教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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48 巻 , 1 号
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  • 鈴木 ゆかり
    48 巻 (2000) 1 号 p. 1-11
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 小学生が道具を暗示している文を理解・記憶する時, 文に暗示されている道具をオンラインで推論しているか否かについて単語完成課題と再生テスト課題を用いて比較検討することである。実験1では, 道具を暗示している単文を学習する条件と道具が明示されている単文を学習する条件を設けた。実験2では, 道具を暗示している単文を学習する条件と文脈を付加した文章 (3文からなる暗示文) を学習する条件を設けた。実験1と実験2の手続きは基本的に同じであり, 学習文を読んで理解・記憶した後, 単語完成課題と再生テスト課題を実施した。もし推論がオンラインで行われているのであれば, 文中に暗示されている道具それ自体も文中に記述されていたかのように処理され, 次のような仮説が予測される。学習文に暗示されている道具名 (ターゲット語) の生成率は, 学習文と無関連な単語 (非ターゲット語) の生成率および学習文を先行提示しない場合のターゲット語の生成率を上回る (仮説1)。また, 文中に暗示されている道具名はその文の再生に関して有効な手がかりとして働く (仮説2)。結果は上述した2つの仮説 (1)(2) を支持するものであり, 低学年児童においてもオンラインで道具に関する推論を行っていることが示唆された。但し, 学習する暗示文が, 単文であるか文脈をもつ文章であるかによる生成率の差異はなく, 文脈を付加することによる推論の促進効果は見られなかった (実験2)。
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  • 伊藤 美奈子
    48 巻 (2000) 1 号 p. 12-20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 教師のバーンアウト傾向を規定する要因について調べることを第1の目的としている。208 名の教師を対象に次の項目についての調査が実施された。(1) 性格特性,(2) 教師としての能力評価と理想の教師像,(3) 仕事上のストレス,(4) サポート,(5) 周りの同僚に対するイメージ,(6) バーンアウトという内容からなる。その結果, 〈達成感の後退〉は, 性格特性の中でもNP (やさしさ・世話), 授業指導能力などの《指導性》と, 職場での人間関係やサポートなどの《関係性》により解消されることが示唆された。また〈消耗感〉はく達成感の後退〉が強い者に多く見られ, 《関係性》によって抑制されるという点では〈達成感の後退〉と同様であったが, 《悩み》によって促進されるという特徴が示された。また若年群とベテラン群を比較した結果, 若年群の方が〈達成感の後退〉を強く感じていたが, その背景には授業指導に関する自信の低さがあることが示唆された。また, クラス運営を重視する授業指導志向タイプと, 子どもとの関係性を大切にする関わり志向タイプを比較した結果, 前者では授業能力の評価がバーンアウトに関与するのに対し, 後者では同僚との人間関係がバーンアウトを防止するのに重要な機能を果たすことが示唆された。
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  • 藤江 康彦
    48 巻 (2000) 1 号 p. 21-31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教室談話には, 課題解決においてフォーマルともインフォーマルともとれる, 「両義的」なタイプの発話をみいだすことができるだろう。本研究は, 一斉授業の話し合い場面において, 子どもの両義的な発話が, 教師にどのように対応され, 授業の展開にどのような意味をもつのかを明らかにした。小学5年の1学級 (24名) で行われた社会科単元「日本の水産業」の発話記録に対し, カテゴリーの数量的分析と発話事例の解釈的分析を行った。カテゴリーの数量的分析では, 教師は子どもの両義的な発話に選択的に対応しており, つぶやきやいいよどみであっても積極的に受容していることが明らかになった。発話事例の解釈的分析では, 次の点が明らかになった。1つには, 課題解決の活動において, 子どもの両義的な発話生成と教師のねらいとの間に論理展開上のズレが生じると, 教師は追究を行い, 教師のねらいに課題解決を方向づけていた。2つには, 教師の授業進行への戸惑いとして子どもの両義的な発話が生成されると, 教師は一度同調し, 話題を先取りすることで授業進行の主導権を維持していた。3つには, 抽象度が高い内容を扱ったため授業進行が停滞すると, 教師は自ら両義的な発話を導入することで, 子どもの両義的な発話を誘発し, 授業進行を活性化させていた。以上より, 子どもの両義的な発話は教師から対応されることで, 課題解決の促進や授業進行の円滑化に貢献することになるといえる。
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  • 本間 友巳
    48 巻 (2000) 1 号 p. 32-41
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は, 登校を巡る意識の変化や欠席や欠席願望の抑制要因を検討することによって, 学校不適応や不登校の予防や援助に貢献することである。調査対象は851名 (1992年度428名, 1998年度423名) の中学生である。その結果,(1) 1992年度と1998年度の比較から, 中学生の学校から離脱していく傾向が高まっていることが明らかになった。不登校生徒への評価意識については, 批判的な態度を示す生徒が 1998年度やや減少したものの, 無関心な生徒はかなりの増加を示していた。(2) 両年度ともに欠席願望を抑制する要因として, 登校理由の中の「学校魅力」が大きな影響を与えていた。また, 1998年度の生徒で「自己基準」も抑制要因となっていた。(3) 欠席の抑制要因は, 登校に対する「規範的価値」に限られることが見いだされた。その一方で, 欠席願望を抑制する要因は, 「対友人適応」, 「学習理解」, 「規範的価値」と複数の要因が見いだされ, 欠席抑制要因とは一致しないことが明らかとなった。欠席願望の抑制と欠席そのものの抑制を分けて考えるべきであることがこの研究から示唆された。
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  • 三宅 幹子
    48 巻 (2000) 1 号 p. 42-51
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 特性的自己効力感 (GSE) が課題固有の自己効力感 (SSE) の変容に及ぼす影響を検討した。実験1では, 72名の大学生をGSE尺度得点によってGSE高群とGSE低群とに分けた。さらに各群をポジティブFB条件, ネガティブFB条件, FBなし条件 (統制条件) の3つの条件に割り当てた。ポジティブFB条件とネガティブFB条件では, それぞれポジティブまたはネガティブに操作されたフィードバックが与えられた。SSEの評定には3種の測度 (予測される課題遂行量に基づき絶対的に評定されるSSE-A, 予測される偏差値に基づき相対的に評定されるSSE-R, 総合的に評定されるSSE-T) を使用したが, GSE群間に差が見られたのは, SSE-Aにおいてのみであった。SSE-Aの値は, ネガティブFB条件下でGSE高群の方がGSE低群よりも有意に高かった。他の2つのFB条件下ではGSE高群とGSE低群との間に有意な差はなかった。SSE-T, SSE-Rでは, いずれのFB条件下でも, GSE群間に有意な差はなかった。実験 2では, 40名の大学生をGSE高群とGSE低群とに分け, さらに各群をネガティブFB条件, FBなし条件に割り当てた。やはり, ネガティブFB条件下でのみ, GSE高群の方がGSE低群よりもSSE-Aの値が高かった。SSE-T, SSE-Rでは, いずれのFB条件下でも, GSE群間に有意な差はなかった。さらに, 課題遂行量にも, ネガティブFB条件下でGSE高群の課題遂行量がGSE低群よりも多くなるという, SSE-Aと同様の変容パターンの傾向が見られた。これらの結果から, GSEの高さがSSE-Aの変容を通じて課題遂行に影響している可能性が示唆された。
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  • 丸島 令子
    48 巻 (2000) 1 号 p. 52-62
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は「生殖性」の発達と自己概念との関連性について, 一般成人390人 (M/143, F/247) と成人患者 41人 (M/23, F/18) を対象者として (1) 成人期3段階における生殖性の発達,(2) 中年期の自己概念の因子構造の分析,(3)「生殖性/停滞」の発達要因と自己概念の検討の3つの目的から追究する。主な結果は, 1)「心理社会的バランス目録: IPB」(Domino & Affonso, 1990) を用いて一般成人を3年齢群と性による相違を検討したところ, 生殖性は年齢の順に得点が高くなった。2) 中年期の自己概念の因子構造に「達成因子」と「適応因子」および「社会性因子」の3つが抽出され, それらが検討された。3) 中年群と患者群を「GHQ」により精神健康状況を査定して, 2つの精神健康群 (「健康群」「リスク群・患者群」) に再分類し, 各群の生殖性の発達に影響を及ぼす要因を検討したところ, 健康群にはほぼ自己概念の「達成」「適応」の両因子がかかわり, 性差も見られたが, もう一方の停滞状況のリスク群・患者群の生殖性の発達には「適応」因子がかかわった。以上の結果から達成, 適応の自己概念は中年期の心理社会的発達と有意に関連していることが示唆された。
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  • 坂田 陽子
    48 巻 (2000) 1 号 p. 63-74
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 注意が刺激に関する知識によって特定情報へ誘導されることを示すことであった。実験1では, 4・6歳児を対象に, 選択的注意課題の遂行と, 課題の刺激に関する知識の有無との関連を検討した。選択的注意課題として, 知覚的関係に基づいて解決する課題 (知覚的関係課題) と, 概念的関係に基づいて解決する課題 (概念的関係課題) の2課題を施行した。また, 知識測定課題として, 刺激のカテゴリ-分類と関連付けの知識を測定した。その結果, 刺激に関する知識の所有とその適切利用がなされれば, 適切情報の選択が可能になることが示唆された。これらの詳細を確かめた実験2では, 4・5・6歳児を対象に, 幼児が概念的な知識をほとんどもたない刺激 (漢字刺激) を用い, 刺激に関する知識2種 (特殊的知識・一般的知識) を訓練学習 (実験群) させ, その直後, 近接般化課題と遠隔般化課題を実施した。また, 同様の課題を2ヶ月後に再び実施した。その結果, 知識がないと注意が適切情報へ全く誘導されないこと, 知識があれば, 注意は適切情報へ誘導されるが, 知識の獲得・利用に年齢差があることが示された。その年齢差を生起させる要因として, 利用する知識内容の違いが考えられた。以上の結果は, 方略産出の観点から考察された。
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  • 井上 まり子, 高橋 惠子
    48 巻 (2000) 1 号 p. 75-84
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 小学校3年生と6年生689名を対象とし, ある対象がどの人にとっても必ずしも同じ心理的機能を持つものではないという仮定に基づき, 絵画愛情関係テスト (PART) を用いて対人関係の枠組みを測定した上で心理的適応との関係を以下の2点について検討した。(1) 小学生の対人関係の枠組みで, 母親が優勢な母親型と友だちが優勢な友だち型とでは, 両タイプとも支えとなる枠組みを持つために心理的適応には差がないであろう。(2) しかし, 対人関係に関心を持たない, あるいは, 対人的交渉の相手が豊かでない小学生 (Lone-wolf型) では, 心理的適応に困難があるであろう。心理的適応度の測定には, 孤独感, 自尊心, 自己効力感の3種の測定具が用いられた。その結果, 対人関係の枠組みの中で相対的に母親が優勢であっても友だちが優勢であっても, 誰かとの関係がありさえすれば一般的な適応には差がないが, 具体的には対象を挙げないLone-wolf型の子どもは適応得点が低いことが明らかとなった。
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  • 吉村 匠平
    48 巻 (2000) 1 号 p. 85-93
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は,「かくこと」が, 文脈抜きでは捉えられない外部との相互交渉活動であり, 従来の文章産出研究のような「考えていることを言葉に置き換える作業 (堀田, 1993)」としては捉えられない活動であることを, 幾何の問題解決場面を取り上げながら検討した。実験Iでは, 24人の大学生が幾何の問題を解く様子を録画した。その結果「かくこと」が,(1) 解法を模索して行われる探索的な図へのかきこみと答案の作成,(2) 身体運動的側面の活性化と所産の活用の2つの次元から構成される活動であることが示された。実験IIでは, 図へのかき込みと答案の作成に3通りの制限 (身体運動を制限, 痕跡の利用を制限, 両方とも制限) を加え, それによって問題解決過程にどのような変化が見られるかを検討した。その結果,(1) 答案の作成への制限は問題の解決には影響しない。(2) 探索的な図へのかき込みへの制限では, 身体運動と痕跡の利用の両方を同時制限された条件でのみ問題解決の進展が停滞する。(3) 身体運動, 痕跡の利用のいつれか一方を制限された条件では, 問題解決の過程を変化させることで問題を解くことが示された。さらに, 問題解決の過程の変容を分析し,「かくこと」が対話の相手を擬似的に現前させつつ, 対話を展開し, それによって外部との相互交渉を展開していく活動であることが示された。
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  • 橋本 剛
    48 巻 (2000) 1 号 p. 94-102
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教育場面においても対人関係の否定的側面が精神的健康に及ぼす影響は重大な問題であると考えられる。本研究では (1) 社会的スキルと対人ストレスイベント (ストレッサーとなり得る対人関係上の出来事) の関連,(2) 対人方略 (他者との関わり方/スタイル) と対人ストレスイベントの関連,(3) 対人方略と社会的スキルの関連, を検討することを目的とした。分析対象は大学生計200名 (男性105名, 女性95名, 平均年齢19.38歳) であった。分析の結果, 社会的スキルは対人劣等とは負の関連を持つという仮説は支持されたが, 対人摩耗とは正の相関を示すという仮説は必ずしも支持されなかった。また, 社会的スキルの対人ストレス緩衝効果は示されず, 部分的に直接効果が示された。対人方略と対人ストレスイベントの関連については, 内省傾向が否定的影響力をもつことが確認された。対人方略と社会的スキルの関連については, 対人関係の深化を回避する傾向が社会的スキルと負の関連を持つことが確認された。最後にこれらの知見を受けて, 今後の課題などが議論された。
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  • 48 巻 (2000) 1 号 p. 107-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Vol. 47 (1999) No. 4 p. 470
    修正箇所:その他 右側
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  • 48 巻 (2000) 1 号 p. 388-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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