教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
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55 巻 , 1 号
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  • 竹村 明子, 前原 武子, 小林 稔
    55 巻 (2007) 1 号 p. 1-10
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, スポーツ系部活参加の効果を, Nicholls (1992) の目標理論の枠組みにより, 明らかにすることであった。そのため, スポーツ系部活に参加する高校生 (部活群) 231名と, 部活に参加しない高校生 (非部活群) 200名とを対象に, 学業の目標志向性および適応 (無気力感・授業満足感) を測定し, 比較検討を行った。その結果, 部活群は非部活群に比べて, 課題志向性 (個人の能力の発達を目標とする志向性) および協同性 (仲間と協力することを目標とする志向性) が高いことがわかった。そして部活群は非部活群に比べて, 無気力感3因子のうちの自己不明瞭感が低く, 授業満足感が高いことから, 適応が良好であることがわかった。さらに, 部活群・非部活群ともに, 課題志向性が高いことは低い無気力感を説明することが, 一方授業満足感については説明できないことが明らかとなった。従って, スポーツ系部活は高校生の目標志向性および適応に対して概ね肯定的効果があることが明らかとなった。しかし, その効果は目標志向性の内容および適応の指標により異なるメカニズムをもつことが示唆された。
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  • 金田 茂裕
    55 巻 (2007) 1 号 p. 11-20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    私たちは日常生活の様々な場面で解が1つに決まらず複数ある数的問題に直面する。しかし, 児童は小学校の算数で解が1つに決まる問題にしか取り組んでいない。本研究では, 児童が答えが複数ある文章題に取り組む学習経験を通して複数解を考える数的思考をおこなえるようになることの学年差とその効果を検討した。児童287名を対象とした研究1の結果, 5年生は2, 3, 4年生より複数解を考える数的思考をおこなえるようになりやすいこと, その効果は別の種類の問題解決に応用できる点に認められること, 一般的な算数の問題の解決には悪影響がないことが明らかになった。同様の結果は, 5年生59名が学習経験を3週間で3回にわたって繰り返した研究2でも確認された。これらの結果から, 5年以降の算数において複数解を考える数的思考を育てる取り組みを開始することは意義があると考察した。
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  • 上長 然
    55 巻 (2007) 1 号 p. 21-33
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 思春期の身体発育と抑うつ傾向との関連について, 思春期の身体発育の発現が直接抑うつ傾向に影響するのか, 思春期の身体発育が発現に対する受容感や身体変容行動を媒介として抑うつ傾向と関連するのかを検討することを目的として実施した。中学生870名 (男子445名, 女子425名) を対象に思春期の身体発育の発現状況, 思春期の身体発育の発現に対する受容感, 身体変容行動 (体重減少行動・体重増加行動), 露出回避行動, 身体満足度, 抑うつ傾向について測定した。その結果, 1) 男子においては思春期の身体発育の発現は抑うつ傾向と直接的にも間接的にも関連していなかった。2) 女子においては, 皮下脂肪がついてきたことにおいて抑うつ傾向と直接的な関連がみられたが, 他の身体発育では見られなかった。3) 女子においては, 思春期の身体発育の発現は, 発現に対する受容感が身体満足度と露出回避行動を媒介にして抑うつ傾向に関連するという構造が示された。
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  • 徳舛 克幸
    55 巻 (2007) 1 号 p. 34-47
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 若手小学校教師 (教師歴1年目~3年目) の教師の実践共同体への参加の過程を正統的周辺参加 (Lave & Wenger, 1991) 概念を主な分析の視点として検討した。半構造化面接によって調査を実施し, トランスクリプションを作成した。そして, 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ (木下, 1999, 2003) を分析方法として用い, 若手小学校教師の認知に基づく実践共同体への参加 (学習) 過程モデルを作成した。若手小学校教師は, 教師として身につけるべきスキルや知識があると語る一方で, 他の教師や児童, 保護者, 地域との相互交渉によって教師としての学習がなされると考えていることがわかった。そのため, 「教師になる」とは, 個人主義的に達成されるものではなく, 社会的相互交渉によって社会的に達成されることが示唆された。さらに, 学習の概念とは, 従来の個人主義的な達成に加え, 社会的達成物であることも示された。
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  • 小林 寛子
    55 巻 (2007) 1 号 p. 48-59
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 協同による法則の発見において, 「仮説評価スキーマ」を教示する効果を検討することである。仮説評価スキーマとは, 仮説と実験結果の適合を図るための活動を行う上で必要な一連の手続きを, 時系列に沿ってまとめたものである。実験参加者は, 実験者が定めたルールを, 仮説を形成し実験によって検証するというプロセスを通して発見するよう求められた。その際, 探究形態 (単独条件・協同条件) と教示 (仮説評価スキーマ教示条件・統制条件) によって4群を構成し, その遂行を比較した。遂行成績は, 仮説評価スキーマを教示され, それに基づいて協同で活動した群 (協同・仮説評価スキーマ教示群) で, その他の群よりも高かった。また, プロトコルを用いて, 遂行成績が高まるプロセスを分析した。その結果, 仮説評価スキーマの教示が, 仮説と実験結果の適合を図る活動を促すこと, そして, 仮説評価スキーマを教示し, それに基づいて協同で活動させることが, 仮説に対する反証的証拠が得られたときに, 適切に仮説を棄却する活動を促すことが示された。
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  • 山本 漿
    55 巻 (2007) 1 号 p. 60-71
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    この研究では, 小中高等学校教師290名を対象に質問紙を用いて調査を行い, 不登校児童生徒の各状態に有効な支援方法について検討を行った。まず, 不登校状態をとらえる観点として因子分析を用いて「自己主張」「行動・生活」「強迫傾向」「身体症状」の4つを抽出し, 測定尺度を作成した。これを用いて児童生徒の状態を査定するとともに, 当該児童生徒に対する支援方法の効果を評価し, その関係をカイ二乗検定を用いて検討した。これにより次の支援方法が有効であることがわかった。(1)「自己主張」ができない場合: 学習指導・生活指導を行うとともに, 家族を支えること。(2)「行動・生活」に乱れが見られる場合: 関係を保つことに注意しながら, 生活指導を行い登校を促すこと。(3)「強迫傾向」が強い場合: 校内の援助体制を整え別室登校をさせるとともに, 家族を支え校外の専門機関との連携を図ること。(4)「身体症状」が重い場合: 児童生徒の気持ちを支えるとともに, 保健室登校をさせるなど校内の援助体制を整えること。
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  • 外山 美樹
    55 巻 (2007) 1 号 p. 72-81
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中学生579名を対象とし, 生徒の数学と国語の学業成績の向上における社会的比較と学業コンピテンスの影響を探ることであった。まず, 社会的比較の対象として, 従来扱われてきた学業的遂行の結果 (遂行比較) のみを扱うのではなく, 勉強の方法や理解度といった対象 (学習比較) も加味した社会的比較行動尺度を新たに作成した。そして, その尺度を用いて, 生徒の学業成績の向上における社会的比較と学業コンピテンスの影響を検討した結果, 数学の教科においては, 外山 (2006) の結果と同様に, 学業成績の向上に学業コンピテンスがプラスの影響を及ぼすが, その影響の大きさが遂行比較によって異なることが示された。また, 国語の教科においては, 学業成績の向上において, 学業コンピテンスと学習比較の交互作用的な影響が見られ, 学業コンピテンスが低い人のうち, 学習比較をあまり行わない人は学業成績が低下するのに対して, 学習比較を行う人は学業成績の向上が見られることが示された。
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  • 家近 早苗, 石隈 利紀
    55 巻 (2007) 1 号 p. 82-92
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 生徒への心理教育的援助サービスに関するコーディネ-ション委員会におけるコンサルテーション機能および相互コンサルテーション機能を検討することであった。A中学校での3年間のコーディネーション委員会に継続的に参加した8名の教師を対象に, 参加した理由やメリットなどについて半構造化面接を行った。半構造化面接の結果を分析したところ, スクールカウンセラーによるコンサルテーションを通して, 教師は生徒への援助サービスに関して, 知識やスキルについてのアドバイス, 安心・自信, 新たな視点を得るとともに, 学年間や教師同士のつながりが促進されたことが示唆された。そして参加者による相互コンサルテーションでは, 援助サービスに関して, 同僚からの受け入れと時間と場の共有が可能になったとともに, さらに教師の生徒の問題に関する当事者意識が高まったことが示唆された。
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  • 松尾 剛, 丸野 俊一
    55 巻 (2007) 1 号 p. 93-105
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 熟練教師による話し合いを支えるグラウンド・ルールの共有過程を明らかにすることであった。小学校6年生1学級 (女児21名, 男児18名) の国語単元における発話について, ルールの意味や働きかけの意図に関する教師へのインタビュー回答を踏まえながら, 3種類のコーディングによる定量的分析を行うことで, ルールの内容を整理し, ルールが示されていた談話過程を特定した。さらに, その談話過程の特徴を, 定性的分析によって明らかにした。分析の結果, 教師は即興的思考を絶えず働かせながら以下のように働きかけていたことが明らかになった。(1) 子どもが主体的に学び合うことの妨げになっている認識を, やりとりの文脈の中で感じ取っていた。そして, その認識を問い直し, 新たに構成するため, 独自のルールを生成していた。(2) ルールはやりとりの文脈に固有な内容を持つため, 教師からの一方的な提示では, 具体的な意味や重要性を子どもに気づかせることはできないと考えていた。その考えのもとに, 教師は話し合いの流れの中に現れたルールを取り上げ, 意味づけることで各ルールを子どもに示していた。
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  • 及川 恵, 坂本 真士
    55 巻 (2007) 1 号 p. 106-119
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 認知行動療法の理論に基づき, 抑うつ予防を目的とした心理教育プログラムを考案し, その効果を検討した。プログラムでは, 大学の心理学関連の講義時間を活用し, 計7回の介入授業を実施した。プログラムの効果を検討するため, プログラム実施前後に, 介入群と統制群に対して, 抑うつに関連する思考や情動にうまく対処することができるという確信, すなわち抑うつ対処の自己効力感と複数の適応指標からなる質問紙を実施した。まず, 各授業終了時の感想シートの検討から, 授業内容はよく理解され, 興味関心を持って臨める内容であったと思われる。次に, 抑うつ対処の自己効力感を従属変数とし, 群と時期を独立変数とする二要因分散分析を行った。その結果, 交互作用が有意であり, 介入群は統制群に比べ, プログラム実施後に効力感が増加していることが示された。下位目標ごとの検討においても概ね同様の結果が得られ, 本プログラムの有効性が示唆された。なお, プログラムの間接的な効果を把握するため, 自己効力感と適応指標の変化量の相関を検討した結果, 介入群において自己効力感の増加が現状満足感の増加と関連することが示唆された。
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  • 城間 祥子, 茂呂 雄二
    55 巻 (2007) 1 号 p. 120-134
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 参加の過程を学習とみなす観点から, 中学校の音楽の時間に実施された和楽器の専門家とのコラボレーション型授業 (出前教室) において, どのような「参加過程の変化」が生じていたのかを分析した。フィールドワークと, 授業のビデオデータの分析にもとついて, 次の3つの側面から参加過程の変化を記述した。(1) 課題: 参加者は何を目指して共同で実践を行っているのか。(2) 人的・物的リソースの配置: 参加者はどのように共参加者と関わり道具を利用することができるのか。(3) 責任: 参加者は課題や人的・物的リソースの配置にどの程度関与しているのか。その結果, コラボレーション型授業では, 様々な制約や参加者の状態・要望に応じて授業の構成や目標が柔軟に変化すること(人的・物的リソースをうまく組織化することによってコラボレーションが促されること, 課題の決定や学習の管理の責任を生徒に委ねることで生徒の積極的な参加を引き出していることが, 明らかになった。最後に, 出前教室におけるコラボレーションの変化から示唆された, 学校と外部の専門家のコラボレーションの意義と留意点について検討した。
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  • 大対 香奈子, 大竹 恵子, 松見 淳子
    55 巻 (2007) 1 号 p. 135-151
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    不登校やいじめなど, 子どもの学校不適応問題が深刻化し続けている中, 子どもの学校不適応に関する研究や不適応改善のための取り組みが盛んに実施されている。しかし, 学校適応の定義が一貫していないために, 学校適応の測定に用いる指標や介入の効果検証の仕方は研究間で様々である。特に現在注目を集めているのは不適応の予防であり, 効果的な予防介入を実施するためには, 子どもの学校適応の正確かつ妥当なアセスメントが必要になる。本論文では, 先行研究の展望により学校適応の概念をまとめ, 学校適応アセスメントの理論的基盤となる三水準モデルを提唱した。このモデルでは, 水準1として感情や認知を含めた子どもの行動的機能, 水準2として子どもの行動が学校環境の中でどのように強化され形成されるのかという環境の効果に注目した学業的・社会的機能, 水準3として個人の行動と環境との相互作用の結果として生じる子どもの学校適応感という3つの水準から子どもの学校適応状態を把握する。また, これまでに実施されている予防介入の限界と課題から, より効果的な予防介入に必要なアセスメントについて三水準モデルをもとに検討する。
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  • 55 巻 (2007) 1 号 p. 160-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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