てんかん焦点の組織学的研究において完成された焦点の観察も重要であるが, 焦点完成までの経時的組織変化および焦点形成に関与した物質の脳内・細胞内作用場所の同定も重要であると考えられ, 本実験を行った。
塩化第一鉄, フェリチンを脳内に注入し, 慢性焦点性てんかんモデルを作製し, 光顕, 電顕などを用い焦点を観察した結果, 神経細胞内には, paired cisternaeの出現, 神経膠細胞には微細繊維の増加などの所見を得た。
鉄の局在に関しては, 神経細胞, 神経膠細胞細胞質内から, 二次的ライソゾーム内にとり込まれ, 終生細胞内に鉄が留まると考えられた。これらの結果より, 形態学的側面よりみた, てんかん波出現に関する考察を試みた。
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