教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
Print ISSN : 0021-5015
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62 巻 , 3 号
教育心理学研究
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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原著
  • 木村 真人, 梅垣 佑介, 水野 治久
    62 巻 (2014) 3 号 p. 173-186
    公開日: 2015/03/27
    ジャーナル フリー
     本研究では, 大学生の抑うつおよび自殺念慮の問題に関する学生相談機関への援助要請行動のプロセスに焦点をあて, その特徴を明らかにするとともに, 援助要請行動のプロセスにおける各段階の意思決定に関連する要因を検討した。大学生を対象に, 場面想定法を用いて抑うつおよび自殺念慮の問題を抱えた際の援助要請行動, 問題の深刻度の評価, 援助要請に対する態度, 自尊感情, 精神的健康度, ソーシャル・サポート, デモグラフィック変数について尋ねる質問紙調査を実施し, 758名からの有効回答を得た。ロジスティック回帰分析を実施した結果, 援助要請を検討する段階では性別(女性), ソーシャル・サポート, 問題の深刻度の評価が関連を示した。学生相談機関への援助要請行動の段階では, 問題の深刻度の評価, 援助要請に対する態度が関連を示し, さらに自殺念慮の問題では, 性別(男性)が関連を示した。得られた結果より, 援助要請行動のプロセスの観点からの, 大学生の精神的健康を目指した学生相談機関による介入方法について考察された。
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  • 藤原 健志, 村上 達也, 西村 多久磨, 濱口 佳和, 櫻井 茂男
    62 巻 (2014) 3 号 p. 187-196
    公開日: 2015/03/27
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 小学生を対象とした対人的感謝尺度を開発し, その信頼性と妥当性を検討することであった。小学4年生から6年生までの1,068名を対象とし, 対人的感謝, ポジティブ感情, ネガティブ感情, 共感性, 自己価値, 友人関係認知, 攻撃性を含む質問紙調査を実施した。主成分分析と確認的因子分析の結果, 1因子8項目から成る対人的感謝尺度が構成された。対人的感謝尺度は高いα係数を示し, 十分な内的一貫性が認められた。また, 対人的感謝尺度は当初の想定通り, ポジティブ感情や共感性, 友人関係の良好さと正の関連を, 攻撃性と負の関連を有していた。以上より, 対人的感謝尺度の併存的妥当性が確認された。さらに, 尺度得点については, 男女差が認められ, 女子の得点が男子の得点よりも有意に高かった。最後に, 本尺度の利用可能性について考察されるとともに, 今後の感謝研究に関して議論された。
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  • 篠ヶ谷 圭太
    62 巻 (2014) 3 号 p. 197-208
    公開日: 2015/03/27
    ジャーナル フリー
     本研究では, 高校英語において, 教師が学習者の予習方略使用や授業内方略使用, そして, それらの関連に与える影響について検討を行った。まず予備調査を行い高校の英文解釈の授業における教師の授業方略を測定する質問紙を作成し, 985名の高校1年生および2年生, また, その英語の授業を担当している15名の教師を対象として本調査を行った。階層線形モデルを用いた分析の結果, 授業中に教師が単語の解説や生徒の指名を多く行うほど, 学習者は辞書を調べておく, 他の人に聞くといった方法で予習を行うことが示された。また, 単語の解説や指名が多いと, 学習者の授業中のメモも増加することが示された。さらに, 本研究では, 予習時に自分なりに単語や文の意味を推測しておく方略(推測方略)の効果が教師の行う授業によって異なることも示され, 教師が単語の意味の成り立ちについて詳しく解説することで, 予習時の推測方略が授業内の学習に促進的に機能することが示された。
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  • 豊田 秀樹, 秋山 隆, 岩間 徳兼
    62 巻 (2014) 3 号 p. 209-225
    公開日: 2015/03/27
    ジャーナル フリー
     テストを構成している項目の性質を調べる際の有用な方法の一つとして項目特性図がある。項目特性図は設問項目における受験者の正答率を用いて, 当該項目がどのような性質, 特性を有していたのかを分析するための道具である。項目特性図作成の際に, 分析者は受験者を任意の数の群に分ける作業が必要となる。経験的に5群に分割されることが多いものの, 群数を決定するための明確な基準, 根拠は知られていない。群への分割数の選択について, 統計的な基準や根拠を与えることができれば, 項目特性図を用いて項目の性質を調べる上で便利である。本論文では項目特性図における情報量規準を用いた群数の選択法を論じる。シミュレーションを行い, 与えられた真の群数を推奨可能であることが示唆された。また, 実データへの適用例を通じて提案手法が妥当な群数を推奨可能であることを示す。
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  • 鈴木 雅之
    62 巻 (2014) 3 号 p. 226-239
    公開日: 2015/03/27
    ジャーナル フリー
     本研究では, 大学入試場面における競争の機能を高校生がどのように捉えているか, すなわちどのような受験競争観を有しているかについて検討を行った。また, 受験競争観によって学習動機や受験不安, 学習態度がどのように異なるかを検討した。まず予備調査を実施し, 受験競争観尺度を作成した結果, 受験競争観には, 心身の消耗や学習意欲の低下, 友人関係の悪化といった「消耗型競争観」と, 自己調整能力や学習意欲の向上, 友人関係の親密化といった「成長型競争観」の2つの側面があることが示唆された。そして高校2年生576名を対象に本調査を行った結果, 高校生は消耗型競争観よりも成長型競争観を強く有しており, 大学入試における競争をそれほど否定的には捉えておらず, むしろ肯定的に捉えている可能性が示唆された。さらに, 消耗型競争観を強く持つ学習者ほど外的な学習動機や受験不安が高い一方で, 成長型競争観を強く持つ学習者ほど学習の価値を内在化し, 受験を乗り越えるためだけの学習を取らない傾向にあることが示された。これにより, 大学入試における競争が学習者に与える影響は, 受験競争観によって異なることが示唆された。
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  • 浅野 良輔, 吉田 俊和
    62 巻 (2014) 3 号 p. 240-252
    公開日: 2015/03/27
    ジャーナル フリー
     知覚された情緒的サポートには, 個人のストレスを低減したり健康を維持したりするだけでなく, 個人の目標追求をうながす効果もある。本論文では, 知覚された目標サポート尺度(Molden, Lucas, Finkel, Kumashiro, & Rusbult, 2009)の日本語版を作成し, その構成概念妥当性を検討した。大学生の異性友人関係(n=173)と同性友人関係(n=211)を対象とした質問紙調査を行った。多母集団確認的因子分析を行った結果, 予測通り, 日本語版知覚された目標サポート尺度は, 促進焦点目標サポートと予防焦点目標サポートの2因子からなることが明らかとなった。これら2つの下位尺度の内的整合性は, 十分に高いことが確認された。下位尺度得点についてはいずれも, 異性友人関係よりも同性友人関係において高く, 男性よりも女性において高かった。情緒的サポートや道具的サポート, 相互作用多様性, 親密性, 対人ストレッサー, 主観的幸福感といった同時に測定した外的基準との関連が, おおむね確かめられた。また, 2つの下位尺度の2週間を通じた安定性や, 2週間後に測定した親密性や主観的幸福感の尺度との関連についても確認することができた。知覚された目標サポートをめぐる心理学的研究や実践的応用について議論した。
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