教育心理学研究
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55 巻 , 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
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  • 野口 隆子, 鈴木 正敏, 門田 理世, 芦田 宏, 秋田 喜代美, 小田 豊
    55 巻 (2007) 4 号 p. 457-468
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 教師が実践を語る際に頻繁に用いる語に着目し, 語が暗黙的に含み込む多様な観点を明らかにするとともに, 幼稚園及び小学校教師が用いる語の意味について比較検討をおこなった。対象となる語として「子ども中心」,「教師中心」,「長い目で見る」,「子ども理解」,「活動を促す」,「環境の構成」,「仲間作り」,「トラブル」の8語を選択。幼稚園計9園に勤務する保育者計92名 (平均経験年数6.33年, SD=7.27), 小学校計6校に勤務する教師101名 (平均経験年数17.1年, SD;9.68) に対し語のイメージを連想し回答する質問紙調査を実施した。各語毎に内容をカテゴリー化し, 幼稚園`小学校教師の発生頻度を比較したところ, 全ての語において有意な偏りがみられた。全体的に, 幼稚園教師は子どもの主体性や自発性を重視し, 内面や行動について教師側が読み取りをおこない共に活動をおこなっていく観点を持っている。一方, 小学校教師は教師側の指導, 方向付けを重視し, 子どもを理解する際直接な対話を重視する観点を持っていた。同じ語を対象としながらも, 幼稚園・小学校の教師間では語の受けとめ方や理解に相違があることが示唆された。
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  • 橘 春菜
    55 巻 (2007) 4 号 p. 469-479
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 幼児期後期から児童期中期の子どもを対象に描画課題を実施し, 他者に情報を伝える意図をもつことで対象物の非視覚的性質の表現をどのように調整するか, その発達的変化を検討することであった。具体的には, 幼児22名, 小学校2年生20名, 4年生21名を対象に次の課題を実施した。まず, 対象児に外観が同じ2つの対象物の重さを区別する体験をさせた後に, それらの対象物の絵を自由に描かせた (自由課題)。続いて対象物の重さの違いを絵で他者に伝える意図を明示して, 再度対象物の絵を描かせた (伝達課題)。分析では, 対象児の描画と言語報告に基づき, その表現方略を年齢間で比較した。その結果, 自由課題では表現方略に年齢差がみられなかった。伝達課題では, 幼児では言葉による説明を付加しながら物語的に重さを伝える「継時付与方略」, 2年生では対象物の大きさの違いのみで重さを伝える「同時単独方略」, 4年生では媒介物 (例:シーソー) 等の非実在物を同時に提示することで重さを比較させる「同時付与方略」が多いこと等が示された。これらの結果より, 発達にともない他者にわかりやすく意図を伝える表現における質的な変化が示唆された。
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  • 大谷 宗啓
    55 巻 (2007) 4 号 p. 480-490
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高校生・大学生を対象に, 従来, 深さ・広さで捉えられてきた友人関係について, 新観点「状況に応じた切替」を加えて捉え直すことを試み, その捉え直しが有意義なものであるかを質問紙調査により検討した。因子分析の結果, 新観点は既存の観点とは因子的に弁別されること, 新観点は深さ・広さの2次元では説明できないものであることが確認された。また重回帰分析の結果, 新観点追加により友人関係から心理的ストレス反応への予測力が向上すること, 新観点による統制の有無により既存観点と心理的ストレス反応との関連に差異の生じることが明らかとなった。
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  • 中村 晃, 神藤 貴昭, 田口 真奈, 西森 年寿, 中原 淳
    55 巻 (2007) 4 号 p. 491-500
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大学教員初任者がもつ教育に対する不安について検討し, さらにこのような不安と同時に周囲からのサポートについても考慮し, これらがどのように仕事に対する満足感と関係するかを検討することを目的とした。そのため, まず教育不安尺度を作成し, 次に教育不安が周囲からのサポート, および職務満足感とどのような関係にあるかを質問紙により検討した。その結果, 教育不安尺度では因子分析により「教育方法に関する不安」「学生に関する不安」「教育システムに関する不安」の3因子が見出された。また教育不安と職場におけるサポート, および職務内容満足感との関係を検討した結果, 教育に関する不安が高い場合, 先輩教員のサポートが満足感を上げる要因になること, および教育システムに関する不安が高い場合, 同世代教員によるサポートが少ないと満足感が低くなることが示唆された。これらのことから, 特に不安の高い教員に対しては, 職場のサポートが仕事の満足感を上げるうえで重要であると考えられる。
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  • 太田 真紀
    55 巻 (2007) 4 号 p. 501-513
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    自尊感情は学業領域や運動領域などの領域別自己評価だけでなく, 各領域に関する重要度 (自己判断による自分にとっての重要さの程度) も関与して形成されると考えられている。吃音が大きく関連する領域とは, 話す領域である。本研究の目的は, 吃音児の自尊感情の形成において, 話す領域に関する自己評価と重要度が関与しているかを検討することである。吃音児338名, 非吃音児692名に自己評価尺度を実施し, 以下3点を明らかにした。(1)自尊感情得点の説明変数として, 容姿, 友人関係, おこない (道徳的に望ましい行動) 領域に関する重要度で重み付けした自己評価得点と親子関係領域の自己評価得点が両群に共通して抽出され, さらに話す領域に関する重要度得点が吃音児群にのみ抽出された。(2) 話す領域に関する変数が自尊感情得点を説明する割合は, 吃音肯定群より吃音否定群のほうが大きかった。(3) 話す領域を重視する傾向は吃音に否定的感情をもつ子どもにみられた。また, そのような子どもの親は吃音に対し否定的態度をもっていた。
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  • 田中 優子, 楠見 孝
    55 巻 (2007) 4 号 p. 514-525
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大学生を対象とし, 目標や文脈という状況要因が批判的思考の使用に関わるメタ認知的判断に及ぼす影響を検討することを目的として, 研究1では, 批判的思考が「効果的」な文脈と「非効果的」な文脈を収集した。研究2では, 収集した文脈の分類を行い, それぞれの特徴を抽出した。2つの文脈にはそれぞれ異なる特徴がみられた。研究3では,「正しい判断をする」「物事を楽しむ」という2つの目標と文脈を独立変数として, 批判的思考をどの程度発揮しようとするかというメタ認知的な判断に及ぼす影響を検討した。その結果,「物事を楽しむ」という目標よりも「正しい判断をする」という目標においてより批判的思考を発揮しようと判断すること, 同じ目標であっても文脈によって批判的思考の発揮判断が変化することが明らかになった。さらに, 批判的思考の発揮判断は, 目標や文脈を考慮するものの全体的に批判的思考を発揮しようとするタイプ, 効果的な文脈で非常に高く批判的思考を発揮しようとするタイプ, 非効果的文脈では目標に関係なくほとんど発揮しようとしないタイプという3タイプによって特徴づけられることが示された。
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  • 石川 満佐育, 濱口 佳和
    55 巻 (2007) 4 号 p. 526-537
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 近年諸外国で研究が盛んに行われているforgivenessの概念に注目し, ゆるし傾向性として実証的に取り上げ, わが国の中学生・高校生を対象に, ゆるし傾向性と外在化問題・内在化問題との関連を検討することを目的とした。研究1では, 中高生574名を対象に, ゆるし傾向性尺度の作成を行った。因子分析を行った結果, 「他者へのゆるし傾向」,「自己への消極的ゆるし傾向」,「自己への積極的ゆるし傾向」の3因子からなるゆるし傾向性尺度が作成された。研究2では, 中高生553名を対象に, ゆるし傾向性尺度の信頼性, 妥当性の検討を行った。その結果, 十分な値の信頼性, 妥当性が確認された。研究3では, 中高生556名を対象に, ゆるし傾向性と外在化問題 (身体的攻撃・関係性攻撃), 内在化問題 (抑うつ・不安) との関連を検討した。相関, 重回帰分析により検討を行った結果, ゆるし傾向性と外在化問題, 内在化問題との間には, 負の関連が示された。従って, 中高生にとって, ゆるし傾向性は, 外在化問題, 内在化問題の軽減に有効である可能性が示された。
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  • 高橋 麻衣子
    55 巻 (2007) 4 号 p. 538-549
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 黙読と音読での文理解に違いを生み出す要因を検討し, 黙読と音読の認知プロセスを明らかにすることを目的とした。認知プロセスにかかわる要因として (1) 読解活動中に利用可能な注意資源,(2) 黙読における音韻変換をとりあげ, 二重課題実験によって検討した。読解活動中に利用可能な注意資源の量を操作するために, 読解活動中に読み手にタッピング課題を課した。黙読における音韻変換の要因を検討するために, 読解課題中に読み手に構音抑制課題を課し, 音韻変換を阻害した。その結果, 音読での文の理解度は読み手の注意資源の量にかかわらず, 一定の成績を保てるのに対し, 黙読での文の理解度は, 読み手の注意資源が奪われると低下することが示された。また, 黙読において音韻変換が阻害されると, その理解度は常に音韻変換を行っている音読での理解度よりも低下することが示された。これらの知見から, 読み手に利用可能な注意資源の量と, 黙読で音韻変換を行うかどうかという要因が, 黙読と音読での理解度の差を生み出すことが考えられた。以上の結果から音読と黙読の認知プロセスモデルを提案し, これまで提出された多様な現象を統合的に説明できる可能性を指摘した。
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  • 奥野 誠一, 小林 正幸
    55 巻 (2007) 4 号 p. 550-559
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中学生の心理的ストレス反応尺度を構成し, 相互独立性・相互協調性との関連を明らかにすることであった。中学生1,112名を対象とし, 相互独立性・相互協調性との関連を検討したところ, 以下の点が明らかになった。(1) 言語的主張の高さとストレス反応の低さには関連があること,(2) 評価懸念の高さとストレス反応の高さには関連があること,(3)相 互独立性・相互協調性の組み合わせパターンにより解釈可能な4群が抽出された,(4) 相互協調性優勢群は他の群に比べてストレスが高い。以上の結果より, 相互協調性優勢群の子どもに対する援助の重要性が示唆された。
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  • 上村 惠津子, 石隈 利紀
    55 巻 (2007) 4 号 p. 560-572
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 保護者面談において教師が保護者との連携を構築するプロセス, およびその特徴を明らかにすることを目的とした。グラウンデッド・セオリー・アプローチにより教師の発話を分析した結果, 9個のカテゴリーが抽出され, これらは2つのプロセス, 「援助具体化」と「保護者との関係構築」にまとめられた。教師は, 保護者面談において傾聴的発言や自己開示的発言, 保護者からの情報収集等により保護者との関係を構築しつつ, 面談目的確認, 現状の情報提供, 状況の分析, 振り返り, 対応策の検討, さらに随所で行われる保護者からの情報収集により援助を具体化するとの仮説が生成された。この仮説を既存のコンサルテーションモデルと比較すると, 面談で取り上げる問題状況と深く関わりを持つ教師が行う保護者面談は, 教師が自分自身の対応を振り返り, 対応策について積極的に提案する特徴がある反面, 問題や目標設定が曖昧になる特徴があると考えられる。保護者面談で教師と保護者が共通理解を図るプロセスは, 保護者の理解や方針を取り入れながら教師が自分自身の理解や方針を修正するプロセスであり, 保護者との連携構築にはこのような教師の変容が鍵になると考えられた。
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  • 水品 江里子, 麻柄 啓一
    55 巻 (2007) 4 号 p. 573-583
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    日本文の「~は」は主語として使われるだけではなく, 提題 (~について言えば) としても用いられる。従って日本文の「~は」は英文の主語と常に対応するわけではない。また, 日本語の文では主語はしばしば省略される。両言語にはこのような違いがあるので, 日本語の「~は」をそのまま英文の主語として用いる誤りが生じる可能性が考えられる。研究1では, 57名の中学生と114名の高校生に, 例えば「昨日はバイトだった」の英作文としてYesterday was a part-time job, を,「一月は私の誕生日です」の英作文としてJanuary is my birthday. を,「シャツはすべてクリーニング屋に出します」の英作文としてAll my shirts bring to the laundry. を提示して正誤判断を求めた。その結果40%~80%の者がこのような英文を「正しい」と判断した。これは英文の主語を把握する際に日本語の知識が干渉を及ぼしていることを示している。研究2では, 日本語の「~は」と英文の主語の違いを説明した解説文を作成し, それを用いて高校生89名に授業を行った。授業後には上記のような誤答はなくなった。
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  • 坂本 篤史
    55 巻 (2007) 4 号 p. 584-596
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 現職教師の学習, 特に授業力量の形成要因に関し, 主に2000年以降の米国での研究と日本での研究を用いて検討し, 今後の展望を示した。現職教師の学習を1) 授業経験からの学習, 2) 学習を支える学校内の文脈, 3) 長期的な成長過程, という3つの観点から包括的に捉えた。そして, 教師を“反省的実践家”と見なす視点から、現職教師の学習の中核を授業経験の“省察 (reflection)”に据えた。授業経験からの学習として教職課程の学生や新任教師の研究から, 省察と授業観の関係や, 省察と知識形成の関係が指摘された。学校内の文脈としては教師共同体や授業研究に関する研究から, 教師同士の葛藤を通じた相互作用や, 校内研修としての授業研究を通じた学習や同僚性の形成が示唆された。長期的な成長過程としては, 教師の発達研究や熟達化研究から, 授業実践の個性化が生じること,“適応的熟達者 (adaptive expert)”として発達を遂げることを示した。今後の課題として, 現職教師の個人的な授業観の形成過程に関する研究, 教師同士が学び合う関係の形成に関する実証的研究方法の開発, 日本での教師の学習研究の促進が挙げられた。
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  • 55 巻 (2007) 4 号 p. 615-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 55 巻 (2007) 4 号 p. 615a-
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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