教育心理学研究
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53 巻 , 2 号
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  • 吉村 斉
    53 巻 (2005) 2 号 p. 151-161
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 対人行動の特性として, 特定の友達同士で形成された小集団を優先し, 他の小集団のメンバーに対して閉鎖的になる態度 (以下「小集団閉鎖性」と略記) に注目し, 部活動への適応感に対する小集団閉鎖性と主将のリーダーシップの関係を検討した。調査対象者は304名の中学運動部員1年生で, 質問紙法によって調査が実施された。まず, 予め分類された主将のリーダーシップの中から, 競技に関する技術や集団の人間関係の調整, 部の規則などを熱心かつ厳しく指導する圧力H-積極的指導群, 熱心に指導するが厳しくない圧力L-積極的指導群が抽出された。この2群による部活動への適応感の違いと小集団閉鎖性の関係を検討すると, 小集団閉鎖性が強い部員において, 圧力H-積極的指導群が圧力L-積極的指導群より, 部活動への積極的行動得点が高かった。このことは, 部の雰囲気への満足においても認められた。つまり, 主将から熱心かつ厳しく指導されることによって, 部員の意識が小集団から練習課題に向けられ, 積極的に取り組むようになること, その際に他の部員と一緒に達成感を味わうことによって部員との関係も良好になっていくためであることが考えられた。
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  • 伊藤 拓, 竹中 晃二, 上里 一郎
    53 巻 (2005) 2 号 p. 162-171
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    多くの抑うつの心理的要因が提唱される中, 抑うつの心理的要因の共通点や抑うつを引き起こす共通要素についての検討はほとんどなされていない。本研究では, この点に着目し, 従来の代表的な抑うっの心理的要因である完全主義, 執着性格, 非機能的態度とネガティブな反すうの関連を明らかにするとともに, 完全主義, 執着性格, 非機能的態度からうつ状態が引き起こされる上で, ネガティブな反すうが重要な共通要素として機能しているかを検討した。大学生 (N=191) を対象とした8ヶ月間の予測的研究を行った。その結果,(1) 完全主義, 執着性格, 非機能的態度という異なる抑うつの心理的要因は, 共通してネガティブな反すう傾向と正の相関があること,(2) これらの心理的要因が高くても, うつ状態が直接的に引き起こされるわけではなく, ネガティブな反すう傾向が高い場合にうつ状態が引き起こされることなどが示された。以上のことから, 完全主義, 執着性格, 非機能的態度という異なる抑うつの心理的要因からうつ状態が引き起こされるメカニズムには, ネガティブな反すう傾向が共通要素として介在していることが示唆された。
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  • 村山 航
    53 巻 (2005) 2 号 p. 172-184
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    これまでの研究では, 空所補充型テストの予期が暗記型方略の使用を促進し, 意味理解型方略の使用を低下させることが示されてきた。しかし, テスト形式の予期が方略を変容させるメカニズムは明らかばなっていない。本研究は, そのような方略変容メカニズムの検討を目的とした。実験1では, 大学生136人を被験者とし, 暗記型方略が有効な空所補充問題を予期する群, 意味理解型方略が有効な空所補充問題を予期する群, 統制群の学習方略を比較した。結果, 統制群ば比べて, どちらの群も暗記型方略の使用を増加させた。学習者は, テストの課題要求を能動的に分析し, その結果ば基づいて合理的に方略を変容させているわけではないことが示唆された。実験2では, 大学生48人を被験者とし, 難しい空所補充型テストを予期する群 (空所-難群), 易しい空所補充型テストを予期する群 (空所-易群), 統制群の学習方略を比較した。結果, 統制群に比べて, 空所-難群のみ暗記型方略の使用を増加させ, 意味理解型方略の使用を低下させた。また方略帰属の程度と方略変容の間ば, 相関が見られた。学習者の方略変容には, テストに対する困難度の認知と方略帰属という2つの媒介過程が存在することが示唆された。
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  • 澤田 匡人
    53 巻 (2005) 2 号 p. 185-195
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 妬み感情を構成する感情語の分類を通じて, その構造を明らかにすることであった。研究1では, 児童・生徒92名を対象とした面接調査を実施し, 172事例の妬み喚起場面を収集した。事例ごとの12語からなる妬み感情語リストへの評定に基づいた数量化III類を行って解析した結果, 妬み感情は2つの軸によって3群に分かれることが示された。研究2では, 児童・生徒535名に対して質問紙調査を実施し, 8つの領域に関する仮想場面について, 12の感情語を感じる程度を評定させた。因子分析の結果, 妬み感情は「敵対感情」「苦痛感情」「欠乏感情」の3因子構造であることが確認された。また, 分散分析の結果,(1) 敵対感情の得点は, 能力に関連した領域に限り, 女子よりも男子の方が高く,(2) 苦痛感情と欠乏感情の得点は, 学年が上がるのに伴って増加する傾向にあることが明らかとなった。このことは, 加齢と領域の性質が妬み感情の喚起に寄与していることを示唆するものである。
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  • 西田 順一, 橋本 公雄, 柳 敏晴, 馬場 亜紗子
    53 巻 (2005) 2 号 p. 196-208
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 組織キャンプの体験はエンジョイメントを介してメンタルヘルス変容に影響するという, 因果モデルを提案した。本研究の主要な目的は, この因果関係を検証することであった。すなわち, 組織キャンプの体験に伴うエンジョイメントはメンタルヘルス変容を媒介するかどうかについて検証した。対象者は, 夏の1週間から10日間までの組織キャンプ・プログラムに参加した児童202名であった。組織キャンプの前に, デモグラフィックの調査票およびメンタルヘルス測定のため児童用精神的健康パターン診断検査 (MHPC: 事前検査) を実施した。また, 組織キャンプ直後にMHPC (事後検査), 児童用組織キャンプ体験評価尺度 (IOCE-C), そして児童用組織キャンプ・エンジョイメント尺度 (COCES) に回答した。構造方程式モデリングを用いた分析の結果, おおよそ提案したモデルの許容できる適合が示された。組織キャンプ体験からメンタルヘルス変容への直接のパスは有意ではなかった。加えて, エンジョイメントを介したメンタルヘルス変容における間接パスは、直接パスに比べ大きかった。最後に, 理論的, 応用的示唆が議論された。
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  • 宇都宮 博
    53 巻 (2005) 2 号 p. 209-219
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 青年期の子どもからみた両親のコミットメントに関する認知尺度を作成し, 両親間の葛藤解決および青年の不安との関連性を検討することを目的として実施された。女子青年136名 (平均20.4歳) を対象に質問紙調査を実施した。分析の結果, 両親の結婚生活に対するコミットメントの認知は, 父母いずれも「存在の全的受容・非代替性」「社会的圧力・無力感」「永続性の観念・集団志向」「物質的依存・効率性」の4因子が抽出された。このうち, 不安と比較的強い相関がみられたのは「存在の全的受容・非代替性」と「社会的圧力・無力感」であり, 両者は異なる関連にあった。すなわち, 「存在の全的受容・非代替性」を高く認知している者ほど不安は低減するのに対し, 「社会的圧力・無力感」が高い者ほど不安は強まることが示された。また両親のコミットメントと女子青年の不安の関連は居住形態によって異なり, 親と同居している場合に顕著であった。さらに両親間の葛藤解決と不安の関連は一様ではなく, コミットメントの性質によって異なる可能性が示唆された。
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  • 外山 美樹
    53 巻 (2005) 2 号 p. 220-229
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中学生を対象とし, 防衛的悲観主義者 (過去のパフォーマンスのポジティブな経験は認知しているが, 将来のパフォーマンスに対する期待が低い者) が方略的楽観主義者 (過去のパフォーマンスにおけるポジティブな経験を認知しており, 将来のパフォーマンスにおいてもポジティブな結果を期待する者) と同様に学業成績が優れているのかどうか, また, 認知的方略 (防衛的悲観主義と方略的楽観主義) がテスト対処方略と学業成績の関係に及ぼす影響を検討することであった。本研究の結果, 防衛的悲観主義者が方略的楽観主義者に比べて決して学業的に劣ってはいないことがわかった。さらに, 防衛的悲観主義者においては, 回避的思考方略および楽観的思考方略と学業成績の間に負の相関が見られたのに対して, 方略的楽観主義者においては両方略と学業成績との間には有意な相関が見られなかった。防衛的悲観主義者と方略的楽観主義者を比べると, 防衛的悲観主義の人が回避的思考や楽観的思考を用いないことによって高い成績を修めるのに対して, 方略的楽観主義の人は逆に, こういった回避的思考方略を用いることが良い成績につながりやすいことが明らかになった。
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  • 木村 晴
    53 巻 (2005) 2 号 p. 230-240
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    ある思考を抑制するとかえって関連する思考が増幅する抑制の逆説的効果が報告されている。この効果は, 抑制の意図が高いほど生じやすいとされていることから, 本研究では, 個人が持つ抑制スタイルが抑制の成否に及ぼす影響を検討した。思考を徹底的に頭から締め出そうとする積極的抑制スタイルを持つ者は, 抑制意図を高め, かえって抑制の逆説的効果を経験するが, 侵入思考を受け流そうとする受動的抑制スタイルを持つ者は, 相対的に逆説的効果が生じないと予測された。実験1では, 参加者は受動的もしくは積極的な抑制スタイルを誘導され, 中性刺激の抑制を行った。また, 実験2では, 事前に行われた質問紙によって, 積極的抑制スタイル群, 受動的抑制スタイル群に分けられ, 個人的な日常の悩みを対象として抑制を行った。両実験において, 積極的抑制スタイルを持つ者は, かえって逆説的効果を生じさせたのに対し, 受動的な抑制スタイルを持つ者は, 逆説的効果を生じさせず, 予測どおりの抑制スタイルの影響が示された。また, 抑制スタイルにかかわらず, 抑制時に代替思考を用いた方略使用抑制群では, 逆説的効果が生じなかった。抑制対象, 抑制方略, そしてメタ評価が抑制の成否に及ぼす影響を論じる。
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  • 垣花 真一郎
    53 巻 (2005) 2 号 p. 241-251
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    清音文字の呼称と濁音文字の呼称の間には, 弁別素性[voice]の価が負から正へ変化するという関係がある。濁音文字習得に際し, 子どもがこの有声化の関係を利用しているかが3つの研究により検証された。研究1では, 4-5歳の濁音文字初学者が, 有声化の基底事例として清音文字-濁音文字の呼称 (例か (ka)→が (ga)) を提示された場合に, 与えられた清音文字の呼称 (例た (ta)) から, 対応する未知の濁音文字 (だ (da)) の呼称を推測できるかが検証された。その結果, 半数近くの者にこれが可能であることが示された。研究2では, 4歳児の濁音文字習得の中後期群に対して, 非文字の清音文字一濁音文字対を目標事例とする類推課題 (例X (pa)→X (ba)) を実施し, 9割程度の者に非文字の濁音文字呼称の推測が可能であることが示された。研究3では4-5歳の濁音習得途上の子どもの読字検査データを分析し, [voice] の関係に違反した“ば行”の習得が他の濁音文字に比べて困難であることが示された。3つの研究から, 子どもは濁音文字の呼称を単純な対連合ではなく, 既習の清音文字一濁音文字の関係を基にした類推によって習得していることが示唆された。
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  • 白石 智子
    53 巻 (2005) 2 号 p. 252-262
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大学生の抑うつ傾向への対処的・予防的取り組みとして認知療法を基にした心理的介入プログラムを実践し, その評価を行った。研究1では, 大学生126名を対象に, 本プログラムの抑うつ感軽減効果及び抑うつ関連認知の変容効果について検証した。実験期間は3週間であった。分析の結果, 本プログラムを受けた認知療法群 (n=62) は, 統制群 (n=64) に比べ有意に抑うつ感の程度が軽減したことが示された。また, 抑うつ感の発現因と捉えられている否定的自動思考の頻度, 抑うつスキーマの程度も有意に軽減したことが示され, 本プログラムは将来に対する予防的措置としても有効であることが示唆された。研究2では, 本プログラムによる抑うつ感軽減効果の個人差について検討した。個人差要因となる変数には, 認知的変数として否定的・肯定的自動思考の頻度及び抑うつスキーマの程度を, 行動的変数として調整型・改良型セルフ・コントロール実行状況を想定した。分析の結果, 介入前における肯定的自動思考の頻度が効果の個人差要因となることが示された。
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  • 小林 朋子
    53 巻 (2005) 2 号 p. 263-272
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    コミュニケーションが苦手で不登校傾向のある児童を持つ小学校教師に対して, スクールカウンセラーによる行動コンサルテーションを行った。行動コンサルテーションでは, スクールカウンセラーは教師とともに対象児童への援助に関する具体的な目標を設定し, さらにその目標を達成するための教師の適切な援助行動に対してインストラクションやフィードバックといった介入を行った。その結果, 対象児童のコミュニケーションに対する教師の援助行動が増加し, 対象児童の自発的なコミュニケーション行動や, 積極的・主張的なかかわりに関する社会的スキルの増加が示された。このようなデータに基づいた行動コンサルテーションを実施したことによって, 教師やスクールカウンセラーが児童生徒の状況を客観的に把握することができるだけでなく, 自らの援助をふりかえることが可能となった。
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  • 村山 航, 及川 恵
    53 巻 (2005) 2 号 p. 273-286
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    臨床・教育心理学の分野で,“回避方略”は, ストレス状況の解決や不快情動の緩和, 学業達成などを阻害するものとして, 非適応的な方略だと主張されてきた。しかし, 気晴らし, 援助要請行動の回避, セルフハンディキャッピングといった回避方略を取り上げて実際の先行研究を概観する限り, 結果は一貫しておらず, この命題が確実に支持されているとは言い難い。そこで本稿では, 上記の命題を批判的に検討した上で, 回避方略の非適応性を捉えるための視点を提出することを目的とした。具体的には, 同じ“回避方略”であっても,“目標・意図レベルの回避”と“行動レベルの回避”を分けて考える必要性を示唆した。その上で, 従来の研究の非一貫性を説明するため,“たとえ行動レベルで回避的な方略であっても, 目標レベルで回避的でなければ非適応的にならない”という仮説を提出した。この仮説を検証するため, 先行研究を改めて概観し, いくつかの支持的な証拠を得た。また, 著者らが直接実施した調査データからも, この仮説が支持された。最後に, 臨床・教育実践の観点から, 本稿の意義が検討された。
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  • 53 巻 (2005) 2 号 p. 295-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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