教育心理学研究
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51 巻 , 4 号
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  • 伊田 勝憲
    51 巻 (2003) 4 号 p. 367-377
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    これまでの内発的動機づけ研究では, 自律性と自己目的性という2軸の概念化を平行と見なしがちであったが, 近年はそれを区別して扱うべきとの指摘がなされていた。そこで, 教員養成課程における教職必修科目「生徒指導」の受講生204名を対象に, 自我同一性, 達成動機, 職業レディネスを自律性の指標として, 正準相関分析により自律的な学習動機づけの様相を検討した。教職志望程度により2群に分けて検討したところ, 第1正準相関係数が自律性を表すものとなり, 教職を第一志望とする群では, 授業内容の職業実践にとっての有用性 (実践的利用価値), 授業を通しての自己成長 (私的獲得価値), 就職試験にとっての有用性 (制度的利用価値) が相対的に高い正準構造係数を示した。従来はその手段的な性質から外発的動機づけに位置づけられていた利用価値が自律的な学習動機づけ像の中核を成している。一方, 教職志望消極群では, 学習内容のおもしろさ (興味価値) と私的獲得価値の構造係数が高かった。したがって, 学習者の進路目標と学習内容との関係性により, 自律的な学習動機づけ像が異なることが確認され, 望ましい動機づけを固定的に捉えることの危険性が示唆された。
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  • 瀬戸 美奈子, 石隈 利紀
    51 巻 (2003) 4 号 p. 378-389
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学校におけるチーム援助のコーディネーション行動およびその基盤となる能力・権限について検討した。瀬戸・石隈(2002)が作成したコーディネーション行動尺度とコーディネーション能力・権限尺度を用いて, スクールカウンセラー配置中学校148校の学年主任, 生徒指導主任, 教育相談担当の長, 養護教諭, スクールカウンセラーを対象として調査を行った。その結果, 中学校におけるコーディネーション行動は, 個別援助チームレベルでは, 説明・調整, 保護者・担任連携, アセスメント. 判断, 専門家連携の4因子, システムレベルでは, マネジメント, 広報活動, 情報収集, ネットワークの4因子から説明できた。またコーディネーション能力・権限は, 状況判断・援助チーム形成, 役割権限, 専門的知識, 話し合い能力の4因子で説明できた。能力・権限がコーディネーション行動に与える影響について分析した結果, 役割によって影響のあり方が異なったが, 役割権限は役割を超えて影響力が強かった。これらの結果から中学校におけるチーム援助のコーディネーションのあり方について考察した。
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  • 本間 友巳
    51 巻 (2003) 4 号 p. 390-400
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, いじめ加害者の特徴やいじめ加害の停止と関連する要因を明らかにすることを通して, いじめ加害者への対応について検討することである。調査対象は1,245名の中学生である。主要な結果は,(1) いじめ加害者によるいじめの停止に正の関連を持つ要因は, いじめやいじめ被害者に対する道徳・共感的な認知や感情であった。いじめ加害者のいじめ停止理由の自由記述でも, この結果は支持された。(2) いじめ加害者によるいじめ停止理由の記述を通して, いじめ停止に教師の指導が大きな影響を与えていることも明らかとなった。(3)「加害・継続群」は, 他の群に比べて,いじめ加害に関して大きな問題性を有していた。(4) いじめ加害者への対応として, 感情面まで踏み込んで道徳・共感性を高める取り組みを行うことが重要と考えられた。特に「加害・継続群」の生徒への対応は, 加害者個人のみならず, 加害グループや学級集団にも向けられる必要性が議論された。
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  • 高崎 文子
    51 巻 (2003) 4 号 p. 401-412
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    達成動機づけ研究において幼児期を対象にした研究は多くない。この理由として幼児では達成動機づけに関する個人特性の測定が難しいことがあげられる。そこで本研究では, 幼児にも適用できるように, 二者択一の強制選択の方式による目標志向性の測度開発を行い, その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。研究1では, 二者択一の強制選択方式で測定した目標志向性と他の達成反応との関連を検証することで, 測度の妥当性を検討した。この結果, 判定された目標志向性は失敗経験後の課題選択による挑戦性との関連を示した。研究2では, 3つの場面設定を行い各場面での目標選択の変動を検討した。場面を比較することによって, 目標志向性の領域を超えた安定性が示されるかを検討し, 3項目の尺度としての信頼性についても検討した。研究3では, 測度の経時的安定性を検証するため, 半年後に再テストを行い目標志向性の変動を検討した。この結果, 目標志向性は領域間では一貫性が低く, 経時的には比較的安定していることが判明した。また複数場面による判定は, 尺度として信頼性が低く, 実際に経験した場面をもとに選択させる方法が, いちばん達成反応を予測することがわかった。
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  • 倉元 直樹, スコット 寿美, 笠居 昌弘
    51 巻 (2003) 4 号 p. 413-424
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Tatsuokaのルールスペース法 (RSM)は, テストから学力診断的な情報を取り出すことを目的に, 項目反応理論に基づいて考案されたテスト分析法である。ルールスペースの2つの軸は, テストで測定される特性を表すθと反応の非典型性を表すζで示される。「項目に正答するには, 必要なアトリビュートを全て備えていること」という測定パラダイムに基づき, テスト結果がルールスペース上の知識ステートとして説明される。アトリビュート, および, それらと項目との対応関係を示す照応行列が適切に作成されるならば, 個々の解答パターンは確率に基づいて知識ステートに分類することが可能であり, テスト結果から診断的情報を抽出することができる。本研究では, 日本語語彙理解力テスト (平他, 1998) のデータを分析し, 被験者の多い知識ステートを樹状図で表すことによって, テストの妥当性について検討した。30項目に対する1,500名分のデータについて, 2名の専門家の協力を得て作成したQ行列を用いて分類したところ, 80.5%の分類成功率を得た。また, それを用いた樹状図による分析では, 日本語語彙理解力テストの妥当性が検証された。
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  • 生月 誠, 田上 不二夫
    51 巻 (2003) 4 号 p. 425-430
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 視線恐怖を主訴とする被験者の, 視線恐怖軽減のメカニズムを解明することが目的である。実験1では, 言語反復を含むリラクセーションによる脱感作の手続きを, 実験2では, 拮抗動作法による脱感作の手続きを用いた。いずれも, 自己視線恐怖より, 他者視線恐怖の軽減に効果的であり, distractionが視線恐怖軽減の重要な要因となることが示唆された。また, 自己視線恐怖は自己の視線に関する独特の認知を伴っており, 認知変容のための手続きである自己教示訓練が効果的であったと考えられる。
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  • 中川 恵正, 梅本 明宏
    51 巻 (2003) 4 号 p. 431-442
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 小学校5年生を対象にして, 4つの教授法, 即ち,(1)モニタリング自己評価-小集団討論法 (問題解決の方略, スキルの利用の意義づけを教授の中に含め, その方略の実行過程でのモニタリング, 評価やエラー修正等の自己統制訓練をし, さらに自己の解決法を他者に説明する訓練をした後, 到達度と実行過程を自己評価し, さらにその後小集団討論を行う方法),(2) モニタリング自己評価法 (小集団討論無),(3)到達度自己評価-小集団討論法,(4)到達度自己評価法 (小集団討論無) を比較し, 社会科の問題解決学習を促進する要因を検討した。その結果, MG群は各ポストテストのいずれにおいてもCG群に比べて学習遂行が優れていた。CNG群はいずれのポストテストにおいてもMNG群に比べて学習遂行が優れていた。さらに, MG群はいずれのポストテストにおいてもMNG群に比べて学習遂行が優れていた。他方, CNG群の方がCG群に比べて学習遂行が優れていた。
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  • 及川 恵
    51 巻 (2003) 4 号 p. 443-456
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    気晴らしは, 効果的な情動調節方略とされる一方, 不適応的側面についても指摘されている。本論文は, 気晴らしの適応性に関連する要因を概観し, 効果的に気晴らしを行うために必要な観点を提示することを目的とした。気晴らしの適応性を検討する枠組みは,(a)気晴らしと他の対処方略とを比較する枠組みと,(b)気晴らしそのものをより詳細に検討する視点, すなわち気晴らし対象に着目するものとプロセスに着目するものとに分けられる。本論文では,(b)の視点, とりわけプロセスの視点の重要性について指摘した。気晴らし対象に着目した研究とプロセスに着目した研究の概観を通して, 関連要因を時間の流れにそって位置づけ, 気晴らしの情動調節プロセスをモデル化した。モデルは, 気晴らし状況の文脈を始発とし, 意図, 気晴らし対象選択, 実行中, 結果からなる。効果的な気晴らしのためには, 次の観点が重要であることが示唆された。気晴らし状況の文脈, 気晴らしの意図, 気晴らし対象に伴う報酬と代償・要する注意容量, 実行中の注意状態, 結果の短期的・長期的影響の考慮である。最後に, 今後の気晴らし研究の方向性について展望した。
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