教育心理学研究
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50 巻 , 3 号
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  • 小塩 真司
    50 巻 (2002) 3 号 p. 261-270
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は理論的に指摘される2種類の自己愛を考慮した上で, 自己愛傾向の観点から青年を分類し, 対人関係と適応の観点から各群の特徴を明らかにすることであった。研究1では511名の青年 (平均年齢19.84歳) を対象に, 自己愛人格目録短縮版 (NPI-S), 対人恐怖尺度, 攻撃行動, 個人志向性・社会志向性, GHQを実施した。NPI-Sの下位尺度に対して主成分分析を行い, 自己愛傾向全体の高低を意味する第1主成分と,「注目・賞賛欲求」が優位であるか「自己主張性」が優位であるかを意味する第2主成分を得た。そして得られた2つの主成分得点の高低によって被調査者を4群に分類し, 各群の特徴を検討した。研究2では, 研究1の各被調査者のイメージを彼らの友人が評定した。384名を分析対象とし, 各群の特徴を検討した。2つの研究を通して, 自己愛傾向が全体的に高い群を, 理論的に指摘される2種類の自己愛に類似した特徴を示す2つの群に分類可能であることが示された。
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  • 杉浦 義典
    50 巻 (2002) 3 号 p. 271-282
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    心配は, 制御困難な思考であると同時に, 困難な問題を解決しようとする動機を反映している。先行研究では, 問題を解決するための方略 (問題焦点型対処方略) の使用が, 思考の制御困難性を強める場合力あることが見いだされている。本研究では, 問題焦点型対処方略と思考の制御困難性との関連を規定する要因として, 問題解決過程を評価, 制御する思考 (内的陳述) に着目して検討した。大学生177名を対雰とした質問紙調査の結果, 問題解決への積極性や粘り強さをしめす自己教示 (考え続ける義務感) と問題解決過程に対する否定的な評価 (未解決感) が, 問題焦点型対処方略と思考の制御困難性の関連を媒介していた。考え続ける義務感と未解決感は, いずれも思考を持続させるような内容の変数である。これらの結果から, 動機的な要因による思考の持続が, 思考の制御困難性の重要な規定要因であることが示唆された。
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  • 西坂 小百合
    50 巻 (2002) 3 号 p. 283-290
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    幼稚園教諭の精神的健康へのストレスの影響, 及びストレスへの個人特性の影響を明らかにするため, 質問紙による調査を行った。ストレス評価に影響を及ぼす個人特性として保育者効力感, ハーディネスを仮定し, 幼稚園教諭のストレス要因を明らかにするとともに, これらの個人特性の効果を検討するものである。質問紙の内容は, 認知的評価の視点から作成したストレス評価尺度, 精神的健康, 個人特性としての保育者効力感とハーディネスが含まれる。調査の対象は東京都内公立幼稚園に勤める幼稚園教諭186人である。パス解析の結果, 幼稚園教諭の精神的健康に影響を及ぼしているのは,「園内の人間関係の問題」及び「仕事の多さと時間の欠如」をストレスとして知覚することであった。そのほか「子ども理解・対応の難しさ」,「学級経営の難しさ」が因子分析によりストレス因子として得られたが, これらは精神的健康に影響を及ぼすものではなかった。個人特性としてのハーディネスが「園内の人間関係の問題」, 「仕事の多さと時間の欠如」,「子ども理解. 対応の難しさ」に対するストレス知覚を軽減し, 精神的健康を維持する要因になっていることが示された。
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  • 田村 修一, 石隈 利紀
    50 巻 (2002) 3 号 p. 291-300
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    この研究は, 教師の「被援助志向性」と「自尊感情」との関連を明らかにし, 教師への効果的な援助のあり方を検討するために行われた。日本の中学校教師214名から質問紙を回収した。分析の結果, 以下のことが明らかになった。女性教師は, 男性教師に比べ「被援助志向性」が高かった。男性教師は, 女性教師に比べ「自尊感情」が高かった。「被援助志向性」と「自尊感情」は共に, 年齢による差はなかった。また, 45歳以下の男性教師においては, 「自尊感情」が高いほど「被援助志向性」も高い傾向が見られた。一方, 41歳以上の女性教師においては, 「自尊感情」が高いほど「被援助志向性」が低い傾向が見られた。この結果から, 教師へのサポートをどのように供給したらよいかについて考察された。
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  • 植木 理恵
    50 巻 (2002) 3 号 p. 301-310
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 学習方略との関連から高校生の学習観の構造を明らかにすることである。学習観を測定する尺度はすでに市川 (1995) によって提案されているが, 本研究ではその尺度の問題点を指摘し, 学習観を「学習とはどのようにして起こるのか」という学習成立に関する「信念」に限定するとともに, その内容を高校生の自由記述からボトムアップ的に探索することを, 学習観をとらえる上での方策とした。その結果,「方略志向」「学習量志向」という従来から想定されていた学習観の他に, 学習方法を学習環境に委ねようとする「環境志向」という学習観が新たに見出された。さらに学習方略との関連を調査した結果,「環境志向」の学習者は, 精緻化方略については「方略志向」の学習者と同程度に使用するが, モニタリング方略になると「学習量志向」の学習者と同程度にしか使用しないと回答する傾向が示された。また全体の傾向として, どれか1つの学習観には大いに賛同するが, それ以外の学習観には否定的であるというパターンを示す者が多いことも明らかになった。
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  • 室山 晴美
    50 巻 (2002) 3 号 p. 311-322
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, コンピュータを利用したキャリア・ガイダンス・システム (CACGs) が, 日本の若者に適用できるかどうかについて,「職業適性診断システム」のプロトタイプ版を用いて検討することである。また, システムを有効に活用するための条件と, 利用者の進路準備度がシステムの評価に及ぼす影響についても検討する。被験者は大学生56名であった。まず, 各学生に進路準備度を尋ねる質問紙に回答させた。その後, システムを利用させ, システムに関する感想と満足度を評価させた。システムの各機能の利用順序と所要時間も分析された。各機能の利用順序と所要時間は予想通りであった。進路準備度にかかわらず, 多くの学生がシステムについての高い満足度と関心を記述した。進路準備度が高い学生は, 適性診断機能を重視した。他方, 準備度が低い学生は職業情報提供機能に関して様々な要望を記述していた。
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  • 出口 拓彦
    50 巻 (2002) 3 号 p. 323-333
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, グループ学習に対する指導について, その頻度や, 児童の認知的共感性および教科に対する自己評価という2つの特性に着目して検討することを目的とした。小学校の教師15名および児童463 名を対象に質問紙調査を行い, 教師用の質問紙ではグループ学習に対する指導の頻度について測定した。一方, 児童用の質問紙では理科への「得意-不得意」に対する自己評価や認知的共感性, 学習中の発言頻度および学習の結果に対する認知について測定した。各質問紙に対する回答を基に, 教師の指導 (低・中・高群)×自己評価 (低・高群)×認知的共感性 (低・高群) の3要因分散分析を実施し'教師の指導の効果および児童の特性の影響について検討した。その結果, グループ学習において, 課題的領域に関する発言を活発に行い, また,「学習への参加・理解」に対する認知を肯定的なものにするためには, 児童の教科に対する自己評価および認知的共感性が, 共に高い必要があることが示唆された。しかし, 自己評価の低い児童であっても, 教師の指導により, 効果的な学習活動を行うことが可能となることも示唆された。また, 自己評価は高いが認知的共感性は低い児童に対しては, 教師の指導が否定的な影響を及ぼす可能性も示された。
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  • 夏堀 睦
    50 巻 (2002) 3 号 p. 334-344
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 学校内での子どもが創作した物語の評価についての人々の信念を検討した。調査1では, 短大生, 大学生および大学卒業者40名が, 評価者が教師である場合に創作される物語, 評価者が仲間である場合に創作される物語, 民話, ミステリー, 恋愛小説, ノンフィクションの6つの物語のジャンルについて, 25の物語評価項目の重要度を評定した。調査2では, 専門学生, 短大生, 大学生および大学卒業者64名が, 展開性と意味内容が異なる児童が創作した4つの物語を, 教師の視点と被調査者自身の視点から評定した。その結果, 学校での評価の特徴として,「物語の技巧性」と「物語の道徳性」の2つの観点から評価されること, 他の物語の評価と比較すると「物語の技巧性」はあまり重視されないが「物語の道徳性」は重視する傾向があることが見出された。また,「教師の視点」における評価と「被調査者自身の視点」における評価のずれは, 物語の展開性ではなくその物語が内包する意味内容や特徴的な表現に対して生じることも示された。さらに被調査者たちは物語の意味論的レベルを中心に評価するが, 教師の評価はそうではないと考えていることが明らかになった。
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  • 桑代 智子, 郷間 英世, 森下 一
    50 巻 (2002) 3 号 p. 345-354
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では不登校を経験し現在社会適応している成人にバウムテストを行い, 彼らの心理状態および対人関係を検討した。方法は不登校経験群と対照群の比較および不登校経験群を不登校期間, 社会適応形態を基準に分類比較し, 不登校経験者の描画に表れる特徴を分析した。心理状態および対人関係を評価する基準として, Stadeli (1954) の神経症サイン項目主サインと副サインの有無, 樹冠の形成段階, 大地の線の有無を用いた。その結果不登校経験群は対照群より神経症サイン項目の出現が多く, 樹冠や枝の異常や, 幹の基部の不安定な描写が見られた。樹冠の形成段階では立体描写や樹冠内の枝がないなどの描写が多かった。大地の線は線が無いものやブッシュや陰影が描写されているものが多かった。また不登校経験者の不登校期間が長期になるに従い主サインの出現が多く, 社会適応形態が非常勤やアルバイトの者は常勤や主婦の者に比べ副サインの出現や樹冠形態の未成熟が多い傾向が見られた。以上の結果より, 不登校経験者の心理的不安定さが示唆された。
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  • 野村 晴夫
    50 巻 (2002) 3 号 p. 355-366
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 高齢者が自らの過去を回想して述べる自己語りの構造的特質と, 自我同一性の様態との関連を明らかにすることを目的とした。65歳以上の健常高齢者30人を対象に, エリクソン心理社会的段階目録の日本版 (中西・佐方, 1993) の一部を施行して, 自我同一性達成度を測定した。また, 性格特性語の自己への帰属を過去の経験から例証する課題により, 自己語りを得た。そして, 構造的な整合. 一貫性の観点から, 根拠として語られた経験の信憑性を表す特定性, 情報量の多寡を表す情報性, 主題である性格特性に則していることを表す関連性の3次元に基づき, 語りを分析した。その結果, 情報性, 関連性の2次元において, 語りの構造的特質が自我同一性達成度により異なることを見出し, 自己語りの構造的特質が自我同一性の様態に関連することが示唆された。なかでも, 自我同一性達成度が低い一群の高齢者は, 自己の否定的な性格特性について語るに際して, 情緒的な明細化が顕著になり, 主題との関連性が低い自己語りを構成することが明らかとなつた。しかし, 自我同一性達成度と, 語りの特定性とは関連を見出さず, また, 情報性・関連性との間に見出した関連も直線的ではなかった。
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  • 飯田 都
    50 巻 (2002) 3 号 p. 367-376
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 教師の児童認知だけでなく児童の教師認知を視野に入れ, 学級適応感における児童の認知機能の役割に関して, 探索的検討を行うことであった。教師一児童の関係性が明確であり, 且つ教師の要請に関する認知の仕方の独自性が顕著であった児童4名を対象とし, 彼らの教師の要請像の様相を検討した。その結果,(a) 教師の要請に関する児童の認知が, 自己高揚的であった場合, その児童は不得手とする要請に関しては, 教師の否認による要請を過小評価し, 一方, 得手の要請は過大評価する。また, 認知された方向づけは承認が中心である。(b) 教師の要請について児童の認知が自己卑下的であった場合, 当該児童は不得手な要請に関する否認による方向づけを過大評価し, 得手の要請に関しては過小評価する。また, 否認による要請の方向づけが強く認知されている, 等の認知的特徴に関わる事例が報告された。これらの結果は, 教師の要請に対する児童個々の要請認知のあり方が, 学級適応感を規定する重要な要因であることを示唆するものであった。児童の学級適応感を理解する上で, 教師の対児童認知のみならず, 児童の教師認知要因をも考慮する必要性について考察した。
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  • 湯澤 正通, 山本 泰昌
    50 巻 (2002) 3 号 p. 377-387
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 理科と数学の関連づけの仕方を変えた授業が, 生徒の学習にどのように影響するかを調べた。公立中学校の2年生が金属の酸化に関して定比例の法則 (化合する物質の質量比は一定である) を2種類の授業方法で学習した。実験群の生徒は, 最初に, 定比例の法則を原子モデルから演繹した後, 数学で学習した比例の知識を用いて, 酸化前後の金属の質量比を求める課題を2回行った。その際, 理科と数学の教師がチームで指導に当たった。他方, 統制群の生徒は, マグネシウムの酸化の実験を行い, そこから, 定比例の法則を帰納した。また, 酸化前後の金属の質量比を求める課題を1回行い, すべて理科の教師から指導を受けた。その結果, 成績高群の場合, 実験群の生徒は, 統制群の生徒よりも, 授業後のテストで, 数学の関数の知識を用いて, 酸化前後の金属の質量関係を予測し, 計算する得点が高かった。また, 実験群の生徒は, 統制群の生徒よりも, 誤差のある測定値を適切に理解することができた。
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