教育心理学研究
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47 巻 , 4 号
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  • 坂上 裕子
    47 巻 (1999) 4 号 p. 411-420
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 人格特性と認知との関連を検討するため, 大学生169名を対象に, 個人の感情特性と図版刺激における感情情報の解釈との関連について調べた。感情特性の指標として, 5つの個別感情(喜び, 興味, 悲しみ, 怒り, 恐れ) の日常の経験頻度を尋ねた。また, 感情解釈の実験を行う直前に, 被験者の感情状態を測定した。感情解釈の課題としては, 被験者に, 人物の描かれた曖昧な図版を複数枚呈示し, 各図版について, 状況の解釈を求めた上で登場人物の感情状態を評定するよう求めた。両者の関連を調べたところ, 喜びを除く全ての感情特性と, それぞれに対応した感情の解釈との間に, 正の相関が認められた。すなわち, 被験者は, 自分が日頃多く経験する感情を図版の中にも読みとっていた。また, 特定の感情 (悲しみと怒り, 恐れと悲しみ, 恐れと怒り) については, 感情特性と感情解釈との間に相互に関連が認められた。感情特性と感情解釈の相関は, 感情状態の影響を取り除いてもなお認められたことより, 感情特性は, 感情状態とは独立に個別の感情に関する認知と関連を持っていることが示唆された。
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  • 河野 理恵
    47 巻 (1999) 4 号 p. 421-431
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高齢者のメタ記憶の特性の解明, およびメタ記憶と記憶成績との関係を明らかにすることを目的として行われた。被験者は高齢者と大学生それぞれ45名であり, 日常的な状況 (一般メタ記憶) と, 記憶テスト前という特定の状況 (特定メタ記憶) において2回メタ記憶を測定した。メタ記憶質問紙の因子分析の結果, 5因子が抽出された。状況という観点からメタ記憶の特性を明らかにするため, 一般メタ記憶と特定メタ記憶を比較したところ, 高齢者では記憶テスト前には「記憶に対する自信」が低くなるものの「記憶に対する不安」は高くならないことが明らかになった。次に, 加齢という観点からメタ記憶の特性を明らかにするため, 高齢者と大学生のメタ記憶を比較したところ, 高齢者の「記憶に対する自信」は大学生よりも高かった。さらに, メタ記憶と記憶テストとの関係を検討したところ, 高齢者では記憶成績と特定メタ記憶における「記憶に対する自信」に有意な負の相関が見られた。つまり, 記憶に自信があると評価している高齢者ほど, 記憶成績が低いことが示唆された。
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  • 岡田 努
    47 巻 (1999) 4 号 p. 432-439
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    現代の青年に特有の友人関係, 自己意識, 現代青年の特質に関する項目について, 大学生に対する調査を行った。友人関係の尺度に関しては, 以下の3つの示標が用いられた。1)青年自身が現在取っていると考える関わり方 (現実自己評定), 2) 理想として取りたい関わり方 (理想自己評定), 3) 自分の友人が取っているであろう関わり方 (友人評定) である。また, 他の尺度については, 現実自己評定と友人評定が用いられた。その結果, 友人関係尺度の「表面的・内面的関係」及び「群れ」下位尺度において理想自己評定が現実自己及び友人評定よりも高かった。また「表面的・内面的関係」下位尺度では, 自己意識上位群では, 現実自己評定と理想自己評定の間にのみ相関関係が見られ, 自己意識下位群では, 現実自己評定と友人評定の間にも相関が見られた。また自己意識に関しては, 自分自身よりも友人の方が低く, 現代青年の特質に関する項目では「積極性」「親依存性」の下位尺度に関して, 現実自己評定の方が低い得点を示していた。この結果から, 青年自身は, 現代の青年に特有とされる特質については, 自分自身よりも友人によりあてはまると認知していることが見出された。
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  • 姜 信善
    47 巻 (1999) 4 号 p. 440-450
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は子どものコミュニケーション・スキルが社会的地位と場面によってどのように異なる特徴を示すかを明らかにすることである。それによって, スキル訓練介入プログラムに含むべきスキルを見出すことである。本研究の被験児は69名であり、ソシオメトリック指名法の肯定的指名得点と否定的指名得点によって人気児群, 拒否児群, 平均児群, 無視児群, 両論児群の5つの群に分けられた。社会的地位と場面 (ホスト対エントリー)による子どものコミュニケーション・スキルの差異を検討した結果, 人気児群は拒否児群より場面を問わず, 相手からの働きかけに対して適切に反応し, フィードバックをより多く与えるなど, 全体的に優れていることが示された。それに対して, 拒否児群はフィードバック・スキルにおいて場面を問わず人気児群と差を示すだけではなく, 働きかけスキルにおいては場面によるスキルの運用の拙さが多くみられた。すなわち, 拒否児群はホストよりエントリーのとき“情報の提供”がより少なく, “強い要求・命令”がより多くみられた。このような結果から, 仲間からの受容に重要な影響を及ぼすコミュニケーション・スキルが示された。
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  • 丸山 愛子
    47 巻 (1999) 4 号 p. 451-461
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 対人葛藤場面においてネガティブな状況を生じさせた側の敵意の有無と, この状況をもたらされた幼児の社会的問題解決方略との関係を発達的に検討することである。4歳, 5歳, 6歳計130名の園児たち (男女約半数ずつ) はあらかじめ相手の敵意あり・なしの2グループに分けられ, 仮設の対人葛藤場面において問題解決として用いる応答行動 (社会的問題解決方略) について質問された。幼児の回答より得られた5つの社会的問題解決方略の分散分析を行った結果,(1) 4・5・6歳児いずれにおいても対人葛藤状況を引き起こした相手の敵意の有無を理解・認知していた。(2) 各社会的問題解決方略は, 年齢があがるに従って非言語的・他者依存的方略から言語的主張・自律的方略へと質的に変化していた。(3) 相手に敵意がある場合は言語的主張方略が多いのに対して, 敵意のない場合は言語的主張方略に加えて消極的方略が多く選択されていることが示された。特にその変化は5歳児と6歳児の間で明らかであった。(4) 6歳児では相手に敵意がない葛藤状況では, たとえその状況を自分にとってネガティブな場面であると認知していても, 消極的な問題解決方略を選択すると認知していることが示された。本研究の結果から, 幼児の対人葛藤場面における相手の敵意の有無と社会的問題解決方略とは関連性の高いことが社会的認知の側面より示唆された。
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  • 進藤 聡彦, 麻柄 啓一
    47 巻 (1999) 4 号 p. 462-470
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 経済学のルールを日常現象に適用可能にするための教授要因を明らかにすることにあった。取り上げたルールは「企業間に競争があれば価格は低くなる (なければ高くなる)」であった。大学生に, ある駅間の運賃が同距離の他の駅間より低いのはなぜかという価格の差の理由を問う問題を出題した。正解は, 他の私鉄と競合するためである。路線図から競争事態を読みとらなくてはならない問題条件や, 競争事態が文章で明示されてはいてもストーリーの中で出題される条件下では, 彼らは先のルールを用いて解答することができず, 大部分の被験者は「乗客数」や「鉄道敷設費・運転経費」といったコストの差異に着目して解答した。そこでこのルールを適用可能にする要因を探るために3つの実験を行った。実験Iでは具体的事例を用いてルールを教示し, 事後テストとして上記問題を出題したが効果はなかった。用いた事例が企業の視点から書かれていた点に原因を求め, 実験IIでは消費者の視点からの事例を用いてルールを教示したが効果はなかった。実験IIIではルールの記述の方向性とルールの適用練習という2つの要因を取り上げた。前者の要因に関しては, 上記のルールを教示する群と,「価格が低いのは競争がある証拠」というように前件と後件を入れ替えたルールを教示する群の2群を設定した。その結果, 後者の群で当該ルールの適用が促進された。また適用練習も有効であった。課題解決の際に被験者が求められる推理 (今回は「価格の差違」に着目して「競争の有無」を推理) の方向と, ルールの記述様式が一致している場合には, ルールの適用が促進されることが明らかになった。
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  • 河内 清彦
    47 巻 (1999) 4 号 p. 471-479
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 視覚障害学生との交流に対する非障害学生の自己効力を測定するための20項目からなる「キャンパス内交流自己効力尺度 (CISES) 」を作成した。このCISESによる調査を375名 (男子143名, 女子 232名) の非障害大学生に実施し, その信頼性と妥当性を検討した。因子分析の結果, 河内・四日市 (1998) の研究で見いだされた2因子と完全に内容が一致した2因子が抽出された。そこで, 各因子を代表する 10項目からなる「交友関係」と「自己主張」という下位尺度を構成した。下位尺度の再検査信頼性係数はそれぞれ0.778と0.814, Cronbachのα信頼性係数はそれぞれ0.868と0.851であった。また, 下位尺度の第1主成分寄与率は, それぞれ47.0%と43.6%で, いずれも満足すべき値であった。G-P分析の結果も, 全項目が有意であり, 弁別力が確認された。一方, 両下位尺度は, 視覚障害者との交流に対する当惑の程度を表わす「交流の場での当惑」尺度と負の, また視覚障害者に対する支援意欲と正の関係があり, 併存的妥当性が認められた。「交友関係」の下位尺度では, ボランティア活動へのポジティブイメージを表わす「貢献スケール」と正の, またネガティブイメージを表わす「偽善視的スケール」と負の有意な相関関係があったのに対し, 「自己主張」の下位尺度では, 視覚障害者の能力の過大視の程度を測る「特殊能力」尺度と負の有意な相関関係があった。このことから, 両下位尺度の違いが明らかとなり, 構成概念妥当性が示された。さらに, 両下位尺度は, ボランティア活動参加経験との間にも有意な関連が得られ, 基準関連妥当性を示すものと解釈した。
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  • 高田 利武
    47 巻 (1999) 4 号 p. 480-489
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    文化的自己観の個人への反映である相互独立性と相互協調性について, 日本文化での発達過程を探ることが本研究の目的である。既存の尺度 (高田他1996) に加え児童・生徒用尺度を作成した上, 児童期後期から老人期に亘る横断的資料により発達的変化を検討し, 更に日本人青年の相互独立性と相互協調性を西欧人青年と比較した結果,(1) 日本人青年は西欧人青年に比べ相互独立性が低く相互協調性は高く, 相互協調性が相互独立性を凌ぐ傾向が児童期から青年期を経て若年成人期まで見られる,(2) 相互独立性は小学校高学年から中学生にかけて低下するが, 若年成人期以降は一貫して上昇する,(3) 相互協調性は小学校高学年から中学生にかけて低下するが, 青年期には高い水準を維持した後, 成人期では減少し老人期で再び上昇する, という結果を得た。これらの知見から, 文化的自己観が自己スキーマに反映する際の2種の過程が示唆された。
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  • 一二三 朋子
    47 巻 (1999) 4 号 p. 490-500
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 日本語非母語話者との会話における, 母語話者の言語的処理及び内的処理の特徴を明らかにし, その関連を検討することである。母語話者同士, 母語話者・非母語話者を, 2人1組とし, 2つの話題で行わせた会話の録音資料と母語話者に対し行った質問紙調査を分析する。録音資料をカテゴリーに分類し, 出現頻度を換算, 対話者×目的の2要因分散分析を行った結果, 対話者が非母語話者のとき'情報要求と意味交渉, 母語話者のとき情報提供, 意見, 評価が, 有意に出現頻度が高かった。質問紙調査結果を分散分析した結果, 対話者が非母語話者のとき主導的役割の必要性, 母語話者のとき会話を楽しむ気持ちが, 有意に高く認知されていた。また, 会話中の配慮に関する因子の因子得点を分散分析した結果, 対話者が非母語話者のとき会話を円滑に進める配慮, 母語話者のとき自己表現を積極的に行う配慮が, 有意に高かった。最後に, 相手及び自己の発話カテゴリー, 質問紙評定値, 因子得点を用い重回帰分析を行った結果, 相手の情報要求, 評価, 相槌と内的処理, 相手の日本語レベル, 親密度と自己の発話との関連が明らかになった。
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  • 山田 尚子
    47 巻 (1999) 4 号 p. 501-510
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では個人のさまざまな失敗傾向を捉えるための質問紙を作成した。Broadbent et al.(1982) の Cognitive Failures Questionnaire (CFQ) 25項目と新たに作成した20項目を用いて大学生622名に調査を行ったところ, もの忘れや不注意による失敗である“アクションスリップ”, 処理できる情報の範囲が狭まる“認知の狭小化”, 状況の見通しが悪く行動のプランが不十分なために起こる“衝動的失敗”の3因子が得られた。これらの失敗傾向尺度の内的一貫性や再検査信頼性は満足できるものであった。さらに TAIS (Test of Attentional and Interpersonal Style) 及び短期記憶課題の遂行とこれらの失敗傾向の関係を調べたところ,“アクションスリップ”と, 内外の刺激に注意がとらわれやすい傾向を示す尺度との間に有意な相関がみられた。“認知の狭小化”でも同様の相関がみられたが, それに加えて, 多くの情報を有効に処理できることを示す尺度との間に有意な負の相関がみられ, また数字スパンとの間にも弱い負の相関があった。“衝動的失敗”と注意の尺度や数字スパンとの間に相関は認められなかった。これらの結果はそれぞれの失敗傾向尺度の構成概念妥当性を裏付けるものと考えられる。さらに妥当性を検証し, 実際の失敗行動生起のメカニズムを理解するためには, 今後はこれらの失敗傾向に対する実験的検討が必要であろう。
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  • 久保 信子
    47 巻 (1999) 4 号 p. 511-520
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 大学生の英語学習について, 学習動機学習に関する認知的評価, 学習行動, およびパフォーマンスという潜在変数間の関係を明らかにすることである。そのために, 志向-評価モデルと名づけた動機づけモデルを提案した。そのモデルは, 学習動機と学習に関する主観的評価が共変動し, それぞれが学習行動に影響し, さらにパフォーマンスに作用すると想定したものである。このモデルを文系の学生193名, 理系の学生136名の反応について検討した。まず学習方略について, その項目を因子分析にかけた。その結果, 一般的方略と大意伝達方略の2つに分類された。次に, 文系の学生と理系の学生とではいくつかの観測変数の分布に顕著な違いが見られたので, これらを別々に分析した。共分散構造分析にかけたところ, 文系および理系の学生の両グル-プは潜在変数間において同様の関連を持つ結果となり, その関連は志向-評価モデルと同様であった。学習動機と認知的評価への介入一般について考察した。
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  • 伊藤 美奈子
    47 巻 (1999) 4 号 p. 521-529
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, スクールカウンセラー (SC) 自身のSC制度に対する評価を明らかにし, さらにその SC活動と学校要因との関連を検討することである。86人のSCを対象に, 以下の内容からなる質問紙が実施された。(1) SCの5つの役割とガイドライン (村山ら, 1997) 遂行度に関する尺度,(2) SC活動への評価。(3) SCとしての活動に対する満足度,(4) 教師との情報交換の方法,(5) 学校要因に関する質問。主な結果は以下の通りである。(1) 教師との連携に関する役割遂行のSC群の評価は肯定的で, ガイドラインに対しても遂行できていると認知する傾向にあった。(2) 学校要因 (たとえば, 教師の意欲や学校の受け入れ体制) を評価するSCは, 自分自身のSC活動に対する満足度 (とりわけ, 教師や保護者対象のコンサルテーションや研修への満足度) も高かった。SCの活動内容が, 学校側の要因によって左右されるという可能性が示唆された。
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  • 水野 治久, 石隈 利紀
    47 巻 (1999) 4 号 p. 530-539
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    我が国においてカウンセリングが専門的サービスとして認められつつあるが, 援助を受ける側からの被援助志向性や被援助行動に関する研究はほとんど実施されていない。一方で, 米国ではこの領域に関する研究は20年ほど前から行われている。米国における被援助志向性および被援助行動の研究を分類した結果, 1) デモグラフィック要因との関連, 2) ネットワーク変数との関連, 3) パーソナリティ変数との関連, 4) 個人が抱えている問題の深刻さ, 症状との関連の4領域に集約された。研究の課題として, 1) 他の研究を踏まえた上での援助志向性, 被援助行動の定義の必要性, 2) 被援助志向性が低い人に対する介入や被援助志向性が低い人のための援助システムの構築へ結びつく研究の必要性があげられる。このような研究を通して, 我が国の専門・職業的心理学の構築の必要性が示唆された。
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