教育心理学研究
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47 巻 , 1 号
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  • 江尻 桂子
    47 巻 (1999) 1 号 p. 1-10
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 先行研究において見られた前言語期の健聴児における音声とリズミカルな運動の同期現象が, 聴覚障害児においても見られるかどうかを検討した。そして, 同期現象の生起に聴覚フィードバックの欠如がどのような影響を及ぼすのかを考察した。具体的には, ろう児1名を対象に, 月齢6カ月~11カ月の6カ月間にわたりビデオを収録し, そのビデオ分析を行った。これらの分析結果を, 先行研究の健聴児4名の結果と比較したところ, ろう児においても健聴児と同様, 音声とリズミカルな運動の間に同期性が見られることが明らかとなった。また, この同期現象の各月ごとの発達的変化を見ると, ろう児においても健聴児と同様, 同期率はある一時期に高まり, その後消失するという変化が見られた, しかしそのピーク期の同期率の値は健聴児よりもかなり低いものであった。さらに, 健聴児では同期率のピーク以降に規準喃語が出現するのに対し, ろう児においてはそうした音声発達の変化が見られなかった。これらの結果から, 乳児に見られる音声とリズミカルな運動の同期現象は, 聴覚フィードバックによる強化によって, より持続, 促進されるのではないかと推測された。
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  • 山 祐嗣
    47 巻 (1999) 1 号 p. 11-18
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Wason選択課題の抽象的標準版と否定版 (例えば, もしpならばqではない) が36名の被験者に課せられ, 各カードを調べる必要があるか否かとその判断の確信度を5件法で評定することが求められた。さらに課題終了後, 被験者は各決定の理由を質問されるという形式で, 追観プロトコルが求められた。その理由に矛盾が見いだされると, 被験者の心の中で矛盾が解決されるまで, プロンプト質問が行われた。選択データによれば, 被験者は条件文に明示されているカードを選択する傾向にあり, マッチングバイアス説 (Evans & Lynch, 1973) を支持した。しかし, 何名かの被験者は, プロトコルデータから, 肯定文において関連性判断の後, 確証を行ったり, 双条件解決を行っていることが推察された。
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  • 榊原 彩子
    47 巻 (1999) 1 号 p. 19-27
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本論文では, 絶対音感を習得するプロセスについて, 考察を加える。1名の3歳児に対し19か月間, 毎日, 絶対音感を習得するための訓練をおこなった。訓練内容は9種の和音の弁別課題である。江口 (1991) によれば, これらの和音が弁別できた時点で全ての白鍵音について絶対音感を習得したことが保証される。本研究の目的は, 訓練プロセス中にあらわれる認知的ストラテジーの変化を, 縦断的に明らかにすることである。音高が「ハイト」と「クロマ」という2次元でなりたつという理論に従えば, 絶対音感保有者は, 音高を判断する際「クロマ」に依存したストラテジーをとることが予想される。結果, 2つのストラテジーが訓練プロセス中に観察され, 1つは「ハイト」に依存したストラテジーであり, もう 1つは「クロマ」に依存したストラテジーであった。また, 絶対音感を習得するプロセスは, 次の4段階に分けられた。第1期: 常に「ハイト」に依存する。第II期:「クロマ」を認識する。第III期:「ハイト」と「クロマ」がストラテジー上, 干渉をおこす。完成期:「ハイト」も「クロマ」も正しく認識する。
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  • 住吉 チカ
    47 巻 (1999) 1 号 p. 28-39
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 就学以前の幼児のカテゴリに基づく帰納推論の能力について調べた。とりわけ2つの能力-帰納論証の確証度の性質についての理解と, 前提カテゴリの非類似度の大きさを確証度の判断へ適用すること-を調べた。実験課題は, 確証度に関しての3つの論証の一対比較である。実験1では, 3 回の比較判断試行を通して, 幼児は, より確証度の高い論証を一貫して選択できた。これは, 彼らが, 確証度に応じて論証を順位つけられることを意味している。前提カテゴリの非類似度の大きさを, 確証度の評価に適用できたかについて明らかにするために, 順位付けのパタンを分析した。結果は, 幼児の大半は, 前提カテゴリの非類似度の大きさに基づいて, 論証を順位付けられることを示していた。基本的に, これら2つの知見は, 前提カテゴリの組み合わせがより複雑だった実験2においても確認された。全体として, 2つの実験結果は, 幼児が帰納推論の確証度の推移的性質を理解していること, 及び彼らが, 前提カテゴリの非類似度の大きさを, 確証度の評価の手がかりとして利用可能であると理解していることを示唆するものであった。
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  • 尾見 康博
    47 巻 (1999) 1 号 p. 40-48
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    発達心理学におけるソーシャル・サポート・ネットワーク研究を簡単にレビューしたうえで, 子どもたちのソーシャル・サポート・ネットワークについて質問紙調査を実施した。調査対象者は小学5年生, 中学1~3年生, 高校2年生であった。調査対象者は, 9つのソーシャル・サポート質問項目それぞれに対して, 該当するサポート提供者を多肢選択式で選んだ。サポート提供者ごとに該当数を加算し, サポート得点とした。その結果, とくに小学5年生と中学生とのあいだにさまざまな変化が見られることがわかった。中学入学前後で, サポート提供者の中心が, 両親から親しい友だちへ移行するのである。性差も見られ, 全般的に女子の方がサポート得点が高かった。また, 学校の先生や塾・習いごとの先生のサポート得点は, 男女ともに非常に低かった。サポート提供者間の関連を検討するため, 男女別, 学年別にサポート得点を用いて主成分分析を行った。全般的に, 家族メンバー, 学校の先生, 親しい友だちは第一主成分の負荷が大きかった。各サポート提供者間の関連が密接だったのである。そこで, 各質問項目について, 学校の先生, あるいは塾・習いごとの先生だけを選択した調査対象者がいるかどうかを調べてみた。学校の先生, あるいは塾・習いごとの先生だけを選択した調査対象者が, 少数ながらも各学年に存在することがわかり, 学校の先生, あるいは塾・習いごとの先生がサポート提供者として独自に機能しうることを示した。最後に, ソーシャル・サポートの測定におけるいくつかの問題点について論じた。
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  • 小松 孝至
    47 巻 (1999) 1 号 p. 49-58
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    223名の小学校3年生, 243名の小学校6年生およびその母親を対象に, 子どもの社会的特性に関する母子の認知の差異と母子関係の特徴との間の関連を検討した。外向性・調和性・統制性と名付けた3種類の社会的特性に関する調査項目を自由記述調査の結果およびパーソナリティ研究を参考に構成し, これを用いて子どもの自己認知・母親による認知に関する子どもの認知・母親による実際の認知を調査した。同時に母親からのソーシャル・サポートに関する子どもの認知, および子どもの社会的特性が母子間で話題になる頻度 (話題頻度) を調査し, 子どもの自己認知と母親による認知に関する子どもの認知の差得点 (自己内差得点) とサポートの認知および話題頻度の問の相関, 母親による認知に関する子どもの認知と母親による実際の認知の差得点 (母子間差得点) と話題頻度の間の相関を検討した。その結果, 有意な負の相関が一部で見出され, 話題頻度が高いほど母子間・自己内差得点が小さくなり, サポートの認知が高いほど自己内差得点が小さくなるという関連の存在が示唆された。また, 6年生および女子の方が各差得点が有意に小さいという結果も一部の特性で見られた。これらの結果から, 子どもの自己認知, 周囲の他者による認知, 他者による認知に関する子どもの認知, という3つの認知の差異の様相が, 他者との関係の特徴と関連を持つものであることが示唆され, 自己概念の発達を社会的関係の中で捉えて行くことの重要性が, 従来の実証研究にはない視点から改めて示された。
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  • 岩男 卓実
    47 巻 (1999) 1 号 p. 59-67
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, カテゴリに基づく帰納推論の確証度判断における専門性の影響を検討することである。実験1では, 生物学を専攻する博士課程大学院生に鳥類の病気についてのカテゴリに基づく帰納推論の確証度を判断させた。Osherson, Smith, Wilkie, Lopez & Shafir (1990) などの研究は, 文科系の大学生が被覆原則に基づいて確証度判断を行っていることを示していたが, 生物学の大学院生は, 一般帰納・特殊帰納ともに分散原則に基づいて確証度を判断していた。この結果が, 生物学の専門性によるものかを検討するために, 実験2では, 数学・物理学・心理学を専攻する博士課程の大学院生に一般帰納の確証度を判断させた。その結果, 同一大学の同一専攻の大学院生であっても, カテゴリに基づく帰納推論における確証度判断の仕方に違いが見られた。実験1の生物学専攻の大学院生も含めて, 全般的に分散方略に基づく確証度判断を行う被験者が多かったが, 被覆方略に基づく確証度判断を行う被験者も見られた。よって, カテゴリに基づく帰納推論における分散方略は生物学や自然科学の専門性の結果と考えるよりも, より広く研究者一般に見られる帰納推論の方略であると考えることができる。ただし, 確証度判断を分散原則で行うか, 被覆原則で行うかを決める決定的な要因となる信念や知識が何かについては, さらに研究を進める必要がある
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  • 田村 隆宏
    47 巻 (1999) 1 号 p. 68-77
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の2つの実験では5歳児40名と大人44名を被験者として相互排他性の棄却に及ぼす行為目的情報と事物の行為目的適性度の効果を検討した。未知物1事例と既知物3事例が提示される新奇語命名事物選択課題を用いて, 新奇語命名のみの事物選択と, 行為目的情報を付加しての事物選択を求めた。その際, 既知物の1つが行為目的情報の行為目的にとっての適正度 (目的適性度) が高い事物を提示した群と低い事物が提示される群を設定し比較した。実験1の5歳児は新奇語命名のみでは未知物を選択しやすかったが, 行為目的情報を付加した選択では, 未知物の選択が減少し, 行為目的に対応する既知物が選択されやすい傾向が見られた。その傾向は目的適性度が低い既知物よりも高い既知物を提示された群の方が著しかった。実験2の大人は, 概ね5歳児と同様の結果を示したが, 行為目的情報を付加した事物選択では目的適性度が低い既知物が提示された群で, 5歳児よりもその既知物を選択しやすい傾向が見られた。これらの結果から, 例えば同意語獲得時などに不可欠な相互排他性の棄却には行為目的情報, 既知物の行為目的適性度, 被験者の年齢という3つの要因が関わっていることが示唆された。さらにこれらの要因から, 語彙獲得過程においては行為目的情報に代表される文脈との関連から既知物の行為目的適性度といった事物に対する認識が重要な役割を果たしていることが指摘された。
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  • 深谷 優子
    47 巻 (1999) 1 号 p. 78-86
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 生徒の学習を促進させる記述に改善するための, 実際的なテキスト修正の手法を提案する。ここで用いた手法はBritton & Gülgöz (1991) に由来するが, 本研究においてはそれを日本語のテキストにも適用可能で実用的となるように調整した。予備研究においては, その手法を中学校の歴史の教科書からの抜粋に適用し, 局所的な連接性がオリジナルテキストよりも高まるようにした修正テキストを作成した。実験では, テキスト該当箇所の内容をまだ学習していない中学1年生115人を2群に分け, 1群にはオリジナルテキストを, もう1群には修正テキストを呈示して学習させた。そして彼らの逐行成績を直後条件と遅延条件とで測定した。結果は, 修正テキストを読んだ群の方がオリジナルテキスト群よりもよい成績であった。この研究からの教育的示唆は以下の2点である。a) 新しい事項をテキストで学ぶときには, 局所的な連接性がよい (配慮されている) テキストを用いる方が, そうでないテキストを使うよりも生徒にとって恩恵がある。b) 本研究で用いた局所的な連接性の修正手法は, 教科書にも実際に適用可能であろう。
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  • 藤井 美保子
    47 巻 (1999) 1 号 p. 87-96
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    This study ontogenetically examined the relation between the ability of speech and gesture production. Four-year-old preschoolers, 5-year-old preschoolers, 1-3rd graders, 4th-6th graders, and university students (N=56) were instructed to explain a swing and a slide verbally. Their explanation was video-recorded and analyzed. The results showed that, although the total duration of speech production increased linearly as a function of age, the frequency of gestures changed tracing a U-shaped pattern. Gesture production decreased in school children but not in university students. Each group produced gestures different from those of other participants with regard to the pattern. Beats were produced only by university students while the viewpoint of gestures and speech-gesture relations differed between groups. Only university students produced gestures regarded to be profoundly related to language competence. Gestures produced during the early period of human development were considered complementary to language competence, while those produced by adults were seen as redundant to their speech.
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  • 冨田 久枝, 田上 不二夫
    47 巻 (1999) 1 号 p. 97-106
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to examine the effect that self-evaluation, by video analysis, had on the modification of teachers' helping skills for 3 to 6-year-old children in kindergarten. Six teachers were required to record their daily classes on video. While watching the recordings, they evaluated themselves on 40 items of helping skills 5 times, in consecutive intervals within a 2-week period. One group started in May, while the other group started in September. The categories of the skill targets were Direct Skills, i. e., holding and playing with children, a direct approach using verbal and nonverbal language, Supporting Skills, i. e., looking over children's activities or staying close to them, an indirect approach by using nonverbal language, and Other Skills, i. e., suggesting play and emotional comforting. Both sets of teachers' improvement varied according to the age group of their class. The intervention resulted in an increase in the variety and frequency of Direct and Supporting Skills, while other skills did not show any improvement. This study found self-evaluation using video analysis to be effective for improving helping skills.
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  • 伊藤 亜矢子
    47 巻 (1999) 1 号 p. 107-116
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Kelly (1995) のRole Construct Repertory Test (RCRT) の教育への利用を展望し, 実践的かつ個性記述的な方法としての利点や展開可能性について検討した。まずRCRTの理論的基盤であるKellyのPersonal Construct PsychologyとKellyが創案したRCRTの原版について述べ, 国内での利用として教師用RCRT (近藤, 1995) とその応用について述べた。さらに海外での利用として, 教師教育と, 学習および学習活動における利用を展望した。RCRTは, 個人に内包される暗黙の視点を個性記述的に抽出できる方法であり, 自己理解や他者との比較, あるいはそれによる行動の変化が促進できる。また個人の視点を個人の文脈にそって抽出でき, 学習者の理解や, より適切な援助方法への手がかりが得られる。さらに集団学習の基盤づくりなどにも応用可能である。このようにRCRTは, 構造化された作業から個別的な情報をもたらす個性記述的な方法として, 教育における実践に寄与する利点を持つ。最後に, こうしたRCRTの利点や展開可能性とともに, エレメントの交換などによる理論から離れた安易な利用をさける工夫や, 被験者の内心の探索という性質からくる侵襲性や, 検査者側の条件への配慮の必要などについて言及した。
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  • 47 巻 (1999) 1 号 p. 118-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Vol. 46 (1998) No. 4 p. 375
    修正箇所:その他 右側
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