教育心理学研究
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54 巻 , 2 号
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  • 山岸 明子
    54 巻 (2006) 2 号 p. 141-150
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では約束概念の発達を,「どの位守られるか」の問題ではなく, どのような状況では約束を守り, どのような状況では約束ではない他の状況を優先して約束を破棄するのかの観点から, 現代の小学生の発達について1981年のデータと比較しながら検討することが目的である。小2, 4, 6年生を対象に, 拘束性が異なる4つの約束場面を設定し, 約束を守ることと相反する7つの状況が生じた時にどうするかを3件法で選ぶ質問紙法の調査を行った。各項目への回答, 及びそれらの得点から構成された5種類9コの合成変量に関して分析を行った。現代の小学生も22年前と同様, 学年と共に拘束性のある約束を守るようになり, また大人志向が減るという発達的傾向があることが示された。22年前と異なる点は1)大人からの圧力で約束破棄することの減少, 2)「他者の気持」が関与する状況では約束を破棄する傾向, 3)6年生で「集団内の義務」を果たすために約束破棄することの減少が見られた。近年指摘されている「規範意識の稀薄化」と関連させて考察がなされた。
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  • 麻柄 啓一
    54 巻 (2006) 2 号 p. 151-161
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    工藤 (2003) は「花が咲けば種子ができる」という種子植物に関するルールを大学生に教示した後に, 彼らがその教示をどのように解釈しているかを探る質問を行った。その結果, 約50%の者は種子植物に当てはまる一般的な関係が教示されたとは解釈していないことが示された。またそのような者は, いくつかの種子植物に関して種子があるか否かという問題でも多くの間違いを示した。しかし工藤はなぜ彼らが一般的関係を把握できなかったについて説明していない。本研究では, ルールには例外があるかもしれないという学習者の懸念によって, 一般的関係の把握が妨害され, それによってルールの適用が妨げられるという仮説を検討しようとした。約100名の大学生に対して種子植物のルールが教示された。その際, 研究1では工藤と同様にチューリップを事例として用い, 研究2ではアブラナを用いた。いずれの場合も約70%の者が先のルールには例外があると考えていること, また他の事例に対してルールを適用できないことが明らかとなった。例外への懸念に打ち勝ってルールを適用できるようにするために, 研究3では紙面上で「かけ事態」を設定して, ある事例が, 教示されたルールで示される特徴を持つか否かの判断を求めた。その結果かけ事態では, 通常のテスト形式で質問するよりも多くの学習者がルールに基づいて解答した。その後に通常のテスト形式で質問しても, 別の事例に対してルールを適用して解答することができた。
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  • 進藤 聡彦, 麻柄 啓一, 伏見 陽児
    54 巻 (2006) 2 号 p. 162-173
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    これまで学習者の誤概念を修正するために, 反証例を用いる方法と用いない方法の2つのタイプの教授法が提案されてきた。しかし, これらの方法はそれぞれに短所を持つ。本研究ではこれら2つの教授法を組み合わせた新しい方法を提案した。それは以下の方法であった。まず, 誤概念を適用した場合には正しい解決ができない問題を提示する。続いて誤概念を持っていても解決可能な類似の問題を提示する。その問題での正しい解決に基づいて, 学習者に正しいルールを把握させ, さらにそのルールを一連の類似問題に対して適用できるようにするというものである。この方法と従来の2つの方法が誤概念の修正に及ぼす効果を検討した。76名の大学生が3群のいずれかに割り当てられた。被験者の多くは, 真空は物を吸い寄せるという誤概念を持っていた。実験の結果, 今回提案した方法は他の2つの方法より次の3点で優れていることが明らかとなった。まず, 学習者の誤概念を最も効果的に修正できた。また, 自分の知識が変化したという意識を学習者に持たせやすかった。さらに学習者の興味を喚起した。今回提案した方法は誤概念の修正に効果的であることが明らかとなった。この方法は「融合法」と名づけられた。
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  • 瀬戸 瑠夏
    54 巻 (2006) 2 号 p. 174-187
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    2001年度以降, 公立中学校へのスクールカウンセラー (以下.SC) 全校配置が決定された。これに対応して, 学校コミュニティに根ざした活動のあり方について, より詳細に検討していく必要がある。本研究では, 学校組織全体を援助する方略の一つであるオープンルームに焦点を当て, その活動の場としての面接室 (スクールカウンセリングルーム: 以下, ルーム)が, どのような機能構造を有しているのかを検討した。方法として公立中学校でのフィールドワークを行い, 質問紙調査 (研究1)・観察調査(研究2)・面接調査 (研究3) を通して, 生徒の視点からルームの機能構造を探った。その結果,「開かれた異空間」「私的な異空間」から成る重層的二空間構造を見出した。さらに, 研究1~3によって深めた仮説的知見に基づき, 11の機能カテゴリーを重層的二空間モデルとして再構成した。これにより, オープンルーム活動を通して問題解決が可能であることが示唆され,「スクールカウンセリングにおいて特徴的な, 個人面接とも日常生活とも異なる中間領域」としての意義が明らかになった。
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  • 中山 留美子, 中谷 素之
    54 巻 (2006) 2 号 p. 188-198
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 青年期における自己愛の発達的変化について,「2種類の自己愛」という枠組みを用い, 横断的方法により検討を行った。研究1では, 理論的に指摘される「2種類の自己愛」を測定する尺度を作成した。研究2では, この尺度を中学生から大学生までの青年1114人に対して実施した。下位尺度得点を用いて青年の自己愛を「誇大型」「過敏型」「混合型」「低自己愛群」の4下位型に分類し, 各下位型の生起率を学年ごとに算出して, これを比較した。その結果, 自己愛は全体として, 中学生から高校生にかけて高揚し, 高校3年生付近でピークを迎えることが示唆された。また, GHQ (精神的健康調査票) 得点との関連から, 下位型によって適応の高さに違いがあることが明らかになり, ここから, 青年期の自己愛が適応と関連していることが示唆された。
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  • 市原 学, 新井 邦二郎
    54 巻 (2006) 2 号 p. 199-210
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では中学生を対象に, 数学学習場面での「動機づけ信念-学習方略-学習成果」の動機づけモデルを構成して, メタ認知活動がそれらの関係性を変化させるという調整効果を持っているのではないかと予想し, 検討した。動機づけ信念の尺度には成功期待と課題価値を, 学習方略の尺度には暗記・反復方略と意味理解志向的方略を, 学習成果の尺度には1学期期末テスト得点を使用した。メタ認知尺度得点にもとついて調査対象者をメタ認知低群・中群・高群の3群に分けて測定方程式モデリング・多母集団同時分析を行った。メタ認知低群と高群を比べると, 動機づけ信念と意味理解志向的方略の関係, 学習方略と学習成果の関係において違いが見られた。またメタ認知中群では他の群に比べて, 動機づけ信念, 学習方略, 及び学習成果の関係が弱かった。これらのことからメタ認知活動は曲線的な調整効果を持っているということが示唆された。
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  • 島本 好平, 石井 源信
    54 巻 (2006) 2 号 p. 211-221
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 社会的スキルを内包するライフスキルを多面的に測ることができる多次元の尺度の開発であった。その際, ライフスキルを「効果的に日常生活を過ごすために必要な学習された行動や内面的な心の働き」と定義し, ライフスキル研究と社会的スキル研究をもとに項目の作成を行った。内容的妥当性の検討と予備調査による項目の精選の後に選定された42項目に対して, 729名の大学生に反応を求めた。探索的因子分析の結果, この尺度は主に個人場面で展開されるスキルを表す個人的スキル (計画性, 情報要約力, 自尊心, 前向きな思考) と, 主に対人場面で展開されるスキルを表す対人スキル (親和性, リーダーシップ, 感受性, 対人マナー) という2つに大きく分類される8下位尺度 (計24項目) から構成されることが示され, 「日常生活スキル尺度 (大学生版) 」と命名された。また, 本尺度はデータへの適合もよく, 各下位尺度と尺度全体にはおおむね満足できる信頼性・妥当性が認められた。
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  • 伊藤 正哉, 小玉 正博
    54 巻 (2006) 2 号 p. 222-232
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大学生の主体的な自己形成として自律性, 可能性追求意識, 現状改善意識を取り上げ, これらに影響する内的要因として本来感, 自己価値の随伴性, 自尊感情を検討した。以上の変数を測定する尺度を含んだ質問紙が大学生男女220名に実施された。邦訳された自己価値の随伴性尺度についての尺度分析の結果, その信頼性と妥当性が確認された。多変量重回帰モデルを検討した結果, 本来感は自律性, 可能性追求意識, 現状改善意識に正の影響を与えており, 自己価値の随伴性は自律性には負の影響を与えている一方で, 現状改善意識には正の影響を与えていた。また, 自尊感情は自己形成に影響を与えてはいなかった。以上の結果から, 大学生の主体的な自己形成の理解において, 単なる自尊感情の高低に注目する視点を精緻化させ, 本来感と自己価値の随伴性を考慮する有用性が考察された。
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  • 崔 宇華
    54 巻 (2006) 2 号 p. 233-242
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中国の中学生における欠席願望の実態を調べ, 登校理由, 欠席理由, 学校環境適応感など学校生活の各側面から学校忌避感に及ぼす影響を検討することである。中国の上海市, 北京市, 新郷市と蘭州市4都市の普通中学校の中学生 (男子628名, 女子589名, 不明13名) を対象に, 質問紙法による調査を行った。欠席願望を調べた結果, 何らかの程度で学校を欠席したいと考えている生徒は半数以上存在していることが確認された。一方で, 生徒の年間欠席状況について教師にアンケートした結果, 4つの学校ではいずれも不登校の生徒がいないと報告された。中国都市部の中学生は欠席願望を持っていても, 不登校に陥らず続けて登校していることが分かった。さらに, 中学生の学校忌避感を抑制する要因として, 教師関係への適応は友人関係への適応以上に作用していることが明らかになった。
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  • 栗原 慎二
    54 巻 (2006) 2 号 p. 243-253
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 摂食障害で不登校に陥った女子高校生に対して教員が支援チームを作って関わり, 無事卒業していった事例を通じて, 学校教育相談における教員によるカウンセリングやチーム支援のあり方について検討することを目的とした。本事例の検討を通じてチーム支援の有効性が確認されるとともに, 以下の点が示唆された。(1) 学校や教員の特性を生かしたチーム支援の有効性と可能性,(2) 学校カウンセリング独自の目標設定と方法選択の重要性,(3) コアチームのメンバー構成の重要性,(4) 学校における秘密保持のガイドライン作成の必要性。
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  • 菊地 一彦, 中山 勘次郎
    54 巻 (2006) 2 号 p. 254-264
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    中学生は, 英語学習の中で特にリスニング活動に対して苦手意識を持つ傾向が強い。このため本研究では,“生きた”英語に接する機会を提供する外国映画 (ここでは英語話者の俳優によって会話される映画をさす) を, 教材として用いることが試みられた。外国映画は, リスニングする場面に魅力的な文脈を与え, また英語表現に対する様々な発見をもたらすことを通じて, 英語リスニングへの内発的興味や挑戦意欲を喚起し, 学習を促進すると予測された。実際の外国映画の一場面を視聴する条件の他, 同一内容を静止画とALTによる吹き替えで提示する条件, 日常場面での会話に置き換えてALTが演じる条件の3つの教材が比較された。その結果, 外国映画群は教材への興味や有能感が最も高かっただけでなく, 教材を用いた家庭学習にも自発的に取り組み, さらにリスニング得点も他の群より向上していた。これらの結果は,“生きた”英語に接する機会を提供し, 内発的興味を喚起する諸要因をも備えた外国映画を, リスニング教材として用いることの有効性を支持するものであった。
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  • 村山 航
    54 巻 (2006) 2 号 p. 265-279
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    学習者は, テストを受ける中で,“テスト作成者はこういったことを評価したいのだ”とその評価基準・意図を推察し, それにあわせて自らの学習行動を変化させることがある。本稿では, そのような現象を“テストへの適応”と呼び, 関連領域を包括的に概観しながら,1) 実証的にどのような形で支持されているのか,2) どのような教育実践上の問題点を持っているのか,3) その問題を解決するための視点として何が考えられるか, の3点に関して検討を行った。実証的な支持に関しては, テスト期待効果研究と学習方略研究を取り上げ, それらを統合的に捉える仮説を提出した。問題点としては“学習行動の危機”と“妥当性の危機”という2点を指摘した。最後にこれらの問題を解決するために, テストワイズネス・テストスキルの個人差の排除, 新しい評価 (alternative assessment) の導入, インフォームドアセスメント (informed assessment), 妥当性概念の拡張, 表面的妥当性への意識, という5つの視点を提出した。
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  • 54 巻 (2006) 2 号 p. 285-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 54 巻 (2006) 2 号 p. 286-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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