教育心理学研究
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55 巻 , 2 号
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  • 豊田 秀樹, 川端 一光, 中村 健太郎
    55 巻 (2007) 2 号 p. 161-169
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    行動ファイナンスの領域で代表的なバイアス質問を利用した, リスク追求傾向に関する尺度構成が試みられた。401名の被験者の項目への回答比率の分析から, 大半の項目がプロスペクト理論によって説明が可能であることが明らかになり, 項目間の四分相関係数の検討により, 項目が測定している尺度が「リスク追求」の次元であることが明らかになった。同データの探索的カテゴリカル因子分析の結果から, 項目が測定する次元数は1であり「リスク追求」次元の因子妥当性が確認された。「リスク追求」因子の存在を確認した後, 2母数ロジスティックIRTモデルによって尺度化が試みられ, 項目母数, 項目特性曲線がそれぞれ算出された。またDIFの検出も試みられ, 一つの項目が男女間で特異な機能をみせることが明らかになった。
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  • 瀬尾 美紀子
    55 巻 (2007) 2 号 p. 170-183
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 学習場面での援助要請について, その質を高めることの重要性を指摘し, 質に関連する要因とその関連の発達的変化を明らかにすることであった。質に関連する要因として, 学習観とつまずき明確化方略に着目して, 自律的援助要請, 依存的援助要請との関連を表したモデルを構成した。中学生 (N=235) と高校生 (N=257) を対象に質問紙を実施し, 構成したモデルに対して多母集団同時分析を行った。その結果,(1) 中学生では, つまずき明確化方略が学習観と自律的援助要請の関連を媒介するのに対し, 高校生では直接的な関連も示されたこと,(2) 中学生では丸暗記・結果重視志向と依存的援助要請は直接的な正の関連を示すのに対して, 高校生では関連が見られなかったこと, そして,(3) 高校生では, 丸暗記・結果重視志向と自律的援助要請は直接的な負の関連を示すのに対し, 中学生では無関連であったこと, が明らかになった。また, 中学から高校にかけての援助要請の質の発達は,「依存的援助要請の減少」という観点から捉えられることが示唆された。以上の結果に基づき, 援助要請を促進する際の教育実践的示唆について論じた。
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  • 榊 美知子
    55 巻 (2007) 2 号 p. 184-196
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 手がかりイベント法 (event-cueing technique) を利用し,(1) 自伝的記憶がどのように構造化されているのか,(2) 自伝的記憶の感情情報がどのように保持されているかに関して検討を行った。46名の大学生に手がかり語を8語呈示し, 関連する自伝的記憶を1つずつ想起させた後 (cueing events; 手がかりイベント), 各手がかりイベントに関連する自伝的記憶 (cued events; 想起イベント) を2つずつ想起するよう求めた。その結果,(1) 想起イベントと手がかりイベントは高い時間的近接性を持っていること,(2) 想起イベントを思い出す際に, 手がかりイベントと同じテーマに関する記憶が想起されやすいことが示され, 自伝的記憶がテーマごとに領域に分かれた構造を持つことが明らかになった。更に, 自伝的記憶の領域と感情の関連について階層線形モデルによる分析を行ったところ, 領域ごとに異なる感情状態と関連していることが明らかになった。このことから, 自伝的記憶と感情の関連や, 自伝的記憶による感情制御を検討する際に, 自伝的記憶の領域構造を考慮する必要があることが示唆された。
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  • 永井 智, 新井 邦二郎
    55 巻 (2007) 2 号 p. 197-207
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学生における友人に対する相談行動と, 問題の程度, 学校生活満足度に加え, 従来検討されてこなかった相談行動の利益・コストとの関連を検討した。研究1において, 相談行動の利益・コスト尺度を作成し, 信頼性・妥当性を検討した。その結果, 相談行動の利益・コスト尺度にはある程度の信頼性・妥当性を持つことが確認された。研究2において, 中学生1139名を対象として質問紙を実施し, 共分散構造分析を用いて, 相談行動の利益・コスト, 問題の程度, 学校生活満足度が相談行動に与える影響について検討した。主な結果は以下の通りである。(a) 相談行動の高さには, 相談実行の利益, 問題の程度の高さが影響していた。(b) 相談実行のコストは相談行動と関連していなかった。さらに,(c) 心理・社会的問題の相談行動の高さには, 相談回避のコストの高さが影響していた。(d) 心理・社会的問題の相談行動の低さには, 相談回避の利益の高さが影響していた。
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  • 島田 恭仁
    55 巻 (2007) 2 号 p. 208-218
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    文記憶の理論的な研究では, 記銘リストの関係情報が強調されるほど, 被験者が実行する項目特定処理の効果が高まることが知られている。そこで本研究においては, 軽度知的障害児においても, 健常な成人の場合と同様な項目特定処理の効果が生起するのか否かについて検証することにした。そこで, 記銘文にテーマ画を添える, サブテーマのテーマサイズを操作する等の工夫を加えて, リストの関係情報を可能な限り強調することにした。さらに, 被験者を関係処理群と項目特定処理群の2群に分けて, 偶発再生の実験を行った。その結果, 方向づけ課題でリストの関係処理を行った群では, いずれのテーマサイズ条件でもサブテーマの要約再生率が全般的に低かったのに対して, 方向づけ課題で項目特定処理を行った群では, 大きなテーマサイズの条件で要約再生率が高まることが確かめられた。これらの結果から, 軽度知的障害児の場合にも, リストによって促進された関係情報の符号化と, 処理によって促進された項目特定情報の符号化との相補作用効果が生起し, 項目特定処理の有効な効果が得られると結論された。
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  • 越中 康治
    55 巻 (2007) 2 号 p. 219-230
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 社会的領域理論の観点から, 攻撃行動に対する幼児の善悪判断に及ぼす社会的文脈の影響について, 実験的に検討を行った。研究1では, 幼児が, 報復的公正の問題に理解を示すかについて検討を行った。幼児に, 被害の回避を目的とした攻撃と復讐を目的とした攻撃に対する善悪判断を求めた。結果として, 幼児は, 被害の回避という直接的な利益をもたらす攻撃よりも, 何ら直接的な利益をもたらすことのない復讐を目的とした攻撃を許容する傾向にあった。幼児でも, 報復的公正の問題に理解を示す可能性が示唆された。研究2及び3では, 擁護及び制裁を目的とした攻撃に対する善悪判断が, 道徳と慣習のいずれの思考によるのかを検討した。結果として, 幼児は, 他者の福祉の問題よりも, 権威者である保育者の反応を重視して, 攻撃の善悪を判断することが明らかとなった。しかしながら, 年長児の中には, 他者の福祉の問題を重視する者も少数ながらいた。児童期以降, 慣習領域の思考から道徳領域の思考へと, 発達的な変化が認められる可能性が示唆された。
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  • 下仲 順子, 中里 克治
    55 巻 (2007) 2 号 p. 231-243
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は25~84歳の地域住民 (男187, 女225) を対象にして, 目的1) 創造性の年齢差と性差要因を分析すること, 目的2) 創造性に影響を及ぼす要因を分析することを行った。創造性の測定はJ. P. Guilfordの指導の下に考案されたS-A創造性検査を用い, 活動領域 (応用力, 生産力, 空想力) と思考特性 (流暢性, 柔軟性, 独創性, 具体性) を測定した。目的1では教育年数を共変数として, 5年齢群と性を要因とした共分散分析を行った。結果は, 活動領域の応用力, 生産力と思考特性の流暢性と独創性では年齢差はなかった。性差は生産力と流暢性で女性が男性よりも有意に得点が高かった。結果より, 創造性の量的側面は加齢と共に低下するが, 質的側面は成人期中維持され, 創造性の成熟が示唆された。また, 性差は創造性に余り影響しないことが結論された。目的2では, 活動領域と思考特性に共通して開放性と実際的問題解決能力が寄与し, 人格と日常生活上の経験によって育まれてゆく解決能力が創造性の基礎となっていた。自尊感情, 病気の有無, 社会的問題解決能力は創造性の種々の側面に異なって寄与することが示された。
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  • 名取 洋典
    55 巻 (2007) 2 号 p. 244-254
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 指導者のことばがけが少年サッカー競技者の「やる気」におよぼす影響について, ことばがけに対する「理由認知」と「感情」という認知的側面との関連から検討した。特に, 技術指導のための, 目標と合致した基準に沿ったことばがけが, 高い競技水準にある競技者の動機づけを高めるためにも有効であることを明らかにすることを目的とした。14の強豪チームに所属する267名の小学5, 6年生を対象に, 成功場面・失敗場面×肯定的な言語的フィードバック・否定的な言語的フィードバックの4つの練習状況を描いた図版とシナリオ文を提示し,「やる気」の変化量および認知的側面の測定を行った。分散分析の結果, 否定的なフィードバックに比べ肯定的なフィードバックにより「やる気」が高まることが示された。認知的側面との関連では, ことばがけに対して「教授的理由」と捉えることで「安堵感情」が高まり,「やる気」が高まることが示された一方で, 失敗した際の肯定的なフィードバックについてはこの関連がみられなかった。以上の結果から, 競技者の動機づけを高めるのに, 指導者が目標に合致した基準に従ったフィードバックを行うことの有効性が示唆された。
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  • 清河 幸子, 伊澤 太郎, 植田 一博
    55 巻 (2007) 2 号 p. 255-265
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 他者との協同の中で頻繁に生じると考えられる, 自分自身での課題への取り組み (試行) と他者の取り組みの観察 (他者観察) の交替が, 洞察問題解決に及ぼす影響を実験的に検討した。具体的には, Tパズルを使用し,(1) 1人で課題に取り組む条件 (個人条件),(2) 20秒ごとに試行と他者観察の交替を行いながら2人で課題に取り組む条件 (試行・他者観察ペア条件),(3) 1人で課題に取り組むが, 20秒ごとに試行と自らの直前の試行の観察を交互に行う条件 (試行・自己観察条件) の3条件を設定し, 遂行成績を比較した。また, 制約の動的緩和理論 (開・鈴木1998) に基づいて, 解決プロセスへの影響も検討した。その結果, 試行と他者の取り組みの観察を交互に行うことによって, 言語的なやりとりがなくても, 解決を阻害する不適切な制約の緩和が促進され, 結果として, 洞察問題解決が促進されることが示された。その一方で, 試行と観察の交替という手続きは同一であっても, 観察対象が自分の直前の試行である場合には, 制約の緩和を促進せず, ひいては洞察問題解決を促進することにはならないことが明らかとなった。
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  • 片山 顕裕, 針生 悦子
    55 巻 (2007) 2 号 p. 266-275
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    発話に伴うジェスチャーには, 主観的視点のものと客観的視点のものの2種類がある (Özyürek, 2000)。これまでの研究で, 大人では聞き手の理解状態に配慮する時には客観的視点のジェスチャーが増え (藤井, 2000), 発達的には年齢が高くなるほど客観的視点のジェスチャーが増えること (藤井, 1999), などが指摘されてきた。子どもは, 発達に伴い, 聞き手がどれだけのものを見せられればどれだけのことを知ることができるかが分かるようになり, それで, ジェスチャーにおいても客観的視点のものをより多く産出するようになるのだろうか。これが本研究の仮説であり, 対象児は幼児43名であった。幼児は, 認知的役割取得課題によって, 聞き手の理解状態に敏感なレベル (レベル2) と, まだあまり敏感でないレベル (レベル1) とに分けられた。結果として, レベル2の子どもでは, レベル1の子どもに比べ, 客観的視点のジェスチャーが多いことが明らかになった。ここから, 子どもが他者の認知状態をモニターする能力と, 客観的視点のジェスチャーを産出することとの間には, 関連があることが示唆された。
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  • 下村 英雄
    55 巻 (2007) 2 号 p. 276-286
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中学校におけるコンピュータを活用したキャリアガイダンスの効果を検討することを目的とした。コンピュータの活用の仕方に「自由使用群」「テスト先行群」「職業リスト群」の3つの群を設定し, 中学生197名をランダムに割り当てた。進路成熟の程度によって, コンピュータを活用したキャリアガイダンスが進路選択に対する自己効力感に与える影響が異なるか否かを検討した。実験の結果, コンピュータ活用後に,「教育的」「職業的」「人生的」進路課題に対する自己効力感は全て有意に高まっており, コンピュータによるキャリアガイダンスは中学生に対して総じて効果的であった。また, 進路成熟態度自律度によって効果に違いがみられ, 進路への取り組み姿勢が主体的でない自律度が低い生徒では, コンピュータを自由に使用して職業情報を探索させる手法が職業的進路課題に対する自己効力感を高めていた。一方, 自律度が高い生徒では, テストを先にやるように教示する手法が, おもに教育的および職業的進路課題に対する自己効力感を高めていた。以上の結果に基づいて, 中学校のキャリア教育における効果的なコンピュータの使用について議論を行った。
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  • 岡田 いずみ
    55 巻 (2007) 2 号 p. 287-299
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    学習者の学習意欲を高めることは難しい。本研究は, 学習者の学習意欲を高めるために介入研究を行い, その効果を検討したものである。学習意欲と関連の深いものに学習方略がある。学習意欲と学習方略の関係については「意欲があるから方略を使う」という見方がなされることが多かった。それに対して, 本研究では「方略を教授されることで意欲が高まる」という仮説の下, 介入を行った。対象は高校生であり, 内容は英単語学習であった。英単語学習のなかでも, 特に体制化方略を取り上げた。研究1では授業形態で介入を行った結果, 学習方略の教授により, ある程度は学習意欲が高まったことが示されたが, 十分とは言えなかった。そこで研究2では, 方略の学習がより確実なものになるよう, 教材を改訂し, 介入を行った。また, 研究2では, 個人差を捉えるために検討項目として, 方略志向という学習観と, 英単語に対する重要性の認知が学習意欲の変化に及ぼす影響を検討した。その結果, 方略志向の高低や, 英単語に対する重要性の認知にかかわらず, 学習意欲が高まったことが確認された。
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