教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
Print ISSN : 0021-5015
検索
OR
閲覧
検索
49 巻 , 4 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 星野 崇宏
    49 巻 (2001) 4 号 p. 401-408
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教育心理学研究においては, 直接測定の出来ない心理学的構成概念が研究対象となることがしばしばであり, 同一の概念を測定していると考えられる項目を複数用意することで尺度を作成し, その平均・または1因子の因子分析モデルによる因子得点によって, 各個人の心理学的構成概念の大小を数値化する。しかし, 実際の解析の際にしばしばみられることであるが, 平均得点の大小だけでなく, 各個人の反応の変動性も重要な情報を提供するであろうという状況がしばしば存在するものと思われる。しかし, 個人内の分散についての情報を積極的に利用する解析手法は, これまで開発されてこなかった。そこで本研究は, 古典的テスト理論における弱同族測定モデルに個人ごとの変量効果を導入し個人内分散の母数を考えることで, 平均だけでなく個人内分散も, 他の変数・尺度の説明変数となるモデルを提案する。本方法は尺度研究だけではなく, 学習効果のない反復測定の個人内分散に関する研究にも応用可能である。シミュレーションデータにより, 本研究の母数推定法の妥当性を確認し, FFPQの情動性の個人平均と個人内分散を, STAIの説明変数とする回帰を行い, 本研究の有用性を示した。
    抄録全体を表示
  • 栗山 直子, 上市 秀雄, 齊藤 貴浩, 楠見 孝
    49 巻 (2001) 4 号 p. 409-416
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    我々の進学や就職などの人生の意思決定においては, 競合する複数の制約条件を同時に考慮し, 理想と現実とのバランスを満たすことが必要である。そこで, 本研究では, 高校生の進路決定において, 意思決定方略はどのような要因とどのような関連をもっているのかを検討することを目的とした。高校3年生359名に「将来の目標」「進学動機」「考慮条件」「類推」「決定方略」についての質問紙調査を実施した。各項目の要因を因子分析によって抽出し, その構成概念を用いて進路決定方略のパスダイアグラムを構成し, 高校生がどのように多数存在する考慮条件の制約を充足させ最終的に決定に達するのかの検討を行った。その結果, 意思決定方略には,「完全追求方略」「属性効用方略」「絞り込み方略」「満足化方略」の4つの要因があり, 4つの要因間の関連は,「熟慮型」と「短慮型」の2つの決定過程があることが示唆された。さらに,「体験談」からの類推については, 重視する条件を順番に並べて検討する「属性効用方略」の意思決定方略に影響していることが明らかになった。
    抄録全体を表示
  • 長南 浩人
    49 巻 (2001) 4 号 p. 417-426
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, ろう学校高等部の生徒35人を被験者として日本手話・中間型手話・日本語対応手話の構造の違いが手話表現の理解に与える影響を, 被験者の手話能力と日本語能力という2つの要因から検討したものである。理解テストは, 被験者が, 日本手話, 中間型手話, 日本語対応手話を見て, それぞれと意味的に等価な絵をワークシートから選択するという方法で行われた。その結果, 手話能力と日本語能力が共に高いGG群は, 理解テストにおいて日本手話, 日本語対応手話のどちらでも高い得点を示し, 手話能力が高く日本語能力が低いGP群は, 日本手話でのみ高い得点を示し, 手話能力が低く日本語能力が高いPG群は, 日本語対応手話でのみ高い得点を示し, 手話能力と日本語能力が共に低いPP群は, いずれの手話表現でも低い得点を示したというものであった。このことから, ろう学校高等部の生徒が理解しやすい手話の種類には個人差があることが分かった。また, 中間型手話はどの被験者にとっても理解が難しい表現方法であることが分かった。
    抄録全体を表示
  • 田中 真理
    49 巻 (2001) 4 号 p. 427-437
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 知的障害者のメタコミュニケーションの機能の特性について検討した。特に, 伝達相手にとって明確になるように相手の特性に応じて発話内容を構成するためのメタコミュニケーションについて検討した。知的障害者30名 (MA3:9~6:10・CA21:0~53:0の知的障害者15名とMA7:8~10:8・CA15:10~18:2の知的障害者15名) と, 非知的障害児20名 (6歳児10名, 9歳児10名) を対象に比較検討した。課題は同じ物語内容を発達レベルや関係性の異なる複数の他者に伝達することであった。これらの伝達内容の違いを分析した結果, 以下の3点において知的障害者の方が非知的障害児に比べ, メタコミュニケーションがより機能していたことが示唆された。言語的な側面については,(1) 相手の特徴を正確に分析し, 相手の受け止め方を予測することのできる推理力をもち, そうしようとする志向性がある,(2) 相手の特性を今直面しているコミュニケーション場面に適用し効果的に行うという点であった。また, 非言語的な側面については,(3) 相手の注意や関心を自分に向けるための行動要求や伝達内容をわかりやすく伝えるための行動的工夫がみられるという点であった。
    抄録全体を表示
  • 田村 修一, 石隈 利紀
    49 巻 (2001) 4 号 p. 438-448
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    この研究は, 指導・援助上の困難に直面した教師が, どのように他の教師に援助を求めるかについて明らかにし, 加えてバーンアウトとの関連について明らかにすることを目的に実施された。日本の中学校の教師155名から質問紙を回収した。分析の結果, 以下のことが明らかになった。男性教師の場合は, 教師自身の指導・援助に対する同僚からの批判を感じている人と, 同僚に助けてもらうことに抵抗のある人のバーンアウト得点は深刻であった。そして, 同僚からのソーシャル・サポートがある人のバーンアウト得点は低かった。女性教師の場合は, 生徒からの反抗の多い教師と, 同僚に助けてもらうことに抵抗のある人のバーンアウト得点は深刻であった。この結果から, 教師へのサポートをどのように供給したらよいかについて, 考察された。
    抄録全体を表示
  • 伊藤 亜矢子, 松井 仁
    49 巻 (2001) 4 号 p. 449-457
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, わが国の教育事情に即応し, 学校臨床実践における学級の見立てに寄与する学級風土質問紙の作成と, それによる学級風土の記述の提案を目的とした。学級観察や生徒面接, 教師コンサルテーションなど実践的な情報を基にして質問項目を作成し (伊藤1999a), その結果を, 欧米の主力な学級風土質問紙 (CES・LEI・CAS) の理論的枠組みと比較検討し, 実践的情報と理論的情報の双方から質問紙を作成した。21中学校85学級2465名に質問紙を実施し, 分析単位問題に配慮して, 学級を単位に分析を行い, グループ主軸法によって項目割付の妥当性を検討した。その結果,「学級活動への関与」「生徒間の親しさ」「学級内の不和」「学級への満足感」「自然な自己開示」「学習への志向性」「規律正しさ」「学級内の公平さ」の8尺度を得た。これを用いて学級風土の事例を記述し, 質問紙結果から学級の現状や課題を導くことができ, コンサルテーションや教師の学級経営資料として質問紙結果の活用が期待されることを示した。
    抄録全体を表示
  • 伊藤 裕子
    49 巻 (2001) 4 号 p. 458-468
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 第1に, 青年期女子の性同一性を測定する尺度を開発してその発達過程を明らかにし, 第2に, 自尊感情および身体満足度と性同一性との関連を検討することにある。中1, 中3, 高2, 大学に在籍する701名の女子青年に, 性同一性, 自尊感情, 身体満足度を尋ねた。その結果,(1) 女子青年の性同一性は, 父への信頼, 母への同一視, ステレオタイプな性役割への同調, 性的成熟への戸惑い, 性の非受容から構成される,(2) 性同一性は中学1年から3年にかけて低下し, その後上昇するという発達的変化を示す,(3) 身体満足度との関連から, 青年前期には身体的側面において性同一性の危機が経験されている,(4) 青年期における女子の自尊感情は, 両親の良好な関係を認知し, その関係を生み出す源泉としての父親を頼りに思い尊敬できること, および自己の性を受容できることが関係していた。このことより, 性同一性から摂食障害に至る過程において, 母親の存在の背後にある父親の影響が小さくないことが示唆された。なお, 性同一性尺度 (GIIF) の信頼性, 構成概念妥当性, および基準関連妥当性も併せて検証された。
    抄録全体を表示
  • 岩男 卓実
    49 巻 (2001) 4 号 p. 469-479
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    3つの実験を通して, 被覆原則と分散原則というカテゴリに基づく帰納推論における方略の個人差が生じる理由について調べた。この違いを生み出す原因として, カテゴリの凝集性に着目した。人工的なカテゴリに共通属性やカテゴリラベルを付加したり, カテゴリの階層レベルを変えたりすることによって, カテゴリの凝集性を操作し, 帰納推論の確証度判断に及ぼす影響を調べた。包含カテゴリの階層レベルが, 確証度判断に影響していた。実験1および2では包含カテゴリが基礎レベルに近いと判断されており, 分散原則に基づく確証度判断が行われていた。実験3では, 包含カテゴリが上位カテゴリ以上のレベルと判断されており, 網羅原則に基づく確証度判断が行われていた。
    抄録全体を表示
  • 梶井 芳明
    49 巻 (2001) 4 号 p. 480-490
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    小学校教員21名を対象に, 1年生から6年生までの児童が書いた生活文を, 現行の学習指導要領 (1989) を反映させた18の分析的評価項目と2つの総合評価項目とで評定させた。評定結果をもとに, 分析的評価項目の妥当性・信頼性の検討と, 作文に対する好意度の違いが評価に及ぼす影響を明らかにした。なお, 妥当性の検討は,(1) 作文の直感的よしあしを識別できること,(2) 評定者間で評定結果が一致する傾向が強いこと,(3) 総合評価項目と関係が強いこと, の3基準で行った。その結果, 高学年に比べ低, 中学年では, 3基準を満たす項目の数が少ないことが示された。また, 3基準を満たす項目の数に加え, α値の低い項目が多数検出されたこと, G係数の値が他学年に比べ低いことから, 中学年時の評価の取り扱いには特に注意を要することが示唆された。そこで, 中学年の結果をもとに, 教員を好意度から高群と低群とに分けて分析したところ, 低群は高群に比べ,(1),(2) を満たす項目が少ないことが示された。このことから, 好意度により中学年の評価の難しさの中身は異なり, 好意度は生活文評価を困難にする重要な要因の1つであることが示唆された。
    抄録全体を表示
  • 星野 崇宏
    49 巻 (2001) 4 号 p. 491-499
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    教育評価・心理測定では測定対象である特性に複数の下位特性がある場合がしばしばである。また, 特に入学試験などの何らかの決定を求められる場合は, 複数の下位特性をそのまま多次元として評価するのではなく, 測定者が設定した重みによる下位特性の線形結合という1次元の評価がなされることがある。本研究では相関のある複数の特性の線形結合についての評価を容易にするために, 項目反応理論を用いたテスト編集において重要な意味をもつテスト情報関数, 及び項目情報関数の提案を新たに行った。本研究で提案された情報関数は局外母数の積分消去により, 多次元の特性があってもテストを行う前に1次元で評価でき, 特性間の相関を考慮できるという点で複数の下位特性を有する特性の評価のためのテスト編集を可能にする。また本研究では, 異なる重みや相関係数の下での情報関数の比較のための方法が提案された。数値例によって重み付け, 相関係数を様々に変化させても導出できることが確認され, 本方法による多次元項目反応理論での項目選択法の有用性が示唆された。また, アメリカ国立教育統計センターの作成した幾何学と統計学についての項目プールから選択した項目群に対して本方法が適用された。
    抄録全体を表示
  • 外山 美樹
    49 巻 (2001) 4 号 p. 500-507
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の主な目的は, 子どもにおける社会的比較の認知の発達的変化について検討することであった。被調査者は, 幼稚園年長児50名と小学生319名の合計369名であった。子どもは3つの社会的比較行動 (「直接的な比較の発話」,「仲間の作業への注意」,「進度のチェック」) の場面について, なぜ仲間がそのような行動をするのかについて尋ねられた。本研究の結果より, 子どもは学年が上がるにつれて, 直接的な形態の社会的比較 (「直接的な比較の発話」や「仲間の作業への注意」) をネガティブなものとみなし, 間接的な形態の社会的比較 (「進度のチェック」) を, 自己評価の目標を満たすことにおいて有益であるとみなすことが示された。これらのことより, 子どもは学年が上がるにつれて, 社会的比較のネガティブな側面に気づき, それに伴い自己評価の目標を満たすために, これらの比較行動をより社会的に受け入れられる形で適応させていくようになると示唆された。
    抄録全体を表示
  • 49 巻 (2001) 4 号 p. 520-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top