教育心理学研究
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49 巻 , 3 号
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  • 谷 冬彦
    49 巻 (2001) 3 号 p. 265-273
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, Erikson理論に基づいて, 第V段階における同一性の感覚を測定する多次元自我同一性尺度 (MEIS) を新たに作成し, 青年期における同一性の感覚の構造を検討することである。Eriksonの記述に基づき,「自己斉一性・連続性」「対自的同一性」「対他的同一性」「心理社会的同一性」の4つの下位概念が設定された。20項目からなるMEISを大学生390名 (18-22歳) に施行し, 因子分析を行ったところ, 4つの下位概念に完全に対応する4因子が得られた。α係数, 再検査信頼性係数, 2時点での因子分析における因子負荷量の一致性係数などの結果から, 高い信頼性が確認された。また, EPSIとの関連から併存的妥当性が確認され, 自尊心尺度, 充実感尺度, 基本的信頼感尺度との関連から構成概念的妥当性 (収束的・弁別的妥当性) が確認された。また, 年齢が高くなるほどMEIS得点が高くなるという結果から, 発達的観点からの構成概念的妥当性も確認された。このように信頼性・妥当性の高い多次元自我同一性尺度 (MEIS) が作成され, 青年期における同一性の感覚は4次元からなる構造であることが示唆された。
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  • 高垣 マユミ
    49 巻 (2001) 3 号 p. 274-284
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 小学生の高さのプリコンセプションを変容させる教授ストラテジーについて検討した。教授ストラテジーは, Hashweh (1986) の概念変容モデルを基本的枠組みに据え, 算数の授業で教授される高さの概念に適用可能となるように修正した。実験では, 事前テストにより抽出された「内包型」又は「鉛直型」のプリコンセプションをもつ5年生54名を2群に分け, 1群には「図的表象」のレベルで (教授1), もう1群には「日常的表象」のレベルで (教授2), それぞれ, プリコンセプションを意識化させた上で数学的概念と関連づけた。事後テストの結果, 教授1を受けた学習者の多くは, 教授された数学的概念が, 既有のプリコンセプションと関連づけられなかったり, 逆に取り込まれたりする現象が見出された。一方, 教授2を受けた場合には, 多くの学習者のプリコンセプションに変容が見られた。これより, 高さのように日常的によく用いられる基本的概念の場合, 概念の外延の範囲を数学的な事例だけではなく, 日常生活の事例にまで広げ, プリコンセプションが生じたルーツに働きかける方略が概念変容に有効であることが示唆された。
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  • 松井 愛奈
    49 巻 (2001) 3 号 p. 285-294
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    幼児の仲間への働きかけと遊び場面との関連を検討した。幼稚園で3歳児から3年間, ビデオによる自由遊び場面の自然観察をおこない, 観察対象園の遊びとしてよく見られ, 仲間との相互作用の開始場面も多く生じた5場面を比較した。区画/コーナー遊びは他と区切られた場所で, ごっこ遊びがおこなわれることが多い。遊びの展開状況をすぐに理解することは難しく, 参加には役が必要である。4歳児で遊び内容に沿った働きかけは少なく, 明示的仲間入りが多かった。組み立て遊びでは材料の運び出しや組み立てによりメンバーの出入りが多く, ごっこ遊びが並行していることも多い。4歳児で注意のひきつけ, 明示的仲間入りが多かった。砂遊びはオープンスペースで砂や水を使う活動であり, 3歳児で呼びかけ, 自分の活動提示, 相手が必要なものを与えるなど暗黙的な働きかけが多かった。躍動遊びは動的な活動であり, 3, 4歳児で仲間と同じような動きにより入っていくことが多かった。ルール遊びには一定のルールや順序があり, 4, 5歳児で明示的仲間入りが多かった。幼稚園で特徴的な場面において幼児がどのようにして集まり, 相互作用を開始しているのかを捉えることができた。
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  • 加藤 司
    49 巻 (2001) 3 号 p. 295-304
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, Lazarusらの心理的ストレス理論に基づいた対人ストレスモデルを提唱し, その妥当性を検証することである。本モデルではパーソナリティ→媒介過程 (認知的評価→コーピング)→精神的健康といった因果関係が仮定されている。大学生227名を対象に, パーソナリティ (統制の所在, 楽観性, 自尊心), 認知的評価 (重要性, 対処効力感脅威), 対人ストレスコーピング (ポジティブ関係コーピング, ネガティブ関係コーピング, 解決先送りコーピング), 精神的健康 (友人関係の満足度, 心理的ストレス反応) を測定した。パス解析の結果から, 対人ストレスモデルの妥当性が検証された。部分的に, パーソナリティからコーピングへ有意な影響が確認されたが, パーソナリティは認知的評価を媒介としてコーピングに影響を及ぼしていることが実証された。ポジティブ関係コーピングと解決先送りコーピングから友人関係に関する満足感に対して有意な正の影響が確認された。ネガティブ関係コーピングから友人関係満足感に対しては, 有意な負の影響が確認された。また, 解決先送りコーピングは心理的ストレス反応を減少させ, ネガティブ関係コーピングは心理的ストレス反応を増加させることが実証された。
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  • 下坂 剛
    49 巻 (2001) 3 号 p. 305-313
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 青年期における生活感情としての無気力感の各学校段階における特徴について検討することである。質問紙は, 無気力感, 学校適応感およびソーシャル・サポートなどにより構成された。また, 調査対象者は949名の中学生, 高校生および大学生であった。主な結果は以下の通りである。1) 因子分析の結果によると, 無気力感尺度には「自己不明瞭」「他者不信・不満足」「疲労感」の3つの因子が見出された。2) 分散分析の結果によると,「自己不明瞭」と「疲労感」は大学生段階で低下し,「他者不信・不満足」は男女で発達的様相が異なっていた。3) 中・高生においては, 学習意欲や友人関係についての学校適応感が, 無気力感と関連していた。また大学生女子よりも大学生男子において, 友人サポートが「他者不信・不満足」と強く関連していた。
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  • 清水 由紀, 内田 伸子
    49 巻 (2001) 3 号 p. 314-325
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 小学校に入学した児童が, 一対多のコミュニケーションにおける言語形態 (二次的ことば) やきまりの習得を含む教室ディスコースへとどのように適応していくのかについて検討した。1年生の4月と7月の朝の会において観察された相互作用を, カテゴリー分析と事例分析により比較した。その結果, 入学直後の教師による発話の指導は, 発話形態によって異なっていた。入学直後, 言い方や発話形式が完全に決まっている発話は, 教師が丁寧に説明や指示を行い, 児童がそれをそのまま繰り返していた。一方, 考えを伝える発話は, 教師が発話形式のモデルを示し, 児童がそれを積極的に取り込むという習得過程が見られた。そして7月になると, きまりに沿いながらも内容豊かで活発な児童主導の活動が行われるようになっていた。また仲間関係調査, 親に対するアンケート, 教師に対するインタビューより, このような適応過程は, 児童を取り巻く教師, 仲間との対人関係の成立と共に, 朝の会への関心の増加や, 教師による児童の状態の適切な認知により支えられていることが示唆された。
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  • 安達 智子
    49 巻 (2001) 3 号 p. 326-336
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    大学生を対象として社会・認知的進路理論 (Lent et al., 1994) で設定される進路発達プロセスについて検証した。同理論に従えば, 効力感が高く価値ある結果が得られると判断するとき, 進路活動に対する興味が内発し, 目標の設定や行動の具現化につながる。本研究では, 進路選択に対する自己効力感と結果期待が, 就業動機を媒介して進路探索意図と進路探索行動へ影響を及ぼす過程について, 重回帰分析を段階的に適用し検討した。また, 同過程に対して性別が及ぼす効果についても検討を加えた。その結果, 自己効力感と結果期待は, いずれも就業動機を媒介して探索意図に肯定的な影響を及ぼしていた。なかでも, 仕事そのものに対して内発的に喚起される自己向上志向動機が, このプロセスにおいて重要な役割を担うことが示された。進路探索行動に対しては, 自己効力感から直接の影響が認められ, 結果期待と就業動機は影響を及ぼしていなかった。また, 性別は結果期待と関連し, 男性は女性よりも望ましい結果期待を有することが明らかになった。
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  • 田口 雅徳
    49 巻 (2001) 3 号 p. 337-346
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 2個のコップを前後に重ねて呈示し, 幼児 (年少26名, 年中36名, 年長38名) にそれを見えているとおりに再構成させると同時に描画させ, その反応から知的リアリズムの発達的変化を検討した。結果は, 再構成では年齢にともない見えどおりの反応 (正反応) が増加し, 描画では年少から年長にかけて正反応が増加した。また, どの年齢でも再構成の方が描画より正反応が多かった。次に, 描画における誤反応を, 円を描くだけの象徴型, コップの典型的な見えを描く標準型, 個々のコップの向きを正しく描く前情報型, 向きと同時に配置関係を描く情報型に分類し, その発達的変化および再構成反応との関係を検討した。その結果, 年少では象徴型, 年中では標準型, 年長では情報型が多かった。また, 年中・年長においては, 情報型を示す被験児は再構成で正反応が多く, 象徴型や標準型を示す被験児は再構成で誤反応が多かった。結果から, 年少や年中では対象の配置関係を考慮せずに反応するため両課題で誤反応が多く, 年長では配置関係を考慮しているので再構成では正反応が多いが, 描画ではその配置情報を示そうとして知的リアリズム反応が多くなることが示唆された。
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  • 佐藤 有耕
    49 巻 (2001) 3 号 p. 347-358
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大学生の自己嫌悪感と自己肯定の間の関連を検討した。目的は, どのような自己肯定のあり方が, 大学生の自己嫌悪感を高めているのかを明らかにすることである。自己嫌悪感49項目, 自尊心48項目, 自愛心56項目から構成された質問紙が, 18才から24才までの大学生ら535名に実施された。その結果明らかにされたことは, 以下の通りである。(1) 自己嫌悪感は, 自分を受容的に肯定できるかどうかと関連が強い。(2) 自己に対する評価も低く, 自己に対する受容も低いというどちらの次元から見ても自己肯定が低い場合には, 自己嫌悪感が感じられることが多い。(3) しかし, 最も自己嫌悪感を感じることが多くなるのは, 自分を高く評価するという点では自己を肯定している一方で, 受容的な自己肯定ができていない場合である。本研究では, 自己嫌悪感をより多く感じている青年とは, 自分はすばらしいと高く評価していながら, しかし現在の自分に満足できず, まだこのままではたりないと思っている青年であると結論した。
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  • 小堀 友子, 上淵 寿
    49 巻 (2001) 3 号 p. 359-370
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 情動のモニタリング操作による学習への影響を明らかにすることを目的とした。情動制御過程から「情動制御のスムーズさ」と「情動制御レパートリー」の2つの側面をとりあげ, 学習に集中できない子どもを対象に介入を行った。その結果, モニタリング操作を導入することで, 情動制御のスムーズさおよび情動制御レパートリー数に変化が見られた。また, 操作導入後の方が喚起された情動に伴う学習行動の予測やそれに対する評価が正確になった。最後に, 残された課題について考察を行った。
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  • 藤枝 静暁, 相川 充
    49 巻 (2001) 3 号 p. 371-381
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 学級単位の社会的スキル訓練 (Classwide Social Skills Training: CSST) を実施し, それが社会的スキルの程度の低い児童の社会的スキルの上昇に及ぼす効果を実験的に検証することであった。実験学級と統制学級を設定し, 各学級内の社会的スキルの程度の低い児童 (各10名) を対象とし, 彼らの社会的スキルを測定するために,(a) 社会的スキルの児童自己評定尺度,(b) 社会的スキルの教師評定尺度,(c) 5つの目標スキルの児童自己評定尺度を実施した。(a) と (b) は同一項目で構成され, 攻撃性・向社会性・引っ込み思案の3因子から構成されていた。これらの尺度は, CSST開始前から終了後まで計4回実施した。(c) は各目標スキルのCSST実施1週間前と1週間後に行った。(a) の結果からは, CSSTの有意な効果は証明されなかった。(b) の結果からは, CSSTの有意な効果が証明された。(c) の結果からは,「じょうずなたのみ方」スキル,「あたたかいことわり方」スキルにおいてのみ, CSSTの有意な効果が証明された。よって, 本研究ではCSSTの効果が明確に実証されたとは言い難かった。明確な効果が実証されなかった理由として, CSSTの実施方法, 目標スキルの選定方法, 夏休み期間中の児童への働きかけの欠如などが考察された。
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