教育心理学研究
検索
OR
閲覧
検索
54 巻 , 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 杉本 希映, 庄司 一子
    54 巻 (2006) 3 号 p. 289-299
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,「居場所」の心理的機能の構造とその発達的変化について検討した。「居場所」の心理的機能の構造を分析するために, 自由記述により得られた居場所の選択理由と先行研究を検討して作成した尺度を用いて, 小・中・高校生を対象に調査を行った。その結果,「居場所」の心理的機能には, 「被受容感」「精神的安定」「行動の自由」「思考・内省」「自己肯定感」「他者からの自由」の6因子があることが明らかとなった。「居場所」を他者の存在により,「自分ひとりの居場所」「家族のいる居場所」「家族以外の人のいる居場所」に分類した結果, 小学生では「家族のいる居場所」, 中・高校生では「自分ひとりの居場所」が多いことが明らかとなり, 発達段階により選択される「居場所」が異なってくることが示された。この3分類により心理的機能の比較分析を行った結果, それぞれの「居場所」の固有性が明らかとなった。
    抄録全体を表示
  • 細野 美幸
    54 巻 (2006) 3 号 p. 300-311
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 第1に, 表面的類似性の有無によって関係類似性および構造類似性を手がかりにした幼児の類推に差が生じるか否か, 第2に, 差が生じる場合, 表面的類似性の効果は共通ルールの抽出に関連するのか否か, について検討した。実験1で関係類似性に焦点を当て, 4歳・5歳児に対して3つ組みのカード選択課題を呈示した. その際, 標準刺激と選択肢に表面的な類似性がある課題と, 表面的な類似性がない課題を用意した。結果から, 表面的な類似性がない場合, 4歳では関係類似性を手がかりに類推するのが困難だが, 5歳なら, 表面的な類似性の有無にかかわらず類推できることが明らかになった。実験2では, より難度の高い構造類似性に焦点を当て, 4歳・5歳・6歳児に対して同様の方法で実験を行った。結果から, 4歳から6歳へと加齢するにしたがい構造類似性を手がかりに類推できるようになるが, 表面的類似性の有無にかかわらず類推可能なのは6歳からであることが明らかになった. さらに理由づけ内容の分析より, 4歳から6歳に加齢するにしたがい共通ルールに言及した理由づけを多く行うようになり, どの年齢においても, 表面的類似性がある場合は, ない場合に比べて, 共通ルールに言及した理由づけが多くなることが示された。以上の結果から, 表面的類似性の効果は, 類推において共通ルールを抽出できるか否か, に関連している可能性が示唆された。
    抄録全体を表示
  • 加藤 司
    54 巻 (2006) 3 号 p. 312-321
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 対人ストレス過程において, 友人関係に関する目標が果たす役割を検証した。514名の大学生を対象に, 友人関係の目標, 対人ストレスコーピング, 精神的健康などを測定した。友人関係目標に関する指標を用いたクラスタ分析の結果から, 被調査者を深い広い友人関係, 深い狭い友人関係, 浅い広い友人関係, 浅い狭い友人関係の4つのクラスタに分類した。部分的にではあるが, 友人関係の目標によって, 対人ストレスコーピングと精神的健康との関連性が異なることが明らかになった。特に, 浅い広い友人関係を目標とするクラスタにおいて, 解決先送りコーピングと精神的健康とに正の関連性がみられた。対人ストレス過程において, 友人関係目標が果たす役割の重要性が論じられた。
    抄録全体を表示
  • 岸 俊行, 野嶋 栄一郎
    54 巻 (2006) 3 号 p. 322-333
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 学校現場において行われている授業実践がどのような特徴を有しているのかを明らかにする目的から, 小学校1年から6年までの国語の授業, 全54授業を対象に, 教師発話・児童発話のカテゴリー分析を行った。同一クラスにおける授業日別の教師発話の相関分析を行った結果, 全てのクラスにおいて非常に高い相関を示した。同等性の検定の結果, クラス内の相関において有意差は見られなかった。このことから, 教師の授業の安定性とともに, 教師の持っている教授方略が教師の内面においてかなり固定化されていることが示唆された。教師の発話カテゴリーをもとに行ったクラスター分析の結果, 教師の発話は受け持つ学年によらず, 教師個人の教授スタイルによって分類されることが明らかになった。児童の発話カテゴリーをもとに行ったクラスター分析の結果, 児童の発話は学年の変化による分類の可能性が示唆された。
    抄録全体を表示
  • 今田 里佳, 小松 伸一, 高橋 知音
    54 巻 (2006) 3 号 p. 334-345
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    中学1年から3年までの生徒302名を対象に集団式注意機能検査バッテリーを実施した。下位検査を分析した結果, 異なる注意機能の発達的推移が明らかになった。すなわち, 行動抑制成分は年齢推移に伴う向上が認められなかったのに対し, 選択的注意成分は中学生においても有意な成績の上昇を確認した。相関分析の結果, 行動抑制成分は持続的注意よりも選択的注意と密接に相関していることが判明した。教師によって注意に問題があると評定された生徒は, 行動抑制指標において成績が低いことが見出された。注意の問題についての自己評定の結果が教師評定の結果と一致していた生徒は, 選択的注意指標において優れた成績を示した。このことから, 注意の問題をもっていたとしても, そのことを自己認知できている生徒は, 注意の問題をもっていない生徒と同程度に, 選択的注意課題を遂行できるという可能性が示唆された。
    抄録全体を表示
  • 香川 秀太, 茂呂 雄二
    54 巻 (2006) 3 号 p. 346-360
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 密接に関連する状況間の移動と学習に関する状況論的な諸議論に新たな知見を追加するため, 看護学校内学習から周手術期の臨地実習へ移動する看護学生の学習過程を検討した。研究1では観察を行い, 「校内では, 学生は, 根拠に基づいて看護することの重要性が実感できず, その学習が希薄になってしまう傾向にあるが, 臨地実習に入ると, その重要性をより実感して厳密に実施することを学習する。それはなぜか。」という問いを設定した。研究IIでは, 実習期間終了直後の学生に半構造化面接を実施し, 修正版グラウンデッドセオリーに基づく分析を行い, この学内と臨地の差異の背景と考えられるものの一つを,【時間の流れ】の相違 (異時間性) として概念化した。臨地では, 学生の現在の行為が未来の患者の容態変化と繋がっている (共時) 上, 学生は, 患者の変化のつど, 継続的に行為を調整していく (通時) が, 学内では, 学生の現在の行為は看護対象の未来の容態変化ではなく, 合格・不合格と繋がっている (共時) 上, 対象と行為の関係が一時点で終わる (通時)。こうした異時間性が, 根拠立ての重要性の実感の差異を説明することが示唆された。
    抄録全体を表示
  • 外山 美樹
    54 巻 (2006) 3 号 p. 361-370
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 小学4~6年生670名を対象にして, 社会的コンピテンスにおけるポジティブ・イリュージョンが, 8ヵ月後のストレス反応と攻撃行動の変化に及ぼす影響を検討することであった。本研究の結果より, 子ども自身が抱えるストレスの程度によって, ポジティブ・イリュージョンの効用が異なることが実証された。ストレス反応があらかじめ高い児童においては, 社会的コンピテンスのポジティブ・イリュージョンがストレス反応の低減につながることが示された。また, 本研究の結果より, 最初に子どもが備えもつ攻撃行動の水準によって, ポジティブ・イリュージョンの影響が異なることが示された。もともと高い攻撃水準を備えもっていた子どもに対しては, ポジティブ・イリュージョンの有害な影響が認められ, 8ヵ月後, さらに攻撃行動が増加することが明らかになった。
    抄録全体を表示
  • 高橋 亜希子, 村山 航
    54 巻 (2006) 3 号 p. 371-383
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    総合的な学習 (総合学習) の時間の導入から3年が経過し, 成果の一方さまざまな困難も指摘されている。総合学習で生徒への適切な支援やカリキュラム編成を考えていくためには, 総合学習の達成を促進する要因を検討する必要がある。本研究では, 先行研究ではあまり検討されてこなかった総合学習に特徴的な学習様式に着目し, 総合学習を達成するために必要な要因を検討した。特に, 量的検討と質的検討を組み合わせた手法を用いて, 探索的な検討を行った。調査1では, 総合的な学習に参加した高校生 106人に対して質問紙調査を行った。その結果, 教科の成績のみならず, テーマ決定や学習者の意欲・作業の進捗状況などが, 総合学習の成績と相関を持つことが示された。調査2では, 調査1において残差が大きかった生徒を抽出してインタビューを行い, 事例を通した質的な検討を行った。その結果,「生徒の自我関与の深い領域とテーマとの結びつき」「研究の枠組み・計画の明確性」「情報収集や支援・資源へ向かう能動性」「教師からの適切な支援の有無」の4つの主要な要因が得られた。それぞれの要因に関して, 総合学習独自の学習様式との関連から考察を行った。
    抄録全体を表示
  • 倉掛 正弘, 山崎 勝之
    54 巻 (2006) 3 号 p. 384-394
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    うつ病予防の重要性が指摘され, 欧米では早くから心理学を基盤とする児童期, 青年期を対象としたうつ病予防介入が実施され, 大きな成果を上げてきた。日本においては, うつ病の低年齢化が指摘されているにもかかわらず, 現在, 児童を対象としたうつ病予防介入は全く行われていない。このような現状をふまえ, 本研究では, 心理学的理論にもとつく教育現場で実施可能な小学校クラス集団を対象とするうつ病予防教育プログラムの構築, 実践, その教育効果及び効果の持続性の検討を行うことを目的とした。プログラムは, うつ病の構成要因とされる認知・感情・行動の3つの要因に対し, 総合的に介入を行い, 抑うつ傾向を改善することで, うつ病予防を目指している。さらにこのプログラムを実際の小学校教育現場において実践し, その教育効果と効果の持続性について検討を行った。その結果, 教育効果とその効果の持続性が部分的に確認され, 本プログラムが, うつ病予防総合プログラムとして有効であることが示唆される結果が得られた。
    抄録全体を表示
  • 浜谷 直人
    54 巻 (2006) 3 号 p. 395-407
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 通常学級の軽度発達障害児等の教育実践を支援する巡回相談のあり方を検討するための支援モデルを提示することを目的として, 一つのタイプの巡回相談を分析の対象とした。研究1で, 成功した相談事例の相談過程と相談後の関係者による評価を分析したところ, アセスメントに基づいた所見と助言によって, 教師は対象児の障害などについて理解し, それまでの教育実践を評価し, 教育実践方針を作成するという第1次支援が実現され, その結果, 教職員の協力関係や保護者との関係, 専門機関との連携という第2次支援が実現された。それらの結果, 教師は心理的に安定し, 実践への意欲が高まるという第3次支援が実現された。研究2で, 12事例の支援機能について教師からの評価を分析したところ, 巡回相談によって有効に支援できた事例から, 支援が限定的であった事例まで, 支援効果のレベルで3群に分けることができた。対象児の障害と学年, 学級の状態, 家庭での養育などの要因が, 支援が有効に機能する際に影響を与えることが示唆された。最後に, 巡回相談のあり方は, 心理学的な方法論と, 実務的な制約の2つの点から検討されるべきであることを考察した。
    抄録全体を表示
  • 田中 幸代
    54 巻 (2006) 3 号 p. 408-419
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 保育士資格取得のために保育実習を行う予定の学生を対象として, 大学の授業場面において, 同学年モデルの保育実技を観察すること, およびモデルとなることが, 学生の8種類の保育実技の準備および自己効力に及ぼす効果を検討した。また, モデルが事前の準備に費やした時間, 熱心度, 示範に対する自己評価, 観察者の反応が, モデルの自己効力にどのような影響を及ぼすのかも検討した。その結果,(1) 同学年モデルを観察することによって, 学生の保育実技の準備や自己効力の程度は高まることがある。しかしながら, その効果は観察する保育実技の種類によって違いがある,(2) モデルとして示範する経験は, 示範する保育実技の種類にかかわらず, 学生の保育実技の準備や自己効力の程度を高める,(3) モデルが, 示範の準備に時間をかけて取り組んだり, モデル自身が示範に対する観察者の反応が良いと感じることで, モデルの自己効力はさらに高くなる, ことが示された。これらの結果は, 大学の授業において, 同学年モデルを観察したり, モデルとして示範する経験が, 学生の学習効果に寄与する可能性があることを示唆している。
    抄録全体を表示
  • 渡部 麻美
    54 巻 (2006) 3 号 p. 420-433
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 主張性の理論的概念と, 主張性尺度に見られる測定概念との異同について考察した。主張性の理論的概念には, 「考えや感情の素直な表現」, 「感情に流されない主張」, 「他者や状況への配慮に基づいた柔軟な対応」, 「行動に対する主体的判断」の4要件が含まれていた。従来の主張性尺度を, 測定対象の観点から4つに分類して検討した結果, 4要件を十分に測定する尺度は存在しないことが明らかになった。さらに, 従来の主張性尺度を構成する因子について検討を行ったところ, 主に行動の種類を基準として因子に分かれていることが判明した。従来の尺度が4要件を十分に測定しない理由は, 行動的側面に焦点を当てているためであると考えられた。そこで本研究では, 主張性尺度研究に, 認知的側面, 情動的側面, 行動的側面からの検討を導入することを提案した。これらの3側面から検討することによって, 主張性の4要件を測定することができるようになると考えられる。それに伴って, 主張性の測定概念が充実化し, より理論的概念に即した主張性の測定を行うことが可能になるだろう。
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top