教育心理学研究
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46 巻 , 4 号
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  • 佐藤 純
    46 巻 (1998) 4 号 p. 367-376
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 学習方略に対する有効性の認知, コストの認知, 好みが, 学習方略の使用に及ぼす影響について調べた。426名の小・中学生が, 学習方略の認知及び使用を評定する質問紙に回答した。その結果, 学習方略の有効性を認知し, 好んでいる学習者ほど使用が多く, コストを高く認知するほど使用が少ないことが明らかとなった。また, メタ認知的方略は, 他の方略よりもコストを高く認知され, 使用が少ないことが示された。さらに, メタ認知的方略を多く使用する学習者は, 学習方略のコストの認知が使用に与える影響が少ないことも明らかとなった。
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  • 前田 健一
    46 巻 (1998) 4 号 p. 377-386
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 218名の児童を対象とした小2と小3時点 (1年目) から小4と小5時点 (3年目) にわたる縦断的研究である。1年目にソシオメトリック指名法, 評定法および行動特徴に関する仲間知覚指名法を実施し, 2年後の3年目はこれらの調査に加えて, 孤独感の自己評定法を実施した。両測定時点のデータが揃っている子ども218名を1年目と3年目のソシオメトリック指名法の結果に基づいて5つの地位群のいずれかに分類した。その後, 1年目と3年目の地位群を組み合わせたところ, 215名の子どもは1 年目から3年目にかけて同一地位を維持した4つの地位維持群か, あるいは地位が変動した14の地位変動群のいずれかに分類された。AA群を比較対照群として他の群と比較した結果, 孤独感得点ではRR 群やRN群が有意に多く, PP群が有意に少なかった。行動特徴については, 3つの仲間知覚尺度得点別に3年目から1年目を減算した変化得点に基づいて, AA群と他の群を比較した。その結果, 攻撃性はPR群, AR群, AC群, NR群の4群が有意に増加し, RP群とRN群の2群が有意に減少していた。社会的コンピタンスはNP群が有意に増加し, RR群, PR群, PN群, AR群の4群が有意に減少していた。なお, 引っ込み思案はNN群やNR群が有意に増加していた。これらの結果は, 社会的コンピタンスのような行動特徴よりも攻撃的な行動特徴が仲間から知覚されやすいことを示唆する。また, これらの結果は攻撃性が社会的コンピタンスよりも地位の変動と関連しやすいことを実証し, 攻撃性を変容させることが子どもの仲間関係や地位を改善するのに有効であることを示唆する。
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  • 小方 涼子
    46 巻 (1998) 4 号 p. 387-394
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は課題達成場面において, 3つの目標志向性 (習熟志向性, 成績志向性, 承認志向性) とパフォーマンスとの関係を調べた。いくつかの大学に在籍するバドミントン選手を対象に, 競技大会の前にデータを収集した。研究1は, 仮定したモデル (所属感→目標志向性→セノレフ・エフィカシー→練習行動→パフォーマンス) をパス解析を用いて検討した。その結果, 所属感はパフォーマンスに対して間接的な影響を示し, それは2つのパスによって表わされた。1つめの仲介変数は習熟志向性と練習行動で, もう1つは成績志向性とセルフ・エフィカシーであった。パフォーマンスに対して, 成績志向性はポジティブな効果を示したのに対し, 承認志向性からの影響は示されなかった。研究2では, 動機づけ的変数と練習行動の1年間の変化を共分散分析を用いて検討した。昨年のパフォーマンス指標を高低群の2つに分けて独立変数とし, 昨年の測定値を共変量とした。承認志向性においてパフォーマンスの主効果が有意傾向にあり, パフォーマンスの低い群が高い群よりも, この1年間で承認志向性を向上させた。課題遂行に対するパフォーマンス目標の異なる効果について, 考察がなされた。
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  • 村石 幸正, 豊田 秀樹
    46 巻 (1998) 4 号 p. 395-402
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    古典的テストモデルを考慮に入れた遺伝因子分析により学力の因子構造を調べるため, 100組の一卵性双生児と25組の二卵性双生児と703人の一般児の標準学力テストのデータを分析した。この際, 豊田・村石 (1998) の方法を用い, 一般児のデータを因子の共分散構造を安定させるために利用した。遺伝的影響・共有環境・非共有環境は, それぞれ国語の学力の分散を0.0%, 64.5%, 2.9%, 社会の学力の分散を 52.3%, 17.0%, 4.7%, 数学の学力の分散を0.0%, 47.7%, 10.4%, 理科の学力の分散を56.1%, 0.0%, 13.3%説明しており, 教科によって学力の構造が大きく異なることが示された。また, 古典的テスト理論によるモデルの比較の結果, 同族モデルが最もよくデータの性質を説明しており, 信頼性係数を計算する際,τ等価測定を仮定するα係数の無批判的使用に疑問を呈した。
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  • 北村 英哉
    46 巻 (1998) 4 号 p. 403-412
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    自己の長所, 短所が対人認知過程に対していかに影響するか2つの研究によって検討がなされた。自己評価維持モデルの観点から, 自己の長所が短所よりも対人認知においてよく用いられ, アクセシビリティが高いことが予測された。研究1では, 39名の回答者が好きな, 嫌いな友人・知人の性格にっいて 5-7個の記述を行った。1週間後, 自己の長所5つと短所5つを挙げ, Rosenberg (1965) の自尊心尺度に回答した。友人・知人の記述に現れた長所, 短所を逆のコンストラクトも含む次元の観点から頻度を数え, その結果, 長所次元が短所次元よりも多く用いられており, また, 自尊心の低い被験者は, 自尊心が中程度, あるいは高い被験者よりも短所をよく用いることが示された。研究2では, 研究1と同じ手続きで, 回答者は友人・知人の記述を行った後, その記述がどの程度自己にあてはまるか, どのくらい重要であるかを評定した。さらに, 各友人・知人とどのくらい親しいかの評定も行った。その結果, アクセシビリティの高いポジティブな性質はアクセシビリティの低い性質よりもより重要で, 自己にあてはまる (すなわち, セルフ・スキーマ的である) ことが示された。また, 自己評価維持モデルで予測されるように, 心理的に近い, 親密度の高い友人・知人の記述において, 自己の長所的性質をよく用い, 短所的性質を用いることを避けることが見出された。結論として, 対人認知過程において自尊心維持のため長所が短所よりもよく用いられることが示唆された。
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  • 長南 浩人, 井上 智義
    46 巻 (1998) 4 号 p. 413-421
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, ろう学校高等部の生徒の文章記憶に関して実験を行い, 特にリハーサルに利用する方略の効果について検討したものである。そして, その結果の分析を通して, 聴覚障害者の日本語指導を行う上での基礎的資料を提供することを目的とした。予備調査では, 自発的なリハーサル場面を設定して, どのような方略がリハーサルに利用されるのかを観察した。その結果,(1) 手話口形方略 (2) 口形方略 (3) 暗唱方略 (4) 音声方略の4種類の方略がリハーサルに利用されていることが分かった。このことから調査対象者は, 口話法による指導を受けてきたが, 自発的に手という方略も利用することが分かった。また, 予備調査の記憶成績に基づいて対象者を上位群と下位群に分け, 利用した方略について検討したところ, 両者が主として用いている方略に違いがある可能性を否定できなかった。つまり, 上位群は手話口形方略を利用するものが多い傾向にあった。そこで, 下位群に上位群が用いていた方略を使用させた場合, 記憶成績に向上が見られるのではないか, また, 両群とも予備調査で観察された他の方略を利用させた場合, 方略問の記憶成績に違いが見られるのかどうか検討する必要があると思われた。そこで, 予備調査で観察された4つのリハーサル方略を指示した記憶課題の実験を行った。その結果, 上位群は, どの方略を用いても再生成績に差は見られなかった。また, 下位群は, 手話口形方略を利用したリハーサルを行った場合のみ, 上位群と差がなくなることが分かった。
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  • 山口 利勝
    46 巻 (1998) 4 号 p. 422-431
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, Schlesinger & Meadow (1972) に示唆を得て, 健聴者の世界との葛藤並びにデフ・アイデンティティが聴覚障害学生の心理社会的発達に与える影響について実証的な検討を行った。健聴者の世界との葛藤尺度 (山口, 1997), デフ・アイデンティティ尺度 (山口, 1997), エリクソン心理社会的段階目録検査 (中西・佐方, 1993) からなる質問紙を141名の聴覚障害学生に実施し, 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達に与える影響とデフ・アイデンティティが心理社会的発達に与える影響を重回帰分析により検討した。その結果, 対象全体では,(1) 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達に多様かつネガティブな影響を与えており, 障害の受容がアイデンティティ形成につながること,(2) デフ・アイデンティティが心理社会的発達に影響を与えており, 統合アイデンティティ'がアイデンティティ形成にポジティブな影響を与えていること, などが明らかになった。教育歴では,(1) ろう学校群においては, 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達に影響を与えていないが, デフ・アイデンティティが心理社会的発達に影響を与えていること,(2) 学校変遷群と普通学校群においては, デフ・アイデンティティが心理社会的発達に影響を与えていないが, 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達にネガティブな影響を与えていること, などが明らかになった。なお, 健聴者の世界との葛藤, デフ・アイデンティティ, 心理社会的発達の聴覚障害変数 (聴覚障害を被った時期, 聴力損失の程度, 教育歴, 発声の伝達度, 両親が聴覚障害者か否か) による差については, 健聴者の世界との葛藤とデフ・アイデンティティにおいては教育歴で, 心理社会的発達においては発声の伝達度で差がみられた。
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  • 崔 京姫, 新井 邦二郎
    46 巻 (1998) 4 号 p. 432-441
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The present study examines the relationship between RNEE (regulation of negative emotional expression) and satisfaction of friendship, and between RNEE and mental health. A questionnaire was developed to examine RNEE. The questionnaire on RNEE, satisfaction of friendship, self-esteem and depression were administered to 311 undergraduate students. Factor analysis of the RNEE scores yielded five factors relating to situations and motives of the regulation: (F1)-prosocial motives in a physically damaging situation; (F2)-prosocial motives in a verbally damaging situation; (F3)-prosocial motives occurring in a situation when a friend met with misfortune; (F4)-prosocial motives relating to a situation involving a friend's happiness and satisfaction; and (F5)-self-protective motives in a situation related to the avoidance of loss of face. It was found that (a) a high score of F2 or F5 in the RNEE was closely related to a low satisfaction of friendship,(b) a high score of Fl, F2, F4 or F5 in the RNEE was related to a low self-esteem, and (c) a high score of F5 in the RNEE was related to a high depression.
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  • 神藤 貴昭
    46 巻 (1998) 4 号 p. 442-451
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to investigate the effects of appraisal of academic stressors and coping strategies on stress responses and academic motivation in junior high school students. In the first survey, subjects were made of 233 junior high school students. It was shown that appraisal of academic stressors, dependent emotion-focused coping and avoidance coping all were positively related to stress responses. On the other hand, positive emotion-focuced coping was seen negatively related to stress responses. In a second survey subjects were made of 495 junior high school students. It was shown that appraisal of academic stressors were negatively related to feeling of self-growth and academic motivation; but probrem-solving coping was positively related to a feeling of self-growth and academic motivation.
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  • 仮屋園 昭彦, 廣瀬 等, 唐川 千秋
    46 巻 (1998) 4 号 p. 452-460
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to investigate the interaction among learning material mode, test mode, and learner cognitive mode. Cognitive mode was examined by “Thinking-Artistic cognitive mode”. The manipulated experimental factors were as follows: (1) learning material mode. sentence and picture; (2) test mode: sentence and picture; (3) thinking cognitive mode: high and low; and (4) artistic cognitive mode: high and low. Four-way ANOVA were conducted on test scores. The results showed a significant interaction between learning material mode and thinking cognitive mode that revealed the superior performance of high thinking cognitive mode group over low thinking cognitive mode group in sentence material; and it also showed a significant interaction between learning material mode and test mode which revealed correspondence effects between learning material mode and test mode on a test performance.
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  • 寺尾 敦, 楠見 孝
    46 巻 (1998) 4 号 p. 461-472
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本レビューは数学的問題解決 (特に代数文章題の解決) における転移を促進する知識の獲得に焦点を当てたものである。数学の問題には「類似」目標課題と呼ばれるある難しい問題のクラスが存在する。どのような知識がこの類似目標課題への転移を促進するのかという問題の検討が本レビューの目的である。研究を整理するために, 獲得される知識の違いに関して,「例題アプローチ」「解法構造アプローチ」「構造生成アプローチ」という類別を用いた。「例題アプローチ」では, 獲得すべき知識は多数の例題とその解法であるとされる。このアプローチは類似問題への転移という問題に答えるものではなかった。「解法構造アプローチ」では, 獲得すべき知識は解法構造すなわち等式の形レベルの抽象的知識であるとされる。このアプローチにはこれを支持する実験的証拠が不足していた。「構造生成アプローチ」では, 獲得すべき知識は等式レベルより抽象的な解法生成のアイデアであるとされる。このアプローチは, まだ実験的証拠が十分でないものの, 最も有望なアプローチであると考えられた。我々は解法生成の知識の獲得に関して今後の研究課題を議論し, 獲得のプロセスを明らかにすることが必要であると主張した。
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  • 田中 幸代
    46 巻 (1998) 4 号 p. 473-483
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    In Japan, along with the increase in the number of undergraduates, there has been an increase in the number of students chatting during class, and an increase in the number of students who don't apply themselves. This study comes to the conclusion that there are two main factors to be considered for the improvement of university education: (1) the way to increase students' motivation, and (2) the support of the teaching staff. For factor (1), when formulating curricula, it is necessary for teachers to be more intune with students' interests and more open when it comes to grading. Furthermore, a two-way communication as well as implementing various teaching strategies will help to increase students' motivation. For factor (2), the effective use of teacher evaluations by students and the training in teaching and counseling of prospective teachers were to be considered important in supporting teaching staff.
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