教育心理学研究
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50 巻 , 1 号
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  • 内田 照久, 菊地 賢一, 中畝 菜穂子, 前川 眞一, 石塚 智一
    50 巻 (2002) 1 号 p. 1-11
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    大学生652名に英語リスニング・テストを実施した。テスト内に3つの実験ブロックを設定し, 発話速度, 休止時間, 選択肢様式について操作した。原問題を加工した実験項目を8つのテスト・フォームに割り当て, フォーム間の比較のためにアンカー項目も配置した。分析には古典的テスト理論と項目反応理論 (IRT) の項目特性指標を使用した。結果として,(1) 発話速度の低下に伴い困難度 (b) は低下し, 音声持続時間を80%~140%変化させたところ, 項目通過率の平均が約7%上昇した。(2) 選択肢様式については, 文字提示の方が音声提示より困難度 (b) が低く, 平均通過率が約12%高かった。すなわち, リスニング・テスト状況下でも被験者は文字情報に依存的であった。(3) 選択肢様式の条件差で生じた被験者群間の正答率の平均差は, 能力推定値 (θ) では解消し, IRTによる等化は良好な補正機能を示した。この長所を生かし, 被験者への成績情報のフィード・バックも可能にするためのIRTと実験計画法を組み合せた新しい研究方法を提案した。
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  • 酒井 厚, 菅原 ますみ, 眞榮城 和美, 菅原 健介, 北村 俊則
    50 巻 (2002) 1 号 p. 12-22
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学生の学校適応の諸側面について, 親および親友との信頼関係との関連から検討した。学校適応は, 教室にいるときの気分 (反抗的・不安・リラックス) と学校での不適応傾向 (孤立傾向・反社会的傾向) について測定した。縦断研究に登録されている中学生270名 (13.7歳) とその両親 (母279名; 父241名) を対象に解析を行い以下の結果を得た。1) 親子相互の信頼感において, 子どもの学校適応に影響を与えているのは子が親に抱く信頼感の方であり, 親が子に抱く信頼感は関連が認められなかった。また, 子が親に抱く信頼感に関しては, 母親に対するものばかりではなく父親に対する信頼感も学校適応に重要な役割を担うことが示唆された。2) 親子間相互の信頼感得点の高低から分類した親子の信頼関係タイプによる結果では, 総じて親子相互信頼群の子どもの学校適応がほぼ良好であるのに対し, 親子相互不信群の子どもは学校に不適応な傾向が示された。3) 親友との信頼関係が学校適応に与える影響に関しては, 学校で不適応な傾向にある親子相互不信群において特徴が見られ,「孤立傾向」や「リラックスした気分」の変数では学校への適応を良くする防御要因として働く一方で,「反社会的傾向」の得点はより高めてしまうという促進要因ともなりうることが示された。
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  • 松本 じゅん子
    50 巻 (2002) 1 号 p. 23-32
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大学生を対象に, 悲しい時に聴く音楽の性質や, 聴取前の悲しみの強さと音楽の感情的性格による悲しい気分への影響を調べた。予備調査の結果, 悲しみが強い場合ほど, 暗い音楽を聴く傾向が示され, 悲しみが強い時に悲しい音楽を聴くと悲しみは低下するが, 悲しみが弱い時に悲しい音楽を聴くと悲しみが高まる, または変化しないことが予測された。実験1, 2の結果, 音楽聴取後の悲しい気分は, 音楽聴取前の悲しみの強さにかかわらず, 聴いた音楽によって, ほぼ一定の強さに収束した。結果的に, 非常に悲しい時に悲しい音楽を聴いた場合, 音楽聴取後の悲しい気分は低下し, やや悲しい時には変化しないことが示唆された。つまり, 悲しい音楽は, 悲しみが弱い時には効果を及ぼさないが, 非常に悲しい気分の時に聴くと悲しみを和らげる効果があり, 状況によっては気分に有効に働くことが推察された。
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  • 藤村 宣之, 太田 慶司
    50 巻 (2002) 1 号 p. 33-42
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 算数の授業における他者との相互作用を通じて児童の問題解決方略がどのように変化するかを明らかにすることを目的とした。小学校5年生2クラスを対象に「単位量あたりの大きさ」の導入授業が, 児童の倍数関係の理解に依拠した指導法と従来の三段階指導法のいずれかを用いて同一教師により実施された。授業の前後に実施した速度や濃度などの内包量の比較課題と, 授業時のビデオ記録とワークシートの分析から, 以下の3点が明らかになった。1) 倍数関係の理解に依拠した指導法は従来の指導法に比べて, 授業時と同一領域の課題解決の点で有効性がみられた。2) 授業過程において他者が示した方法を意味理解したうえで自己の方略に利用した者には, 他者の方法を形式的に適用した者に比べて, 洗練された方略である単位あたり方略への変化が授業後に多くみられた。3) 授業時の解法の発表・検討場面における非発言者も, 発言者とほぼ同様に授業を通じて方略を変化させた。それらの結果をふまえて, 教授・学習研究の新しい方向性や方略変化の一般的特質などについて考察した。
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  • 林 創
    50 巻 (2002) 1 号 p. 43-53
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 児童 (小学1~6年生) を対象 (N=378) に, 再帰的な心的状態の理解がいつごろ理解できるようになるのかを,「心の理論」研究の二次的信念課題によって検討したものである。既存のアイスクリーム課題 (Perner & Wimmer, 1985) と誕生日課題 (Sunivan et al., 1994) に加えて, 簡潔で実施が容易な移動課題を新たに用意し, 3つの課題を比較した。さらに, ともに意図的な虚偽を述べている場面で「うそと冗談」を区別させる課題を実施し, 再帰的な心的状態の理解との関わりを調べた。その結果, 移動課題は誤解や解釈の困難性を招きにくい課題であると同時に, この課題から1年生 (6~7歳) で多くの者が二次的信念を理解できることが判明した。また, 二次的信念や二次的意図の理解と,「うそと冗談」の区別の正答率に関連があり, うそと冗談を区別する上で再帰的な心的状態の理解が前提となることが確認された。
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  • 清水 健司, 海塚 敏郎
    50 巻 (2002) 1 号 p. 54-64
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 青年期における対人恐怖心性と自己愛傾向との関連について検討することを目的とした。大学生336名を対象として対人恐怖心性尺度と自己愛人格目録の質問紙を施行した。分析の結果, 対人恐怖心性と自己愛傾向には有意な負の相関が見られた。これは, いくつかの対人恐怖心性と自己愛傾向の関連のパターンが混在している状態であるという解釈可能性を示していた。また, クラスター分析を行った結果, 対人恐怖心性と自己愛傾向のパターンには4つサブタイプがあることが示された。これらは, 臨床的な知見を参考にすると第1クラスターは,「純粋な」対人恐怖であり, 第2クラスターは,「過敏型」自己愛人格であり, 第3クラスタ」は,「ふれ合い恐怖的心性」に類似したものと推測され, 第4クラスターは,「無関心型」自己愛人格であるとそれぞれ解釈された。このなかで第2クラスターと第4クラスターは, 対人恐怖心性が自己愛の影響を大きく受けていることが分かり, 自己愛の高まりが対人恐怖心性を増大させていることを示した。
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  • 佐々木 淳, 星野 崇宏, 丹野 義彦
    50 巻 (2002) 1 号 p. 65-72
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 抑うつ・不安・妄想的観念・強迫症状という主要な4つの精神病理的な症状を取り上げ, 症状の素因としての性格特性の視点から, 症状尺度の因子構造を肯定するのが目的である。研究1ではこれらの症状尺度について同時に因子分析し, どのような因子構造が見られるかを検討した。その結果, 第1因子: 負感情の妄想的観念の因子, 第2因子: 不安・抑うつ・強迫症状の「疑惑」・「確認」の因子, 第3因子: 正感情の妄想的観念の因子, 第4因子: 強迫症状の「清潔」・「緩慢」の因子の4つの因子が抽出された。研究2ではそれぞれの症状尺度が性格5因子モデルのどの特性と相関があるかを検討した。その結果, 因子内の症状との相関はそれぞれの因子内でほぼ同じ相関のパターンを示していることが明らかになった。次に研究3で症状の潜在変数と性格特性との相関が検討された。その結果, 因子間で相関のパターンが異なっていることが分かり, 素因としての性格特性の影響を反映した因子構造が得られた。
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  • 尾見 康博
    50 巻 (2002) 1 号 p. 73-80
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, ソーシャル・サポートの送り手としての母親と, 受け手としての中学生の間のサポート知覚の一致について検討した。首都圏に住む中学生とその母親542名を対象に質問紙調査を実施した。9つのサポート場面を項目として用意し, それぞれに対してサポートの有無を尋ねた。一致率を算出したところ, 母子ともにサポートを知覚するペアの割合は場面による変動が大きいが, ともにサポートがないと知覚するペアを加えると, 場面差が小さくなった。また, 概して, 母-娘ペアの方が母-息子ペアよりも高い一致率を示した。不一致については, 母 (送り手) のみがサポートを知覚する場合の方が, 子ども (受け手) のみがサポートを知覚する場合よりも多かった。子どもの母親満足度は, サポート知覚が一致しているか否かによって違いはなく, 子どもが母親のサポートを知覚していることによって強められていた。
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  • 中川 惠正, 守屋 孝子
    50 巻 (2002) 1 号 p. 81-91
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 小学校5年生を対象にして, 2つの教授法, 即ち,(1) モニタリング自己評価訓練法 (問題解決の方略, スキルの利用の意義づけを教授の中に含め, その方略の実行過程でのモニタリング, 評価やエラー修正等の自己統制の訓練をし, さらに自己の解決方法を他者に説明する訓練をした後, 到達度と実行過程を自己評価する方法) と (2) 到達度自己評価訓練法を比較し, 国語の単元学習を促進する要因を検討した。その結果, MS群は各ポストテストのいずれにおいても, CRS群に比べて学習遂行が優れており, また内発的動機づけもCRS群に比べて高かった。
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  • 植木 理恵, 清河 幸子, 岩男 卓実, 市川 伸一
    50 巻 (2002) 1 号 p. 92-102
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    「テーマ学習」とは, 児童・生徒が自らテーマを選択し, 情報収集を行い, その結果をまとめて発表する一連の学習活動である。現在は「総合的な学習」の導入への移行期にあたり, このような自己制御的な学習に関する先進的な取り組みがすでに多く報告されている。しかしこれまでの実践事例は, どのようなテーマについて, どのような学習活動を行ったかという記述に留まっているものが多い。教育心理学的な視点からは, 学習者がどのような内的な知識・技能をもち, それをどう高めていくかが問われるであろう。そこで本研究は, 筆者らが大学において地域の児童・生徒を招いて開催してきた実践活動の中で, スタッフがいかにテーマ学習を支援しようと試み, それが子どもたちにどのような効果をもたらしたかについて検討を行った。その結果, 1年間の準備期問とテーマ学習の体験を通して, 子どもたちは「情報どうしを比較すること」「情報を統合すること」といったスキルを自発的に身につけていることが明らかになった。そのような結果をもたらしたスタッフの有効な働きかけとしては「一般的な自己制御学習のスキルを直接教授すること」と「子どものモニタリング機能を担うこと」などがあげられ, 今後のテーマ学習の際にはこのような支援をより意図的に行うことの必要性が示唆された。
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  • 高橋 あつ子
    50 巻 (2002) 1 号 p. 103-112
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 自己肯定感を高めることをねらった実験授業プログラムを小学校の児童に実施し, その効果を自己意識と行動面から探ることであった。加えて, 自己を対象化する体験がネガティブに影響しないかどうかを吟味した。5年児童6学級206名のうち実験群4学級に4回の実験授業を行い, 前後と1ヶ月後に「Who am I?」による自己記述と各記述に対する感情評定・重要度評定をとり, その推移を統制群2学級と比較した。その結果, 実験授業を受けた児童は, 受けなかった児童より, 肯定的な記述が増え, 否定的な記述が減り, 肯定的な自己意識を高めたが, 行動面への影響は見いだせなかった。なお, 成功を内的に帰属しにくく, 失敗を内的に帰属しやすい帰属スタイルを持つ児童は, 自己意識を刺激する実験授業で, 最も慎重な配慮が必要と考えられるが, そのような帰属スタイルである自己卑下群において, 他者を拒否的にとらえる記述が有意に減少するなど, 意識面ではポジティブな変化が見られたが, 授業のみだと他者共生性が低下するなど行動面でネガティブな変化も見られた。
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  • 高野 明, 宇留田 麗
    50 巻 (2002) 1 号 p. 113-125
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    近年, 学生相談の領域では, 心理的不適応の治療を目指したクリニックモデルに基づく活動だけではなく, 教育的アプローチや厚生補導的アプローチを含む形で, 活動全体を再構成する必要性が唱えられるようになっている。学生相談サービスの幅を効果的に広げるためには, 多様な問題を抱える学生にとって, サービス機関へ援助を求めやすいような環境を作る必要がある。本論文では, 学生の援助要請行動に注目し, 社会心理学における知見をもとに, 援助要請行動を促進すると思われる要因を導きだした。そして, 日本と米国における学生サービスの現状を概観し, 実践において援助要請を促進するために何をなすべきなのか検討した。その結果, 学生サービス担当者による心理教育活動の充実, 学生の自主グループの組織化と支援や, 他職種とのコラボレーションによるシステム構築の必要性が指摘された。
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