対し, 円-楕円条件群における精薄児群の増加は, 健常児群のそれに比べて少なかった。
    以上から, 精薄児, 健常児とも媒介型反応様式に至らない段階では手がかり類似性の影響を受け, 弁別逆転学習が困難になること, また精薄児はMA水準が高くなると媒介型反応様式が可能になるが, 依然として手がかり類似性のような知覚的要因の影響を受けやすいことが示唆された。
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  • 柏原 恵龍
    29 巻 (1981) 1 号 p. 46-50
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 蘭 千壽
    29 巻 (1981) 1 号 p. 51-55
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 学級におけるソシオメトリック地位が中位および低位に位置する生徒に重要な役割を遂行させ, この役割行動がソシオメトリック選択, 行動特性および集団凝集性に及ぼす効果について検討することであった。
    被験者は中学校2年生2学級86名である。役割行動は各学級のMi-ss, Lo-ss群に位置する生徒, 4名ずつ8名が行った。具体的な役割行動は長島らの方法に準拠し, 実験群は担任教師が学期を通して指導・助言を行うが, 統制群では行われなかった。質問紙はソシオメトリック・テストおよび適応性診断テストを用い, 調査時期は学期初旬, 中旬, 下旬の3回であった。
    主な結果は次の通りである。(1)TPのソシオメトリック地位は統制群に比べて実験群において上昇する傾向にあることが認められた。(2)実験群および統制群のTPは, ソシオメトリック選択において, 地位の高い生徒を選択する傾向にあり, この傾向は役割遂行過程の経過に伴って顕著になることが示された。(3)TPに対するソシオメトリック選択は, 統制群に比べて実験群のTPが多く選択され, また, Mi-Ss群のTPがLo-ss群のTPより多く選択されることが認められた。さらに, TPを選択した生徒の地位は役割遂行過程の経過に伴って, 高地位の生徒ほど多く選択することが示された。(4) 行動特性は全体として望ましい方向への変化がみられたが, 統計的に有意な差は認められなかった。(5) 集団凝集性得点は実験群において高くなり, 統制群においては低くなることが示された。
    これらの結果から, 役割行動に伴う地位と行動特性の相互形成性の仮説は, 地位に関してはLo-SS群においても認められたが, 行動特性に関しては認められなかったことが考察された。集団凝集性に関しては当初の仮定を支持するものであり, 担任教師の指導に基づく役割行動が学級集団の指導法として効果があることが老察された。
    今後の課題として, 地位の低い生徒に役割を担当させる場合, その生徒の特徴と役割の性質との関連を考慮することが重要であろう。さらに, 地位の高かった生徒が相対的な地位の低下に伴って行動特性に変化が生じたかどうかについても分析すべきであろう。
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  • 金子 由美子
    29 巻 (1981) 1 号 p. 56-60
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 二宮 克美
    29 巻 (1981) 1 号 p. 61-65
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    児童の道徳的判断に影響を与えている諸要因には様々なものがあるが, 本研究では意図と結果の情報提示順序が及ぼす効果を取り上げた。
    結果は, 全般的には提示順序の効果は見られなかったが, 被験者の意図の認知水準により, その効果が異なっている可能性のあることを示唆した。また, 道徳的判断の数量的な指標の試みとしてのキャンディ分配は, 年長児において妥当性のあること, およびその分配様式は Piaget (1932) の正義感の発達段階とほぼ対応することが指摘された。
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  • 藤友 雄暉
    29 巻 (1981) 1 号 p. 66-69
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    幼児のことばの研究は, 幼児の生活場面において, メモや録音器を用いてことばを採集し, それを分析することが主流をなしてきた。しかし, このような資料は, 対象児の数が少数とならざるを得ないこと, 対象児によって採録した時の環境が異なり, 資料を直接比較できない場合があること, 対象児間に個体差が大であること, 資料が記述的なものになり勝ちなこと, 実験的に再現し, 追試により実証をすることが困難であることなどが短所として存在していた。それに対して, このような短所を克服する方法として, 全くの実験的手法, 特に学習実験によるものが考えられ, 実施されてきた。しかしながら, 実験的手法によるものは, 幼児の生活場面におけることばとは, かけ離れ過ぎたものが多く, したがって, 得られた結果は現実の幼児については, ほとんど何も言及することができないというような新たな問題を生じた。このような2つの方法が持つ短所を補うものとして, ある程度統制した条件下において, 幼児のことばを採集し, 分析する方法が考えられる。藤友 (1977a, 1977b, 1978, 1979a, 1979b, 1979c, 1979d) は, 幼児に絵カードを提示し, 口頭作文を作らせるという統制条件下において, 幼児のことばを研究した。用いられた被験者は, 4歳児, 5歳児, 6歳児各34名, 計102名, 用いられた絵カードは21枚の採色がほどこされたものであった。得られた資料の分析には, FIG. 1に示された品詞の分類規準が用いられた。自立語の11品詞について, 藤友 (1979a) では4 歳児, 藤友 (1979d) では5歳児, 藤友 (1978) では6歳児の品詞別語彙数と総語数, 及び品詞別語彙表を得た。藤友 (1977a) では, 動詞・助動詞, 形容詞, 接続詞, 名詞の誤用例が分析された。藤友 (1977b) では, 幼児が作った口頭作文の内容分析, 助詞の誤用, 語音の脱落, 構音の誤りが分析された。藤友 (1979b) では, 正しく使用された助詞を分析の対象として, 幼児の助詞の習得に関する発達的研究が行われた。藤友 (1979c) では, 藤田・藤友 (1975) によって得られた93名の4・5歳児の助詞の理解に関する資料と, 藤友 (1979b) によって得られた68名の4・5歳児の助詞の生成に関する資料とが, 比較研究された。本研究は, 藤友 (1977a, 1977b, 1978, 1979a, 1979b, 1979c, 1979d) と同一の資料を用いて, 正しく使用された助動詞を分析の対象として幼児の助動詞の習得に関する発達的研究を行うものである。
    大久保 (1967) は, 1人の幼児の1歳から3歳までの発話資料における助動詞を分析して,(1) 「た」「ない」「ん」「う」「よう」「ます」「です」「だ」「れる」「られる」「せ」「させ」「そうに」「そうな」「ように」「みたいに」「たい」などを3歳までに使用している。(2) 大部分の助動詞が3歳までに初出し, 過去, 現在, 未来, 可能, 命令, その他様々の表現が出来るようになってきている。(3) 助動詞全体では終止形がいちばん早く使われ多用され, 連用形, 未然形, 連体形の使われかたは少なかった。初出もおそい。との結果を得た。
    また, 竹田・望月・丸尾 (1969) は, 1歳, 1歳6か月, 2歳, 2歳6か月の幼児各20名と3歳児11名の発話資料における助動詞を分析して,(1) 発話内容を品詞別に分類して得られる助動詞の出現率は, 1歳6か月で 1.4%, 2歳0か月で5.7%, 2歳6か月で9.0%, 3 歳0か月で14.3%である。(2) 1歳6か月では完了・過去の夕の使用が稀にみられる。2歳では打消しのナイ, 断定ダ, デス, 2歳6か月では意志を表わすウ, ヨウの使用が増加している。2歳6か月以後, 僅かではあるが, 受身, 可能のラレル, 使役のサセルなどの助動詞も用いられる。(3) 活用形の上からみると終止形が最も多く, 連用形, 未然形の順になり, 仮定形, 連体形は殆ど使用されていない。との結果を得た。
    藤友 (1977a) では, 助動詞の誤用例が分析研究されたが, 使役「せる・させる」, 受身「れる・られる」, 可能「れる・られる」, 断定「だ」, 確認・過去「た」に関連する誤用がみられた。
    以上引用してきた研究はいずれも助動詞を独立の単語とみとめる立場に立つものであるが, 鈴木 (1968) 「学校文法のいわゆる付属語 (助詞, 助動詞) は, ここでは独立の単語と認めず, 語尾 (単語のおわりの部分), あるいはくっつき (付属辞) とみとめ, ともに単語の文法的な形あるいは文法的な派生語をつくるための文法的な道具とみる。」の立場に立つことも可能であることを付記しておきたい。
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  • 都筑 学
    29 巻 (1981) 1 号 p. 70-74
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    3歳ごろの第一反抗期は, 自我の芽ばえる時期であり (園原・黒丸, 1966), 子どもは「ぼくが…する」といった形の自己主張をさかんに行う。Jersild (1968) は, このような他者に対する自己主張の開始が, 子どもの自己意識の発達にとって重要であることを指摘している。これらのことから, 幼児期において自己意識は急激な発達を示すと考えられるが, 従来, 幼児を対象とした研究は少なく (Keller, Ford & Meacham, 1978), その内容は十分に知られていない。
    ところで, 幼児の自己意識を研究する際には, 次の点に留意しなければならない。すなわち, 自己中心的な思考段階にいる幼児は, 一般に自己の内面を直接に意識の対象とすることが困難である。したがって, 青年や成人を対象とした研究方法を用いることができず, 特別な方法が必要とされる。次に述べるベスティエール検査は, この条件を満たしていると考えられる。
    ベスティエール検査は, 子どもの情緒的発達の障害を診断するために考案されたものであり, 病理学的・発生的・差異的視点から, 子どもの日常的な意識や態度を検討し, 子どもの社会的・情緒的な発達水準を明らかにしようとするものである (Zazzo & Mathon, 1960)。検査は3つの下位検査から構成されており, 第2下位検査は以下のようなものである。「赤ん坊」「おとな」「自分のいまの年齢」の3つの人生の時期に関して,(1) 一番なりたいと思う時期,(2) なりたいと思う時期,(3) なりたくないと思う時期, を選ばせ, 理由づけさせることによって, 子どもが自分自身の発達について, どのように意識しているかを明らかにする。
    ベスティエール検査の特徴は, 第1に, 子どもの自己意識を, 子どもが自分自身の発達について抱いている意識や自己の成長への欲求という側面との関連において, 力動的に把握できることである。特に, この検査を統合心理学 (psychologie integrale) の観点から発展させた「発達の力動過程」 (Dynamisme Evolutif) の検査は, 過去一現在一未来の時間軸上で, 発達・変化していく自己に対する意識や価値づけを検討することを可能にする (Zazzo, 1969)。第2の特徴は, この検査が一種の投影法だということである。Kanner (1957) によれば, 投影法は可塑的な場面の上に個人の人生観や, 個人の希望, 意味, 特徴, 特にその感情を投影させるものであり, 研究者は個々人の「内面的な世界」を理解することができる。このように, ベスティエール検査は, 幼児の自己意識を研究するのに最も適切な方法であるといえよう。
    Zazzo (1962a, 1962b) Zazzo & Mathon (1960, 1962) は, 3歳6か月から6歳3か月までの幼児にベスティエール検査を実施している。その研究から, 第2下位検査の結果をまとめると次のようになる。
    3, 4歳では, 「自分のいまの年齢」の選択者数は「赤ん坊」のそれより少ない。しかし, 5, 6歳になると, 「自分のいまの年齢」の選択者数が「赤ん坊」のそれより多くなる。これは, 3歳から6歳にかけて, 子どもが次第に自己を強く意識するようになっていくことを示している。
    「おとな」の選択者数は, 3, 4歳では50%を越えるのに対して, 5, 6歳になると30%に減少する。そして, 「おとな」を拒否する者が年齢とともに増加する。「おとな」を選択することは, 子どもが置かれている生活条件と密接に関連している。すなわち, 社会的に高く認められた職業に就いている両親が多い地方の子どもは, 「おとな」を拒否する者が少ない。
    どの年齢においても, 女子は男子よりも「赤ん坊」を選択する者が多い。これは, 女子は母親の役割モデルへの同一視が強いからだとみられている。
    以上がフランスにおける調査結果であるが, わが国でも, 槻 (1979) が富山県内の保育園児, 小学生を対象に検査を行っている。保育園年長児では, 「赤ん坊」「おとな」「自分のいまの年齢」の選択者は30%, 35%, 35% であり, 拒否した者はそれぞれ20%, 30%, 10%という結果が得られている。しかしながら, 小学生を中心に分析が行われており, 保育園児については十分な検討がなされていない。また, さきのZazzoの研究結果の中でふれられていたように, 社会的・文化的なものは自己意識の発達に対して, 影響を与えると考えられる。
    そこで本研究では, 先行諸研究に準じた質問紙を作成し, 4歳から6歳までの幼児の自己意識の発達について,(1) 現在の自己についての意識,(2) 自己の将来の発達についての意識,(3) 過去の変化についての意識, の3つの側面から検討し, あわせてZazzoの調査結果と比較することを目的とする。
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  • 増田 公男, 中尾 忍
    29 巻 (1981) 1 号 p. 75-79
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 速水 敏彦
    29 巻 (1981) 1 号 p. 80-83
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 裕子
    29 巻 (1981) 1 号 p. 84-87
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は女子青年の性役割意識を多次元的に捉え, その構造を明らかにすることが目的であった。取り上げた指標は, 性度, 性役割観, 職経歴選択, 性の受容の4変数で, 136名の女子学生を被調査者として数量化理論III 類による検討を試みた。結果は以下の3点にまとめられる。
    1. 得られた軸は第2根までで, 第1軸は〈男性的-女性的価値〉の次元, 第2軸は〈両価的因子内在〉の次元であった。
    2. 第2根の第1根への回帰はきれいなU字型を示し, 尺度構成上有益な示唆を得た。
    3. 反応カテゴリーのパターンから3類型が導き出され, それらは男性的価値指向型, 女性的価値指向型, 個人内価値指向型であった。
    本研究で得られた基本次元および3類型は, 別の側面から検討された既婚男女の結果と基本的に通じるものであり, その存在の普遍性の一部を裏付けていた。
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  • 木村 士郎
    29 巻 (1981) 1 号 p. 88-91
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教育心理学研究第24巻第2号において保留されたe, a, b, fZ, ω1, ω2の重みの意味づけがなされた。eは「保存」に関与し, a, bは教示と実験事態の刺激布置の条件との葛藤に関与し, fZは遡及禁止に関与するものと考えられ, ω1, ω2は作業検査法に将来関与するであろう事が指摘された。
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  • 29 巻 (1981) 1 号 p. 93-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 29 巻 (1981) 1 号 p. 93a-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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