教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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51 巻 , 1 号
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  • 村山 航
    51 巻 (2003) 1 号 p. 1-12
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学2年生を対象として, テスト形式 (空所補充型テストと記述式テスト) が学習方略やノート書き込み量などの行動指標に与える影響を, 歴史の授業を用いて実験的に検討した。同時に, 記述式テストにおける添削の効果もあわせて検討した。直交対比を用いた検定の結果, 授業後に繰り返し空所補充型テストを課された群 (空所補充群) では, 浅い処理の学習方略使用が, 記述式テストを課された群 (記述群) では深い処理の学習方略使用がそれぞれ促進された。また, 記述式テストで添削がなかった群 (記述-非添削群) と添削があった群 (記述-添削群) の間には, 方略使用の差は見出されなかった。また, ノート書き込み量は記述群で促進されることが明らかになったが, テスト成績や授業に関する質問生成では明確な結果は得られなかった。達成目標や学習観を適性変数にとり'適性処遇交互作用 (ATI) を検討した結果, これまでみられた群間差は, 習得目標や方略志向が高い場合に消失する場合があることが示された。
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  • 磯部 美良, 佐藤 正二
    51 巻 (2003) 1 号 p. 13-21
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の主な目的は, 関係性攻撃を顕著に示す幼児の社会的スキルの特徴を明らかにすることであった。年中児と年長児の計362名の攻撃行動と社会的スキルについて, 教師評定を用いて査定した。関係性攻撃得点と身体的攻撃得点によって, 関係性攻撃群, 身体的攻撃群, 両高群, 両低群の4つの群を選出した。社会的スキルについて群間比較を行った結果, 両低群に比べて, 関係性攻撃を高く示す子ども (関係性攻撃群と両高群) は, 規律性スキルに欠けるものの, この他の社会的スキル (友情形成スキルと主張性スキル) については比較的優れていることが明らかになった。また, 関係性攻撃群は, 教師に対して良好な社会的スキルを用いていることが示された。さらに, 関係性攻撃群の男児は友情形成スキルが全般的に優れているのに対して, 関係性攻撃群の女児は友情形成スキルが一部欠けていることが見出された。これらの結果から, 関係性攻撃の低減には, 規律性スキルの習得を目指した社会的スキル訓練が効果的であることなどが示唆された。
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  • 今田 里佳, 小松 伸一, 高橋 知音
    51 巻 (2003) 1 号 p. 22-32
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    6歳から12歳までの小学生572名を対象に注意機能検査バッテリーを実施した。このバッテリーは, 4 種の下位検査から構成され, 選択的注意と持続的注意, 反応抑制, 分割的注意のアセスメントを意図していた。下位検査得点を分析した結果, これら下位検査によって児童期における注意機能の発達的推移を明らかにすることができた。このデータに基づき, 学年ごとに, 粗得点を評価点に変換するための標準化を行った。下位検査問の相関を分析した結果, 本検査で得られた注意指標は2群に大別でき, 持続的注意と選択的注意をそれぞれ反映していることが示された。さらに下位検査得点は, 年齢要因を取り除いた場合, 知能と弱い相関しか認められなかった。下位検査得点と教師による不注意評定との関連について検討を試みた。この結果, 低中学年において不注意と評定された児童は, 学年を照応させた統制群児童と比較して, 持続的注意指標で成績低下を示したのに対し, 選択的注意では差が認められなかった。対照的に, 高学年で不注意と評定された児童は, 持続的注意の低下は認められなかったものの, 選択的注意が劣っていた。これらの結果から, 本検査バッテリーは注意機能障害のアセスメントにとって有効であることが示唆された。
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  • 佐久間 路子, 無藤 隆
    51 巻 (2003) 1 号 p. 33-42
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 人間関係に応じて自己が変化する動機, 変化に対する意識を測定する尺度の作成および自尊感情との関連における性差を検討することである。大学生男女742名を対象に, 変化程度質問, 変化動機尺度, 変化意識尺度, セルフ・モニタリング尺度, 相互独立的一相互協調的自己観尺度, 自尊感情尺度などからなる質問紙を実施した。主な結果は以下の通りである。1) 変化動機尺度は関係維持, 自然・無意識, 演技隠蔽, 関係の質の4因子, 変化意識尺度は否定的意識, 肯定的意識の2因子が見いだされ, 信頼性と妥当性が確認された。2) 変化動機の関係維持, 自然・無意識, 関係の質は, 男性よりも女性の方が得点が高かった。3) 男女ともに, 変化程度は自尊感情との関連が見られなかったが, 女性においてのみ否定的意識と演技隠蔽の自尊感情への負の影響が認められ, 変化動機および変化意識と自尊感情との関連には, 性別による違いがあることが示された。
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  • 水間 玲子
    51 巻 (2003) 1 号 p. 43-53
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    自己嫌悪感にはその体験から自己形成に向かう可能性があると指摘される。本研究では, 自己嫌悪感を体験する場面において, 否定的な自己の変容を積極的に志向する態度を“変容志向”とし, それと他の変数との関係について検討した。変容志向は日頃の自己内省によって可能となること, 未来イメージが肯定的なことと関連すること, 同時に, それによって自己嫌悪感にとらわれる可能性もあること, また, 日常の自己嫌悪感体験頻度によっても促進されること, を仮説として設けた。質問紙調査を行い, それらについて検討した。調査対象は大学生・大学院生255名 (男子128名, 女子127名) であった。その結果, 自己嫌悪感場面における変容志向は, 普段から自己内省の程度が低い者においては他よりも低いこと, 未来イメージが肯定的である場合にも高くなっていることが明らかにされた。また, 自己嫌悪感体験頻度が高い者において変容志向の程度も高くなっていたが, 変容志向によって自己嫌悪感へのとらわれの程度が高まるわけではないようであった。
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  • 原田 杏子
    51 巻 (2003) 1 号 p. 54-64
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 一般の人々による日常的な相談・援助場面の会話に注目し,「人はどのように他者の悩みをきくのか」を明らかにすることである。会話データから帰納的な分析を行うため, 質的研究法の 1つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。データ収集においては, 大学生の同年代・同性ペアによる実験的な相談・援助場面の会話を録音した。データ分析においては, 〈概念のラベル付け〉から〈最終的なカテゴリーの選択〉へと至る4つの段階を経て, データからカテゴリーを生成した。その結果, 他者の悩みをきく際の発言として,【推測・理解・確認】【肯定・受容】【情報探索】【自己及び周辺の開示】【違う視点の提示】【問題解決に向けた発言】という6つのカテゴリーが抽出された。生成されたカテゴリーを先行研究と比較すると, 悩みのきき手が自分の体験を開示したり, 問題を受容するよう促したりするところに, 臨床面接や援助技法とは異なった日常的な相談・援助のあり方が見出された。これらのカテゴリーは, データに基づいた暫定的なものではあるが, 今まで研究対象として見過ごされてきた日常的な相談・援助に実態像を与えるものとなった。
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  • 羽渕 由子
    51 巻 (2003) 1 号 p. 65-75
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 2言語間の翻訳において単語がどのように処理されるのかを明らかにすることであった。被験者は英語の習熟度が高い日本人英語学習者であった。実験1では, 単語の概念的な特性である具象性との関わりから, 翻訳の方向 (日本語から英語への翻訳と英語から日本語への翻訳) による処理過程の違いが反応時間および再生成績の比較によって検討された。その結果, 反応時間では日本語から英語への翻訳の方が英語から日本語への翻訳よりも長く, 両翻訳条件で具象語の方が抽象語よりも反応時間が長かった。また, 再生成績では翻訳の方向にかかわらず具象語の方が抽象語よりも再生成績が高かった。実験2では, 概念を媒介しない条件として単語の読み上げ課題を設定し, 実験1の結果と比較した。その結果, 日本語から英語への具象語の翻訳のみが読み上げよりも再生成績が高かった。本研究の結果から, 習熟度の高い英語学習者においては, 具象語を日本語から英語へ翻訳する場合は概念を媒介して翻訳がおこなわれるが, 抽象語は語彙連結によって翻訳されること, および, 英語から日本語への翻訳では具象性の高低にかかわらず, 単語は語彙連結で翻訳されることが示された。
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  • 中村 雅子
    51 巻 (2003) 1 号 p. 76-85
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 青年の環境意識や環境配慮行動の形成に及ぼす母親の言動の影響を, 母親と子どもから独立に回答を得て, 両者のデータをマッチングさせることにより検討した。分析対象者はオンライン機器による調査で回答を得た, 中学生から独身社会人までの男女およびその母親の273組である。環境意識尺度・環境配慮行動尺度を目的とする重回帰分析, および13の環境配慮行動のそれぞれの実行の有無を目的としたロジスティック回帰分析の結果, 以下のことが明らかになった。1) 子どもの環境意識尺度に対して説明変数として母親の環境意識尺度の効果が有意だった。2) 環境配慮行動尺度に対して母親の環境配慮行動, とくに実践とともに家族にも協力要請を行った場合の効果が有意だった。3) いずれの場合も母親変数の投入で重回帰分析の説明力が大きく改善された。4) 個別の環境配慮行動を目的変数とするロジスティック回帰分析では, 13項目のうち10項目について母親の環境配慮行動の実践-要請の変数が最も有効な説明変数であった。以上のことから, 環境意識形成および具体的な行動場面での母親の影響の重要性が確認された。また発達段階別に見ると, 子どもが中学・高校生の年齢段階よりも大学生等・社会人の年齢段階の方が母親関連の変数の影響が大きかった。
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  • 黒田 祐二, 桜井 茂男
    51 巻 (2003) 1 号 p. 86-95
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 友人関係場面における目標志向性と抑うつとの関係に介在するメカニズムを明らかにすることを目的として行われた。両者に介在するメカニズムとしては, Dykman (1998) により提唱されたディストレス生成モデル (目標志向性が対人行動を通してネガティブな出来事を促進 (ないし抑制) し, その結果抑うつが促進 (ないし抑制) される) に加えて, 新たにユーストレス生成モデル (目標志向性が対人行動を通してポジティブな出来事を促進 (ないし抑制) し, その結果抑うっが抑制 (ないし促進) される) を提唱し, この2つのモデルを検討した。重回帰分析による結果から, 3つの目標と抑うつとの関係はいずれもユーストレス生成モデルで説明できることが示された。すなわち,(1) 「経験・成長目標→関係構築・維持行動及び向社会的行動→ポジティブな出来事の発生→非抑うつ」,(2)「評価一接近目標→関係構築・維持行動→ポジティブな出来事の発生→非抑うつ」,(3)「評価一回避目標→関係構築・維持行動の不足→ポジティブな出来事の非発生→ 抑うつ」,という結果が示された。本研究の関連する既存の研究領域及び教育的介入に対する示唆が論じられた。
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  • 尾崎 康子
    51 巻 (2003) 1 号 p. 96-104
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    週1回開催される親子教室に参加している101名の2, 3歳児が母親から離れて仲間集団に参加する経過を1年間観察し, 母子分離の状況を過分離型, 徐々分離型, 一定分離型, 不分離型の4つのパターンに分類した。これらの各母子分離型における子どもの愛着安定性と気質の特徴を調べ, この時期の母子分離に関わる要因を検討した。母子分離の様相が相反する過分離型と不分離型に分類された子どもは, 共に愛着安定性は低かったが, 過分離型の子どもは新奇場面にしり込みしないのに対して, 不分離型の子どもは新奇場面にしり込みし, 順応性も低かった。このように, 愛着の安定性が低い子どもでも, 子どもの気質により母子分離の状況が異なることが示された。一方, 新奇場面にしり込みをしても, 愛着が安定していた徐々分離型の子どもは, 次第に母子分離しており, 2, 3歳児が仲間集団に参加する際の母子分離は, 愛着安定性と気質が相互に関係して特徴づけられることが示唆された。
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  • 吉田 寿夫, 坪田 雄二, 早川 貴宏
    51 巻 (2003) 1 号 p. 105-114
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 児童の感情認知を促すための介入方法の効果について検討を行った。被験者は小学校の 5年生113人であり, 実験計画は, プリ・ポスト・デザインによる, 実験条件, 統制条件1つずつの統制群法であった。実験条件の被験者には, 感情認知の手がかりについての知識に対する接近可能性を高めるために, さまざまな子どもが登場するビデオを見せて登場人物の感情を推測させ, 推測した感情をその手がかりとともに記述させる訓練を, 11日間にわたって行った。また, 統制条件の被験者には, 自然や動物に関するビデオを見せ, それらについての感想などを記述させるという, 感情認知とは関係のない経験を11日間にわたってさせた。従属変数は他者の感情に対する注意の程度であり, プリ・テストおよびポスト・テストの前2週間の日常生活において他者の感情を認知した経験を, 認知対象の名前および状況とともに思い出すかぎり記述させ, その記述数を指標にした。収集されたデータを分析した結果, 実験条件の被験者の方が統制条件の被験者よりも他者の感情に気づくようになっていることが示され, 試みた介入方法に効果があることが例証された。
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