作用機序の異なる4種類のGABA系作動薬の急性抗けいれん効果について, ネコの扁桃核および海馬を焦点としたキンドリングモデルを用いて, 系統的比較研究を行った。
1) 選択的GABA受容体作動薬のprogabideは, 非中毒量において扁桃核, 海馬キンドリングの2次性全般化発作を抑制し, 中毒量では部分発作と後発射を強力に抑制した。
2) GABA再取り込み阻害薬のSKF89976Aは, 扁桃核, 海馬キンドリングの発作段階を用量依存的に抑制し, 中毒量で後発射の出現を阻止したが, その際ミオクローヌス様発作と突発波が惹起された。
3) GABA分解酵素阻害薬のγ-vinyl-GABA (GVG) は, 非中毒量で編桃核, 海馬キンドリングの発作段階のみを投与後4ないし24時間で用量依存的に抑制し, 特に2次性全般化を阻止した。
4) 選択的GABA-B受容体作動薬のbadofenは, 扁桃核キンドリング発作に対し抗けいれん効果を認めなかった。
以上の結果から, 中枢神経系のGABA-A受容体に関連した抑制機構を強化する薬物は, 辺縁系発作と2次性全般化のコントロールに有効であることが結論された。
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