教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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52 巻 , 2 号
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  • 一二三 朋子
    52 巻 (2004) 2 号 p. 93-106
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 在日外国人が接触場面でのどのような意識的配慮の調整を学習しているのかを明らかにすること, その学習にどのような要因が影響を与えているのかを因果モデルにより検討すること, さらに留学生との比較検討を通して共生的学習に関する示唆を得ることである。ボランティア教室で日本語を学ぶ104名のアジア系学習者に対して質問紙調査を行い因子分析を行った結果, 4つの意識的配慮が特定され, それらの配慮と日本語能力とに相関があることが示された。また, パス解析の結果, 3 つの意識的配慮に対して, 非言語重視型信念及び将来性動機が直接的に強い影響を与えること, そして, それらの要因を強めるのは友人関係と肯定的経験であることがわかった。次に, 留学生との比較を通して, ボランティア教室学習者は留学生よりも日本語能力が低いこと, 接触場面に関して敏感でないことが示唆された。以上の知見から, 共生的学習の推進のためには, 日本語能力を高めること, 接触場面への鋭敏さを養うことと同時に, 日本人側の受け入れ体制の整備が重要であることが示唆された。
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  • 長南 浩人
    52 巻 (2004) 2 号 p. 107-114
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 聴覚障害者の手話と日本語および絵の記憶過程を明らかにすることを目的として行われた。対象者は, 手話と日本語の能力がともに高いGG群, 手話の能力が日本語の能力よりも高いGP群, 手話の能力が日本語の能力よりも低いPG群, また手話の能力も日本語の能力も低いPP群の合計58人であった。材料は, 具体物を表す名詞であり, それらを写像的手話, 抽象的手話, 絵, 日本語で提示した。その後, 日本語単語による筆記自由再生を行った。その結果, GG群は写像的手話でも抽象的手話でも日本語のみの符号化に対する優越性が見られ, その効果は絵よりも高かった。GP群は, 写像的手話であれ抽象的手話であれ日本語や絵の符号化に対して優越効果を持つこと, PG群は絵の優越効果のみが見られること, PP群はどの条件においても正再生語数が少ないことが分かった。このことから聴覚障害者の手話と日本語の能力の違いにより, 双方の記憶過程に違いがあることが示された。
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  • 木村 晴
    52 巻 (2004) 2 号 p. 115-126
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    不快な思考の抑制を試みるとかえって関連する思考の侵入が増加し, 不快感情が高まる抑制の逆説的効果が報告されている。本研究では, 日常的な事象の抑制が侵入思考, 感情, 認知評価に及ぼす影響を検討した。また, このような逆説的効果を低減するために, 抑制時に他に注意を集める代替思考方略の有用性を検討した。研究1では, 過去の苛立った出来事を抑制する際に'代替思考を持たない単純抑制群は, かえって関連する思考を増加させていたが, 代替思考を持つ他3つの群では, そのような思考の増加は見られなかった。研究2では, 落ち込んだ出来事の抑制において, 異なる内容の代替思考による効果の違いと, 抑制後の思考増加 (リバウンド効果) の有無について検討した。ポジティブな代替思考を与えられた群では, 単純抑制群に比べて, 抑制中の思考数や主観的侵入思考頻度が低減していた。しかし, ネガティブな代替思考を与えられた群では, 低減が見られなかった。また, ネガティブな代替思考を与えられた群では, 単純抑制群と同程度に高い不快感情を報告していた。代替思考を用いた全ての群において, 抑制後のリバウンド効果は示されず, 代替思考の使用に伴う弊害は見られなかった。よって, 代替思考は逆説的効果を防ぎ効果的な抑制を促すが, その思考内容に注意を払う必要があると考えられた。
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  • 中西 良文
    52 巻 (2004) 2 号 p. 127-138
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 方略帰属が方略を介して動機づけに影響を与えるという過程を想定し, 成功/失敗の方略帰属が自己効力感にどのような変化をもたらすのか, さらに, そのような変化はどのような方略を介してもたらされるのかについて検討した。被験者は高校生80名であった。そのうち60名を対象に面接を行い, 自ら考えさせる形で失敗の方略帰属 (SAF) もしくは成功の方略帰属 (SAS) を促し, 面接前後の自己効力感の変化, および, 面接での方略帰属を通じて思いつく「今後用いようとする方略」の特徴について検討した。その結果, 面接後においてSAS群の自己効力感がSAF群よりも有意に上昇していることが見いだされた。また, 今後用いようとする方略について質的分析を行った結果, SAS群はSAF群に比べ, 直接的に学習に関わるような方略を挙げる傾向があることが見いだされた。
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  • 豊田 秀樹, 米村 大介, 齋藤 朗宏
    52 巻 (2004) 2 号 p. 139-147
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 構造方程式モデリングの表現を用い, 新しい集団AHPモデルを提案することである。集団AHPにおける個々の評価基準, 代替案に対する重みを算出するために, CALISなどの一般的によく用いられる構造方程式モデリングのプログラムが利用可能であることが示される。本方法には, 特筆すべきいくつかの特徴がある, 一つには各種統計量を重みの評価として用いることが可能な点。もう一つには重み推定の精度を評価することが可能な点が挙げられる。通常の集団AHPモデルと比較して, 代替案の最終的な重みに関して順序関係が維持されていることが確認される。ここから, 本モデルは有用であるように思われる。
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  • 権 裕善, 藤村 宣之
    52 巻 (2004) 2 号 p. 148-158
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では同年齢児童の協同的問題解決を通じた方略の学習効果を検討した。175名の小学校5年生を対象に, 比例的推理における方略のレベルが異なるペアに関する2つの実験を実施した。最も低いレベルの誤方略を事前に用いていた児童を対象に, 正方略を用いていたパートナーとの協同を検討した実験 1では, 手続きの模倣による表層的交流が主な特徴で, 協同による学習効果はほとんどみられなかった。実験2では, 誤方略より-ステップ精緻なレベルの方略を事前に用いていた児童と正方略を用いていたパートナーとの協同を検討した。その結果, パートナーの示した根拠を再構成する双方的な深層的交流がみられ, 協同過程で学習した方略は類似の問題まで転移した。本研究から, ペアの構成条件は協同学習の転移効果と相互作用の質を規定することが示唆された。
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  • 中川 美和, 山崎 晃
    52 巻 (2004) 2 号 p. 159-169
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 幼児の謝罪行動を道具的謝罪と真の謝罪の2種類に分け, 謝罪の種類と親密性との関連を検討することであった。対象児は4歳児 (N=60), 5歳児 (N=65), および6歳児 (N=63) であった。分析の結果, 親密性が謝罪の種類に影響を及ぼすのは6歳児になってからであることが示された。すなわち, 4歳児は, 親密性の高い相手に対しては道具的謝罪を用いるが, 6歳児になると親密性の低い相手には道具的謝罪を, 高い相手には真の謝罪を行うことが明らかとなった。また, 親密性の異なる相手に対して, 幼児は謝罪後の人間関係を考慮した上で謝罪を行っているのか, またその際, どちらの謝罪を用いるかについて検討した。その結果, 4歳児も6歳児も謝罪後の被害者との関係維持を考慮して謝罪を行うが, その際, 4歳児は親密性の高い相手には道具的謝罪を用いるが, 6歳児は親密性の低い相手には道具的謝罪を, 高い相手には真の謝罪を用いることが示された。
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  • 水野 将樹
    52 巻 (2004) 2 号 p. 170-185
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    青年の友人関係について扱った先行研究の多くはアイデンティティ理論などの視点に基づくトップダウン的なものであり, 主体としての青年の認識が扱われることはなかった。そこで, 本研究では既存の理論に基づく仮説検証型研究ではなく, あくまで主体である青年自身から得たデータに基づいて知見を得る質的研究, その中でも方法論が整っているグラウンデッド・セオリー・アプローチを採用して青年が信頼できる友人との関係をどのように捉えているかというリサーチクエスチョンの下, 調査・分析を行った。その際, 「信頼」を鍵概念に, 「友人」は親友などに限定し, 実情に合わせて「青年」の範囲を 18~30歳とするなどの工夫をした。学生, フリーター, 社会人の男女19名に対し半構造化面接を実施し, 得られた発話データをカテゴリーに分類することを通じて分析した。その結果, 友人との信頼関係の構造・形成・意味づけについて, 6つの仮説的知見を得て, それに基づいて青年の友人との信頼関係認識についての仮説モデルを生成した。研究全体としては, 青年は友人との信頼関係を「自分」という存在と不可分に捉えていること, その信頼関係は「安心」を中心とした関係であること, などの示唆が得られた。
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  • 平山 るみ, 楠見 孝
    52 巻 (2004) 2 号 p. 186-198
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 批判的思考の態度構造を明らかにし, それが, 結論導出過程に及ぼす効果を検討することである。第1に, 426名の大学生を対象に調査を行い, 批判的思考態度は, 「論理的思考への自覚」, 「探究心」, 「客観性」, 「証拠の重視」の4因子からなることを明らかにし, 態度尺度の信頼性・妥当性を検討した。第2に, 批判的思考態度が, 対立する議論を含むテキストからの結論導出プロセスにどのように関与しているのかについて, 大学生85名を用いて検討した。その結果, 証拠の評価段階に対する信念バイアスの存在が確認された。また, 適切な結論の導出には, 証拠評価段階が影響することが分かった。さらに, 信念バイアスは, 批判的思考態度の1つである「探究心」という態度によって回避することが可能になることが明らかにされ, この態度が信念にとらわれず適切な結論を導出するための重要な鍵となることが分かった。
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  • 村山 航
    52 巻 (2004) 2 号 p. 199-213
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    同じ意味内容の目標でも, その表象のされ方 (目標表象) はポジティブ (P) な場合もネガティブ (N) な場合もある。この目標表象におけるP-Nという考え方は, 多くの理論・領域で暗黙に取り入れられているが, その定義が不明確である。本論文では, 目標表象に関し, 基準の次元・達成の次元・結果の次元という, P-Nを極に持つ3つの次元からなる定義の枠組み (3次元の枠組み) を提唱する。そして, 1) その枠組みによって従来の研究を捉え直し, 2) 各次元が行動制御過程に与える影響を明らかにし, 3) その影響メカニズムを検討する, という3点を目的とした。その結果, 達成目標理論・制御理論は基準の次元, 目標フレーミング研究と制御焦点理論は達成の次元・結果の次元という次元で捉えられることが示された。また, これまでの実証研究では3次元間の交絡が多いため, 次元の行動制御過程に与える影響は不明確であることが明らかになった。さらに, 基準次元の行動制御過程への影響メカニズムとして, BAS・BISという脳内システムによる媒介が存在することが示唆された。一方, 達成次元と結果次元の影響メカニズムとして, 感情による媒介モデルが提案された。
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  • 52 巻 (2004) 2 号 p. 218-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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