教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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50 巻 , 2 号
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  • 菅原 ますみ, 八木下 暁子, 詫摩 紀子, 小泉 智恵, 瀬地山 葉矢, 菅原 健介, 北村 俊則
    50 巻 (2002) 2 号 p. 129-140
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 夫婦間の愛情関係が家族機能と親の養育態度を媒介として児童期の子どもの抑うつ傾向と関連するかどうかを検討することを目的として実施された。313世帯の父親, 母親および子ども (平均10.25歳) を対象に郵送による質問紙調査を実施し, 両親回答による夫婦関係と養育態度, および家庭の雰囲気と家族の凝集性, 子どもの自己記入による抑うつ傾向を測定した。配偶者間の愛情関係と子どもの抑うつ傾向との間に相関は見られなかったが, 家庭の雰囲気や家族の凝集性といった家族機能変数を媒介として投入した結果, 両親間の愛情の強固さと家族機能の良好さが, また家族機能の良好さと子どもの抑うつ傾向とが関連することが明らかになった。また同時に, 配偶者間の愛情関係は親自身の養育態度とも関連し, 相手への愛情の強さと子どもに対する態度の暖かさや過干渉的態度との間に有意な関係が見られた。しかし, こうした養育態度のうち, 子どもの抑うつの低さと関連が認められたのは, 母親の養育の暖かさのみであり, 父親の養育態度は子どもの抑うつ傾向とは関連しなかった。
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  • 浅野 志津子
    50 巻 (2002) 2 号 p. 141-151
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    生涯学習に参加し続けるためには, 学習に意欲的に取り組む「積極的関与」のみならず, 長期的に学習を続けようとする「継続意志」も必要となる。研究1では, これら2つがどのような要因によって促進されるのかを学習動機を中心に検討する。放送大学と一般大学学生等計879名に質問紙調査を行い,「積極的関与」「継続意志」「学習動機 (5尺度)」の各尺度を構成した。「積極的関与」「継続意志」は, 放送大学学生が一般大学学生よりも高く, 生涯学習参加における重要な側面であることが示唆された。重回帰分析の結果,「積極的関与」を強化する主な学習動機は「特定課題志向」であり,「継続意志」に関しては「自己向上志向」と「特定課題志向」であった。研究2では, これらの学習動機がどのように生涯学習を促進するようになったのかその過程を検討するために高齢の放送大学学生13名に面接を行った。その結果,「自己向上志向」の学習動機は青少年期の学習不充足感に端を発し, 仕事上の挑戦, すぐれた人との比較を経て強められ「継続意志」につながり,「特定課題志向」は青少年期の学校または仕事外で課題に取り組む経験を経て, 現在の課題に対する「積極的関与」を高めている傾向が示唆された。
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  • 犬塚 美輪
    50 巻 (2002) 2 号 p. 152-162
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 説明文読解方略について, 具体的な認知的活動を表す構造を示し, その併存的妥当性および交差妥当性を検討するとともに, 学年による方略使用の違いを検討することである。調査1では, 読解方略は,「意味明確化」「コントロール」「要点把握」「記憶」「モニタリング」「構造注目」「既有知識活用」の7カテゴリに分類できることが示され, これらのカテゴリは,「部分理解方略」「内容学習方略」「理解深化方略」の3因子のもとにまとめられることが示唆された。これらの因子は, さらに上位の因子である「読解方略使用傾向」のもとにまとめられた。調査2では, 発話思考法を用いて, 上述のカテゴリの併存的妥当性を示した。最後に, 調査3では, 方略構造の交差妥当性が示され, さらに, 学年間の比較から「要点把握」「構造注目」「既有知識活用」において学年による方略使用の違いを見出した。このことから, これら3つのカテゴリに属するような方略が, 年齢によって発達するものであることが示唆された。
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  • 坂田 陽子
    50 巻 (2002) 2 号 p. 163-174
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 第1にターゲット (T) と偶発文脈 (IC) との間の関連性に関する知識の有無が, 選択的注意における偶発文脈の有効性に与える影響を明らかにすること (実験1), 第2に知覚と概念的関連間への注意切り替えコントロールの発達過程を明らかにすること (実験2) であった。実験1では, 4歳・6歳・成人を対象に, 被験者がT-IC間の概念的関連について既知の刺激と未知の刺激と, 知覚的に関連した刺激を用いて, 選択的注意課題を施行した。その結果, 年齢に関係無く, T-IC間の知覚的・概念的関連を理解できる知識を所有している場合は, 選択的注意に対して偶発文脈が有効に働くということがわかった。実験2では, T-IC間の概念的または知覚的に関連した刺激を, 1つの刺激として重ね合わせて呈示し, 課題要求に応じて注意を切り替えて遂行するという選択的注意課題を施行した。その結果, 6歳児と成人は知覚-概念的関連間でも課題要求に合わせて注意をコントロールし, 柔軟に切り替えて選択的注意課題を遂行できたが, 4歳児はできなかった。以上の結果から, 選択的注意の発達要因として, 2種のコントロールの発達が考えられた。
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  • 水野 りか
    50 巻 (2002) 2 号 p. 175-184
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 学習時の再活性化量が分散効果の原因だとする再活性化説の知見を基に, 効果的・効率的でやる気の出る, 教育実践でも利用できる反復学習方式を考案し, その有効性を検証することを目的とした。実験1では, 全項目をできるだけ効果的に学習させるための「原理1: 複数の学習項目をまとめて反復学習する場合には, 2セッション目以降の呈示順序を再生率の低い順に並べ替える」を適用した方式, Low-First方式の効果と学習者の評価を調べた。その結果, Low-First方式は, 単純反復方式より効果的で, 覚えやすさ等の点での評価も高いことが明らかとなった。実験2では, Low-First方式に, できる項目の無駄な反復を避けてやる気を高めるための「原理2: 再生率が一定値に達した項目を除外する」を加えた場合の効果, 効率と学習者の評価を調べた。その結果, 原理1と原理2を組み合わせることで, Low-First方式が, 著しく効果的, 効率的でやる気の出る方式となったことが明らかとなった。最後に, 原理1のメカニズムと検索練習効果やリハーサル・処理水準との関係や, Low-First方式の動機づけ効果について論じた。
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  • 及川 恵
    50 巻 (2002) 2 号 p. 185-192
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    気晴らし方略は, 失敗すればさらに気分が悪くなり, 非効果的な気晴らしの持続, つまり気晴らしへの依存が生じる可能性もある。本研究では, 適応的な対処方略の使用を促進する介入の示唆を得るために,「どのように気晴らしを行うか」という視点に注目した。はじめに, 先行研究の知見からは不明瞭であった気晴らしの意図と結果の多様性に焦点を当て, 実際の気晴らしのプロセスについて情報収集を行った上で, 質問紙を作成, 実施した。次に, 仮説と尺度構成の結果に基づき, 気晴らしのプロセスに関するモデルを構成し, 共分散構造分析による検討を行った。分析の結果,(a) 気晴らしに集中できないほど気分悪化が強まり, 気分悪化が強まるほど気晴らしへの依存が強まること,(b) 気分調節の自信は気晴らしへの集中を高め, 気分悪化を弱めること,(c)気晴らしの意図には目標明確化志向, 気分緩和志向, 無目標という多様性があり, どのような意図で気晴らしを行うかが集中の程度や結果に影響を及ぼすことが示唆された。プロセスの視点から検討することにより, 気晴らしの依存に至らずに効果的な気晴らしを行うためには, 気分調節の自信と集中, 目標明確化志向に注目した介入が有効であることが示唆された。
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  • 岡田 佳子
    50 巻 (2002) 2 号 p. 193-203
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 中学生の心理的ストレス・プロセスにおける二次的反応の生起について検討することを目的とした。540名の中学生を対象として, 学校ストレッサー, 一次的反応としての情動反応, 二次的反応と仮定される, 引きこもり, 依存, 対人不信, 自信喪失, 無気力, 絶望, 攻撃の7カテゴリーの反応について調査を行った。二次的反応と仮定された7カテゴリーの反応をとらえるために使用した項目について探索的因子分析を行った結果,「攻撃」,「引きこもり」,「無気力」,「依存」の4因子が得られた。これらが, 学校ストレッサーやそれによって引き起こされた情動反応といかなる関係にあるのかを検討するために, 学校ストレッサーから情動反応を経て,「攻撃」,「引きこもり」,「無気力」,「依存」反応に至るモデルを共分散構造分析によって分析した。結果は「攻撃」,「引きこもり」,「無気力」,「依存」反応は情動反応が高まってはじめて生起する二次的反応であるとする仮説に反しないものであった。また, 同じ二次的反応であっても, その種類によって生起パターンが異なることが分かった。
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  • 瀬戸 美奈子, 石隈 利紀
    50 巻 (2002) 2 号 p. 204-214
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 高校におけるチーム援助のコーディネーション行動およびその基盤となる能力および権限について検討した。まずコーディネーション行動尺度とコーディネーション能力・権限尺度を, 実践事例と教師やスクールカウンセラーからの調査に基づき作成した。その質問紙を用いて, スクールカウンセラー配置高校110校の学年主任, 生徒指導主任, 教育相談担当の長, 養護教諭, スクールカウンセラーを対象として調査を行った。その結果, コーディネーション行動は, 個別援助チームレベルでは, 説明・調整, 保護者・担任連携, アセスメント・判断, 専門家連携の4因子, システムレベルでは, マネジメント, 広報活動, 情報収集, ネットワークの4因子から説明できた。またコーディネーション能力・権限は, 状況判断, 専門的知識, 援助チーム形成, 話し合い能力, 役割権限の5因子で説明できた。能力・権限がコーディネーション行動に与える影響について分析した結果, 役割によって影響のあり方が異なったが, 援助チーム形成能力は役割を超えて影響力が強かった。これらの結果からチーム援助のコーディネーションのあり方について考察した。
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  • 相澤 直樹
    50 巻 (2002) 2 号 p. 215-224
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 誇大特性と過敏特性からなる自己愛的人格項目群を作成し, 自己愛的人格の構造を検討した。まず, 67項目からなる自己愛的人格項目群を作成し, YG性格検査の10下位尺度とともに一般の大学生・大学院生545名に実施した。得られたデータにプロマックス回転による因子分析を施したところ,“対人過敏”,“対人消極性”,“自己誇大感”,“自己萎縮感”,“賞賛願望”,“権威的操作”,“自己愛的憤怒”の7因子が抽出された。その後, これらの下位尺度について, 項目一総得点問相関とα係数を用いて内的一貫性を検討した。また, YG性格検査との関係を検討したところ, 各下位尺度の併存的妥当性が確かめられた。次に, 共分散構造分析を用いて自己愛的人格項目群の潜在変数に関するモデルを検討した。モデル1は, 2つの独立的な潜在因子が別々に誇大特性下位尺度と過敏特性下位尺度を規定するという仮説から構成された。モデル2は,“誇大自己”と“萎縮自己”の2つの自己イメージから“自己愛的傷つき易さ”が生じるという潜在因果関係により構成された。分析の結果, 両モデルにおいてすべてのパス係数は有意な値を示したが, 十分な適合度 (GFI) を示したのはモデル2のみであった。以上の結果について, 誇大特性と過敏特性を含む自己愛的人格を包括的にとらえる視点から考察を行った。
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  • 飯田 順子, 石隈 利紀
    50 巻 (2002) 2 号 p. 225-236
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 学校心理学の援助領域である学習面, 心理・社会面, 進路面, 健康面という枠組みを用い, 中学生が学校生活を送る上で出会う発達課題・教育課題の解決を促進するスキル似下, 学校生活スキル) の個人差を測定するための尺度を作成することである。Darden他 (1996) によって作成されたLSDS-Bのライフスキルの項目, 教師17名を対象とした半構造的面接, 中学生108名を対象とした自由記述調査から学校生活スキル項目を収集し, 内容的妥当性の検討および予備調査を行い尺度に採用する項目を選定した。収集・選定された項目を基に, 中学生809名を対象に調査を実施した。その結果, 54項目からなる学校生活スキル尺度 (中学生版) が作成された。因子分析の結果, この尺度は自己学習スキル, 進路決定スキル, 集団活動スキル, 健康維持スキル, 同輩とのコミュニケーションスキルの5つの下位尺度から構成されていることが示された。次にこの尺度の信頼性・妥当性の検討を行ったところ, 各下位尺度においてある程度の信頼性と妥当性が確認された。
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  • 小泉 令三
    50 巻 (2002) 2 号 p. 237-245
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    地域住民にとって地域社会が構造化され, 心理的に意味ある存在となるように, 学校がアンカーポイント (個人と環境との相互交流を促進する機能をもつもの) としての役割を果たすなら, 学校, 家庭, 地域社会の連携を進めることができると考えられる。本研究の目的は, そのための理論的枠組みと手順を示すことである。具体的手続きは, 次の3段階からなる。(1) 地域社会の構造化をめざして, 学校と校区を含めた全体を一つのシステムとしてとらえる。その際には, あくまでも子どもの教育を重視したシステムを考慮すべきであり, またシステム全体を視野に入れた生態学的アプローチが有効である。(2) 学校が地域社会で, 有効な第1次アンカーポイント (最初に接するアンカーポイント), それもできれば最も重要な意味をもつもの (プライマリー・アンカーポイント) となる可能性を探る。これは, 現在あまり進展していない学校から家庭・地域社会への貢献をめざしたものである。まず地域社会における学校の役割評価が必要であり, このために多面的な方法が考えられる。(3) アンカーポイントとなるための教育実践の開始である。これは, 予防や成長促進的アプローチで主体であり, 長期的実践によらなければ成果は期待できない。以上をもとに, 入学や卒業といった環境移行事態での適応援助を例にして, 具体的な方策やこれから取り組むべき課題, そしてそのための校内態勢について考察した。
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  • 澤田 匡人, 新井 邦二郎
    50 巻 (2002) 2 号 p. 246-256
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 小学3年から中学3年までの児童・生徒を対象に, 妬み傾向, 領域重要度, および獲得可能性が, 妬み感情の喚起と, その対処方略選択に及ぼす影響を検討することを目的とした。研究1では, 妬みの個人差を測定する単因子構造の児童・生徒用妬み傾向尺度 (Dispositional Envy Scale for Children; DESC) が作成され, 十分な信頼性, 妥当性が認められた。研究2では, 予備調査において, 妬みが喚起される8つの領域と, 16種類の対処方略が見出された。この結果を受けて, 研究2の本調査では, 仮想場面を用いた対処方略の分析が行われた。その結果,「建設的解決」,「破壊的関与」,「意図的回避」の3因子が抽出された。次に, これら3種類の対処方略の選択に関わる要因として, 妬み傾向, 領域重要度, および獲得可能性を取り上げ, 領域別・年齢帯別に因果関係の検討を行った。パス解析の結果, 成績領域を除き, 中学生では領域重要度が妬みの喚起に影響を及ぼしているのに対し, 小学生ではそうした傾向は認められなかった。また, 小学3・4年では, 妬み感情の対処として主に破壊的関与が選択される傾向にあった。さらに, 全ての領域を通じて小学5・6年以降では獲得可能性が高いと妬みを感じやすく, 意図的回避と建設的解決方略を選択しやすいことが明らかにされ, 妬みの対処方略選択に発達差のあることが確認された。
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