教育心理学研究
検索
OR
閲覧
検索
52 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 河村 夏代, 鈴木 啓嗣, 岩井 圭司
    52 巻 (2004) 1 号 p. 1-11
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    日常的な教育活動の中で, 教師には様々な感情が生じている。教師はふつう, 湧き起こる感情による影響を, 教育活動に生かしたり制御したり経験的に対処している。中学校教員に, 具体的な生徒指導27場面を提示して, その場の不快感と介入の強さ, 併せて「教師特有のビリーフ (河村・國分, 1996a)」の強迫性を調査した。104名の回答によると, 各教師の不快感と介入強度, 27場面での相関値の平均はr=.57 (SD=.24) であった。教師個人内において不快感が強いと介入も強いというかなりの相関が認められた。また, 生徒個人の態度による不快感喚起場面は, 生徒の態度が教師や学校規則に反抗的な「対決場面」と, 軽視するような「軽視場面」の2種類に分けられた。軽視場面に限り, 介入の強さは不快感に有意に依存した。教育実践をする上で, 教師は特に軽視場面において, 自身の感情を意識化することが必要だと示唆された。一方, 不快感はビリーフと介入強度両方によって予測されることが示された。ビリーフや対応行動を検討することが, 不快感の意識化に役立つであろう。
    抄録全体を表示
  • 柴橋 祐子
    52 巻 (2004) 1 号 p. 12-23
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では中学, 高校生の友人関係における「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」の2側面に関わる心理的要因を発達的な観点から検討した。中学, 高校生721名を対象に質問紙調査を実施し, 因子分析により, 2側面に関わる心理的要因として「安心感」「配慮・熟慮」「率直さへの価値感」「スキル不安」「支配欲求」の5つが抽出された。これらの心理的要因が「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」に及ぼす影響を分析した結果,(1) 中学, 高校生の男女共にほぼすべての「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」に「率直さへの価値感」が深く関わる。(2) 全体を通して「意見の表明」および「不満・要求の表明」の低さの背景に「スキル不安」がある。(3) 高校生では, ほぼすべての「自己表明」に「安心感」の影響があり, 高校生の女子では「他者の表明を望む気持ち」にも関連している。 (4) 「不満・要求の表明」の背景に女子では「配慮・熟慮」, 男子では「支配欲求」があることが示された。これらの結果から, 自己肯定感, 自己信頼感が2側面を共に支える重要な要因であること, 2側面のあり方を支える心理面の発達的な違いが明らかになった。
    抄録全体を表示
  • 黒田 祐二, 有年 恵一, 桜井 茂男
    52 巻 (2004) 1 号 p. 24-32
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 大学生の親友関係における関係性高揚と精神的健康との関係について検討すること, 及び, その関係に相互協調的-相互独立的自己観が及ぼす影響について検討することであった。結果から, 日本の大学生において, 自分たちの親友関係を他の親友関係より良いものであると評価する「積極的関係性高揚」と, 悪くはないと評価する「消極的関係性高揚」は, 相対的幸福感・自尊感情・充実感と正の関係を示し, 抑うつと負の関係を示すことが見出された。さらに, この関係性高揚と精神的健康との関係は, 相互協調的自己観ないし相互独立的自己観が自己に内在化されている程度によって異なることが示された。すなわち, 相互協調的自己観の低い者より高い者において, そして, 相互独立的自己観の高い者より低い者において, 関係性高揚 (積極的関係性高揚及び消極的関係性高揚) と精神的健康との関係が強くなることが示された。
    抄録全体を表示
  • 水野 りか
    52 巻 (2004) 1 号 p. 33-43
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 処理水準説で説明されてきた形態・音韻・意味処理課題の再生率の違いが, 分散効果の原因説として提起された再活性化説によって, より合理的かつより具体的に説明・予測できることを実験的に検証することを目的とした。実験では, 形態・音韻・意味処理課題を, 1回呈示した場合と様々な呈示間隔で反復呈示した場合の反応時間と再生率が測定された。処理水準説のもとでは, 1. 浅い処理の場合は反復呈示しても再生率が上昇しない, 2. 反応時間は再生率と相関しない, と予想された。一方, 再活性化説のもとでは, 1. いずれの処理も反復呈示によって再生率が高まる, 2. 再生率が最大となる反復間隔は, 意味処理ほど広い, 3. 加重累積反応時間は再生率とロジスティックな相関を成す, と予想された。実験結果は, 処理水準説のもとでの予想と相反し, 再活性化説の予想を支持するもので, これらの課題を処理した際の記憶定着のメカニズムの説明には, 処理水準説よりも, 再活性化説を適用した方が妥当であることが示された。
    抄録全体を表示
  • 木村 晴
    52 巻 (2004) 1 号 p. 44-51
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    通常反意図的な侵入思考である反芻は, 未完結な思考内容の完結を目指す問題解決的な試みの結果として説明されることが多い。しかし, 未完結な思考は, 抑制意図を生じさせることも少なくない。近年の抑制研究では, 抑制意図によってかえって対象思考が増幅する, 抑制の逆説的効果が報告されている。本研究では, 抑制の逆説的効果の観点から反芻思考の検討を行った。未完結事象の抑制の試みは, 完結事象の抑制の試みに比べ, 逆説的効果が生じ思考の侵入が増加すると予測された。54名の参加者は, 未完結ストーリー, または完結ストーリーを読み, その内容を抑制するように, または自由に思考するように教示を与えられた。先行研究の知見と同様に, 抑制教示を与えられた群では, 統制群に比べ, 侵入思考数および主観的思考頻度の増加を示し, 抑制の逆説的効果の予測に整合する反応を示していた。また, その効果は未完結なストーリーを抑制した群において現れる傾向が見られた。さらに, 一週間後の測定においても, 未完結ストーリーを抑制した群のみに思考頻度が高まっている傾向が見られた。このように, 未完結感は抑制の困難性を高めることが示された。未完結事象の抑制意図が反芻思考の原因となる可能性について論じる。
    抄録全体を表示
  • 林 智幸
    52 巻 (2004) 1 号 p. 52-60
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    子どもを対象とした, 性格特性概念の理解の研究, 対人認知研究, ビッグ・ファイブ研究によると, 子どもは幼稚園年長児頃から性格特性概念を獲得し始め, 小学校高学年にて成人と同様の性格特性/次元概念であるビッグ・ファイブを獲得するようになる。しかしその獲得の発達過程は明らかではない。本研究ではこの発達過程をビッグ・ファイブ仮説に基づき検討した。研究1では, ビッグ・ファイブに基づく性格特性を典型的に示す人物の行動場面を幼児に提示し, 幼児が類似した他の場面での行動予測が可能であるかを検討した。その結果, 5歳児では〈外向性〉〈愛着性〉〈知性〉次元, 6歳児ではそれらに加えて, 〈統制性〉次元の行動画面の予測が可能であった。しかし, 行動予測の際に想起されたイメージを検討した研究2の結果, ほとんどの行動予測では全般的〈良い〉次元が用いられていることが明らかとなった。本研究から, 幼児は幼稚園年長児頃から全般的な〈良い〉次元を内容とした性格特性の概念を獲得し, 発達とともに特性/次元を分化させ, 最終的に小学生高学年頃に成人同様ビッグ・ファイブ概念を獲得する, という発達モデルが示唆された。
    抄録全体を表示
  • 荘島 宏二郎, 豊田 秀樹
    52 巻 (2004) 1 号 p. 61-70
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    我が国の一般的なテストは, 正誤問題 (多肢選択式を含む)・テストレット・論述式問題の組み合わせであることが多い。正誤問題には2値モデル, テストレットはGRMやGPCM, 論述式問題はCRMを適用することが可能である。したがって, テストが複数のIRTモデルを適用すべき項目から構成されているときでも, それぞれの項目に適切なIRTモデルを当てはめて, それぞれの項目母数を推定できれば便利である。本研究では, テストが複数のIRTモデルを含むときの項目パラメタの推定方法と被験者母数の推定方法を提案した。また, 提案された方法を用いて, 実データに対する分析例を示した。最後に, 本方法の適用についての注意点を議論した。
    抄録全体を表示
  • 山森 光陽
    52 巻 (2004) 1 号 p. 71-82
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学校1年生の英語学習に対する学習意欲はどの程度持続するのか, また持続させている生徒とはどのような生徒なのかについて検討を行った。具体的には, 中学校1年生の英語学習に対する学習意欲はどの程度持続するものであるのかを生存時間分析を用いて検討し, さらに, 学習意欲を持続させている生徒とはどのような生徒なのか, またどのようなことが切っ掛けとなって学習意欲が失われるのかを検討した。その結果, 中学校1年生の英語の学習においては, 初回の授業では9割以上の生徒が英語の学習に対して高い学習意欲を有していることが確認された。しかし, それを持続させることが出来たのは6割程度の生徒であったことが確認された。また, 1年間の中でも, 特に2学期において学習意欲が低くなる生徒が顕著に多いことが, 本研究の結果明らかになった。さらに, 試験で期待通りの成績が得られたかどうかではなく,「もうこれ以上がんばって勉強できない」と感じることの方が, その後の学習意欲の変化に影響を及ぼす可能性のあることが示唆された。さらに, 学習意欲が上昇する生徒についても考察を行った。
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top