教育心理学研究
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53 巻 , 4 号
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  • 瀬尾 美紀子
    53 巻 (2005) 4 号 p. 441-455
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 学習上の援助要請を促進する介入方法を考案し, その効果を検証することを目的とした。まず, 予備調査において, 援助要請に必要な要因を学習者に尋ねた結果, 主に自己のつまずきを明確化することと, 時間や場所の確保のような環境要因か挙げられた。研究1では, 自己のつまずきを明確化するためのつまずき明確化方略の使用と, 先行研究で影響が示されてきた達成目標や援助要請に対する認知か, 援助要請とどのように関連しているか質問紙調査によって検討した。その結果, 習得目標かつまずき明確化方略を媒介して援助要請と関連することか明らかになった。予備調査と研究1の結果を受けて, 研究2では, 高校2年生を対象に, 質問生成に対してつまずき明確化方略を教授する介入授業を行い, 方略教授の効果について検討した。その結果, 方略を教授することによって, 質問生成量の増加が, 数学の学力の高い集団で確認された。一方, 数学の学力に関係なく, 数学の学力の高い集団と低い集団の両方で, 一般的な質問は減少し, 内容関与的質問が増加して, 質問生成の質的な向上か確認された。
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  • 豊田 秀樹, 川端 一光, 松下 信武
    53 巻 (2005) 4 号 p. 456-466
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    構造方程式モデリングを用いた一対比較型EQ検査の反応歪曲に対する耐性の確認, ならびに標準化が試みられる。実験1では一対比較型EQ検査の反応歪曲への耐性を検討するために, 140名の被験者に対して一対比較型EQ検査と, 同一項目で構成されたリッカート測定法によるEQ検査が, 選抜的評価場面, 非選抜的評価場面の2場面を想定して実施された。その結果, 一対比較型EQ検査は測定場面にかかわらず, 標準偏差, 効果量, 収束的妥当性の観点からリッカート測定法よりも反応歪曲に耐性を持っていることが確認された。実験2では一対比較型EQ検査のスコアリングを安定させる為, 新たに用意された383名の被験者のデータを実験1の被験者のデータに加えて計算を行った。また代替検査の開発の為にテストを20パタンに折半し, 10パタンそれぞれで尺度間相関を求めた。その結果併存的妥当性の観点から支持される代替テストが得られた。
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  • 都丸 けい子, 庄司 一子
    53 巻 (2005) 4 号 p. 467-478
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中学校教師の対生徒関係についての悩みの内容を明らかにし, 悩みの程度と悩み後の教師の変容との関連を明らかにすることである。悩みによる生徒への見方・接し方の変化を教師の成長の可能性を孕むもの, つまり成長の契機と捉えた。さらに, 変化に関連する要因として, 先行研究でのストレスへの対処方略やソーシャルサポートの有効性等を踏まえ, 悩みへの対処, 悩みを抱く教師の支えとなるものについて検討した。「生徒との人間関係における悩み」尺度を作成し, 中学校教師290名を対象に調査を行った結果, 教師の生徒との人間関係における悩みは, 生徒への抵抗感, 指導上の困難感, 生徒からの非受容感, 関わり不全感の4因子から説明された。これらの経験後に教師に生じた生徒への見方・接し方の変化の程度には, 悩みの程度が関連することが示された。また, 悩みへの対処方略の「認知変容」が, 生徒への見方・接し方の変化に特に関連する要因として示された。悩むことがメンタルヘルスを悪化させることも指摘される一方で, 悩みに対処し, 自分で, もしくは周囲からの支えを受けながら悩んでいく過程がその後の教師の変容と関連していることが示唆された。
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  • 越中 康治
    53 巻 (2005) 4 号 p. 479-490
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 挑発的攻撃, 報復的攻撃, 制裁としての攻撃の各タイプの攻撃行動に関する幼児の認知を比較検討した。4, 5歳の幼児を対象として, 主人公が他児に対して各攻撃行動を示す場面を紙芝居で提示し,(1) 主人公が示した攻撃行動の善悪判断,(2) 攻撃行動を示した主人公を受容できるかの判断,(3) 幼児が日常, 主人公と同様の攻撃行動をするかの報告を求めた。結果として,(1) 幼児は挑発的攻撃は明らかに悪いことであると判断するものの, 報復的攻撃及び制裁としての攻撃に関しては善悪判断が分かれており, 全体として良いとも悪いともいえないという判断を示した。また,(2) 幼児は挑発的攻撃を示す主人公を明らかに拒否していたが, 報復的攻撃及び制裁としての攻撃を示した主人公とは一緒に遊んでもよいと判断した。さらに,(3) 挑発的攻撃及び報復的攻撃に関して, ほとんどの幼児は日常示すことはないと回答したものの, 制裁としての攻撃に関しては示すと回答した者も少なからずいた。本研究から, 報復的公正に関する理解は4, 5歳児にも認められることが明らかとなった。幼児が報復や制裁のための攻撃を正当化する可能性が示唆された。
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  • 中川 敦子, 鋤柄 増根
    53 巻 (2005) 4 号 p. 491-503
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    心理生物学的な気質モデルに基づく乳児の行動のチェックリスト (IBQ-R) の日本版を作成・実施した研究1で14尺度を対象に行った因子分析の結果は原版とは異なった。乳児の行動の解釈における文化差がこの違いの原因であると考え, 研究2ではIBQ-R日本版の各項目 (乳児の行動) が日本ではどのように解釈されるかを母親に尋ねた。大きな違いとして, 米国では乳児の活動性を表すと考えられている反応を, 日本では行動を制限された時の不機嫌さと解釈していた。このような違いを説明する上で, 気質は文化を含みこんで発達していくという考え方は妥当であることが支持された。この文化を含みこんだ気質を測定するには, 文化の影響を受けるであろう行動を測定できる項目を盛り込むことが必要になってくる。一方で文化の影響をそれほど受けない気質の側面やそれが優勢な時期も示唆されているので, 各文化で等価と考えられる場面での行動を測定することも必要であろう。また研究2の結果から, 研究1で得られた因子構造の違いは, 日米の育児文化, 子ども観の違いが反映される自己制御 (self-regulation) に関する考え方の相違によると考察した。
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  • 及川 昌典
    53 巻 (2005) 4 号 p. 504-515
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    近年の目標研究によって, 意識的な目標追求と非意識的な目標追求は, 同じような特徴や効果を持つことが明らかになっている。しかし, これら2つの目標追求が, どのような状況で, どのように異なるのかは明らかではない。本研究は, 抑制のパラダイムを用いて, 教示による意識的抑制と, 平等主義関連語をプライミングすることによる非意識的抑制との相違点を明らかにするために行われた。実験1では, 非意識的に行われる抑制においては, 意識的に行われる抑制に伴う弊害である抑制の逆説的効果が生じないことが示された。教示により外国人ステレオタイプの記述を避けた群は, 後続の課題で, かえってステレオタイプに即した印象形成を行うのに対し, 非意識的に抑制を行った群では, そのような印象形成は見られなかった。実験2では, 非意識的な抑制は, 意識的な抑制よりも効率的との想定を基に, 相対的に抑制に制御資源が消費されないだろうと予測された。抑制後に行われた自己評定においては, 意識的抑制群においてのみ, 強い疲弊感が報告されていたが, 後続のアナグラム課題においては, 意識的抑制群も非意識的抑制群も同様に課題遂行が阻害されており, 両群において消費される資源量には違いがないことが示された。抑制意図と行動, それに伴う意識の関係について論じる。
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  • 永作 稔, 新井 邦二郎
    53 巻 (2005) 4 号 p. 516-528
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 高校1年生を対象として, 自己決定理論に基づいて作成された自律的高校進学動機が学校生活の楽しさや人間関係における満足度といった学校適応・不適応感に及ぼす影響について, 短期縦断的に検討した。その結果, 5月に測定された自律的高校進学動機のうち, 自律性が低い外的・取り入れ的調整は10月, 翌年3月の学校不適応感の高さを予測した。また, 自律性 (自己決定性) が高い統合的・内的調整は10月, 3月における学校適応感の高さ, および学校不適応感の低さを予測した。さらには, 5月の時点での学校適応感を統制しても, 統合的・内的調整は10月, 翌年3月の学校適応感に影響を及ぼしていた。自律性が中程度である同一化的調整が学校適応感に及ぼす影響は限定的であった。これらの結果から, 学校生活の楽しさや人間関係における満足度といった側面における学校適応においては, 自律的に高校進学を行うことがその後の学校適応につながることが示唆された。
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  • 藪中 征代
    53 巻 (2005) 4 号 p. 529-540
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 第1に, これまで検討されてこなかった活字から離れた状態で行われる朗読聴取行動を取り上げ, 朗読聴取態度の構造を明らかにし, それを測定する尺度を作成することである。第2に, 朗読聴取量の違いが朗読聴取態度及び読書量に及ぼす影響について明らかにすることである。予備調査では322名の小学6年生を対象に, 朗読聴取態度について調査した結果, 朗読聴取態度 (19項目) は, 理解 (5項目), 積極的行動 (7項目), 想像性 (4項目), 意欲 (3項目) の4つの下位尺度から構成されていることがわかった。本調査では小学6年生279名を (1) 1週間に2回朗読を聴く群,(2) 1ヶ月に1回朗読を聴く群,(3) 朗読を全く聴かない群の3群に分け, 予備調査で検討した朗読聴取態度尺度を使用して, 3ヶ月後, 6ヶ月後の朗読聴取態度と読書量について測定した。その結果, 第1に, 朗読聴取を長期に継続することによって, 朗読聴取態度が促進されることが明らかとなった。特に, 理解, 想像性の促進が顕著であった。第2に, 朗読聴取を継続することによって, 読書量が増大することが明らかとなった。
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  • 胡 玉華, 宇野 忍
    53 巻 (2005) 4 号 p. 541-550
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 音の上げ下げを示す中国語の「声調」の学習において, VT法 (言調聴覚法) に基づく「身体的動き」(アクション) を用いた指導法の効果について検討を行った。4つの声調は, 発声の起点や到達点において音の高低や緊張度がそれぞれ異なるので, その違いを学習者に弁別させるため, 「音声」に加えて「アクション」という手がかりを付与することによって, 声調学習が短期間で適切かつ効果的に行われるであろうという視点が本研究の仮説である。この仮説を検証するため, 中国語初級クラスの35人の大学生を被験者とし, 週2コマ (90分×2) の授業で, 7週間にわたってアクションを伴った声調学習の実践をし, その後, 学習効果を調べるための事後テスト及びアンケート調査を行った。構成法を採用して仮説検証をしたところ, 単音節・2音節を含む「声調の書き取り」・「声調の発音」のすべての課題において, 高い正答率が見られ, アンケート調査においても, 当該仮説が支持される結果を得た。これらの結果から, アクションを用いた指導法は日本人の中国語初学者の声調学習を援助する効果的方法であることが確認できた。
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  • 高垣 マユミ, 田原 裕登志
    53 巻 (2005) 4 号 p. 551-564
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 相互教授による概念変容を促す教授方略を開発し, 小学4年生理科の電流概念の授業を用いて, その教授効果を実証的に検討した。授業の議論過程でいかなる概念変容が生じ, その背後にいかなる要因が深く関与しているのかを, 発話事例のカテゴリー分析と解釈的分析の2つの観点から分析した結果, 以下のことが明らかになった。1) 議論過程の導入期では,「予想と理論化」の教授方略により, 課題の状況や自己・他者の理解状態を分析する, という思考活動がもたらされる。2) 展開期では,「発見の要約」の教授方略により, 他者と自己の考え方の差異が明確化され, 認知的葛藤が生成される。3) 終末期では,「証拠と予想・理論の調整」の教授方略により, 統合的な思考が創造され, 認知的葛藤が解消されることで概念変容が促される。また, 相互教授の議論の過程で大きな認知的葛藤が生じ, 議論が行き詰まった場合には,「理論」と「証拠」を整合的に結びつける思考のガイダンスを取り入れる教授方略が概念変容を促進させることが示唆された。
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  • 岡田 智, 後藤 大士, 上野 一彦
    53 巻 (2005) 4 号 p. 565-578
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, ゲーム・リハーサルを含むソーシャル・スキル・プログラム (SS-pro) をLD, ADHD, アスペルガー症候群のある児童らに実施し, 各障害に対して効果に違いがあるか, また, 各障害別で指導の配慮点は何かを検討することであった。対象となるグループは, 小学校高学年の男児6名で構成され, 今回の研究の対象は, LDのあるA (小4), ADHDのあるB (小5), アスペルガー症候群のあるC (小5) の3名である。SS-proは,「協調的に仲間に関わること」を目的に, 月3回, 1回30~40分, 3ヵ月にわたり計8回実施された。SS-proの効果を検討するために, 自由遊び場面での行動観察, 話し合い場面での行動観察, 尺度による指導者評定などを行った。結果, AとBは, 協調的行動を増加させ, 消極的行動や攻撃的行動を減少させることができた。しかし, Cに対しては明確な効果を得ることができなかった。考察として, 障害によりソーシャル・スキルの指導方法が異なることが示唆された。そして, 般化プログラムやアセスメントを検討していくことなどが課題として残された。
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  • 相樂 直子, 石隈 利紀
    53 巻 (2005) 4 号 p. 579-590
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, A中学校における第1筆者の養護教諭及び教育相談係としての実践をもとに, 学校内の教育相談システムが構築される経過, 及びシステム構築と心理教育的援助サービスの関係について検討した。第1期では職員全体で生徒に関する問題意識を共有し, 第2期では養護教諭等がチームで援助サービスのコーディネーションを行い活動を進めた。第3期では, システムの危機場面を捉えて教育相談活動の見直しを図り, 第4期では, マネジメントによる教育相談のシステムの整備が行われた。その結果,(1) A中学校ではスクールカウンセラーの導入と中止に伴い, 教育相談のシステムや相談室職員の役割が変化したこと,(2) 養護教諭がキーパーソンとなり, チームとしてコーディネーションを行ったこと, そして (3) その時々で活用できる援助者を生かした教育相談のシステムが構築されたことが明らかになった。最後に教育相談システムが構築されるにつれ, トータルな心理教育的援助サービスの提供が可能になったことが示唆された。
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  • 53 巻 (2005) 4 号 p. 605-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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