教育心理学研究
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54 巻 , 4 号
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  • 萩原 康仁, 大内 善広
    54 巻 (2006) 4 号 p. 441-452
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 指導と評価に関する教師の取組みが, 通信簿における生徒の評定結果に対する納得感に与える影響について, 中学校第2学年の外国語科を対象として, 共分散構造分析の2段抽出モデルを用いて検討した。具体的には, 教師の「指導と評価に関する説明」と「指導と評価の一体化」の2つの取組みが, そもそも生徒たちに受けとめられているのかを確認した上で, その「受けとめ」が「評定結果の納得感」に影響しているのかを検討した。その結果, 教師の2つの取組みはともに, 生徒たちに適切に受けとめられていた。さらに,「指導と評価に関する説明」については, その「受けとめ」が生徒たちの「評定結果の納得感」に影響を与えていることが示された。最後に, 指導と評価に関する教師の取組みの在りようについて議論された。
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  • 中井 大介, 庄司 一子
    54 巻 (2006) 4 号 p. 453-463
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学生の教師に対する信頼感の内容を尺度を作成する中で明らかにし, 中学生の教師に対する信頼感とその規定要因について検討した。中学生345名を対象に調査を実施した。分析1では, 生徒の教師に対する信頼感尺度を作成し, 信頼性と妥当性を検討した。その結果,(1) 生徒の教師に対する信頼感尺度には「安心感」,「不信」,「正当性」の3つの下位尺度があること,(2)「安心感」,「不信」,「正当性」については, 学年によって有意に得点が異なることが明らかになった。分析2では, 生徒の教師に対する信頼感とその規定要因について検討した。その結果,(1) 各学年とも「基本的信頼感」「保護者の信頼感」が「不信」に影響しており, 生徒の教師に対する信頼感には家庭の要因も関連すること,(2)「安心感」「正当性」においては, 各学年とも共通して「ソーシャル・サポート」が影響を与えており, 生徒の教師に対する信頼感には教師からのソーシャル・サポートが重要な要因であること,(3)「不信」には,「STT尺度」のポジティブな2因子である「安心感」「正当性」と比べ, より多くの要因が関連していること, などが明らかになった。
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  • 井関 龍太, 川崎 惠里子
    54 巻 (2006) 4 号 p. 464-475
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    物語文と説明文から形成される状況モデルは異なるのか, 異なるとすればどのように異なるのかを検討した。研究の枠組みとして, 状況モデルに5つの状況的次元 (同一性, 時間性, 空間性, 因果性, 意図性) を仮定するモデルを採用した。このモデルによれば, 各状況的次元において連続的なイベントは互いに強く連合されるはずである。本研究では, イベント問の連合の強さを動詞分類課題における分類パターンによって測定した。実験1では, 昔話と説明文を比較した。分析の結果, 物語文と説明文では状況的次元の寄与が異なること, 特に, 空間性と意図性において異なることが示唆された。実験2では, 昔話を小説に変えて追試を行い, 空間性, 意図性, 距離の要因に異なる寄与を仮定する複数のモデルの適合度を比較した。その結果, 空間性と意図性の寄与において差があるとするモデルが最もよい適合を示した。物語文では空間性の寄与が見られないのに対して, 説明文では負の効果が認められた。また, 物語文では意図性が連合を強めたのに対して, 説明文ではほとんど効果が見られなかった。最後に, この結果の理論的意義及び実践的意義について論じた。
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  • 山川 賀世子
    54 巻 (2006) 4 号 p. 476-486
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, George & Solomon (1990/1996/2000) によって提案された, 子どもの愛着の新しい測定具であるAttachment Doll Playが, 日本の子どもに実施可能であるか, 妥当であるかを検討した。Doll Playの教示を日本の子どもにわかるように変更した後, 5~6歳の幼稚園児56名にDoll Playを実施し, 更に, 母子分離の後の母親との再会場面での子どもの愛着行動を観察した。
    その結果,(1) 日本の女児も男児も, Doll Playに対して, アメリカの子どもと類似した反応を示したこと,(2) 愛着をA, B, C, Dの4タイプに分類する原手引の基準は, 日本の子どもに対しても適応可能であったこと,(3) Doll Playと母子再会場面での子どもの愛着行動との間には有意な一致がみられ (k=.62; p<.001), 妥当性が確認されたこと, が示された。最後に, 文化がDoll Playに与える影響と, Doll Playを用いた今後の研究について述べた。
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  • 池田 幸恭
    54 巻 (2006) 4 号 p. 487-497
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 青年期における母親に対する感謝の心理状態について明らかにすることである。そのため, 母親に感謝しているときに感じる気持ちと, 自分が苦労しているのは母親のせいだと感じる気持ちを合わせて検討した。中学生, 高校生, 大学生の585名に質問紙調査を実施した結果, 次の3点が示された。(1) 母親に感謝しているときに感じる気持ちとして, 援助してくれることへのうれしさ, 産み育ててくれたことへのありがたさ, 負担をかけたことへのすまなさ, 今の生活をしていられるのは母親のおかげだと感じる気持ちという4種類の気持ちが抽出された。(2) 援助してくれることへのうれしさ, 産み育ててくれたことへのありがたさ, 今の生活をしていられるのは母親のおかげだと感じる気持ちは, 青年期のどの時期でも感じられていた。(3) 青年期における母親に対する感謝には, 自分が苦労しているのは母親のせいだと感じる傾向がみられる要求的な心理状態から, 負担をかけてすまないと感じる自責的な心理状態が現れ, そして負担をかけたことへのすまなさと自分が苦労しているのは母親のせいだと感じる傾向が小さくなる充足的な心理状態が現れるという変化の順序性がみられた。
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  • 石井 怜子
    54 巻 (2006) 4 号 p. 498-508
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 図表呈示と未完成図表の完成タスクが第二言語の読み手の説明文理解に及ぼす影響を検証した。第二言語学習者は, 中~上級になっても言語処理になお困難があり, 認知資源容量の制約から, 読む過程で結束的なテクスト表象を形成することが難しい。図表は第二言語の読み手の言語処理の負担を減じ, 外的表象として, テクスト中のアイデアの記憶保持とその統合を助けると予想される。実験参加者は成人中級後半日本語学習者40名で, 実験計画は図表呈示群・未完成図表完成群・統制群の被験者間要因計画である。約1800字の歴史説明文を用い, 母語による筆記再生を, テクスト構造における階層及びテクストの冒頭から終結部に至る全体把握の2つを指標にして分析した。結果は, 中位階層とテクスト後半部で, 呈示群が統制群より有意に多く再生した。図表の呈示は, 重要なアイデアを選び取り構造化するのを助けることが示唆された。他方, 完成群は上位のアイデアの再生が統制群より有意に低かった。図表完成タスクは, 言語の表層レベルの処理に終わるような場合には, 必ずしも理解を促進しないことが示唆された。
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  • 河内 清彦
    54 巻 (2006) 4 号 p. 509-521
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 障害者等との自主的な接触を障害者についての関心度と友人関係, 及び障害者などへの助力的援助, 親密な援助, ボランティア活動の5つに分け, それらと障害学生との交流に対する健常学生の抵抗感との相対的関連を検討した。このため,「関係」と「主張」の2尺度 (河内, 2003) を用い569名の健常学生に質問紙調査を実施した。2尺度の刺激人物の4障害条件 (視覚, 聴覚, 運動, 健常) 別に数量化理論1類を適用した。その結果, 視覚と聴覚の障害条件では障害者への関心度と障害のある友人との関係が「関係」尺度と, また障害者等への助力的援助が「主張」尺度と関連が強く, 関心度や助力的援助頻度が高く, 障害のある友だちのいる者は障害学生との交流への抵抗感の弱いことが明らかになった。しかし聴覚障害条件だけに関連のあったボランティア活動では, 過去経験者は未経験者よりも抵抗感が強く, 負の成果が示唆された。一方, 親密な援助は, 全てで関連が認められず, 抵抗感と障害者との自発的な接触とが単純な関係にないことも明らかとなった。また, 「関係」尺度では, 刺激人物の障害条件と友人の障害種別との間で, 抵抗感の程度に対応関係が認められた。
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  • 松岡 弥玲, 加藤 美和, 神戸 美香, 澤本 陽子, 菅野 真智子, 詫間 里嘉子, 野瀬 早織, 森 ゆき絵
    54 巻 (2006) 4 号 p. 522-533
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 成人期を対象に, 複数の他者 (子ども, 配偶者, 両親, 友人, 職場の人) から望まれている自己 (他者視点の理想自己) と現実自己のズレが自尊感情に及ぼす影響について, 性, 性役割観, 世代, 就業形態との関連から検討した。調査参加者は就学前もしくは大学生の子どもを持つ成人期 (子育て期, 巣立ち期) の男女計404名。自尊感情を基準変数, 5つの他者視点の理想-現実自己のズレを説明変数とした重回帰分析を行った結果, 際立った性差がみられ, 全体的に男性は職場のみ, 女性は複数の他者 (子ども, 友人, 両親のうち2者) の視点からの理想-現実自己のズレが自尊感情に影響していた。また, 性役割観の違いによってどの他者視点から影響を受けるのかが異なり, 子育て期の男性では伝統主義の場合は職場が影響していたが, 平等主義群では子どもが影響していた。女性においては性役割観の違いが両親と友人の影響の差として現れ, 世代差は子どもと職場の影響の違いにみられた。就業形態別では, 専業主婦は両親のみが影響していた。以上のことから他者視点の理想-現実自己のズレが自尊感情に及ぼす影響は性, 性役割観, 世代, 就業形態によって異なることが示された。
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  • 布施 光代, 小平 英志, 安藤 史高
    54 巻 (2006) 4 号 p. 534-545
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 児童の積極的な授業参加行動に関して, 動機づけとの関連, および学年・性による頻度の差異, 教師評定との対応を検討することであった。まず, 教師の視点を手がかりとして積極的授業参加行動を表す項目の収集を行った。次に, 教師・児童に対して質問紙調査を実施し, 動機づけとの関連, 学年・性差を検討した。また, 教師と児童の認知の一致の程度および教師の指導スタイルとの関連についても検討を行った。その結果,(1) 児童の積極的授業参加行動は,「注視・傾聴」,「挙手・発言」,「準備・宿題」の3側面に要約可能であること,(2) 積極的授業参加行動の中でも, 児童の動機づけと最も関連が強いのは「注視. 傾聴」の行動であること,(3) そのような行動は, 全般的に学年が上がるとともに減少する傾向がみられること, が明らかとなった。また, 教師の認知や指導スタイルとの関連については,(4) 積極的授業参加行動には, 教師が把握しやすい児童の行動と捉えにくい行動が含まれること,(5) 教師の指導スタイルが児童の積極的授業参加行動の頻度や自身の行動の認識と関連することが示された。
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  • 小泉 令三, 若杉 大輔
    54 巻 (2006) 4 号 p. 546-557
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    多動傾向のある小学2年生男児Aの立ち歩く, 突然衝動的な行動を起こす, トイレに引きこもる, 遊びの邪魔をするなどの問題行動を改善させるために, 個別指導とクラス対象の社会的スキルトレーニング (CSST) を組み合わせた5回の授業を, 1週間に1回ずつ5週間にわたって実施した。その結果, CSST 終了後, 授業中の児童Aの問題行動はほぼ見られなくなり, 休み時間にも友だちと一緒に遊ぶことができるようになった。児童Aの観察者評定, ソシオメトリック指名法による社会測定地位指数, 教師評定, そして自宅での保護者評定の得点が上昇した。多動傾向のある児童の教育的支援に関して, 個別対応のみならず, クラス集団内での相互作用を考慮した介入を行うことの有効性を示すことができた。なお, 実施に当たっては担任教師だけでなく, 補助者の必要性を確認することとなった。
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  • 高垣 マユミ, 田原 裕登志, 富田 英司
    54 巻 (2006) 4 号 p. 558-571
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 小学5年生理科での振り子の学習単元において, 「児童が振り子の運動を測定・集計する際にその手続きを支援する学習ツール」と学習者が協同で能動的に学習に取り組む活動形態としての“GIsM”L (Palincsar et al., 2000) を組み合わせた学習環境をデザインし, これらの学習環境下で生成された観察・実験の談話過程を分析した。分析の結果, 振り子の各課題の困難度の違いによって, 異なる説明活動が先行概念の変化を促す要因として深く関与していることが示唆された: (1) 理解の困難度が低い課題 (ひもの長さ) の場合, 物理現象を『先行概念』と関連づける説明活動,(2) 困難度が中程度の課題 (おもりの重さ) の場合, 納得がいくまで何度も観察・実験を繰り返す『反復性』, 物理現象を数の領域ヘマッピングし『数学的関係』を用いて理解する説明活動,(3) 困難度が高い課題 (振れ幅の大きさ) の場合, シミユレーションを繰り返す過程で. 何度も予測に立ち返り『予測精度』を上げながら理論を解釈し直す説明活動。さらに,(4) 小集団における理論構築を踏まえた上で「クラス全体」の討論で理論を再構築する場において, 他グループのデータや理論を照合する『社会的参照』, 個別の理論を組織的に統合する教師の視点を受け入れる『情報の信頼性』の説明活動が生成された場合, 振り子の全課題に対して科学的概念の変容が促される可能性が示唆された。
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  • 石川 信一, 戸ヶ崎 泰子, 佐藤 正二, 佐藤 容子
    54 巻 (2006) 4 号 p. 572-584
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 児童青年に対する抑うつ予防プログラムのレビューを行うことであった。初めに, 抑うつのリスクファクターには, 個人的要因, 社会的要因, 認知的要因, 家族の要因, 外的な出来事要因があることが示された。このリスクファクターを軽減するための予防的介入要素は以下の4つに分類できることが分かった。(1) 環境調整,(2) 社会的スキルの獲得,(3) 問題解決能力の向上,(4) 認知への介入である。次に, 予防研究をユニバーサルタイプとターゲットタイプ (indicatedとselectiveの予防プログラム) の2つに分類した。先行研究の多くは, ターゲットタイプのプログラムは抑うつの予防に効果があることを示している。一方, ユニバーサルタイプの結果は一貫していない。特に, 長期的予防効果についての実証はあまりなされていない。最後に, 抑うつ予防研究における実践と研究における示唆について議論がなされた。
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