教育心理学研究
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56 巻 , 1 号
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  • 萩原 俊彦, 櫻井 茂男
    56 巻 (2008) 1 号 p. 1-13
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 大学生の職業選択に関連すると考えられる“やりたいこと探し”の動機を明らかにし, その動機の自己決定性と進路不決断との関連を検討することであった。まず, どの程度自己決定的な動機で職業選択に関わる“やりたいこと探し”をしているかを測定する尺度を作成し, 信頼性と妥当性を検討した。尺度項目の因子分析の結果から, やりたいことを探す動機として, 非自己決定的な「他者追随」, 自己決定性においては中間的な「社会的安定希求」, 自己決定的な「自己充足志向」の3因子が抽出され, 尺度の信頼性と妥当性が確認された。作成された“やりたいこと探し”の動機尺度を用いて, “やりたいこと探し”の動機の個人差と進路不決断との関連を検討したところ, “やりたいこと探し” の動機のうち, 非自己決定的な動機である「他者追随」が相対的に高い非自己決定的動機群は, 進路不決断の面で問題を抱えている可能性が示唆された。本研究で得られた結果は, 現代青年のキャリア意識として広く支持されている“やりたいこと”志向と職業選択との関連を検討する上で意義があると考えられる。
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  • 岡田 涼
    56 巻 (2008) 1 号 p. 14-22
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, これまで指摘されてきた友人関係と学習との関連について, 友人との学習活動に注目して検討した。学習と友人関係のそれぞれに対する自律的な動機づけが, 友人との学習活動を介して, 充実感に影響するプロセスを想定し, 検討を行った。友人との学習活動については, 予備調査の結果から, 援助要請, 援助提供, 相互学習, 学習機会を取り上げた。中学生430名を対象に質問紙調査を行った。その結果, 援助要請は友人関係に対する自律的な動機づけおよび充実感と関連し, 援助提供は学習に対する自律的な動機づけおよび充実感と関連していた。また, 相互学習は友人関係に対する自律的な動機づけと関連し, 学習と友人関係の両方に対する充実感と関連していた。学習機会は, 学習に対する自律的な動機づけと関連していたが, いずれの充実感とも関連がみられなかった。最後に, 友人との学習活動の重要性について論じた。
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  • 石津 憲一郎, 安保 英勇
    56 巻 (2008) 1 号 p. 23-31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    臨床場面では過剰適応は非適応的とされているが, 実証的な過剰適応研究は数が少ない。本研究では過剰適応の概念を理論的に整理し, その構造を検討することを第1の目的とした。続いて, 従来言われてきたように過剰適応が個人にとって非適応的に作用するのかを実証的に検討することを第2の目的とした。中学生を対象にした調査の結果, 過剰適応は個人の性格特性からなる内的側面と, 他者志向的で適応方略とみなせる外的側面から構成されることが示された。また, 過剰適応と学校適応感, ストレス反応との関連を検討した結果, 過剰適応の内的側面は学校適応感およびストレス反応にネガティブな影響を与えていたが, 適応方略として捉えられる外的側面は学校適応感を支える一方で, ストレス反応にも正の影響を与えることが示された。本研究の結果, 従来言われてきたこととは異なり, 必ずしも過剰適応的であることが非適応的とはみなすことができないことが示された。しかし, 他者志向的な適応方略で支えられる適応感の影にはストレスの存在が想定され, そのストレスが将来の不適応を予測する可能性について考察を行った。
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  • 佐藤 淳
    56 巻 (2008) 1 号 p. 32-43
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 提示したルール (p≡q) が課題解決に容易に適用されない理由の一つに, 「判断の不確定性」 (ルール不支持方向の命題[p→非q, 非p→q]にも一定の妥当性を付与して判断の依拠する命題を一つに確定しないこと) を挙げ, これを低減する方略の有効性について検討した。その方略とは, p・非p×q・非qの4つのセルからなる論理操作マトリックスを用いてルール命題の妥当性の検証過程を示す方法 (マトリックス検証方略) であった。経済的競争ルールを取り上げた実験Iでは,「判断の不確定性」の存在が確認され, 併せてマトリックス検証方略が, 従来の事例提示方略の効果を上回って課題へのルール適用を促進することが示された。植物生殖ルールを取り上げた実験IIでも, 同様の結果が得られた。これらの結果から, マトリックス検証方略の有効性とその限界について, また事例提示方略との関係性について, そしてこの方略の授業場面への利用可能性について考察を加えた。
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  • 竹村 洋子
    56 巻 (2008) 1 号 p. 44-56
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 通常学級における「問題行動」をめぐる教師一児童間相互作用について, 児童とのかかわりに対する教師の評価に焦点をあて, 問題状況に関して検討を行った。研究1では問題性評価尺度及び対処行動評価尺度が調えられた。因子分析の結果, 問題性評価尺度は影響性評価・対処可能性評価の2 因子9項目, 対処行動評価尺度は問題解決志向・支援希求志向・情動軽減志向の3因子16項目の構造として理解することが適当だと考えられた。研究2では2つの尺度の結果についてクラスタ分析を行った。その結果, 児童とのかかわりにおいて生じる問題に対する教師の問題性評価は4類型, 対処行動評価は 5類型に分類可能であることが示された。研究3では, 通常学級における「問題行動」をめぐる教師-児童間相互作用への介入を実施し, 研究1で作成した尺度を用いて介入に伴う教師の評価の変化についてデータを得た。その結果, 教師への介入後に対処行動評価の類型の変化が, フォローアップ期には教師の問題性評価の類型の変化が示された。教師の評価のうち, 対処行動評価が教師-児童間相互作用を規定する要因である可能性が示された。
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  • 山下 倫実, 坂田 桐子
    56 巻 (2008) 1 号 p. 57-71
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, 大学生におけるソーシャル・サポートと恋愛関係崩壊からの立ち直りとの関連について検討した。まず, 性役割の観点より, 恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源が恋愛パートナーに限定される者は女性より男性に多いという予測1について検討した。恋愛関係にある大学生146名を対象に友人 (同性/異性), 恋人, 家族 (同性/異性) から提供されたサポート (情緒的/道具的) について尋ねた。その結果, 予測1は概ね支持された。次に, 現在, 恋愛関係にない大学生132名を対象に恋愛関係崩壊時の情緒的サポート源が多い者ほど, 立ち直り評価が高いという予測2について検討した。各関係からのサポート (予測1の検討と同様), 恋愛関係崩壊時のショック度, 恋愛関係崩壊からの立ち直り過程の経験及び立ち直り評価などの項目について回答を求めた。サポート形態は, 情緒的サポート源が多様である多様型, 情緒的サポート源が同性友人に限定される同性友人型, サポート低型に分類された。予測2は概ね支持され, 恋愛関係崩壊前の情緒的サポート源を恋愛パートナーに限定することが, 立ち直り評価の低さにつながる可能性が論じられた。
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  • 外山 美樹, 市原 学
    56 巻 (2008) 1 号 p. 72-80
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中学生を対象とし, 防衛的悲観主義者 (過去の似たような状況において良い成績を修めていると認知しているにも拘わらず, これから迎える遂行場面に対して低い期待をもつ認知的方略を行う者) と方略的楽観主義者 (過去の高いパフォーマンスに対する認知と一致した高い期待をもつ認知的方略を行う者) の学業成績の向上に影響を及ぼす認知的方略の機能について検討することを目的とした。まずは, 中学生用の認知的方略尺度を作成することにした。本研究の結果より, 防衛的悲観主義者と方略的楽観主義者とでは, 高いパフォーマンスにつながる目標の追及の仕方が異なることがわかった。方略的楽観主義の人は, 悪い結果にならないと楽観的に考えることによって成績の向上が見られるのとは対照的に, 防衛的悲観主義の人は, 楽観的に考えないことによって成績の向上につながることが明らかになった。さらに, 両者では, 学業成績の向上につながる動機づけの高め方が異なることが明らかになった。防衛機悲観主義者は現在の学業コンピテンスが学業成績の向上に影響を及ぼすのに対して, 方略的楽観主義者は将来の学業コンピテンスが学業成績の向上に影響を及ぼしていた。
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  • 高橋 雄介, 岡田 謙介, 星野 崇宏, 安梅 勅江
    56 巻 (2008) 1 号 p. 81-92
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    社会的スキルは, 他者との関係を円滑に進めるための技能である。就学前期における社会的スキルの獲得の失敗やその非定型的な発達は, のちの問題行動や不適応, 学業成績の低さなどの予測要因となることが多くの先行研究により明らかになっている。しかし, こうした重要な発達段階である就学前期の子どもたちを対象とした社会的スキルの測定ツールは国内においてほとんど提案されていないのが現状である。そこで本研究では, 全国規模のコホート調査を行い, 就学前児を対象とした社会的スキルの個人差を適切に測定できる尺度を開発した。作成された就学前児用社会的スキル尺度は欧米の先行研究で繰り返し確認されている協調・自己抑制・自己表現の3因子構造を持ち, 高い内的一貫性及び経時的安定性を示した (研究1)。また, 外的基準として問題行動と自閉傾向を縦断的に測定して本尺度との関連を分析した結果, 提案する尺度は十分な併存的妥当性及び予測的妥当性を持つことが確認された (研究2)。本尺度によるスクリーニング及びそれに基づいた早期介入は, 就学前期以降における子どもたちの健全な発育に寄与するだろう。
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  • 高垣 マユミ, 田爪 宏二, 降旗 節夫, 櫻井 修
    56 巻 (2008) 1 号 p. 93-103
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, Tsai (2000) のコンフリクトマップの理論的枠組みを, 高校物理「波の性質」の学習に適用し, 内容的一貫性を持った実験・観察を, 一連のネットワークに沿って提示するという教授方略を開発し, その教授効果を実証的に検討した。授業前後の質問紙による内観報告と, 実験・観察場面における行動観察の観点から質的分析を行った結果, 以下のようなプロセスを経て, 概念変化が促されていくことが示唆された。まず,「現実世界」において, 信頼性が高く確からしさが疑われないデータとして,「先行概念と矛盾する事象」を直接的に観察することを通して, 自らの考えが妥当ではない可能性に気づいていく。続いて,「科学的概念をサポートする知覚的事象」として, 日常的に経験している事象と結びつけられた実験・観察を知覚的に経験した上で, それをいったん数の領域ヘマッピングし, 数の領域でも物理現象の因果関係を確認するという, 手続き的知識を伴った作業を通して, 分かったと体感したとき, 存在論的カテゴリーの変化がもたらされる。「現実世界」のみならず「思考世界」においても,「科学的概念を説明する決定的な事象」,「科学的概念に関連する適切な他の概念」として, 科学的概念がなぜ適切なのかが, 多角的視点から一貫性を持って保証されることで, 真の科学的概念の理解が深まっていく可能性が示唆された。
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  • 松尾 剛, 丸野 俊一
    56 巻 (2008) 1 号 p. 104-115
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,(1) 児童が学び取っている, 話し合いを支えるGR (グラウンド・ルール) の意味,(2) その学びの契機になったと考えられる授業実践の特徴, の2点を明らかにすることであった。学年進行に伴ってそれまでと異なった授業観をもった教師が担任となった6年生1学級 (女児12名, 男児10名) を対象に, 質問紙調査, インタビュー調査, 国語の授業観察を行った。質問紙およびインタビュー調査から,(1) 考えのわずかな違いも重要だと考えるようになった,(2) 自分の意見にこだわり, じっくりと考えることで学びが深まることを実感した,(3) 他者の考えを聞いて学ぶことが重要であると考えるようになった, などの学びが児童に生じていたことが示された。さらに第5学年時と比較しながら第6学年時の授業過程を検討した結果,(1) 視点の多様性と違いをもとにした学びの深まり,(2) 全ての児童を学習の主体とする談話の場づくり, という特徴が学びの契機となっていたことが示唆された。教師は, リヴォイシングなどの談話方略を用いて, 児童が他者の考え方を共有し, その視点から各自の立場を考えなおすような機会を授業に生成していた。
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  • 遠藤 愛
    56 巻 (2008) 1 号 p. 116-126
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 特殊学級の教師を対象に, 自閉性障害と診断された生徒に対する指導行動を改善する上で有効なフィードバックの検討を行った。具体的には, 教師の抵抗感を高めないことを考慮し, 教師の指導行動を評価対象とせず, 教師の指導場面に類例した「放課後支援」を実施する学生支援スタッフの指導場面を評価対象として, 教師に対し2種類の間接的フィードバック (書面によるフィードバックとビデオによるフィードバック) を実施した。その結果, ビデオによるフィードバックの導入後, 教師の指導行動が肯定的に変容し, 対象生徒の行動も改善した。同時に, 教師が行った特定の生徒への指導により, 指導効果が期待されていなかった他生徒にも積極的な授業参加が認められた。
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  • 中山 留美子
    56 巻 (2008) 1 号 p. 127-141
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    青年の自己愛傾向が注目され, 近年国内外において多くの研究がなされるようになった。しかし一方で, それらを概観し, 知見を統合する試みはほとんどなされていない。本稿は, 正常な人格における (特に青年の) 自己愛について, 主に自己愛人格目録 (NPI) を用いてなされた実証的な先行研究を扱い, 自己調整的な枠組みから, 自己愛に関してこれまでに明らかになってきた知見を整理することを目的とした。そのなかで,(自我) 脅威を調整変数として捉えることの重要性が議論され, これまでの研究の問題点や今後の研究の方向性が議論された。また, 本稿では脅威を調整変数として位置づけることにより, 自己調整的な視点から自己愛を理解するための新たなプロセスモデルを提案した。おわりに, 青年の自己愛の意味および適応性について検討するための枠組みとしての本モデルの有効性について議論した。
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